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2023年05月12日

【子育て】『子どもがまっすぐ育つ言葉かけ大全』三好真史


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子どもがまっすぐ育つ言葉かけ大全


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、本日が最終日となる「Kindle本ゴールデンウイークセール」の中でも人気の子育て本。

昨日のランキングを見て、あわてて読んでみた次第です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書は、カウンセリング、コーチング、アドラー心理学、応用行動分析、交流分析、ペップトークなどの観点から言葉かけを理論化して、誰でも使うことができるようにまとめました。
これまではっきりと体系化されることのなかった、子どもを育てるための言葉を集めた辞典のような本です。

中古に送料を足すと定価を超える上に、値引率が高めのため、Kindle版が1000円弱お買い得です!





Applause / quinn.anya


【ポイント】

■1.ほめ言葉の技法「やりすぎ法」
 子どもは、大げさな言葉を好みます。ツッコまれるようにほめられると、さらにうれしくなって、やる気のエンジンがかかります。「〜過ぎ!」とオーバーに伝えたり、やり過ぎている意味を含む言葉を投げかけたりすることで、子どもの意欲をアップさせましょう。
● やり過ぎ法の仲間
「でき過ぎだよ!」「すご過ぎる!」「美し過ぎる!」「カッコよ過ぎ!」「ダントツだね!」「どこまでやっちゃうの?」「かしこ過ぎ!」「ズバぬけているね!」「うま過ぎ!」
● やり過ぎ法の事例
👦 お風呂掃除、終わったよ。
👩‍🦱 どれどれ……わあ、ピッカピカ! きれい過ぎるよ!
👦(お母さんをビックリさせたぞ!)


2.叱り言葉の技法「理詰め法」
 叱っていることの理由を、理論立てて説明します。子どもは、意味の分からない叱責に対して反感を覚えるものです。叱る言葉に加えて、「なぜ叱っているのか」「どうしていけないのか」を論理的に伝えましょう。
● 理詰め法の仲間
「怒っている理由を話すよ」「〜のためにやってるんだよ」「なぜいけないのかというと、理由があるんだよ」「それをしなければ〜になるよ」「なぜここまで叱られているのか、考えて」
● 理詰め法の事例
👩‍🦱 こんな水辺で遊んでいると、池に落ちてしまうかもしれない。おぼれて、あなたや友達が、大事な命を失ってしまうかもしれない。そうなると、みんなも悲しむんだよ。もう、そんな所で遊んではいけません。
👦 ごめんなさい……。


■3.問いかけ言葉の技法「反省法」
 自分の行動を反省させて、反省の言葉を考えさせます。間違いは誰にでもあります。同じ間違いを繰り返さないようにするために、何ができるかを考えさせます。
● 反省法の仲間
「この学びを覚えておくためには、どうすればいいかな?」「これからのことは、君がどうするか決めなさい」「自分の行動のよくないところはどこかな?」「もう一度やるとすれば、今度はどうする?」「やってしまった自分にかける言葉があるとすれば、何かな?」
● 反省法の事例
〔テストで悪い点をとってしまったとき〕
👩‍🦱 今回、点数がよくなかったのはなぜかな?
👦 見直しを全然しなかったことかな……。


■4.はげまし言葉の技法「気づき法」
「ないもの」に注目してしまうと、不安感が増していきます。パズルで言うと、「欠けたピース」を探し続けるようなものです。「すでにあるピース」に注目させて、「今あるもの」「すでにできていること」を見つけられるようにしていきます。
● 気づき法の仲間
「あなたには〜があるんだよ」「とはいえ〜だよね」「あなたの〜なところを輝かせてみようよ」「あなたは気がついていないようだけど」「実は○○くんは〜なんだよ」「○○ちゃんには〜の才能があるんだ」
● 気づき法の事例
👧 バレエのコンテスト、うまくいくかな。自信がないな……。
👩‍🦱 毎日練習するっていう努力を、これまでやってきたよね。
👧 うん。(そういえば、がんばってきたんだったな……)
👩‍🦱 毎日続けるのは、簡単にできることじゃないよ。自信をもっていこう!


■5.挑発言葉の技法「言いかけ法」
 ある話の内容について、初めの一言を話しかけたところでやめてしまいます。子どもは、話の続きが気になるので、集中して聞くようになります。大切なことや、興味をもたせたい内容を伝える際に、子どもの注意を引きつけるテクニックとして効果的です。
● 言いかけ法の仲間
「実はね……いや、やめておこう」「こんなことを言っても仕方ないね」「大切なことなんだけど……いや、なんでもない」「言っても無駄かな」「黙っていたことがあるんだけど……いや、やっぱりやめた」
● 言いかけ法の例
👩‍🦱 話しておきたいことがあるんだけど……いや、今日はやめておこうかな。
👧 えっ? どうして? 話してよ!
👩‍🦱 うん。じゃあ、よく聞いてね。


【感想】

◆できることなら、12,3年前に読んでおきたい作品でした(まだ出てませんw)。

さすがに我が家の子どもたちも、下が16歳ですから、本書の神通力もちと微妙なところ。

実際、上記ポイントの1番目の「やりすぎ法」が通用するのは、小学校(中学年以下?)ではないでしょうか?

