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2023年04月03日

【レジリエンス】『逆境・ピンチ・困難を克服する「レジリエンス超鍛錬術」 〜折れない心を育む好循環サイクル〜』木下芳隆


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逆境・ピンチ・困難を克服する「レジリエンス超鍛錬術」 〜折れない心を育む好循環サイクル〜


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」の中でも人気の1冊。

テーマもさることながら、さすがに「385円」というお求めやすいお値段は、私自身、魅力的でした。

アマゾンの内容紹介から。
本書は、レジリエンスを高めていくための超鍛錬術を紹介。メンタルヘルスやモチベーション向上に関わるカウンセリング業・講師業の方々にもレジリエンスの知識や使い方のコツやヒントになる内容です。
レジリエンスの知識や効果をお伝えすることのみを意図とはしていません。レジリエンスを高めていくポイントとして「感情」「思考」「行動」の3要素を軸とし、それぞれの質を向上させることで「人生の質」も高めることができる好循環サイクルを提唱しています。
感情の質・思考の質・行動の質を高めていけるトレーニングの具体的な方法や私が考えた「行動の質が変わる3つのステップ」をふんでもらうことで、必ずや今とは違う一皮むけた自分と向き合えるはずです。
この1冊で「折れない心を育む好循環サイクル」をまわし、逆境・ピンチ・困難を克服するレジリエンス力を獲得しましょう。

なお、もともとKindle版のお値段が低めなこともあって、今回のセールですと1100円以上お買い得となります!





Stress / TheDyslexicBook.com


【ポイント】

■1.自己肯定感を高めていく
 アメリカでは自尊心(セルフエスティーム)の研究が進んでいて、自己肯定感と同意語で訳されることがあります。しかし今では、アメリカでも自尊心に対する評価は極めて低く、日本で生み出された自己肯定感という言葉での研究が近年、非常に活発になってきているのが現状です。(中略)
 相対的に自分のことをどう捉え、どう感じているかによって決まる、自分の価値や存在価値に関する感覚、「自分というものを肯定的に捉える感覚」「ありのままの自分を受け入れる感覚」、こうした自分を包括的に包み込む感情や感覚を自己肯定感に含まれる概念としています。(中略)
 さらにいうと、自己肯定感が高まることでレジリエンス力も高まってくるのです。その意味では、自己肯定感を自ら高めていくことは今後非常に大切な要素になってくるでしょう。


■2.ネガティブ感情から脱出する4つの方法
 1つ目は「運動をしよう」です。運動を行うことによって、脳内物質のベータエンドルフィン(天然の妙薬)が多く分泌されます。鎮痛効果や気分の高揚、幸福感が得られます。(中略)
 2つ目は「音楽を聴こう」です。音楽を聴くことで脳内物質のドーパミン(快楽ホルモン)が多く分泌されます。効果としては、やる気や幸福感が得られ、ポジティブになります。(中略)
 3つ目の方法は「呼吸を整えよう」です。呼吸を整え落ちつくことで、脳内物質のセロトニン(抗ストレスの秘薬)が多く分泌され、不安を抑え精神を安定させてくれます。(中略)
 最後の4つ目の方法は「フロー(没我没頭)」です。フローとは「集中して我を忘れる、その世界に入り込んでいる状態」。これをフローといいます。


■3.感情のラベリングでストレス対処する
 感情のラベリングとは、今の自分自身が感じていることを言語化して表現することです。具体的には、日常生活で「イヤだな」「ムカつくな」「苦しいな」と感じる出来事・物・人・言葉などがあったら、不快な感情を頭の中や口、文字で言語化するのです。そのことによって、自分の感情に客観的になれて気持ちが落ちつき、恐怖やイラつきを抑えることができます。脳科学的にも、恐怖心や攻撃性をつかさどる脳の部位「偏桃体」の活性を抑えられるそうです。
 私も会社で責任者をしている際に、営業会議で月次予算が達成できないときには、必ず経営幹部からドギツイ言葉を投げかけられるので、「うるさい」「同じこと毎回言ってる」などとノートに書き、感情的にならないように落ちつかせていた経験があります。


■4.感謝の出来事を3つ書き出す
「感情」についての受け止め方や、整え方のヒントやトレーニング法などに触れてきましたが、その中で私がとくに大切かつ常に心に留めおきたいと思うのが「感謝(思いやり)」の感情です。(中略)
 そこで私から皆さんにぜひオススメしたいトレーニングを、ここでご紹介したいと思います。ポジティブ心理学やレジリエンスでは、スリーグッドシングスという1日に3つ、よいことを書き出してもらうトレーニングがあります。これに準じたかたちの「1日3つの感謝探し」に、ぜひ取り組んでみてください。1日のうちもしくは1週間のうちに、あなたに起きた感謝を感じた出来事を3つ書き出してほしいのです。最初のうちは、プライベートも仕事も含めて、感謝すべきことを3つ挙げてみてください。もちろん、感謝の出来事は自分自身に向けたものも含めてください。


■5.「MUST」思考から「MORE」思考へ転換する
「思い込み」思考の共通しているところは、どれも「決めつけ」てしまうことです。「〜にちがいない」「〜ねばならない」「〜すべき」という具合に。決めつけてしまうことは、自分自身の感情や思考をがんじがらめにしてしまい、動きが取れない状態になってしまいます。「MUST」という「完璧」「決めつけ」の思考から脱却しなければなりません。
 そのためには、「なるほど」「そうか」と捉え方をよりよい方向に変えていく「MORE」思考にシフトしていくことをオススメします。「MORE」思考を身につけていくには、「そういう考え方もあるか」と共感することで、自分だけの思考ではなく、相手の思考も共存することで安心感につながるのです。その意味で共感力もレジリエンスを支える要素といえるでしょう。


