2023年02月26日
【気づかい】『気づかいの壁――「気がつくだけの人」を「気が利く人」に変える、たった1つの考え方』川原礼子

気づかいの壁――「気がつくだけの人」を「気が利く人」に変える、たった1つの考え方
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事における人気作。すでに何人かの方にお求めいただいているということで、私も読んでみたところ、なるほどこれは身につけたいスキルだと思った次第です。
アマゾンの内容紹介から。
元リクルート「CS推進室」教育リーダーが教える、「気が利く人」なる方法! 「おせっかいかも…」「たぶん大丈夫だろう…」、せっかく「気がつく人」なのに、「心の壁」を越えられない人、必見。「できそうなのにできていない、絶妙な気づかいシーン」を50個、紹介。明日から印象が180度、変わる!
中古価格が定価を大きく上回っていますから、「19%OFF」のKindle版がお買い得です!

【ポイント】
■1.人が見ていなくてもやる日頃から誰かが見ていなくても、
「自分がされて嬉しかったことをやる」
ということをクセづけるようにし、コスパ重視の考え方から抜け出さないといけません。
たとえば、次のような行動をしているでしょうか。●席を立つとき、デスクにイスを戻しているいずれも、あなたの意思だけでできることです。
●会議室を出るとき、テーブルに飲み物の水滴が残っていないか確認している(中略)
それなのに、「誰かが見てくれていないと意味がない」「やった人が損だ」といって、目先の損得でしか行動できない人がいます。
その発想を捨てることから、気づかいははじまります。
■2.「質問タイム」では質問をうまく限定する
たしかに、質問ができないときに自分の心の壁を感じることもあるでしょう。
それなのに、いざ自分が進行役になると、「なんでもいいから質問してほしい」と思ってしまいます。
質問が出てこないとなんとかしなくちゃと焦り、「では、もし後で質問があったらメールをください」と、早々に終了させることも多いでしょう。
そんなときの気づかいが、質問を限定することです。「では、『今さら聞けないんだけど』ということはありますか?」というように限定すると、参加者は質問がしやすくなります。
「じつはこの後、『ググってみよう』と思っていることはありませんか?」
1人が質問しはじめると、他の人からも手が挙がるようになります。
■3.叱るときには少し言い足りないくらいで
叱る目的は、行動を変化させることです。
起きたことから学んで、二度と同じ過ちを繰り返さない行動ができるようにさせることです。
改善点が明確になっているのであれば、叱責も「短く」です。(中略)
上司や先輩からの叱責も、物足りないほど短いほうが相手は気になるものです。「原因は、『事前の確認不足』でしたね。気づいた時点で相談してほしかったです。そうしたら私もフォローができたので。次回からそうしましょう」これで10秒です。そこから先は、二度と繰り返さない策を本人に考えさせます。
上司からすると、少し言い足りないくらいがちょうどいい長さです。
そして、一度叱ったら、その内容には二度と触れないことです。
とっくの昔に改善したことを「前もあったよね?」などと蒸し返されて、嬉しい人はいません。
■4.日々の通常に感謝を伝える
「はじめに」で少し触れましたが、小さな違いに気づけるかどうかには、個人差があります。
とはいえ、日々の職場環境の「通常を知っておくこと」「誰が何をやっているかを把握しておくこと」は、誰にでもできることです。
見ていたつもりでも、意識しないと認識できないことはたくさんあります。
そして、その通常の状態を維持してくれている人に感謝して、タイミングを見つけて、
「いつもありがとう。何かあったらいつでも声をかけてね」
ということを伝えてみましょう。
私のリクルート時代の上司がよく言っていたのが、「半径5メートルの人を幸せにすることが大事だ」ということでした。
まさに、「見ていてくれた」「知っていてくれた」を伝えることこそが、その人のその日を幸せにするのだろうと思います。
■5.小さな約束ほど「守り抜く」
先ほども述べたように、「今度ランチでも行こうね」という言葉は、「お疲れさま」くらいの感覚で、私たちの口グセになっています。
ただ、言ったほうは忘れても、言われたほうは案外、忘れていません。
特に若い人は、本気で信じていたりします。
実際に、その言葉を受け止めて、「いつ誘ってくれるのかと楽しみに待っていたけど、誘われなかったから、嫌われているのかもしれない……」と悩む新入社員もいます。(中略)
このように、「小さな約束」は、スマホなどにメモしておいて、タイミングを見て、守るようにしましょう。
「あの人は口だけだ」というイメージが一度ついてしまうと、なかなか払拭できません。
