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2023年09月04日

【勉強法】『勉強嫌いでもドハマりする勉強麻薬』海外塾講師ヒラ


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勉強嫌いでもドハマりする勉強麻薬


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の未読本・気になる本の記事の中でも、人気が高かった勉強本。

YouTubeで活躍されている、「海外塾講師ヒラ」さんの商業出版デビュー作になります。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「勉強依存」とは、勉強することがあたりまえになり、勉強になんの抵抗感も持たなくなり、勉強時間を自分から勝手に増やすようになっていくブースト状態のこと。
資格試験・独学・英会話・受験……、当然のこと、勉強しなければ到達しえない目標達成までの最短距離を突っ走り、依存前には想像もできなかった報酬を得ることができるのです。
では、いかにすれば勉強麻薬を摂取し、勉強依存状態になることができるのか?
これまで1000人以上の生徒を直接指導し、勉強依存にしてしまった著者が、再現性が担保された、多くの方々に当てはまる実践的かつ汎用性のある方法を本書で伝えます。

中古価格が定価を上回っている一方、Kindle版は当初より値下がりして、「26%OFF」とさらにお買い得になっています!






Clean Study Bag / The Master Shake Signal


【ポイント】

■1.自問自答で情熱の火を絶やさない
「自分の理想は何だ? では今はどうか?」
 これを毎日毎日意識的に問い続けるのです。この自問自答を繰り返すことで理想と現実の差を埋める方法がおぼろげながら見えてきます。
「理想は〇〇」「現実は △△」と答えた時点でそこには「差」があります。
「どうやって差を埋めようか?」
 自問自答によりおのずと理想と現実の差を埋めるための方法を探そうとするのです。
 お気づきでしょうか? ここまで来ればもう、「勉強することが前提」の思考になっています。理想と現実を考えられるので理想と現実を埋める結果を出すための勉強、結果を出すための思考ができるようになっています。
 だから、毎日毎日、自問自答してください。日々頭の中で何を考えているかでこれからの行動は大きく変わります。


■2.教材に触れている時間を倍にする
スマホやゲームに依存するのは触れている時間が長いからです。とんでもない時間を投入しているからハマり、沼り、依存していくのです。
 だったら、同じことをすればいいのです。ずっと密着させ、触れ続けてください。以上です。具体的には、これまでの倍触れてください。
 これまで英単語帳に30分触れていたなら60分触れてください。問題集に1時間触れていたなら2時間触れてください。このように触れる時間を倍にすれば、理論上は倍のスピードで依存していきます。
 そのために重要なことは、「時間を明確にすること」です。「密着させたものに触れる時間がどれくらいか」を把握していないと、そもそも倍の時間を設定できませんからね。自分の現状を数値化しておいてください。密着させた勉強アイテムに触れている時間を計るクセをつけるのです。


■3.解答根拠を言語化する
 重要なキーワードは「言語化」です。ズバッと言ってしまうと「言語化できる生徒が伸び、言語化できない生徒は伸びない」ということです。言語化とは「問題の解法を言葉で説明すること」を意味します。言語化できないことは、本当の意味で理解していないというのが私の考えです。(中略)
 さらにそこから「なぜそう考えたのか?」という理由を言語化することも重要です。「この答えは○○という理由で △△ になる」と言語化できてこその正解です。これを「解答根拠」と言います。(中略)
 そのためにも解答根拠を考え続けること。暗記していれば答えられる問題以外は問題から答えまでの過程に解答根拠が存在するので、それを言語化することです。そうすれば自信を持って解答できますし、予想から大きくはずれることなく、安定した点数が獲得できます。


■4.日々の勉強における「ゴール」を設定する
 進捗記録勉強法で最も重要なことは「ゴールを設定すること」です。
 ゴールを設定するから「現在地」と「目的地」が明確になり、点と点を線で結んだ勉強ができるようになります。
 もちろん最終的なゴールは「〇〇合格」ですが、そのために必要なことは問題集を極めることです。
問題集を極める → 問題集と似た問題が試験で出題される → 正解する
 この流れで勉強していくことで合格に近づきます。
 なのでここでは「〇〇合格」という目標よりは具体的な「問題集を極めること」、その計画を立て、計画表をもとに進捗管理を細かくしていくことが合格に向かう勉強になります。
 日々の勉強におけるゴールの例をあげましょう。
● 問題集を3カ月で5周して極めている。
● 英単語帳を2カ月で4周して極めている。
● 参考書を6カ月で7周して極めている。
 このように「期限」と「周回数」を設定します。
 ちなみに「極めている」とは「自力ですべての問題の解答根拠が説明でき、解けている状態」です。


■5.手をつければ勝ち
 私の生徒からこんなことを言われたことがあります。
「図書館に行きさえすればもう勝ちです」
「図書館に行く」という「やる」が達成できれば作業興奮が働き、勉強し続けられるとのことでした。「図書館に朝行ったら、もう夜まで勉強できます」とも言っていました。
 長時間勉強できる人、勉強依存を実現する人は、「はじめ」に最もエネルギーを傾けます。彼らは「はじめ」が最も重要であり、「はじめ」をクリアすれば、あとは自動的に勉強が続くことがわかっているのです。
 これからは作業興奮を出しまくってください。そのためには「ちょっとやる習慣」をつくることです。(中略)
「ちょっと」を大切にしてください。ダラダラ勉強してもいいです。1分しか勉強しなくてもいいです。テレビを見ながら勉強してもいいです。方法や手段はどうでもいいのです。
 ただやればいい。少しでも作業すればあなたは勝ちます。そして、やる気が不要になります。


