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2023年06月23日

【ファシリテーション】『「超実践型」神ファシリ ファシリテーションこそがビジネスを制す最強スキル!』神宮つかさ


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「超実践型」神ファシリ ファシリテーションこそがビジネスを制す最強スキル!


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」の中でも、当ブログ向きの1冊。

著者である神宮つかささんは、中小企業診断士の資格を持つ、ファシリテーションコーチの方です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
どんな困難な議題でも全員納得の結論を導き出す超技法を習得できる実益書
会議を制する者がビジネスを制する。
なぜなら大事なことは会議で決まるから。
それにも拘わらず学校では教えてくれないファシリテーション。そのスキルを体系的に学ぶことで、ビジネスパーソンとして、一段上のレベルに上がることができます。
この本は、「ファシリテーションに悩みを抱えるビジネスパーソンが、会議を楽に自信を持って司会進行できる方法」を書いた実用書です。

版元がごきげんビジネス出版さんということで、元からKindle版はお値打ち価格なんですが、さらにこのセールでは「440円」という激安設定のため、1200円以上お買い得となります!





Business Presentations / Bovee and Thill


【ポイント】

■1.「As is, To be」(現状とありたい姿)
「As is」とは現状という意味です。現状、何が問題なのか。何を改善すべきなのかをはじめに考えます。
「To be」とはありたい姿(あるべき姿)という意味です。「As is」をシンプルに裏返して、○○な状態という言葉で表現しましょう。練習問題の場合の「As is」と「To be」は次のとおりです。
「As is」=時間内に会議が終わらない。
「To be」=時間内に会議が終えられる状態。(深く考えずにAs isをシンプルに裏返せばよい)
 では、大論点は何か? それは「As is」と「To be」のギャップを「どうすれば」埋めることができるのか? ということです。練習問題の場合の大論点は「どうすれば、時間内に会議を終えることができるのか?」。この「どうすれば(How)」という疑問詞をつけて明確にすることで、誰が見ても明らかな「大問い=大論点」を設定することができるのです。


■2.振り返りのフレームワーク「KPT」
 プロジェクトの最後や、期の終わりには、ぜひ、KPT(Keep, Problem, Try)のフレームワークを使って、次回さらによくするための振り返りを実行してください。
 プロジェクトを通してやってよかったことをKeepの欄に、困ったことやできなかったことをProblemの欄に、次に挑戦したいことをTryの欄にそれぞれ記入していきます。
 よくPDCA(Plan:計画 → Do:実行 → Check:反省 → Act:改善)サイクルを回すことが重要といいますが、PとDばかりで、CとAが疎かになっている組織をよく見かけます。これでは成長がありません。面倒くさがらずにKPTのフレームワークを活用し、次回につなげることができれば、自ずと組織全体の能力が向上するのです。


■3.話を脱線させないための「PA(パーキングエリア)」
 ファシリテーターは常に論点を意識しましょう。今、ここで話すべきことかどうか? その問いに対する答えがノーなのであれば、話を本筋に戻しましょう。会議時間は無限にあるわけではありません。(中略)
 ただ難しいのは、たしかに議論すべき内容ではあるけれど、「今じゃない」という論点のとき。その場合、ホワイトボードの右端あたりにPA(パーキングエリア)というスペースをつくり、「たしかにそれはよい論点ですね。後ほど、議論しましょう」などと言って、PAにササっと記載します。そうすれば、脱線させた人も悪い気はしません。ファシリテーターは、せっかく盛り上げようとしてくれている参加者の貢献意欲を殺いでしまってはいけませんから。


■4.全業種に適用できる「QCD」
 ビジネスフレームワークは製造業で使われることが多いですが、QCDはほぼ全業種に適用できる万能フレームワークです。
Q品質(Quality):商品やサービスそのものの良し悪し。品質や性能の程度。
Cコスト(Cost):価格が高いか安いか。
D納期(Quality):発注してから納品までの期間の長さ。
 このQCDそのものを自社のキャッチフレーズにしている企業もあります。それは牛丼の吉野家。誰もが知っている、うまい(品質)・やすい(コスト)・はやい(納期)ですね。当時、キャッチフレーズの発案者がこのフレームワークの存在を知っていたかどうかは定かではありませんが、いずれにせよ、ビジネスの本質をとらえています。結局は、このQCDの三点で結ばれる三角形の面積がバランスよく大きい企業が勝ち残れるのですから。


■5.世界で通じる「条件付き合意形成スキル」
 ここでは私が海外でも日本でもよく使っている、条件付き合意スキルをご紹介します。それは「引き返せる条件」を提示するということ。「条件」というのは大きく「期間」と「成果」に分けられます。たとえば、こんな感じです。
【例1】期間を条件に設定する
ファシリテーター:一旦、B案で前に進めましょう。ただし、〇か月以内に効果が出ない場合は再度仕切り直すということで、いかがでしょうか?
【例2】成果を条件に設定する
ファシリテーター:基本はB案。ただし、XXの状況になった場合は、例外的にA案を採用するというのは、どうでしょうか?
 このように発言すれば、たとえA案を推していた少数派の参加者の納得感も得られやすいのです。なぜなら、彼ら彼女らもプロジェクトを失敗させてやろうと思って反対しているわけではないからです。


