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2023年06月10日

【マーケティング】『うまくいっている会社の非常識な儲け方』おじま優來


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うまくいっている会社の非常識な儲け方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、本日が最終日と思われる(ゆえに早めに投稿しました)「Kindle本 大規模ポイント還元キャンペーン」でも人気の1冊。

コピーライター兼マーケティングコンサルタントであるおじま優來さんが、中小企業でも実践できるマーケティング手法を指南してくれています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書は、マーケティングの専門家として20年以上の経験を持つ著者が、実際に仕事で役に立ったマーケティング手法の事例を豊富に交えながら、誰でも簡単に使える「儲けるためのアイデア」を紹介する1冊です。

まだ中古がそれほど値下がりしていませんから、このKindle版が600円弱お得です!





bcg-Matrix / jean-louis zimmermann


【ポイント】

■1.広告掲載商品の価格を思いっきり安くする
 広告に掲載した商品で利益を出そうとするから、広告は当たりません。
 そうではなく、新規客リストを増やすために薄利で価格設定してみてください。
 掲載商品の価格を下げても反応がないようであれば、それは商品の魅力が伝わっていないからなので、広告の内容や媒体選びが悪いということになります。
 商品を値下げせずに、定価で広告を出して失敗すると、商品の魅力が伝わっていないのか、値段が高いから購入してもらえないのか、失敗の理由がわからないので改善ができません。
 そうなると次の広告が失敗する確率も上がりますし、余計な経費を増やすことにもなります。
 繰り返しますが、広告に掲載する商品は、お客様がひと目見て「これは買わなければ損だ!」くらいに思ってもらえる値段にしてみましょう。
 広告を出す以上、リストが手に入らなければ意味がありません。
 販促費だと思って、掲載商品の価格を劇的に安くして集客してみてください。


■2.利益が出ない「高枝切りバサミ」の本当の目的とは
 まず、高枝切りバサミはどんな人が購入するのでしょうか?
 庭にある高い木の手入れをする商品ですから、家の周りにそうした大きな木があるお客様でしょう。
 そして、そんな大きな木が庭にある家は、一戸建ての家がほとんどでしょう。
 つまり高枝切りバサミを購入するお客様は、一戸建ての家が持てるくらいには「お金を持っている人」というプロファイリングができます。
 そして高枝切りバサミを購入したお客様には当然商品を送付しますから、名前や住所、電話番号といった連絡先が手に入ります。つまり、リストです。
 ここからがポイントです。
 後日、それらのお客様宛てに、例えば宝石などの富裕層向け商品の販売カタログを送るそうです。
 すると何軒かに1軒は、その宝石を買ってくれるお客様が現れてくる、ということです。
 そこで初めて、利益が出ると。


■3.原価割れの商品でPR効果を狙った俺のフレンチ
 この俺のフレンチ、以前に「活きあわびと生うにのゼリー寄せ・キャビア添え」という商品を販売したことがあるそうです。このとき、同社は材料費が900円かかるこの料理を、なんと300円で提供したとのこと。(中略)
 この「活きあわびと生うにのゼリー寄せ・キャビア添え」ですが、実は主に宣伝のネタとして使われたようです。
 当時、このメニューはニュースなどで話題となり、お客様などもSNSで拡散。
 一度は食べてみたい! とたくさんの方が来店しました。
 何食も用意できないので、1日限定20食の期間限定販売としていたそうですが、その宣伝効果は絶大なものになりました。
 まさに「バカ売れ商品」です。
 原価900円の商品を300円で提供したら、1商品につき600円の赤字。
 これが1日20食出るわけですから、1日当たりでは1万2000円の赤字です。
 しかし、このメニューを求める人がお店に押し寄せるわけですから、1日たった1万2000円の広告費で大量に集客できている計算になります。


