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2023年05月03日

【自己啓発】『成熟スイッチ』林真理子


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成熟スイッチ (講談社現代新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「講談社ポイント還元キャンペーン」でも人気の1冊。

土井英司さんもメルマガで推奨されていたので、遅ればせながらこの機会に読んでみました。

アマゾンの内容紹介から。
昨日とは少し違う自分になる「成熟スイッチ」はすぐそこにある――。
ベストセラー『野心のすすめ』から9年、人気作家が成熟世代におくる待望の人生論新書。
日大理事長就任、「老い」との近づき方など、自身の成熟の現在地を明かしながら、「人間関係の心得」「世間を渡る作法」など四つの成熟のテーマについて綴っていく。
先輩・後輩世代とのつき合い方、自分の株が上がる「お礼」の方法、会話を面白くする「毒」の入れ方など、著者ならではの成熟テクニックが詰まった一冊!

中古もあまり値下がりしていませんから、このKindle版が300円以上お買い得です!






【ポイント】

■1.年を取ったらニ次会はパス
 もう1つ、私がモットーとしているのは、「年をとったら二次会はパス」ということ。一次会はともかく、二次会に若い人たちがたくさん残っていたら、年長者がそこにいて、よいことなど1つもありません。若い人たちは若い人だけで楽しみたいのです。自分が残ったら皆が喜ぶだろうとか、自分が話す内容が若い人のためになるとか、そういうのはぜんぶ大きなカン違い。望むらくは「支払いの足しにしてね」とか言いながら、サッとお金を渡して消えていく。それが理想です。
 とはいえ若い人といると、ついつい調子に乗ってしまうのも事実。うっかり一緒になってファッション談義などをしてしまうと、オバさんが自分を若い人と同列に考えるのはまずいでしょう、という状況に陥ります。


■2.自分も得するお礼の仕方
 年をとって若い人にご馳走する機会も増え、お礼を言われる側の正直な気持ちもいっそうわかるようになりました。あんまりうるさいことは言いたくないですが、気になるのは、食事を奢った次の日に会っても「昨日はご馳走さまでした」と言わない人たちです。
 当日にお礼を言ったからもう義務は果たしたと思っているのかもしれませんが、私はたとえ3〜4ヵ月たっても「あの時はありがとうございました」と必ず言うようにしています。時間をおいたぶん、「まだあの時のことを覚えてくれているんだ」という義理がたさへのプラス評価も加わりますから、忘れずに伝えた方が自分にとっても得だと思います。
やはり感謝されると嬉しいのが人情ですし、さらには、きちんとしたかたちでお礼を伝えられると、その人への評価も高まるのが世の道理というものです。


■3.紹介後のモヤモヤに「三回ルール」
「人にされて嫌だと思ったことはしない」のが私の矜持です。そのために自分に課しているのが「三回ルール」というもの。その内容は基本的に「紹介された人と三回会うまでは、紹介者に報告する」ということ。四回目以降は、断りなく会って差し支えないというルールです。
 三回どころか数十年を経ても、大事な局面では紹介者にお礼を言う必要があります。宮内義彦さん(オリックスグループ前CEO)を日大の顧問にお迎えする際も、二十数年前に宮内さんを紹介してくれた奥谷禮子さん(元ザ・アール会長) に「ご縁を繫いでくださって感謝します」と、しっかり仁義を切りました。
 人を紹介するという行為には、人間関係の繊細な部分が絡み合っています。紹介してくれた人への配慮を常に欠かさないようにしたいものです。


■4.お金を味方につける
 お金にまつわる、ほろ苦い思い出があります。
 もう40年以上前、売れないコピーライターから雑誌ライターへの転身を図っていた頃、当時はまだ珍しかった中国ツアーに参加する機会を得たことがありました。
 費用は26万円だったのですがお金が足りず、高校時代の親友から10万円を借りました。しかし、私はそれをなかなか返さなかったのです。そうしたら半年ぐらいたって、連絡がありました。
「私、結婚することになったから10万円返して」
 彼女は小学校の先生になっていて、勤務先の神奈川の小学校にお金を持ってお詫びに行きました。するとジャージを着て子どもたちと一緒に歩いてくる彼女を見て、私は涙が止まらなくなってしまったのです。
「ああ、こういうまともな人生を歩いている人と私は全く違う世界にいる。信頼してお金を貸してくれたのに、返さなかった自分って最低だ」
 真っ当な人生を生きている彼女がすごく羨ましかった。お金で情けない思いはもうしたくない──心に誓いました。


