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2023年07月03日

【知的生産術】『アウトプット思考 1の情報から10の答えを導き出すプロの技術』内田和成


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アウトプット思考 1の情報から10の答えを導き出すプロの技術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも一番人気だった、内田和成先生の最新作。

帯にあるように楠木建さんが「知的生産術の決定版」「これだけでいい」と激推ししている1冊です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
情報が氾濫する時代。「データはたくさん集めれば集めるほどいい」と考える人は多いだろう。
しかし、著者はそれを真っ向から否定し、「情報収集(インプット)は最小でいい」と主張する。大事なのはむしろアウトプットから逆算し、情報収集になるべく時間をかけず、最大の成果を上げるという視点。本書はそんな、コンサルタントとして、そして大学教授として活躍してきた著者の知的生産の技術を紹介する1冊だ。

相変わらず中古価格が定価を超えていますから、「15%OFF」のKindle版がお得です!





study hard! / ▓▒░ TORLEY ░▒▓


【ポイント】

■1.「とりあえずインプット」がむしろ、競争力を失わせる
 情報収集(インプット) の段階で差がつかないと、何が起こるのか。アウトプットがみな、似たり寄ったりのものになってしまうのだ。
「ESGについての情報をまとめ、レポートとして提出せよ」という課題が出たとする。多くの人はまず、グーグルやヤフーにて、この単語で検索をかけるだろう。すると、ウィキペディアをはじめとした複数のサイトが表示されるはずだ。あるいはSNSでハッシュタグ検索をする人もいるかもしれない。その結果、検索履歴により多少の違いはあるかもしれないが、ほぼ誰もが同じようなページをリコメンドされることになるだろう。
 もちろん、どの情報を活用し、どのように解釈したり、どの論点に力点を置くかで異なるタイプのレポートにはなるが、ある情報を手に入れることができるかできないかで差がつくことはない。
 結果として、どうしても似たようなレポートが多くなってしまう。つまり、「情報のインプット→それを踏まえてのアウトプット」というプロセスでは、ほとんど差がつかないということだ。


■2.「肌感覚」「俯瞰」「深掘り」という3つの視点で考える
 私はある情報に接したとき、それを3つの段階で考える。  
 まずは「肌感覚」でそれをつかむ。ミクロの視点と言ってもいいだろう。先ほどのマスクの事例で言えば、「地元のドラッグストアでマスクが売り切れている」といった情報だ。  
 その後、それをマクロで見る。俯瞰の視点と言ってもいい。「全国的にマスクが不足している」という情報や、国内のマスクの需要のデータなどがそれにあたるだろう。
 しかし、そこで終わってしまうと、「じゃあ、マスクを輸入すればいい」となって、実際に輸入品が届いた頃にはもう街にマスクが溢れている、という話になってしまう。
 大事なのはその先だ。肌感覚で得た情報をマクロで俯瞰し、その後もう一度「掘り下げる」。「なぜ、マスク不足が起きたのか」といった「why」の視点や、「この後、何が起こるのか」といった「so what」の視点が求められる。
 例えば、「むしろ機能が求められるはずだ」としていち早く高機能マスクの開発に取り組むとか、「きっと数カ月後にはマスクが供給過多になる」として、余ったマスクを二次流通させる仕組みを考える、などである。


■3.「ネガティブな情報」を意図的に集めよう
 例えば、ある新製品開発を進めるか否かの情報を集めるとする。これはいわゆる「意思決定の助けとなる情報」だ。だが、自分としてはこの新製品は絶対にうまくいくはずだと考えていると、無意識のうちにそれを後押しするような情報ばかり集めるか、あるいは都合の悪い情報を軽視してしまう可能性がある。そして、「市場規模は十分大きい」「我が社にはその分野に関する技術力がある」「競争相手はこの分野で我々に追いつくのは不可能だ」といった情報ばかりを集めてしまう。
 だからこそ、あえて懸念材料も集めるようにしておきたい。「市場はすでに成熟化して競争が激しい」「競合他社の技術力は我が社より劣るが、コスト競争力が圧倒的にある」などである。
 こうして、ポジティブな情報とネガティブな情報を並べたうえで、それでも進めるべきだと判断したら進める、というスタンスが重要なのだ。


