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2023年08月28日

【影響力?】『人の心を強く引きつける技術 ──存在感を示し相手の印象に残る方法』オリビア・フォックス・カバン


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人の心を強く引きつける技術 ──存在感を示し相手の印象に残る方法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本ビジネス書キャンペーン」における注目作。

ただし、版元であるパンローリングさんの分をまだ記事にしていませんので、当ブログでは初登場となります。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「魅力的な人」にあなたもなれる!
存在感・力強さ・思いやりを惜しみなく発揮する知識とテクニックが満載

中古に送料を加算すると定価を超えますから、このKindle版が1000円弱お買い得です!






tim-cook-steve-jobs / thetaxhaven


【ポイント】

■1.会話に集中するための3つのテクニック
(1)音……周囲の音に耳を澄ませる。私が教わった瞑想の先生から言葉を借りると、「自分の耳が、受動的かつ客観的に音を記録する衛星放送のアンテナになったようにイメージする」
(2)呼吸……息を吸って吐くとき、鼻孔やおなかに生じる感覚や呼吸に意識を集中する。一度にひとつの呼吸に意識を向けながら、1回の呼吸ごとにあらゆることに気がつくよう心がける。自分の呼吸が細心の注意を払いたい誰かだとイメージする
(3)つま先……つま先の感覚に意識を集中する。そうすることによって、気持ちが身体じゅうに広がっていき、その瞬間の身体感覚に集中できるようになる


■2.ステージに上がる直前に視覚化する
 私はプロフェッショナルとして人前で話すようになって15年たつが、たとえ30秒しか視覚化しなくても、私のパフォーマンスには大きな違いが生まれるとわかった。ステージの上から人を魅了できるかどうかに多大な影響があるのだ。実際、ステージに上がる直前に視覚化をしなかったときはいつも後悔する。そのスピーチを熟知しているときでさえ、確実に人を引きつける精神状態になるために視覚化を行う価値はある。
 視覚化の効果を最大限発揮するために、私は現場に早く到着するようにして、ステージのまわりを歩き、その場所に慣れるようにする。ぴったりの音楽を持参し、ステージ上のその場で視覚化を始める。その環境と、自信に満ちて成功した気分を結びつけるためだ。気分が高揚し、元気になる曲を聴きながら、心の中で映像を思い描く。申し分なくスピーチが進み、自信たっぷりに私がステージを横切ると、興奮した観客の反応が見聞きできる。その様子をありありとイメージする。


■3.適切なカリスマ性で振舞う
 ここで重要なのは、自分の性格のいろいろな面に触れて、それを表すのに慣れることだ。誰でもある程度の優しさといくらかの権威を内に秘めている。それぞれのスタイルを実践していくうちに少しずつ自然になっていく。しっかりと演習を重ねれば、そうしたふるまいは歯を磨くのと同じぐらい自然になる。
 あるカリスマ性の状態から別の状態に流れるように変えられるだけでなく、うまく組み合わせることもできる。権威のカリスマ性にいくらか優しさを加えたり、フォーカスのカリスマ性に自信に満ちた威信を足したりという具合に。ウィンフリーはひとつのインタビューの間にフォーカスと優しさ、時にはビジョナリーのカリスマ性も発揮してみせる。
 クリントンとオバマはビジョナリーのカリスマ性を体現している。2人にはいくらか権威のカリスマ性もある。だが、オバマはフォーカスのカリスマ性でリードする。オバマに会った人は、彼は明らかに知的で、誰であろうと目の前の人にしっかりと意識を向けると言う。一方、クリントンは思いやりでリードする。彼は「とてつもなく共感する」ことで有名だ。


■4.答える前に2秒間を置く
 誰かが話をしたら、まず自分の表情が反応しているかを確かめよう。相手の発言を理解していることと、そのすばらしい意見が考慮に値することを示す。それから2秒して、返答する。順番は次のようになる。
◎相手が言い終わる
◎あなたは表情で理解を示す
◎表情で反応する
◎そこで初めて、返答する
 こうするのが簡単だと言っているわけではない。その2秒間に落ちつかない気分を味わうし、相手がどう思っているかわからず不安なので、沈黙に耐えるだけの自信が必要だ。だが、それだけの価値はある。何人もの私のクライアントが、このシンプルなテクニックには大きな影響があったと言ってくれた。相手から肩の力が抜け、理解されたと感じているように見え、さらに意見を交わして打ち解けようとしてくれたのだ。たった2秒耐えるだけで大きな見返りがある。


■5.声を調整する
(1) ゆっくり話す。神経質にキーキーと早口でまくし立てる10代の話し方と、判決を下す裁判官の落ちつきのある、親身な口調の対比を想像する
(2)間をとる。自信が伝わってくる人は話しているときに間をとることが多い。文と文の間、あるいは文の途中でさえ、1,2秒の間をとるのだ。こうすると、自分の力に自信があるので誰にも話を遮られないと確信している、という感情が伝わる
(3)声の調子を下げる。質問するとき最後に声がどのように上がるかをご存じだろうか?この文をもう一度読んでみて、自分の声の語尾が上がるのを聞いてみればいい。では、裁判官が「本件はこれで閉廷します」と宣言するのを想像しよう。締めの言葉がどのような調子で下がるかを感じるのだ。文の最後で声を下げると、力強さが伝わる。(中略)
(4)呼吸を確かめる。おなかに深く息を吸い込み、口からではなく鼻から呼吸するようにする。口から呼吸すると、あえいでいて不安そうに聞こえてしまう