■5.「なぜ嫌いか」で自分が見える
 俯瞰力は、人を謙虚にさせてくれたり、時に励ましてくれたり、物事を長い目で考えさせてくれます。自己愛は、バッシングされたり落ち込んだりした時に、たとえ根拠のない自信であっても自分を力づけてくれる。
 ちなみに私の場合、誰かからバッシングされた場合、
「なぜ、この人は自分のことを叩きたいのだろうか」
 と考えるようにもしています。そうすると、いろいろなことが見えてくる。
 逆のパターンですが、秋元康さんは年に1回、自分がすごく嫌っている人とわざわざ食事をするようにしているのだとか。すると、自分という人間が見えてくるのだそうです。その人を嫌いなのは、自分と似たところがあるせいだと気づかせてくれる、と。


【感想】

◆久しぶりの林真理子さんの作品でした。

といいますか、最後に読んだのが、こちらの見城さんとの対談本で、かれこれ7年半前。

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過剰な二人

参考記事:【オススメ!】『過剰な二人』見城 徹,林 真理子(2015年10月04日)

さらに単著となると、丁度10年前になるこちらの作品以来でした。

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野心のすすめ (講談社現代新書)

参考記事:【スゴ本】『野心のすすめ』林真理子(2013年04月18日)

私はこちらの『野心のすすめ』のイメージが強くて、本書もこのノリ(強めの自己啓発系)の作品をイメージしていたのですが、思った以上に肩の力が抜けてらっしゃいます。

……野心の「や」の字もないというか、これがまぁ、年を重ねるということなんでしょうが。


◆その結果(?)、本書でもいくつか登場するのが、年長者へのアドバイスです。

たとえば第1章から抜き出した上記ポイントの1番目なんて、「イタイおじさん&おばさん」には、思い当たるフシがあるのではないでしょうか?

もっとも最近の若い人の方が意識が高くて二次会には行かず、後まで残っているのが中高年ばかり、という可能性も高そうですが。

また、セクハラ・パワハラが「即NG」となる昨今の風潮に関連して、林さんの知り合いの男性は、部下の女性と2人で食事をする必要がある時は、1人か2人、追加で誰か誘うようお願いしているとか。
 ただ、はっきりと1つ言えることがあります。
「力を持っている人は誰かを口説いてはいけない」
 今や、これを死守しなければ、口説いた方は社会から抹殺されるようになりました。1回でも手を出したら終わり。二者の間で「自分が優位にいる」「自分の方が権力がある」と思ったら口説いてはいけないのです。
これは特に男性の方はご留意ください。


◆逆に第2章では、若い方(若くなくても気を付けたいのですが)に対して、マナーや礼儀をレクチャー。

たとえば上記ポイントの2番目のお礼の仕方は、ついつい「1回言ったからいいや」となりがちですが、意識しておきたいところ。

さらに林さんは、ものをもらったりご馳走をされたら、すぐに自筆のお礼状を書くのだそうです。

実はその辺、私も以前は意識していて、その手のマナー系の作品も結構ご紹介していたのですが。

カテゴリー:手紙・お礼状:マインドマップ的読書感想文

一番新しくて11年前の記事ですから、もはや「意識している」とは言えなさげ。

また、お礼状とは別に、林さんは名産品をお返しに贈ったりされるそうで、それで思い出したのが、私の事務所のそばにあった柏屋菓子店で売られていた、上記サムネイル画像のすあまでした。