【感想】

◆タイトルの「勉強麻薬」という強烈なフレーズが気になって読んでみましたが、さすがに内容紹介にある「勉強なしでは生きられない体になってしまう」というフレーズは、ちと盛りすぎかな、と言わざるを得ず。

どちらかというと、勉強に対する心理的抵抗を極力下げて、自然に勉強するようになる状態づくり、といったところでしょうか。

その結果、一般的な勉強本で収録されているような勉強や記憶のテクニックは少なめで、スケジューリングやモチベーションといった、マネジメント系の話題が中心です。

もちろん、どんな勉強テクニックを知っていても、やる気がなかったり、期限(本番等)に間に合わなかったら意味がないですから、こういったTIPSも大事でしょう。

ただ、大昔に読んだこちらの本では、真の意味での「勉強法」とそれ以外の「TIPS」が区別されていないことが、多くの勉強本での問題点として挙げていた記憶が……。

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試験勉強の技術―東大・司法試験に一発合格

参考記事:【再びオススメ】「試験勉強の技術―東大・司法試験に一発合格」柴田孝之(2010年03月18日)

ですから、本書のようなタイプの本は、ガチガチの戦術(勉強テクニック)本と併用すると良いと思います。


◆さて、具体的に中身を見ていくと、まず第1章では本書のテーマでもある「勉強麻薬」の4大成分(「情熱」「密着」「達成」「環境」)のうち、「情熱」にフォーカス。

上記ポイントの1番目にあるように、「理想」と「現実」を自問自答していくことになります。

よく「理想」を思い描くことを推奨する作品は多いですが、同時に「現実」も見据えることで、その「差」を意識するのがミソかと。

また続く第2章では「密着」に言及しており、まさに本書のタイトルにもある「麻薬」=「依存」を目指します。

そのためには、上記ポイントの2番目のように「時間を倍にする」のが手っ取り早いでしょう。

ちなみに本書のスタンスとしては、「たくさん勉強するから質を上げていける」というように、まず「量」の確保を目指しており、これは私も同意です。

やはりある程度「量」をこなさないと、「質」は伴わないものなんですよね。


◆このままだと「4大成分」の話だけで終わってしまいそうなので、少し飛んで第5章から抜き出したのが、上記ポイントの3番目。

確かに「たまたまできた」のとは違って、「言語化」できていれば、再現性があります。

なお、ここでいう「言語化」とは、いわゆる「肝(きも)」のことであり、「この問題の肝(ポイント)は○○です」と答えられれば良いとのこと。

さらに第6章を丸々費やして触れられているのが、上記ポイントの4番目の冒頭に出てくる「進捗記録勉強法」です。

こちらは「勉強記録」ではなく「進捗記録」であるのがミソ。

教材の回転数と期限を設定して、それに沿って勉強していきます。

具体的なフォーマットも本書には収録されていますから、これを参考にしてご自分の「週間進捗記録」を作成し、実践してみて下さい(詳細は本書を)。


◆ところでここまでは上記で触れたように、マネジメント系の話が中心ですが、最後の第7章と第8章は、テクニカルな話が登場します。

前者は「もっと脳汁が出る依存を深める心理テクニック6選」、後者は「勉強ジャンキーたちのヤバすぎる勉強法7選」ということで、これまた章題がちょっと煽り系なのは置いといて。

なお上記ポイントの5番目は、その第7章からであり、いわゆる「作業興奮」として皆さんご存じだと思います。

ただ、「図書館に行きさえすればもう勝ち」というのは、「作業」にしてはかなり大がかりですけど、言ってることはごもっとも。

ウチのムスコも、とりあえず図書館に行けば、ゲームをしないで勉強しているようです。

一方、最後の第8章は、マユツバな勉強法もある中、自分で問題と答えを間を空けて録音して、それを聞いて答えが出る前に解答するという「録音勉強法」は、なかなか効果がありそうな。

その際、こちらのアプリがオススメだそうです。

PCM録音 - Google Play のアプリ


勉強にハマりたい方なら要チェック!

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勉強嫌いでもドハマりする勉強麻薬
第1章 たぎる「情熱」がすべての原動力 *「勉強麻薬」の4大成分
第2章 勉強しないと禁断症状が出る「密着」 *「勉強麻薬」の4大成分
第3章 脳汁プシューでやみつきになる「達成」 *「勉強麻薬」の4大成分
第4章 勉強は「環境」が9割 *「勉強麻薬」の4大成分
第5章 やめられない・逃れられない4大成分の使い方
第6章 人格までも改造してしまう進捗記録勉強法
第7章 もっと脳汁が出る依存を深める心理テクニック6選
第8章 勉強ジャンキーたちのヤバすぎる勉強法7選


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【勉強法】『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』加藤俊徳(2022年11月11日)

【再びオススメ】「試験勉強の技術―東大・司法試験に一発合格」柴田孝之(2010年03月18日)


【編集後記】

◆一昨日の「幻冬舎電本フェス本祭」の記事で人気が高かったのはこの辺の作品でした(順不同)。

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イノベーション道場 極限まで思考し、人を巻き込む極意 (幻冬舎単行本)

参考記事:【イノベーション】『イノベーション道場 極限まで思考し、人を巻き込む極意』高岡浩三(2023年02月13日)

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夢と金 (幻冬舎単行本)

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大きな嘘の木の下で 〜僕がOWNDAYSを経営しながら考えていた10のウソ。〜 (NewsPicks Book)

参考記事:【自己啓発?】『大きな嘘の木の下で 〜僕がOWNDAYSを経営しながら考えていた10のウソ。〜』田中修治(2020年05月31日)

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心を開かせる技術 AV女優から元赤軍派議長まで (幻冬舎新書)

よろしければご参考まで!


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