■4.パーソナルトレーニング事業以外でも稼いでいるRIZAP
 確かに、同社の現在の主力事業はパーソナルトレーニング事業のようです。
 しかし実はこのRIZAP、もともとはサプリメントなどの健康食品を売っている会社でした。(中略)
 ところで、同社のパーソナルトレーニング事業は認知度が高く、人気もある事業です。しかしジムを維持する費用や、トレーナーの人件費などがかかります。(中略)
 一方で、サプリなどの健康食品は一般に製造コストが安く、かつ軽くて小さいので保管や発送にもほとんどお金がかかりません。その割には高い売値を付けられるので、利益率が高い事業だとされています。
 同社の場合は原則自社製造ですから、さらにコストを安くできるでしょう。
 そこで、RIZAPは人気の高いパーソナルトレーニング事業そのものを「バカ売れ商品」化し、そこで集客しつつ、理想の体型や体重を実現するためのサプリや、それらのメンテナンス用のサプリとして、自社の商品を購入・利用してもらう仕組みをつくりました。


■5.訳あり品で売上をつくる
 売上向上と現金獲得に即効性があるテクニックとして、訳あり品を販売する方法もあります。
 正直に「訳あり品だから特別に安くします!」と掲げることによって、お客様も値下げに納得し、商品の価値を下げることがありません。
 一方で「訳あり品が大好き!」というお客様は非常に多いので、売上もつくりやすい方法です。
 今だから話せますが、カーナビ通販の事業をしていてどうしてもすぐに売上が欲しいときには、「パッケージが破損しているので安くします!」と宣伝して、自分で箱を殴って少しだけ凹ませた商品を売っていました(笑)。
 箱に傷があっても、中身は新品なのでお客様は喜んで購入してくださいました。
 ただし、こうした訳あり品の提案は、見込み客や新規客にするのではなく、できる限り常連さん、つまりはリピート客に限定して告知することをお勧めします。
 リピート客だけにこういう特価品やセール品の情報が送られてくるからこそ、リピート客はお店や会社のファンでいてくれるからです。


【感想】

◆最近のビジネス書好きの方はさておき、15年以上前からマーケティング本を読んできた自分からすると、「懐かしい」というのが本書の第一印象でした。

特に本書では、顧客リストの重要性を繰り返し説いているのですが、そもそも江戸時代の呉服屋は、火事の際には大福帳(顧客台帳)を井戸に投げて安全性を確保した上で逃げた、と言われるくらいですから、古くから存在する王道的な考え方なわけでして。

ただし現在では、そのリストの集め方もネットの普及等によってより進化し、システマティックになっています。

そしてその辺のテクニックをかつて広めたのが、バリバリのマーケッター時代の神田昌典さんでした(少なくとも私はそういう理解でいます)。

……ただし、私が神田さんの存在を知った頃には、すでに神田さんは顧客獲得実践会(という、有名な会があったんです)としての活動は停止されていて、その後フォトリーディングやマインドマップといったスキルアップ系の活動で、再び私たちの前に登場されたのですが。


◆一方で、私がこのブログを始めた当初は、神田さん以外のマーケッターの方が活躍されていて、私もそんな方々の主催する有料セミナーにも参加したことがあります。

中でも一番高額だったのが、少人数の泊りがけの某セミナーでして、そこで私が言われたのが、このブログスタイルだと、アマゾンで本を買ってもらうことでアフィリエイトの収益はあげられるものの、アマゾンアフィリエイトだと自ら顧客リストを構築できない以上、ビジネスとしては伸びようがない、ということでした。

要は、このブログはあきらめて、きちんとビジネスとして成立するメディア(サイトやメルマガ等)を立ち上げるべき、ということだったのですが、当時の私は諦めきれずにダラダラ続けていたところ、その後たまたまビジネス書ブーム(と勝間和代さん現象)に便乗して何度かメディアや書籍に登場したことで、路線変更できずに現在に至っています。

