2023年08月03日
【選択術】『勝間式 超ロジカル選択術 後悔しない自分になる!』勝間和代

勝間式 超ロジカル選択術 後悔しない自分になる!
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気の1冊。勝間和代さんの最新作のテーマは、「選択術」という当ブログでも人気のスキルでした。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
人生最大の無駄は「後悔」。その理由は過去は変えられないから――そんな明確な事実があるにも関わらず、多くの人にとっての悩みの大半は過去への後悔、未来に後悔したくないという感情だったりします。本書は勝間式のロジカルな解説で、後悔しない自分になれる思考を得て、それにそった選択ができるようになる本。
中古価格が定価を上回る一方、当初定価だったKindle版は「10%OFF」に値下げされています!

decisions / Impact Hub
【ポイント】
■1.どうせ後悔するなら、なるべく納得できる後悔にする私は、後悔最小法という表現をしています。どの選択肢をとったところで後悔するわけですから、より自分が受け入れやすい納得できる後悔にするための選択をしましょうということです。だからこそ、やらないことによって後悔が生じるような選択はなるべく避けます。
その上で、なるべく失敗やリスクをリカバリーできるようにバックアップ体制をとっておく。一定の確率で失敗することを見越して物事を組み立てておくという発想です。未来が不確実である以上、失敗する確率を完全に排除することは誰にもできないからです。
一番よくないのは、正しい決断をしなければと思うあまり、選択を先送りにすることです。多くの場合、選択を先送りにしても事態は悪化するばかりです。何もしない限り、時間の経過とともに、選択肢というのは減っていくからです。
■2.仕事を選ぶときにも、時間を味方につける
具体的には、年齢が味方をする仕事を選んだほうがいいという話です。若さが売りになる職種は、年齢とともに市場価値が減価してしまいます。
例えば女性アナウンサーは人気の職業ですが、日本のテレビを見る限り、活躍のピークは20代の間で、30代になると配置転換になったり、結婚して別のキャリアを歩んだりすることが多いようです。
もちろん20代で名前を売って独立する、報道畑に移ってジャーナリストとして活躍するといった青写真があればいいと思いますが、年齢とともに選択の幅を狭めてしまうのは、もったいない話です。
逆に、歳をとるほど有利になる仕事もあります。例えば医師や看護師などで、これは歳とともに蓄積される知識や経験が武器になるからです。
■3.将来の選択肢の幅を狭めてしまうもの=お金
私たちの判断を狂わせてしまうものには、お金不足、睡眠不足、そして依存があります。
銀行口座に残高がほとんどなく、支払いに頭を悩ませていたり、リボ払いなどで多重債務に陥り、月々の返済に追われていたりするような状況では、生活を快適なものにしようとか、将来に備えて投資しようといった余裕はありません。経済的な余裕ができることで、初めて自分の価値観を追求する余力が生まれます。
睡眠不足、あるいは、お酒や薬物に依存している状態も同じで、脳のほとんどがそのことで占められてしまうので、正しい判断ができなくなってしまいます。
よりよい決定には、4つ以上の選択肢を揃える。そして自分の基本的欲求を知った上で、最適と思われるものを選択する。これが勝間式 超ロジカル選択術の原則ですが、そのために大切なのは余裕率です。依存性のあるものに近寄らず、体の健康を保ち、経済的な余裕をもつことで、正しい選択が可能になります。
■4.相手を変えるのではなく「距離」を変える
この人とはちょっと合わないなと思うときには、相手を変えようとしても時間の無駄なので、そっと距離をとることをおすすめします。他人の行動や性格はコントロールできませんが、相手との距離は簡単に選択できるからです。
いつも誰かの悪口を言っている人に対して、悪口はやめてくれと言っても、徒労に終わることがほとんどです。その人は、何かしら理由があって悪口を言っているからです。
そんな相手と毎日過ごすのは苦痛でも、数年に一度、同窓会で会ったり、SNSでやりとりする程度であれば、問題ないかもしれません。
人間関係の悩みの多くは、相手との距離を適切にコントロールできないところから始まっています。
相手との距離を選ぶのは自分です。
■5.いつでも返品できるところで買う
勝間式 超ロジカル選択術の鉄則は、常にバックアッププランを用意することです。
私がAmazonで買い物するのは、選択肢が圧倒的に多いことに加えて、返品が簡単だからです。間違って購入してしまった場合、Amazonのサイト上で必要事項を入力するだけで、自宅まで取りに来てくれます。こちらですることは、二次元コードを発行して荷物に貼るだけです。
Amazonにしてみれば、返品理由を細かくヒアリングして審査するより、さっさと回収してリピートオーダーさせるほうが、運営面で合理的なのだと思います。1 選択肢を増やすこの勝間式 超ロジカル選択術の鉄則を満たすという点で、Amazonの右に出るところは、いまのところ見当たりません。
2 ベターな選択をしやすいように仕組み化する
3 常にバックアッププランを用意する
【感想】
◆いかにも勝間さんらしい、ロジカルな内容の作品でした。本書は下記目次にもあるように、各章ごとにそれぞれテーマに関する選択の考え方を指南するというもの。
そのベースとなるものの1つが、プロローグから抜き出した、上記ポイントの1番目の「後悔最小法」です。
つまり、先送りせずに選択をし、その際あらかじめ失敗等に備えて、バックアップ体制をとっておく次第。
ちなみに勝間さんが住宅ローンに反対なのは、多くの人にとって失敗したときのダメージが大きすぎるからだそうです。
またむしろ失敗確率が1割以下の人は、勝間さんいわく「後悔することが少ない代わりに、変化や成長もありません」とのこと。
……私たち税理士も、調査の際に税務署からまったく指摘も受けないような申告だと、むしろクライアントに払わなくても良い税金を払わせている可能性を危惧しなくては。
◆また、プロローグに続く本章が9つもあるので、そこからいくつかセレクトすると、まず第2章の時間の選択は外せないところ。
ただし上記ポイントの2番目にあるように、職業選択の際に「時間を味方につける」という視点は、私は意識したことがありませんでした。
これは確かに女性に顕著ですが、若いことが有利に働く職業があるのは否定できませんし、そういう職業に就くと、将来的な青写真がないといずれは行き詰ってしまうでしょうね。
男性でもスポーツ選手は同様の傾向がありますが、スポーツの種目によって、活動できる期間が極端に違うことを知っておくべきですし。
なお、この章でハイライトを引いた中で、触れておきたいのが勝間さんの「何かを選択するとき、2年後に死んでも100歳まで生きても後悔しないようにという基準をもつ」というTIPSでした。
特にお金について言えるのですが、結局いくつまで生きるか分からないので、あれこれ我慢してひたすらお金を使わない、という生活をしていて、逆に何らかの理由で余命が短かった場合、後悔してもしきれません。
ちなみに勝間さんの場合、若い頃ガブ飲みしていたコーヒーを断っていたのを、最近になって飲み始めたのだそうです。
そういえば私も、太るから、と極力我慢していたとんかつ定食が、最近一人前食べきれなくなったことが分かり、ちょっと後悔していたところでした。
◆また第3章の「お金の選択」から抜き出したのが、上記ポイントの3番目。
この「お金の余裕がないと、脳のほとんどがそのことで占められてしまうので、正しい判断ができなくなる」というお話は、以前レビューしたこちらの本でも指摘されていたことです。

いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学
参考記事:【オススメ!】『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学』センディル・ムッライナタン,エルダー・シャフィール(2015年03月01日)
何でも、上記の本で紹介されていた実験によると、貧困層にとって高額の経済的問題が頭にあると、その判断力は「一晩寝ない」以上の悪影響を受けるのだそう。
これはまさに本書のテーマである「選択術」に直接関係することですから、お金不足や睡眠不足の状態では、選択自体をしないことが正解と言えると思います。
◆一方、上記ポイントの4番目のお話は、第4章の「人間関係の選択」から引用したもの。
この「相手を変えるのではなく『距離』を変える」というのは、個人的には目からウロコでした。
確かに親族関係だと、縁を切りたくても切れなかったり、ご近所さんだと逃げることもできないでしょうから、「ゼロ⇔100」の関係になるより、距離を取るのが正解かと。
……逆に、相手から距離を取られているな、と思ったら、それを察するのも大人のマナーでしょう。
なお、割愛した中でフイたのが
よく「あなたのためを思って」と言う人がいます。これは、ほぼ自分のために言っていると思って間違いありません。という一節。
たとえ「あなたのためを思って」と言わなくても、今のようにSNSで気軽にコメントやリプができると、ついつい自分の息子や娘に対するように、他人に口を出す人の多いこと……。
◆また、第8章の「消費(もの)の選択」から抜き出したのが、上記ポイントの5番目なのですが、まさか今さら勝間さんがアマゾンを推してくるとは思いませんでした。
ただしその理由が「返品のしやすさ」だと知って、なるほどな、と。
実際私もつい最近、こちらのシャツのMを買ったのですが(なぜかアマゾンではLサイズが推奨されていたのですが)。

[カーハート] ポケット付き半袖Tシャツ メンズ CTK87 (S, ブルーストーン)
やたらと大きくて、サイズ変更を申し出たところ、今までだったら、ある程度時間が経ってクレカに返金されていたのが、返品され次第、即、アマゾンのポイントで戻ってきたという。
しかもヤマトさんの端末でQRコードを読み取ると、秒で伝票が打ち出され、それを荷物に貼れば終了ですから、私は営業所に持ち込んだのですが、入店してから1分ほどで終わったんじゃないでしょうか。
実はまだ他のネット店舗(ヨドバシ、楽天等)では返品をしたことがないのですが、この簡便さを上回るとは思えません(勝間さんの場合、自宅まで来てもらってますし)。
いずれにせよ本書は、ロジカルに選択する術をアドバイスしてくれるという点で、さすが勝間さん、と深く感じ入りました。
あれこれ迷いがちな方なら、一読の価値アリです!

勝間式 超ロジカル選択術 後悔しない自分になる!
プロローグ
第1章 自分軸をつくろう 〜価値観の選択〜
第2章 有限性を受け入れる 〜時間の選択〜
第3章 最強のマインドブロック 〜お金の選択〜
第4章 付き合う人で人生は変わる 〜人間関係の選択〜
第5章 狭い世界から抜け出す武器 〜知識の選択〜
第6章 絶対的最優先事項 〜健康の選択〜
第7章 感情に支配されずに生きる 〜感情の選択〜
第8章 快適さと欲望のはざま 〜消費(もの)の選択〜
第9章 私たちはどこへでも行ける 〜環境(仕事)の選択〜
おわりに 人生の時間を無駄にしないために
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
ユーザーインタビューのやさしい教科書
私もまだしたことも受けたこともない、ユーザーインタビューの解説書。
絶版なのか中古が異様に高くて、結果「499円」のKindle版が3500円(!?)以上お得な計算です。
【編集後記2】
◆一昨日の「Kindle本ポイントキャンペーン」の朝日新聞出版分の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。
天才はあきらめた (朝日文庫)

自分が高齢になるということ【完全版】 (朝日新書)

歴史の逆流 時代の分水嶺を読み解く (朝日新書)

傲慢と善良 (朝日文庫)
よろしければご参考まで!
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