【感想】

◆何やら一時期、結構「レジリエンス」をテーマにした作品をレビューしていたツモリでいましたが、ブログ内検索をしたところ、直近でも2016年と知り、そんなに昔だったのかと驚いたワタクシ。

メンタル本をそこそこご紹介した中に、なぜか「レジリエンス」を銘打った作品は含まれていなかったようです。

さて本書は、ごきげんビジネス出版さんの作品ということで、ページ数が少なめで、必然的に内容がコンパクトにまとめられていました。

まず、第1章はレジリエンスが注目を浴びるようになった背景を、かなり細かく解説されているのですが、バブル崩壊やコロナ禍が、現代の日本社会にさまざまな影響を与えていることを実感した次第。

特に日本の場合、全体的に「やる気後進国」となっており、自己肯定感に関する内外の比較(2018年)を見ると、「自分に満足しているか」の質問に対して、欧米諸国は70〜80%は満足しているのに対して、日本は 45.1%となっているのだそうです。

なるほどこれでは、上記ポイントの1番目にあるように、「自己肯定感」を高めなくてはならないのも当然ですね。


◆そこで第2章以降ではその対処法を伝授。

たとえば上記ポイントの2番目では、「ネガティブ感情」からの脱出法が挙げられています。

ただし、4番目の「フロー」は、一番入りやすいのが運動をしているときらしく、1番目のただの「運動」でさえ難しい私にはハードル高め。

また3番目の呼吸も、非常に効果があるのがマインドフルネスの呼吸法とのことで、それなりに手を出しにくいです。

その点2番目の音楽なら、ほぼジャンルを問わない(ハードロックやパンクを除く)と言われているので、個人的には定期的にまとめ記事を書いている「藤井風」氏をお薦めしたいところ。

特にパブサしていると、この曲を聴いてリラックスしたり、頭痛がやわらいでいる方が目につきます(エビデンスはないですが)。

……周波数が一般的な曲より低い432Hzだから、というのもあるかもしれませんけどね。


◆また、上記ポイントの3番目は、第3章の「感情の質をあげるためのトレーニング法」からのもの。

悩みごとがあるときに、思っていることを書き出して思考を整理する、というTIPSは過去にもありましたが、このように感情も客観視できて、結果的にいらつきが抑えられるようです。

なお、他のトレーニングとして挙げられていた「リフレーミング」も、ものごとをプラスに捉える、という意味で、ストレス軽減に役立つ模様。

ちなみにこの第3章では、マインドフルネスを結構掘り下げており、基本的なトレーニング法がいくつか紹介されていますから、そちらも気になる方はチェックしてみてください。

そして上記ポイントの4番目も同じ第3章からなのですが、ここで前提として触れられている「スリーグッドシングス」は、私が以前読んだ本で取り入れて、未だ続けているものです。

今Googleカレンダーをチェックしたら、2011年の1月から続けてるんですが、かれこれ12年超ですか(遠い目)。

これ、自分でやってても「よいこと」にフォーカスするクセが付いたので、「感謝」にフォーカスするのは絶対いいと思いました。


◆そして続く第4章では「思考の質」がテーマです。

ここで挙げられている「思い込み」思考は、レジリエンスを弱めるものとのこと。

この辺は「思い込み」とか「先入観」といった、いわゆるバイアスの領域ですが、持っていていいことはあまりありません。

おそらく定義的に「MUST」の反対は「MORE」ではないでしょうけど、考え方として「なるほど」「そうか」と柔軟に捉えて、「それもアリだよね」と共感していきたいところです。

私自身が、かつて会社員時代に「完璧」を目指してギスギスしていただけに、耳イタイお話でした。


レジリエンスを身につけるために読むべし!

B0BSF8Z4XF
逆境・ピンチ・困難を克服する「レジリエンス超鍛錬術」 〜折れない心を育む好循環サイクル〜
第1章 なぜ今、レジリエンス「折れない心」が注目されるのか?
第2章 レジリエンスを知ろう!
第3章 折れない心を育む好循環サイクル「感情の質」
第4章 折れない心を育む好循環サイクル「思考の質」
第5章 折れない心を育む好循環サイクル「行動の質」


【関連記事】

【働き方】『逆境力の秘密50 何があっても打たれ強い自分をつくる』ジョン・リーズ(2016年10月19日)

【米海軍式?】『STRONGER「超一流のメンタル」を手に入れる』ジョージ・S・エヴァリーJr. 博士,ダグラス・A・ストラウス博士,デニス・K・マコーミック博士(2016年11月22日)

【メンタル】『なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか? 実践版「レジリエンス・トレーニング」』久世浩司(2014年11月03日)

【ストレス耐性】「凹まない人の秘密」アル・シーバート(著)(2008年04月24日)

【ライフハック】『メンタルが強い人がやめた13の習慣』エイミー・モーリン(2015年08月28日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」は、3冊とも中古が定価並みのお値段なので、お買い得感高めです。

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もし世界が1つのクラスだったら 下 第二次世界大戦編 世界史と日本史の教養が知識ゼロから身につく

「勉強感ゼロの『ビジネス教養マンガ』」なる本書は、Kindle版が1300円弱お得。

B0BM8SSY4N
僕という心理実験〜うまくいかないのは、あなたのせいじゃない〜

過去3冊ほど著作をレビューしている妹尾武治さんの作品は、Kindle版が1400円以上お買い得。

B0B77DGDN7
採用面接100の法則

読む人は選びそうですが、刺さる人には刺さる採用側の面接本は、Kindle版が1200円強お得な計算です!


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