【自己啓発】『まじめな人ほど報われない！？コーチング医が教える生きづらさを解放する未来型メタ思考』清水なほみ:マインドマップ的読書感想文

2023年06月16日

【自己啓発】『まじめな人ほど報われない！？コーチング医が教える生きづらさを解放する未来型メタ思考』清水なほみ

まじめな人ほど報われない！？コーチング医が教える生きづらさを解放する未来型メタ思考

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」の中でも人気の自己啓発書。

「6年間で延べ8,000人の患者」に「メタ思考診療」を行ってきたという清水なほみさんが、「メスの代わりにことばで治療」してくれる1冊です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。

頑張っているのに報われないのはなぜでしょうか。
なぜ人は病気になるのでしょうか。
人間関係がどうしてもうまくいかないのはなぜでしょうか。
ネガティブな思考に陥ってしまいがちな出来事、誰にでも経験ありますよね。
嫌なことが起きると、ついそこに囚われてしまって気持ちを切り替えることもできず、モヤモヤを抱えたまま生活することになってしまいます。
「メタ思考」は、自分の「理想の未来像」を完成させるお手伝いをする新しいツールです。
今目にしていることを、今とは違う方向から眺めてみる。
その「新しい視点」によって、これまで気がつかずにいたことを発見することができます。
この「新しい視点」こそ、「メタ思考」なのです。

中古は値崩れ気味ですが、送料を考えるとKindle版が400円弱お買い得です！

【ポイント】

■1.「目線」をコントロールする

　例えば、あなたが今感じている「○○のせいで」を、ひとつ挙げてみてください。「親のせいで」「お金がないせいで」「病気のせいで」……なにか、日ごろから感じている、「○○のせいで」がありませんか？
　その、「○○のせいで」を、口にし続けながら毎日を過ごしたら、3年後は、どうなっているでしょうか？　5年後は、どうなっていそうですか？　ぱっと思いつく5年後を、次のように言ってみてください。
「○○のせいで、私は①………………」
　今度は、「○○だけど」と、唱えてみてください。「○○だけど」と、言い続けながら過ごした3年後は、どうなっていますか？　(中略)
「○○だけど、私は②………………」
　つぎは、「○○のおかげで」と、言ってみましょう。心から「○○に感謝！」と思う必要はありません。ただ、「○○のおかげで」と言い続けた3年後を、イメージするだけで大丈夫です。どのような3年後が、思い浮かびますか？(中略)
「○○のおかげで、私は③………………」
　さて、ここで質問です。①と②と③の未来、どれかひとつを選んでくださいと言われたら、あなたはどの未来を選びたいですか？　

■2.過去は癒し過ぎない

　実は、過去の自分を「癒やし続ける」と、かえって不都合が起きてきます。過去の自分を「よしよし、かわいそうだね」と癒やしてあげるためには、「傷ついた自分」が、そこに存在し続けなければならなくなるからです。
　過去の出来事や、過去の自分を、「何度も癒やす」必要はありません。1回癒せば十分なのです。
　過去の自分を、何度も癒そうとしてしまう時、自分のことをどんな人だと思っているでしょうか？「傷ついた人」「弱い人」「かわいそうな人」だと捉えていることが多いでしょう。
　自分のことを、ずっと「かわいそうな人」扱いしていると、過去を癒せば癒やすほど、「かわいそうな私」で過ごすことになります。
　過去に、自分が「傷ついた」と認識したままだと、過去の出来事や体験が導いてくれている「チャンス」を活かしきれません。

■3.「見える化」すると取り扱いが簡単になる

「ストレス」が溜まっている、と感じているとしたら、まずは「何がどうなっていること」が「ストレス」だと感じていたのかを書き出してみましょう。
「仕事」が「ストレス」だと感じていたのであれば、仕事の何が「自分にとっては負担だ」と認識していたのかを明らかにします。
　単純に業務量が多すぎるのか、労働時間が長すぎるのか、そもそもやっている業務が嫌なのか、上司との人間関係がスムーズでないのか、嫌な対応をする同僚がいるのか……。
「どうにかしたいこと」がはっきりしたら、次に、「どうなったらOKなのか」を考えます。
　そして、現状と、「OKな状態」のギャップを埋めるための方法を、「具体的な行動」で挙げていきます。

■4.欠点だと思っていた特性を活かす手順

(1)あなたが「欠点だ」と思っていた特性を書き出す
(2)その特性が「あるからできない」と感じていたことを書き出す
(3)その「できないこと」をしないから得られることを書き出す
(4)その特性が「あるからこそ」できることを書き出す
(5)(3)と(4)で出てきたことをまとめると「どのような価値」につながるかを書き出す
(6)その価値を提供するために必要な「行動」を書き出す

（詳細は本書を）

■5.すでに答えは存在している

「今はまだ」答えが出ていない問いかけに対して、効果的に答えを探す方法が、「すでに答えはあるはずだ」という前提を持つことです。
「今はまだ」自分の頭の中に描かれていない、解決方法を「思い出す」ためには、次のような問いを、日々投げかけていきます。
「私は〇月〇日までに、○○を行いました。どのようにしてそれを行ったのか、思い出しておいてください」
　問いかけるタイミングは、夜眠りにつく前と、朝起きぬけのボーっとしている時が効果的です。
　この時間帯は、「顕在意識」が油断しやすいので、よりまっすぐに、潜在意識へメッセージを届けやすくなっています。