ちなみにこのすあま、こちらの本で紹介されており、知る人ぞ知る逸品だったのですが、コロナ禍の中でお店が閉店してしまい、もはや幻となってしまいましたが。

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100億円を引きよせる 手みやげ

参考記事:【グルメ?】『100億円を引きよせる 手みやげ』から選んだ6つの逸品(2014年03月12日)


◆また、同じ第2章では、上記ポイントの3番目の「三回ルール」も印象に残りました。

私はむしろ、1度紹介したら、紹介された者どうし、勝手にやってもらって全然かまわない派なんですけど、林さんいわく
紹介して引き合わせたばかりの人たちが私が知らないうちに何回も会って距離を縮めていると、「聞いてない!」と思ってモヤモヤしてしまうのです。
とのこと。

これは逆に、「いちいち報告しないで!」と思う人でない限り、報告すること自体は悪いことではないので、留意しといた方が良さげです。

ちなみに、この件に関しては「モヤモヤする」林さんご自身が、同じようなことをやってた、というオチもありますので、詳細は本書にてご確認を。

ただし、この第2章にあった、酒席で用いる「『悪口(ちょっと毒のある噂話)』のテクニック」というのは、個人的にはちょっとご勘弁いただきたく……。

もっともこれは、私がお酒を全然飲まないからでしょうし、その場にいる人同士では連帯が深まるかもしれませんので、テクニックの詳細は本書をご覧ください。


◆一方、上記ポイントの4番目のエピソードは、本書の第3章からのもの。

前述の『野心のすすめ』でも、お金に不自由するお話はでてきましたが、ここで抜きだした出来事は、間違いなく林さんの「お金を稼ぎたい」気持ちの原動力になっていると思います。

もっとも今や林さんは、旦那さんに「なんでいつも君が払うの?」と聞かれるくらい、いろんな会食代を払われているわけでして。

他にも美食や旅等、自分へも有意義にお金を使われています。

ただ、この辺のお話は、先立つお金がないと参考にしようがないので、ハイライトも引きにくかったワタクシ(小市民)。

そして第4章からは、上記ポイントの5番目のお話を引用しました。

林さんと秋元さん、どちらも「嫌われたり」「嫌ったり」という現象を通じて、「自分」を俯瞰されているのが、興味深かったです。


成熟テクニックを身につけるために読むべし!

B0BLHBNRDY
成熟スイッチ (講談社現代新書)
序 章 4つの成熟
第1章 人間関係の心得
第2章 世間を渡る作法
第3章 面白がって生きる
第4章 人生を俯瞰する


【関連記事】

【スゴ本】『野心のすすめ』林真理子(2013年04月18日)

【オススメ!】『過剰な二人』見城 徹,林 真理子(2015年10月04日)

【心遣い】『ビジネス礼状の書き方』亀井ゆかり(2012年08月06日)

【グルメ?】『100億円を引きよせる 手みやげ』から選んだ6つの逸品(2014年03月12日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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教育大国シンガポール〜日本は何を学べるか〜 (光文社新書)

今年1月に出たばかりのシンガポール本は、Kindle版が500円弱お得。

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志麻さんのベストおかず 料理のきほん編 (別冊ESSE)

テレビでもおなじみのタサン志麻さんのお料理本は、Kindle版が800円強お買い得。

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言いにくいことが言えるようになる伝え方 自分も相手も大切にするアサーション (ディスカヴァー携書)

下記作品をご紹介したことのある、平木典子さんのアサーション本は、Kindle版が800円弱お得な計算です!

参考記事:【話し方】『アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法』平木典子(2012年04月10日)


【編集後記2】

◆一昨日の「小学館ポイント還元キャンペーン」の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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第4の波 〜大前流「21世紀型経済理論」〜

B0B9RGWVGP
この1本! 〜超人気映画シリーズ、ひとつだけ見るならコレ〜

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バナナ腰を治せば、体の不調がすべて消える! 〜腰痛・脊柱管狭窄症・ぽっこりお腹・ストレートネックを改善!〜

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ダイエットコーチ計太の「ラクやせ」メソッド

よろしければご参考まで!


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