【感想】

◆なかなかに、スキルフルな作品でした。

もっとも、上記ポイントはその中でも、特にスキル系というかTIPS的なものを集めたワケなのですが。

もちろん、「ファシリテーションとは何ぞや?」とか「良いファシリテーターとは?」みたいなお話も、本書にはあるものの、ぶっちゃけそういうのは類書でも皆さん目にしてらっしゃるかと。

そこで今回は第2章以降の「4つのファシリテーションスキル」から抜き出してみました。

たとえば上記ポイントの1番目は、第2章の「会議の事前準備スキル」からのもの。

ファシリテーターは事前に論点を洗い出しておかねばなりませんから、この「As is, To be」で、大論点を押さえておきましょう。


◆また、1つ飛んだ第4章の「意見発散スキル」から引用したのが、上記ポイントの2番目の「KPT」。

これは著者の神宮さんが、「会議に使えるビジネスフレームワーク集」として列挙された中の1つになります。

なお、ここでは一般的な例として、プロジェクトに当てはめていますが、もちろん同じように会議でも活用可能。

また、続くポイントの3番目のTIPSは、同じく第4章の「曲者参加者のタイプ別対処法」なるパートからのものになります。

この部分、日本人(物静か)、イタリア人(話を脱線させる)、ドイツ人(評論家)……といった具合に、タイプ別に会議での対処法が紹介されており、数多く会議に出たことのある方なら「あるある!」となること必至でしょう。

この「PA」というTIPSは一応イタリア人向けなのですが、実際、脱線させまくる人も、会社員時代によくいました。

……なるほど、こういう風に別出ししておけばよかったのか。


◆一方、続く第5章は「合意形成スキル」ということで、こちらも見逃せない内容かと。

たとえば上記ポイントの4番目の「QCD」は、事前に把握しておかないと、根底から話が覆ってしまいます。

本書にあった例から。
部下:A社とB社のどちらを採用すべきか、みんなで話し合いました。A社のほうが品質がよく、価格も安いということでA社に決めました。これで進めてもよいですか?
上司:えっ、納期は確認したの? クリスマス商戦に間に合うかどうかは、品質や価格以上に重要だよ。
部下:すみません。確認できていなかったので、再度会議をやり直します。
これでは何のために会議をしたのか分かりませんね……。

また、今回は割愛しましたが、問題の原因を探る際に便利な「4M」というフレームワークも、必須のスキルと言えるでしょう。
・Man(人)
・Machine(機械・器具)
・Material(材料)
・Method(方法)
この4つに大きく分けることで、漏れなくダブりなく原因を追究することができるわけです。


◆そして最後のポイントの5番目の「条件付き合意形成スキル」は、私は初めて知ったTIPSでした。

基本的な考え方として、ファシリテーターは会議時間中は全力で全員賛成の「全会一致」を目指しますが、それができない場合、どこかで見切りを付けなければなりません。

そこで反対意見の人にも「条件付き」で合意してもらうのが、この「条件付き合意形成スキル」なるもの。

なお、成果を条件にする場合の「XXの状況」というのは、具体的に言うなら
・売上を成果の条件として場合⇒売上が下がった、目標売上高に到達しなかった
・お客さま満足度を成果の条件とした場合⇒アンケート結果が悪化した、反対にクレーム数が増えた
といったようなものになります。

そして最終の第6章では、場面別ファシリテーションが会話例を挙げて解説されていますから、こちらもご覧あれ。


実践的なファシリテーション本を読むべし!

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「超実践型」神ファシリ ファシリテーションこそがビジネスを制す最強スキル!
第1章 ファシリテーションを制する者がビジネスを制する!
第2章 初心者でも安心! 会議の事前準備スキル
第3章 どんな参加者でも大丈夫! 会議運営スキル
第4章 どんな困難な議題でも大丈夫! 意見発散スキル
第5章 全員が納得できる! 合意形成スキル
第6章 誰でもできる! あるある場面別ファシリテーション


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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増補改訂版 勝間式食事ハック

ご存じ勝間和代さんの食事ハック本は、Kindle版が700円弱お得。

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お初となるチームビルディング本は、Kindle版が800円以上お得な計算です!


【編集後記2】

◆一昨日の「小学館 2023年夏 ぴっかぴか小デジ!感謝祭」の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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世界最新の医療データが示す最強の食事術 〜ハーバードの栄養学に学ぶ究極の「健康資産」のつくり方〜

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世界一細かすぎる筋トレ図鑑

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ウルトラマン青春記 〜フジ隊員の929日〜

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書くことについて 〜ON WRITING〜 (小学館文庫)

よろしければご参考まで!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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