■4.その発信は、「ぐるっと回って返ってくる」か?
 私はかつてはコンサルタントであり、その後は長らく大学の教員を務めていた。そういう立場で自分の考えを世の中に伝えていくには、本や講演以外にSNSが役に立つと思っている。だから使っている。
 一方で同じコンサルタントでも、クライアントに対して必要なアウトプットを提供すれば十分だと考える人もいる。(中略)
 どちらがいい、悪いではなく、あくまでスタンスの違いだ。
 言い換えれば、自分はなんのために情報発信を行うのか、あるいは人々は自分に何を期待しているのかに合わせて、発信の方法を決めていく必要があるということだ。
 ここで、先ほどの情報の流れを示したプロセス図をもう一度思い出してほしい(図5.1)。このプロセスは、相互につながっている。もし、発信することによって有益なコメントやフィードバックが得られ、ぐるっと回って情報収集に役立つとか、情報分析の深みが増すというのなら、SNSで発信することには意味があると言えるだろう。


■5.各メディアから情報を得る際のスタンス(抜粋)
●書籍
著者の意図ではなく、あくまで「自分にとって面白い情報」を探す。あるいは、特定のテーマについての情報を得る。気になった箇所は線を引いたり、付箋を立てたりする。
●雑誌
インタビュー記事などを中心に「1.5次情報」を得るために活用。気になった記事は切り抜いて「袋ファイル」に入れることも。
●新聞
基本はネタの収集。関係ない記事に寄り道することで、「スパーク」のきっかけに。気になった記事は切り抜いて「袋ファイル」にいれることも。
●ネット
あくまで「特定の情報の下調べ用」と割り切ったうえで活用。アイデアのためのネタ収集にはあまり向かないが、たまにSNSを見ることも。


【感想】

◆考えてみたら、当ブログでは内田先生の作品を結構ひいきにしており、少なくとも下記関連記事にもあるように、5冊はレビューしています。

そのうち本書は、アマゾンの内容紹介の最後にも記されているように、「『プロの知的生産術』に大幅な加筆・訂正を行い、1冊にまとめたもの」とのこと。

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プロの知的生産術 (PHPビジネス新書)

参考記事:【知的生産】『プロの知的生産術』内田和成(2011年11月22日)

ただ、この本が出たのが2011年ということで、コロナ禍よりはるかに前なため、本書では事例が差し替えられていたり、上記では取り上げなかったものの紹介されているガジェット系が新しくなっていたりします。

ただし、かつては実践していた「京大型カード」を批判していたり、情報収集に傾倒することをいさめている点は、上記作品を踏襲しており、例えば第1章から引用した上記ポイントの1番目のお話などは、その典型と言えるでしょう。


◆続く第2章では、アウトプットを意識した情報収集を推奨。

内田先生によると、情報には3つの目的があり、それは「意思決定の助けとなる情報」「アイデアの元となる情報」「コミュニケーションの手段としての情報」なのだそうです。

ちなみに2番目の「アイデアの元となる情報」について掘り下げたのが、個人的にもオススメだったこの作品。

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スパークする思考 右脳発想の独創力 (角川oneテーマ21)

参考記事:【コンサル的知的生産術】「スパークする思考 右脳発想の独創力」内田和成(2008年11月19日)

こちらは2008年秋に出ており、現在では絶版なのですが、中古が送料込みで1300円以上するという人気ぶりですから、興味のある方はお得なKindle版の方をご検討ください。