【感想】

◆テクニカルなTIPSを数多く収録した作品でした。

もちろん、この手の「人を動かす」「人に好かれる」「影響を与える」「交渉に勝つ」的な作品は、当ブログでは大量にご紹介してきましたし、そちらに同じ、ないしは似たようなテクニックがなかったわけではありません。

それでも結果的にハイライトを引きまくるハメになりましたから、その充実ぶりはご理解いただきたく。

ただし、上記ポイントの3番目で唐突にでてきたカリスマ性の種類については、「フォーカス」「先見性(ビジョナリー)」「優しさ」「権威」と4つあり、それぞれの特徴やそれらの「育み方」を挙げていったら、とてもじゃないですがそれだけで1つの記事になってしまうので、とりあえず割愛しました(詳細は本書を)。

いや、それにしてもアメリカの大統領ごとに、こういった違いがある、というのは、非常に興味深かったです。

なお、その人ごとの特徴とは別に、状況ごとに適したカリスマ性というのもある(「危機的状況」と「人を解雇する時」とで違うのは当然かと)ので、そこは臨機応変というところでしょうか。


◆さて、最初に戻って上記ポイントの1番目の「集中力」。

人の心を引きつけるのに、なんで集中力がいるのか、とお思いかもしれませんが、実は誰かと会話しているときに、「心あらず」の状態になると、相手にほぼ見抜かれるのだそうです。
 誰かと会っているときにうわの空だと、目がぼんやりとし、表情の変化が一瞬遅れる可能性が高い。人間はたった1000分の17秒で表情を読み取るため、ほんのわずかに反応が遅れただけでも、相手に気づかれてしまう。
何とかごまかせそうな気もしますが、無意識レベルではバレてしまうのだとか。

すると、相手の心も引きつけることができなくなってしまいます。

ちなみにこの中で、本書の他の部分で繰り返し登場するのが、(3)のつま先。

今度会話中に上の空になりかけたら、本書を参考にして、つま先に意識を集中してみてください。


◆また、上記ポイントの2番目の「視覚化」(イメージ)は、類書でも見かけるものかと。

ただし、通り一遍で述べられたものではなく、著者のカバン氏の場合、かなり前向きに実践されているようです。

と言いますか、「これをやっていない講演家のほうがめずらしい」そうですから、今まで実践されてない方も、この機会にご検討ください。

なお、不安を感じたりした場合には、「20秒もハグをすればオキシトシンが血管をめぐり、同じ効果が想像でも得られる」とのこと。

大切な方がいるなら、しっかりと抱きしめ(られ)ることを想像してみると良いかもしれません。


◆そして1つ飛んだ上記ポイントの4番目の「2秒間を置く」というのは、なかなか高度なテクニックではないか、と。

実際、プレゼンや講演ならともかく、会話中の2秒ですと、私のような早口には「放送事故」レベルで限界だと思います。

しかも、合間に「表情で理解を示す」&「表情で反応する」という作業も挟むワケですから、かなりの無理ゲー。

ただし、著者いわく
これは、相手に知的だと感じさせ、関心を引き、あなたを印象づける簡単な方法だ
とのこと。

……著者のクライアントが「大きな影響があった」と言ってますし、機会があれば試してみますか(やや後ろ向き)。


◆なお、この上記ポイントの4番目と一部かぶるのが、上記ポイントの5番目。

ここでは「声」の調整について触れられているのですが、ゆっくり目に話すと良いことは、類書でも推奨されていました。

確かに極端にゆっくり話すのでもない限り、ゆっくり目に話す人の方が自信があるように感じます。

ただ、「文の最後で声を下げると、力強さが伝わる」という指摘は、初めて見ましたし、今まで意識したことがありませんでした。

なるほど、多くのクライアントを生まれ変わらせてきた(特に最後の「おわりに」に登場するジェームズ氏は劇的でした)だけあって、その効果はかなり期待できそうな。


自分の影響力を発揮したい方なら必読です!

B0BHKMYP59
人の心を強く引きつける技術 ──存在感を示し相手の印象に残る方法
人を引きつける力
人を引きつける行動
存在感、力強さ、思いやりを妨げるもの
魅力の障害を乗り越える
人を魅了する精神状態になる
カリスマ性のスタイル
人の心をつかむ第一印象
人を引きつける話し方と聞き方
人を引きつけるボディランゲージ
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緊急事態で発揮される魅力
人を魅了する人の生活


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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早く正しく決める技術

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【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle本ビジネス書キャンペーン」の日経BP分の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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設計マネジメントの教科書

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実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス (日本経済新聞出版)

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エネルギー産業2030への戦略 Utility3.0を実装する (日本経済新聞出版)

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関西スーパー争奪 ドキュメント 混迷の200日 (日本経済新聞出版)

よろしければご参考まで!


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