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2023年08月06日

【生産性?】『その仕事、生産性ゼロです』山本大平


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その仕事、生産性ゼロです


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本ポイントキャンペーン」の中でも人気の高い仕事術本。

当ブログでは昨年末に立て続けに著作をレビューしている、山本大平さんの最新作になります。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
10万部突破『トヨタの会議は30分』著者が、誰でも簡単にできる「仕事の生産性の上げ方」を教えます!
あなたのその仕事のやり方、実は間違いだらけです!
トヨタ、TBS、アクセンチュア出身の戦略コンサルタントが500人の仕事の悩みを42個のTipsで解決。
Q&Q方式なので気になる箇所からサクッと読めて、すぐわかります!

6月に出たばかりで中古がまだ高いため、送料を合わせるとKindle版が700円弱お買い得となります!






Hard work / tinekoldgundersen


【ポイント】

■1.「報連」のための会議は生産性ゼロ
  例えば、「報連相」(=報告・連絡・相談)という言葉がありますよね。このうち、「報告」と「連絡」のためには会議開催の必要がない場合がほとんどです。今の時代はGoogle Driveに情報を載せて共有する、Slackなどのチャットツールを使うなどの方法で「報告」と「連絡」はできてしまう。
 そう考えると、会議が必要になるのは、残る「相談」だけ。なので、会議を主催する側になるときは、その会議の目的や議題が、本当にわざわざ集まって相談すべきものなのかどうかをよく考えること。
 また、もし、あなたの呼ばれた会議が「報連」のためのものである場合は、主催者に開催理由を尋ね、出席する意義を感じなければ出ないという選択もありだと思います(もちろん、主催者に丁寧にコミュニケーションを取った上で、ですよ)。


■2.スケジュール表とTo Doリストの使い分け
基本的に「何時何分に何をする」といったスケジュールは、自分の都合では動かせない「相手」のいる予定を書きます。To Doの作業はその空き時間に「視える化」目的に書く、あるいは他者に会議を入れさせない目的で書けばいいのです。完全に固定化すべきは相手ありきの会議、セミナー、来客、取引先とのアポなど。これらは基本的にスケジュールが途中でズレることはありませんよね。
 ですので、
(1)「相手ありきの仕事」と「自分の作業」を切り分けてスケジュール表を使う
(2)To Doリストは自分だけの作業だけを書く(しかも重要なタスクだけ)
(3)相手ありきの予定が埋まったスケジュール表に(2)を自己防衛的に反映しておく
 がいいと思います。


■3.報告書を作る流れで発言する
(1)まず「何の話なのか」をはっきり伝えます。
(2)次に「聞き手・読み手に何をしてほしいのか」を明らかにします。承認してほしいのか、意見を聞きたいのか、決断を求めているのか、情報共有したいのか。
(3)そのうえで「結論」。あなたがどう思っているのか、どうしたいのかを表明します。
(4)最後に、結論に至った「論拠」を述べます。
(5)必要に応じて「補足」を入れます。
 会議中、あなたの頭に浮かんだアイデアを、その場で周囲に分かりやすく伝えなければならないというとき、この報告書の流れで話をまとめてみてください。何度か繰り返すうちにあなたの発言の型としていつでも使えるスキルになっているはずです。


■4.メールは箇条書き、ナンバリングで文字数を減らす 
相手の返信をラクにする配慮は、社内メールでも社外メールでも必要なことだと考えています。例えば、A案B案C案、日程(1)日程(2)日程(3)など、最初のメールで項目を分けてナンバリングをしておく。
 そうすれば次からは「B案に関して〜」とか「日程(2)なら可能です」とか「(3)でいきましょう」と話が早くなります。
 また、「実行」「開催」「再検討」「個別対応」…… など箇条書きを使うと、文字数を減少することができます。
 例えば、「○○に関して再検討していただきたいのですが、いかがでしょうか」 「△△については、個別対応させていただく所存です」ではなく、「○○再検討」「△△個別対応」などと書いて、最後に一文「上記で考えていますが、いかがでしょうか」と添えれば、失礼になることなく簡潔なメールが完成します。


■5.アイデアを生み出せないのは情報量が足りないから
 アイデアを生み出せるかどうかを決めるのは、脳のつくりとは関係なく、情報量ではないかと私は思っています。
 だから「才能がないんだな」と悲観する必要はありません。世の中には、いいアイデアを生み出せる人と生み出せない人がいるのではなく、情報量が豊富な人と情報量が足りない人がいるだけ。つまり、あなたがアイデアを生み出せないとしたら、情報量が足りないのだ、と考えればいいんです。
 もちろん、オモシロイことを次々に思いつく、発想力が豊かな人って確かにいます。その人はたくさんの情報を持っているのです。アイデアは何かと何かの組み合わせ。私はTBS時代に多くのクリエイターと会ってきましたが、ヒットメーカーのプロデューサーほど情報に対して貪欲な人が多いと感じていました。好奇心の塊と言い換えてもいいかもしれません。