また、同じく第2章からは上記ポイントの2番目の「3つの視点」を抜き出しました。

内田先生いわく、どんな情報に接する際も「ミクロ」⇒「マクロ」⇒「掘り下げる」の順で見るようにするのだそうです。


◆一方第3章から引用したのが、上記ポイントの3番目のお話。

本書は一貫して「アウトプットを意識して情報と接すること」を強調しているのですが、このようなスタンスでいると「気づかないうちに『自分にとって都合のよい情報ばかりを集めてしまう』という危険性がある」のだとか。

……いや、何だかどこかの国であった「戦争で戦況が不利になってくると、上に不都合な情報を上げない」というのに近いですよね。

ただ、この章で他にハイライトを引いた部分として、「単なる『作業』はコピペでいい」というお話は気が楽になりました。

同様の理由で、そのまま自分のアウトプットとしない限りは、対話型AIの活用も、内田先生は賛成とのことです。


◆また1つ飛んだ第5章では、「デジタルとアナログの使い分け」がテーマ。

ここで内田先生は、「情報収集から情報発信に至るプロセスの一部に、アナログを取り入れる」ことを推奨していました。

その際、費用対効果を考えると「情報を足で稼ぐ」のが、「素人が一番勝ちやすい」のだそうです(詳細は本書を)。

もっとも、個人的に気になったのが、上記ポイントの4番目の「SNS」の扱い。

著作権の関係でご紹介できませんが、「図5.1」とは「インプット⇔アウトプット」の情報の流れの図になります。

なるほど、発信することで「情報収集に役立つとか、情報分析の深みが増す」のなら、ビジネスパーソンであっても、SNSを活用して良いのだな、と。


◆なお、第6章と第7章は、内田先生の情報源のお話になります。

そして上記ポイントの5番目は、第7章の「各種メディアとのつきあい方」をまとめたもの。

本書ではそれぞれについて、ページを割いていますから、こちらもご確認ください。

ただし、本来信頼性が高い1次情報すらも「疑ってかかるべき」とキッパリ。
例えば人事制度について、今後も正社員・終身雇用の流れがずっと続くというのなら、過去の人事担当者やOBから聞いた一次情報は有効である。だが、そのパラダイムが大きく変わろうとしているとき、もはや終身雇用制など意味がないというのなら、その一次情報の価値は途端に下がってしまう。
この辺は鮮度というというか、賞味期限も意識せよ、ということでしょうね。


コンサル流の知的生産術がここに!

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アウトプット思考 1の情報から10の答えを導き出すプロの技術
第1章 「インプット」では差がつかない時代
第2章 「アウトプット」から始める情報術
第3章 自分の「立ち位置」を意識することが、差別化の第一歩
第4章 知的生産の秘蔵ノウハウ「20の引き出し」
第5章 最もラクな差別化戦略「デジタルとアナログの使い分け」
第6章 私の情報源.灰鵐汽襯織鵐箸最も重視する「現場情報」の集め方
第7章 私の情報源⊃景后雑誌、本、テレビ、ネット……各種メディアとのつきあい方


【関連記事】

【知的生産】『プロの知的生産術』内田和成(2011年11月22日)

【コンサル的知的生産術】「スパークする思考 右脳発想の独創力」内田和成(2008年11月19日)

【思考術】『右脳思考』内田和成(2019年01月18日)

【行動変容?】『イノベーションの競争戦略―優れたイノベーターは0→1か? 横取りか?』内田和成(2022年11月17日)

【オススメ】「異業種競争戦略」内田和成(2010年02月04日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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【編集後記2】

◆一昨日の「講談社現代新書 教養の扉フェア」の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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「普通がいい」という病 (講談社現代新書)

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信頼学の教室 (講談社現代新書)

B08FMBKXQ1
問題発見力を鍛える (講談社現代新書)

参考記事:【問題発見】『問題発見力を鍛える』細谷 功(2020年08月21日)

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ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか (講談社現代新書)

参考記事:【BSJとは?】『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』酒井隆史(2022年05月05日)

よろしければ、ご参考まで!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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