【感想】

◆今まで自分が思考術本等で接していた「メタ思考」とは、一線を画す内容の作品でした。

そもそも当ブログにおいてレビューした作品の中で、「メタ思考」というワードを、以前から使っていたのが、おなじみ細谷功さんです。

メタ思考トレーニング発想力が飛躍的にアップする34問 (PHPビジネス新書)

参考記事：『メタ思考トレーニング』が想像以上に凄い件について（2016年05月20日）

細谷さんの作品で「メタ思考」といった場合、それは「自分を客観視するため、上から眺める（幽体離脱する）」的なニュアンスで使われているかと。

一方本書における「メタ思考」の例として挙げられているのが、「小学1年生の頃の足し算」のお話です。

著者の清水さんいわく、

1年生の頭に、今のあなたの「たし算をする機能」をインストールすると、「問題」が問題でなくなるのがおわかりでしょうか？
「たし算」という「問題」そのものは、何も変わっていません。あなたの頭の中の、「ひとつの機能」が増えただけで、一生懸命頑張って解いていた問題が、「とるにたらない」問題になってしまうわけです。

「メタ思考」は、「今のあなたのたし算能力」を、たし算を習いたてのあなたにインストールする方法です。

とのこと。

ここを読んで、いわゆる「タイムマシーン法（逆算思考）」に近いのかな、と思ったのですが、もうちょっと幅広いニュアンスなようでもあります。

◆たとえば第1章から抜き出した上記ポイントの1番目では、「何に目線を向けるか」による違いについて言及。

ここの例で「せいで」を選べば「せいで」の先にあった未来が、逆に「おかげで」を選べば、「おかげで」の先にある未来にたどり着くことになります。

……どっちに目線を向けるかで、えらい違いですよね。

なお、「メタ思考で、『欲しい未来に見合ったもの』に目線を向けると、『欲しい未来に不必要なもの』からは、自然に目線が外れることになるのだそう。

そのため、メタ思考が「当たり前」になると、「せいで」は勝手に、「おかげで」に変わっていきます。

そうなってくれると助かるのですが。

◆また、意外だったのが、第2章にあった上記ポイントの2番目のお話。

過去を癒やすこと自体、人の自然な摂理だと思っていたのですが、本書によると「1回癒やせば十分」なのだそうです。

では、どうすればいいか、ということに関しては、実は第4章でもう1度論じられているのですが、事例を含めてちょっと長くなりますので、詳細は本書にて。

なお、同じ第2章では「頑張っているのにうまくいかない」のは、「頑張っているからだ」といった、これまた中途半端に引用すると炎上しかねないテーマもあるので、併せてご覧ください。

ただ確かに、ポジティブシンキングさながらに「うまくいく、うまくいく」と唱えると、「うまくいってない」自分がインプットされる、という指摘はなるほど、と思わせられますね……。

◆一方、上記ポイントの3番目は第3章から引用したもの。

ちなみに、ここで挙げている「見える化」するというTIPSは、仕事術や思考術でもおなじみですね。

さらに第4章では、上記ポイントの4番目のような「ピンチをチャンスに変える手順」が他にも紹介されています。

具体的には「『欠けている』状態を活かす手順」や「ネガティブな感情を活かす手順」といったところ。

また、章のおしまいにあった「病気が何を伝えようとしているか」は、不登校のお子さんや仮病（？）を使うお子さんがいるご家庭には、一読の価値があると思います。

……うちの子どもたちは、ヨメに似たせいか、あまりメンタルに繊細なところがなく、こういう悩みは一切なかったのですが。

◆なお、上記ポイントの5番目は、最後の第5章から抜き出しました。

もっともこれは、いわゆる「潜在意識」の活用法として、類書でも似たようなTIPSを読んだ記憶があります。

ただし、それらのTIPSが「すでに答えはあるはずだ」という前提を持っていたか微妙なような。

単に神頼みさながらに「潜在意識にお願いする」的な話なんじゃなかったか、と。

……今、一生懸命ブログ内検索かけたんですが、ちょっと見当たりませんでした（スイマセン）。

いずれにせよ本書のアプローチ法は、著者の清水さんがお医者さんだけあって類書とはやや違っており、それもまた本書の魅力の1つだと思いました。

人生を好転させたい方なら要チェック！

まじめな人ほど報われない！？コーチング医が教える生きづらさを解放する未来型メタ思考

第1章不確かな時代こそ〝ありのまま〟で生きる！～未来型メタ思考のススメ
第2章「もうダメ！」「どうしよう…」によく効く処方箋～〈シーン別〉未来型メタ思考活用術
第3章「自分は何者」なのかを自分で決める～未来型メタ思考の基本ステップ
第4章ピンチをチャンスに変える考え方～「活かし系」になるポイント
第5章未来型メタ思考のその先を見据えて