2023年04月17日
【仕事術】『人はあなたの何を見ているか』小宮一慶
人はあなたの何を見ているか
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本 社会・政治書キャンペーン」からの仕事術本。おなじみ小宮一慶さんが、私たちが「評価される」ために必要なことを指南してくださる1冊です。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
読者の中には、「これほど努力しているのに結果がでない」と悩んでいる人もいると思います。
けれど、それは単純に「正しい努力」をしていないのかもしれません。
あるいは、正しい努力とは何かを知っていても、積み重ねが足りていない可能性もあります。
ポイントは、正しい努力とは何かを知り、それを積み重ねることです。
そして、常に反省し、学びを深めることです。
正しい努力を積み重ねなければ、成果も結果も出せません。
そのための学びをし、実践しなければ、いつまでたっても人間は変わらないのです。
ぜひ本書によって、正しい生き方を身につけ、皆さんが正しく評価されるための一歩を踏み出してください。
昨年暮れに出たばかりで、まだ中古があまり値下がりしていないため、このKindle版が600円以上お買い得となります!
Subordination. 1 / osipovva
【ポイント】
■1.うまくいかない理由を他人のせいにしないとくに私の場合、仕事柄、たくさんの経営者と接しています。そして5分ほど話してみれば、その人が経営者としてうまくいっているかどうかが分かります。見分け方は簡単です。うまくいかない理由を自分の責任にするか、他者の責任にするかを見ればいいのです。
たとえば、「今は景気が悪いから売れません」「部下の働きが悪いので厳しいです」「良い人材がいないので大変です」などと言っている人は、きっと経営もうまくいっていないでしょう。そこには、自分の責任や自分を変えるという発想がありません。
これは絶対の法則と言っていいと思いますが、「他人や社会のせいにするのではなく、自分の責任で自分を変えるんだ」と思えない人はうまくいきません。松下幸之助さんも言っているように、「うまくいったときは運が良かったと思え」「うまくいかなかったときは自分のどこが足りないのか反省する」という精神でなければダメなのです。
■2.常に100点を目指して取り組む
やはり若い頃ほど、徹底することの大切さを理解するべきです。
私はそれを「一歩踏み込む」と表現していますが、正しい考え方ができていないと「80点をたくさんとればいい」などと、間違ったことを平気で言ってしまいがちです。
やはり、基本的な生き方の勉強をしていないと、何が正しいのかが理解できないのだと思います。ちなみにその先輩は、当然のごとく出世しませんでした。これまでお話ししてきたことを踏まえて考えれば、当たり前の結果と言えるでしょう。常に100点を目指すのです。
「100点を目指すと時間がかかってしまう」と言う人もいますが、だからといって80点でいいわけがありません。スピードが遅いのなら、仕事の速度を上げて、100点の仕事を速くできるようにすればいいのです。
大切なのは、100点を目指してすぐに始めることです。まずはスタートすればいい。始めさえすれば、半分は終わったも同然です。
■3.自分で言ったことを守る
私は常に、根本的なところで人を見るようにしています。その一番目は「この人は、言ったことを守る人かどうか」です。
もっと言うと、幼稚園のときに、先生やお母さんに言われたことを大人になってもきちんと守っているかどうかです。「嘘をついてはいけない」「借りたものは返しましょう」など、当たり前のことができているかどうか。それが大事です。
そして、とくに重要なのは、「言ったことを守る」ということです。
信用の「信」という文字は、「人の言葉」と書きます。つまり、人から信用を得ようと思ったら、自分の言ったことを守らなければなりません。どんなに小さなことでも、自分で言ったことは守ることが大事です。
何気なく「子どもをどこかへ連れて行こう」「誰々と飲みに行こう」などと話すことがありますが、誰に対しても言った以上は必ず守ること。相手はそれを期待しているかもしれないのです。
■4.人の話を聴く努力をする
松下さんは、素直でない人の弊害は大きく2つあると述べています。
1つは、素直でない人は人の話を聴けないので、他人の知恵を生かすことができません。
この複雑怪奇な時代に人の知恵を生かせなければ、いろいろなことができないままとなってしまいます。
もう1つは、人が話をしてくれなくなることです。せっかく話をしているのに、人の話を聴かない人間に対しては、誰も話をしたいとは思いません。その延長線上にあるのは、誰にも助けてもらえないことです。
たしかに、人の話をきちんと聴くのは難しいです。安岡正篤先生も、「その人の話の聴き方を見ていると、だいたい、人物の練れ具合が分かる」とおっしゃっているぐらい、難しいことだと思います。
なぜなら、人の話を聴くには、自分を抑える努力が必要となるからです。
つまり、素直さや謙虚さがないと、人の話を聴くことはできないのです。
■5.人脈は「相手に何が貢献できるか」がポイント
お金持ちの人ほど人脈があるものですが、それは相手にお金を提供できるからです。同様に、銀座のホステスさんに人脈があるのも、「心地よさ」という価値をお客さんに提供できるからです。