もしあの時おとなしくアドバイスに従い、書評メルマガでも立ち上げてリストを作っていたら、今頃どうなっていたのやら。

いずれにせよ私は、本書のTIPSに似たテクニックを知っていながら、特に何もすることなく趣味でこのブログを続けていた次第です。


◆たとえば第1章から抜き出した上記ポイントの1番目のお話は、昔ながらの「損して得とれ」を地で行くもの。

とにかくリストのためなら、フロントエンド(客寄せ商品)は儲け度外視で売らねばなりません。

……ちなみにタダで配ると「クレクレ乞●」が集まるので、リストの質が悪くなるはず(本書では特に言及されていませんが)。

また第2章で登場する、上記ポイントの2番目の「高枝切りバサミ」のお話は、本書のマーケティングテクニックのキモとも言えるものでしょう。

顧客の属性までプロファイリングしてしまうやり方は、他にも考えられるはずです。
 例えばサプリなどの健康食品を扱っている企業だったら、「健康に気を付けている人」というお客様が欲しいわけです。
 例えば化粧品を扱っている企業だったら、「美意識の高い人」という顧客が欲しいわけです。
 ターゲットの顧客を集めるのに、どんな商品を販売すればいいのか?
 こうした「逆算思考」が大切になってきます。
なるほど、確かに。


◆一方、上記ポイントの3番目の俺のフレンチのケースは、第3章から抜き出しました。

まぁこれが分かりやすい「客寄せ商品」であることは、普通に考えても分かると思いますが、宣伝費としては極めて安いもの。

ただ「1日限定20食」だと、食べられなかった人がほとんどでしょうから、それを不満に思わなかったのかが気になります。

記事をググってみたら、2015年のお話らしいので、今ほどSNSが荒れてなかったのかもしれませんが。

「原価率300%」俺のイタリアンの謎(3ページ目)|日経BizGate

また、RIZAPが登場する上記ポイントの4番目のお話は、第4章から引用しました。

章題が「本業だけで儲けないで、それ以外でも稼ぐ方法」というものですから、まさにその通りの事例と言えるでしょう。

そういえば、既に販売終了しているものの、RIZAPはかつて吉野家にメニュー提供していたこともありましたね。


◆なお、丸ごと割愛しましたが、第5章の「他人の力を借りて儲ける」では、広義の意味でのJV(ジョイントベンチャー)の事例が紹介されています。

大手量販店との取引があると、他からの信用が得られるという点では、多少条件が悪くともやる価値はあるとのこと(「損して得とれ」)。

実際、著者のおじまさんも、有名な講師のウェブページのセールスコピーを格安(無料?)で請け負って成果を出し、その後それを実績として営業トークをしたのだそうです(詳細は本書を)。

そして、上記ポイントの5番目も、第6章の章題「常連には訳あり品を売れ」そのままのもの。

自分で「訳あり」にしてしまうのはどうかと思いますが、おせんべいでも割れたものが安く売られたりしていますよね。

ただしここでも言われているように、基本は「常連さん(リピート客)」向けとして。

あくまで「常連さんサービス」と思ってもらえると、さらにファンにもなってくれそうです。


自らのビジネスに取り入れられるものがあれば、元は余裕で取れるハズ!

B0BQWCPZTX
うまくいっている会社の非常識な儲け方
第1章 非常識な儲け方とは?
第2章 商品を使ってリストを獲得する方法
第3章 売れ筋商品は集客のための仕掛けである
第4章 本業だけで儲けないで、それ以外でも稼ぐ方法
第5章 他人の力を借りて儲ける
第6章 常連には訳あり品を売れ


【関連記事】

【儲けの仕組み?】『知らないとソンする!価格と儲けのカラクリ』神樹兵輔・21世紀ビジョンの会(2014年10月06日)

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【価格戦略】『無料ビジネスの時代: 消費不況に立ち向かう価格戦略』吉本佳生(2011年09月10日)

【価格戦略】『マクドナルドはなぜケータイで安売りを始めたのか? クーポン・オマケ・ゲームのビジネス戦略』吉本佳生(2010年12月04日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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改訂版 金利を見れば投資はうまくいく

本来「Kindle本 大規模ポイント還元キャンペーン」の対象作品であったものが、今日のセールでさらに値下がりした結果、Kindle版が1100円弱お得。

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大学教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。

同じくこちらも「Kindle本 大規模ポイント還元キャンペーン」の対象作品であり、やはり値引額を上げたため、Kindle版が600円以上お買い得。

参考記事:【婚活?】『大学教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。』高橋勅徳(2023年01月08日)

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3週間続ければ一生が変わる あなたを変える101の英知【電子特別版】 (扶桑社BOOKS)

何とこちらの本も同セール対象作品ということで、Kindle版が1000円強お得な計算です!


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Posted by smoothfoxxx at 06:00
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