職場で誰にでもできることは、「小さな約束だからこそ守り抜く」という姿勢です。
【感想】
◆昔は当ブログも、本書のような「気づかい」「気くばり」系の作品をよくレビューしていたものでした。実際、お礼状の本を買って、高めの便せんでお礼を出してみたりとか(あざとさ満点w)。
それがいつのまにか、年に数冊どころか、ここ数年1冊も読んでなかったというのは、私自身もさることながら、出版されているこの手の作品数も減った印象があります。
何というか、効果が即効的でないというか、せちがらい世の中にあまりマッチしてないといいますか。
しかし、職場や会社によってはいったんハマると効果絶大!
極端な話、相手のトップがこの手の気づかいに響きやすい人だと、それだけで一気に話がまとまったりもするワケでして。
◆そこで本書は、こうした「気づかい」ができるようになるために、第1部では「超えるべき2つの壁」を2つの章に分けてレクチャーしてくれています。
まずは「自分」、そして「相手」。
例えば上記ポイントの1番目のお話は、「自分」側のものなのですが、「コスパ重視」の時点で、上記の「せちがらい世の中」に関係していそうです。
しかし「気づかい」というのは、そういった「見返りを求めるもの」ではないのは当然のこと。
日頃からアピールができないシーンでこそ、「気づかい」を発揮していたいものです。
そしてもう1つ、私にもすぐできそうな「壁」を超えるレッスンが、「ありがとう」と言うべきところで「すみません」と言わないこと。
本書でも指摘がありましたが、日本人は「すみません」を多用し過ぎですよね。
◆一方第2部では「気づかいの5つのコツ」なるものが紹介されています。
具体的には下記の目次の章題をご覧いただくとして、上記ポイントの2番目は第1章の「限定」から引用しました。
確かにセミナーや講演、勉強会等で話をした際、「質問はありませんか?」と言って、何も出て来ないのは困りものです。
かといって、逆に「●●さん、質問ありませんか?」と指名するのもいかがなものかと。
上記の「今さら聞けないんだけど」と「ググってみよう」は、なるほど効果がありそうですから、ぜひお試しください。
◆さらに上記ポイントの3番目の「叱責」のお話は、1つ飛んだ第3章からのもの。
さすがに昨今は「パワハラ」という概念が浸透していますから、必要以上に責め立てる人はいないと思いますが、それでも「言い足りないくらい」が良いようです。
……私は上記の引用文を読んで、むしろ短すぎて(?)「叱責」ではなくて、普通にアドバイスだと感じたのですが。
また、逆にアドバイス好きな先輩に、必要以上のアドバイス(≒おせっかい)を受けた場合は、感謝にプラスして「ここから先は、私の成長のためにも自分で考えてみます」と言うのが良いのだとか。
アドバイスの切りのいいところで、こんなふうに伝えれば、相手の「あなたのためを思って」という気持ちは満たされ、お互いが気分よく解放されると思います。なるほど、これは「目からウロコ」でした。
◆再度飛んで第5章から抜き出したのが、上記ポイントの4番目。
ここでいう職場環境の「通常」というのは、たとえば「備品の補充」ですとか「観葉植物の水やり」のようなものを指します。
まさに「人が見ていないところ」でやっていますよね?
こういうことをやってくれる人が「誰か」について認識して、感謝の念を持つこと。
そして引用部分にあるように、ぜひ「いつもありがとう。何かあったらいつでも声をかけてね」と伝えてみてください。
また上記ポイントの5番目も同じ第5章からのもの。
「小さな約束」は小さいからこそ、守り抜かねばなりませんが、私自身、子どもたちとこの手の「約束」をして放置していた気が(反省)。
「仕事ができる」以前に「人として優れている」ようになりたいものです。
「気づかい」ができるようになりたい方は必読!

気づかいの壁――「気がつくだけの人」を「気が利く人」に変える、たった1つの考え方
はじめに ―― 「気がつくだけ」の人生を変える
序章 ちょうどいい気づかいができる、たった1つの方法
第1部 気づかいの「2つの壁」
1章 「自分の壁」を超えるレッスン
2章 「相手の壁」を尊重するレッスン
第2部 気づかいの「5つのコツ」
1章 決めるハードルを下げる――「限定」のコツ
2章 相手に心の準備をさせる――「予告」のコツ
3章 答えではなく情報を与えるスタンス――「共有」のコツ
4章 相手のスペースに踏み込まない――「領土」のコツ
5章 覚えてくれている安心感――「記憶」のコツ
おわりに
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【編集後記】
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