ですから、何かしら差し上げられるものを持っていないと、人脈は形成できません。たとえ一時的につくれたとしても長くは続かないのです。そういう人ほど、「人脈をつくって金儲けをしよう」「人脈を利用してやろう」などと、ケチくさいことを考えているものです。(中略)
私は多くの方とお付き合いがあるので、私に対し、「○○さんを紹介してください」と言う人が時にはいますが、紹介される相手にメリットがなければ私は紹介しません。ただ単に、自分が得をしたいだけで「紹介してください」と言ってもダメなのです。
【感想】
◆久しぶりの小宮先生の作品でした。このブログでブログ内検索をしたところ、最後にレビューしたのが2012年の1月ですから、かれこれ11年以上経ってしまってしまったわけでして。
思えばこのブログが、勝間和代さんブームで読者さんが増えていた頃は、その勝間さんを見出したディスカヴァーの干場前社長が、大々的に小宮先生を売り出していたこともあって、むしろ当ブログでは小宮先生は常連でした。
特にディスカヴァーさんの「ビジネスマンのための『●●力』養成講座」シリーズは、おおかたレビューしているハズです。
とはいえ、どちらかというとその頃はビジネススキル寄りだったのが、その後会計本や日経新聞本を出されるようになった関係で、徐々に縁遠くなってしまいましたが。
ただ、今回久しぶりに小宮先生の作品のレビューを新しい方からチェックしたところ、今回の作品にも通じるご本を出されていました。
バカになれる人はバカじゃない
参考記事:【成功本!?】『バカになれる人はバカじゃない』小宮一慶(2011年05月28日)
要はこの本や本書で扱っているのは、時が流れても変わらない、普遍的かつ、本質的なテーマと言えると思います。
◆例えば第1章から抜き出した、上記ポイントの1番目は、類書でも目にしたことがあるかもしれませんが、いざ自分に当てはめてみると、すんなりとはできていないもの。
特にここ数年は、コロナやら円安やら物価上昇やらで、言い訳のネタはいくらでもあります。
それでも「できる」人なら、「それでも」クリアしているのだと思われ。
同じく、第2章からの上記ポイントの2番目のお話も、耳イタイところです。
ある意味「愚直」に100点を目指す、というのは、昨今のタイパ主義(?)とは異なるもの。
実は後半の第6章に
『手抜きをしてうまくいく方法』としたほうが本としては売れるのかもしれませんが、そのような人は、残念ながら何をしてもうまくいかないでしょう。という一文もあって、小宮先生はブレない軸をお持ちだな、と思った次第です。
◆一方、第3章からは上記ポイントの3番目を引用しました。
これもやはり、自己啓発の「王道」とも言える教えですが、いざ言われると、本当に自分が守っているのか自信がなくなってみたり……。
さすがにコロナ禍以降は、おいそれと「今度飲みに行きましょう」みたいな誘いは、顧問先ともお互いしなくなりましたが。
なお、割愛しましたが、このTIPSは自分が守るだけでなく、相手を判断するのにも使えるとのこと。
小宮先生いわく「人を見るときも、その人が『言ったことをやっているかどうか』を見ればいい」とのお話でした。
◆また、上記ポイントの4番目の「人の話を聴く努力をする」というのは、第4章からのもの(注釈を付けませんでしたが、初っ端の「松下さん」というのは、もちろん「松下幸之助さん」のこと)。
これこそまさに、私自身が気を付けたいものでして、油断するとついつい「別のこと」(主に自分が話したいこと)を考えてしまいます。
私は自分では「素直」だと思いたいのですが、ヨメに「頑固」と言われることもあるので、この辺はちと微妙。
それもさることながら、ムスコが自分で自分のことを「頑固」と評していたので、「それ将来的に絶対損するよ?」と注意したことがありました。
……誰かに「頑固」と言われたのを、勘違いしたのかポジティブに受け止めていたらしいのですが。
◆ここまで各章ごとに見ていって、かつ第5章以降もハイライトをガシガシ引いているのですが、最後の5番目のポイントは、最後の第7章から抜き出しました。
昔、異業種交流会やら、ブロガーオフ会やらが結構盛んだった頃、こういう「紹介しましょうか」「紹介してください」みたいな話も何度かあったんですよね。
幸い私は、そういう場でも(昔は出たことがあるんですw)具体的に「誰かを紹介してくれ」という話ではなく、「○○な人がいたら紹介して」的なお願いだったので、「いないですねー」で終了。
でも本当にここにあるように、「相手にメリットがない」状態で紹介はお願いすべきではないですし、自分もいつか、色々な人にメリットを与えられる人間になれてから、さっそうと登場したいものです。
なお、本書は結構「耳イタイ」お話が私は多かったですし、自分がやってることや考え方を否定、とまではいかなくても、それに近い印象を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。
それでも「良薬口に苦し」と考えて、読了した上で実践していただきたいな、と思うワタクシ。
正しく評価されるために読むべし!
人はあなたの何を見ているか
第1章 「チャンス」の対の言葉は「準備」
第2章 どんな状況でもすべてがチャンス
第3章 本質を理解する
第4章 人の話を謙虚に聴く
第5章 最後までやり抜く習慣
第6章 一人前と一流は違う
第7章 「お客様が喜ぶこと」「働く仲間が喜ぶこと」「工夫」
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