もちろんメソッド(本書でいうところの「技法」)の中には、普通に中学生以上の相手に対しても使えるものもありました。

たとえば上記ポイントの2番目の「理詰め法」などは、上司が部下に諭すときにも普通に活用できそうな。

……もっとも、社会人としては「理路整然と話せる」ことが普通に必須だとは思いますが。


◆さて、本書では下記目次の第2章から第6章にあるように、各シーンにおける「言葉」ごとに、「技法」が10個ずつの、合計50の「技法」が紹介されています。

まず第2章の「ほめ言葉」は、最終的にすべての言葉かけからつながるもの。

叱った後に行動が改善されたらほめて、問いかけた後に考えて実行に移せていたらほめる等々、前向きな心構えを育てていく必要があります。

中でも、上記ポイントの1番目の「やりすぎ法」や、それに近い「驚き法(大げさに驚く)」、他にも子どもの行動に対して、感謝の気持ちを伝える「感謝法」辺りは、比較的実践しやすいのではないでしょうか。

なお、ほめ言葉の前提として、本書では3つのポイントが紹介されていました。

「すぐほめる」「たくさんほめる」の2つは、類書でも目にしたことがありましたが、「身体接触とセットにする」というのは、初めて知りました(詳細は本書を)。

……といっても、他人だとハラスメントになりかねないので、親子でないと難しいでしょうね。


◆続く第3章の「叱り言葉」は、「ほめ言葉」に比べると運用が難しいジャンルです。

グサッときたのが、著者の三好さんいわく、
叱っているにもかかわらず、子どもの行動に少しの変容も見られないのであれば、それは効果のある叱り方だとはいえません。
とのこと。

特に「『何回言ったら分かるの!』という叱り方は、失敗例の最たる例」だそうで、それなんて自分(涙目)?

さすがに私は怒鳴ったり、手を出したりはしたことはありませんが、何度言っても子どもたちが身の回りのことがキチンとできない(食べた後の食器を片づけない、部屋が鬼のように汚い等)ので、いいかげん叱るのにも疲れて、ほぼヨメに任せてしまっているのですが。

正直、自分が子どもの頃、「何回言ったら分かるの?」と怒られた記憶がないので、子どもたちの思考回路がよく分からない、というのが本音だったりします。

手始めに、ある程度成長していても使えそうな「落胆法(子どもに失望している気持ちを伝える)」でも試してみようかと……。


◆一方第4章の「問いかけ言葉」は、ウチのヨメが結構活用しているもの。

上記ポイントの3番目の「反省法」も、子どもたちによく使っています。

というのもヨメは前職で、教えたり講演をしたりしていたので、この辺は得意なのかもしれません。

ちなみに、「問いかけ言葉」にもポイントが4つあるのですが、その中の1つである「場を整える」というのは目からウロコでした。

これは、「何かをしながら」だと考えさせることができないので、「ここに座りなさい」「こっちに来なさい」等言って、改まった場をつくってから問いかけるようにすることを言います。

確かにそばでテレビが着いていたら、そっちに注意が向いちゃいますものね。


◆さらには第5章では「はげまし言葉」の技法が登場。

この章で紹介されているのが、当ブログでもレビューしているこちらの作品です(この本も今回のセールの対象ですね)。

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たった1分で相手をやる気にさせる話術ペップトーク

参考記事:【ペップトーク?】『たった1分で相手をやる気にさせる話術ペップトーク』浦上大輔(2017年08月14日)

特にお子さんが中学受験等されるご家庭ですと、うまいこと励ますのが必須だったりしますので、この本や本書の第5章は見逃せないかと。

特に、最終的な「合格」という「結果」に対しては、「はげまし言葉」が使いにくいので、「具体的な行動」を促すというのは、もっともだと思います。


◆最後の第6章の「挑発言葉」というのは、「言葉かけの上級テクニック」と三好さんが言われているように、やや難しめ。

簡単に言うと、「子どもに対して否定的に働きかけることによって、肯定的な行動を生み出すことをねらう言葉かけ」だそうですから、一歩間違うと逆効果です。

たとえば「できる」と見越して「こんなのできないでしょう?」と言葉かけして、子どもが本当にできなかったら、自信を失うこと間違いなし。

その点、上記ポイントの5番目の「言いかけ法」なら、話を聞いてもらうだけなので、デメリットは少ないと思います。

いずれにせよ、私自身、本書を読んで反省する点が多々ありましたし、これから間に合えば改善したいと、強く心に誓った次第。


お求めになるならセール価格の今日中にぜひ!

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子どもがまっすぐ育つ言葉かけ大全
第1章 言葉かけの基本的な心構え
第2章 ほめ言葉の技法
第3章 叱り言葉の技法
第4章 問いかけ言葉の技法
第5章 はげまし言葉の技法
第6章 挑発言葉の技法


【関連記事】

【ホメ】『ほめる生き方』西村貴好(2012年06月04日)

【ほめ言葉】「ほめ言葉ハンドブック」本間 正人,祐川京子(2007年10月01日)

【ペップトーク?】『たった1分で相手をやる気にさせる話術ペップトーク』浦上大輔(2017年08月14日)

【AI読み?】『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』新井紀子(2018年11月21日)

【グリット?】『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース(2016年09月12日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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なぜ、あの人には何でも話してしまうのか 心理カウンセラーのすごい「聞く技術」

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Posted by smoothfoxxx at 06:00
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