【感想】

◆山本さんの過去作を読んでいる自分からしたら、納得の内容でした。

ただし、本書の大きな特徴は、全編Q&Aの形式をとっていることで、結果、過去作とは違った印象を受けた次第。

さて、実際に中身を見ていくと、まず会議については、そもそも上記ポイントの1番目にあるように、「報告」と「連絡」がその目的ならば、ほぼほぼ不要と言えるでしょう。

私も会社員だった頃、自分で会議を開く主な理由は、異なる部やグループ間での承認(了解)を得るためであり、事前に担当者レベルで感触を確かめた上で、「形だけの会議」を開いたものでした。

というか、こういうのは株主総会とか取締役会と同じで、形式的にでも承認された事実がないと、後からややこしくなるので……。


◆また、上記ポイントの2番目で「スケジュール表」とあるのは「Googleカレンダー」、「To Doリスト」とあるのは、「Google ToDo リスト」を指しています。

私自身、GoogleカレンダーもTo Doリストも使っていますが、お恥ずかしながら、Googleカレンダーを開きながら、隣にTo Doリストを並べられることを知りませんでした。

実はGmailに並べて「Google ToDo リスト」を使っているんですが、そもそも私の場合、用件のすべてをTo Doリストに打ち込んでいますから、カレンダーと並べると、形式が違うとはいえ、同じ内容が左右に表示されるワケでして。

そこで、上記ポイントの2番目にあるように、「相手がいるか否か」でカレンダーとTo Doリストを使い分けるのであれば、両者を並べる意義はありますし、これは結構「目からウロコ」でした。

ちなみにこの場合、To Doリストは「自分だけの作業を期限の早い順に並べる」そうで、後から飛び込んだ仕事の期限が早かったらどうするのか、と思ったのですが、今ドラッグ&ドロップを試してみたら、普通に順番変えられました(情弱乙)。


◆一方、上記ポイントの3番目の発言に関するTIPSは、小見出しにもあるように、元々は報告書を作る際のもの。

ここでは発言の仕方として紹介されていますが、実はもうちょっと後ろの方で、ほぼ同じパターンで報告書(状況報告書)の作り方として掲載されています。

しかもこの作りで「ほとんどの場合で実際に即決してもらうことができた」そうですから、その効果は保証付き。

山本さんは、最初に入社したトヨタ時代からこの報告書を作り続けており、今もクライアントさんから「他のコンサルより分かりやすい」と言われているのだそうです。

発言であれ、報告書であれ、ぜひ試してみなくては……。


◆さらに、長いメールを短くするのに有効なのが、上記ポイントの4番目のTIPS。

実は本書では、ビジネスメールの「悪い例」と「いい例」が掲載されており、私のメールはどう見ても「悪い例」に近かったです。

ただ、その「いい例」の方の書き方が、個人的にはなかなか抵抗が強くて。

たとえば解説の初っ端で、「1度やり取りしている相手なので、会社名は省略」なんてあるのですが、私の仕事上、クライアントにそんなラフなメールは出しにくいです。

その点、箇条書きやナンバリングなら、それほどマズくは無さげ。

こちらは今後、徐々にでも試してみるつもりです。


◆ところで本書の主たるテーマは、「生産性」なことはタイトルからも間違いないでしょう。

一方で、本書の第4章のテーマは「アイデア発想法」。

個人的には「アイデア発想」と「生産性」は、ある意味ベクトルが真逆のような気がするのですが、どうなんでしょうね?

ただ、それでも上記ポイントの5番目にあるように、「情報量が大事」というのは同意です。

特に「パロディ」や「オマージュ」のように「元ネタありき」のパターンは、それを知らないとどうしょうもないですし。

なお、第5章はモチベーションがテーマであり、こちらも生産性との関係は微妙な気がしましたが、やる気があった方が仕事がテキパキ片づくことを思えば、むしろ重要かと。


生産性を高めたい方なら、要チェックの1冊!

4296202138
その仕事、生産性ゼロです
第1章 生産性ゼロの仕事を手放してみる
第2章 生産性を確実に上げる仕事のやり方
第3章 ストレスは生産性の天敵!賢い人間関係構築法
第4章 感が混む時間がもったいない!ムダのないアイデア発想法
第5章 やる気がない…をなくす方法


【関連記事】

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【生産性?】『なぜ日本の会社は生産性が低いのか?』熊野英生(2019年01月21日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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認知心理学者が教える最適の学習法  ビジュアルガイドブック

当ブログの読者さんなら注目の学習本!

中古がほとんど値下がりしていませんから、Kindle版が1200円以上お得な計算です!


【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle本ポイントキャンペーン」の光文社&大和書房分の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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フリースタイル言語学

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世界を支配する人々だけが知っている10の方程式〜成功と権力を手にするための数学講座〜

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伝わるプレゼンの法則100

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食べる経済学

よろしければご参考まで!


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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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