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2023年02月20日

【話し合い?】『「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法』中原 淳


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「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法 (PHPビジネス新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本ポイントキャンペーン」の中でも人気の高い1冊。

コミュニケーション絡みの仕事術本の著作が多い、中原 淳さんが「話し合い」について掘り下げた作品です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
ふと気づくと、「偉い人」やリーダーしか発言していない会議、長時間話しても、有意義な結論が出ない打ち合わせ……こうした「残念な話し合い」が今、日本のいたるところで発生している。しかし、立教大学で人材開発・組織開発を研究する中原淳氏は、現代の職場やチームでは、多様な人々とともに「答えのない問い」に挑み、試行錯誤しながら、その先に解決を目指す必要があるため、「話し合い」の重要性は今後ますます増していく、と語る。そこで本書では、メンバーの相互理解を促す「対話の作法」と、納得感ある結論を導く「決断の作法」を合わせた、「話し合いの作法」について、わかりやすく丁寧に解説。職場や組織で発生する「分断・対立・多様性」を乗り越え、チーム・メンバー全員の力で成果を生む技術がここにある!

中古がまだあまり値下がりしていませんから、こちらのKindle版が400円以上お買い得となっています!





Baltimore Jewish Council Meeting / MDGovpics


【ポイント】

■1.答えがない中、皆で知恵をしぼらなければならない
 以前は、ビジネスでも進学でも、「誰もがこれをやっておけば大丈夫」という「勝ちルート」が存在し、基本的には、それに従うことで、成功を収めることができました。
 学校教育では、1つの答えや知識を暗記することが求められる傾向がありました。ビジネスの領域でも、高度経済成長の大量生産の時代には、決まったものを大量に安価につくることで莫大な利益をあげることができました。
 ところが、近年は、正解が非常に見えにくくなっています。そうした正解なき世界では、誰も答えがわからないので、お互いの知恵をしぼって答えを見つけ出さなければなりません。その上で、答えを導き出すための手段を皆で合意して決める必要があります。


■2.「残念な話し合い」5つの病
 ここまで対話と決断(議論) について、さまざまな角度からそのイメージを見てきました。
 しかし、何度か述べたように、我々が「話し合い」をイメージする際、それらは「残念な話し合い」ばかりというのが、多くの人々の印象ではないでしょうか。特に、次の5つの「話し合いに関する病」が、日本全国で発生しているように感じます。
(1)とりあえず、かみついちゃう病
(2)対話ロマンティシズム病
(3)みんな違ってみんないい病
(4)アンケートフォームで意見すいあげちゃう病
(5)誰もついてこない病
(詳細は本書を)


■3.一歩踏み込んだ問いをつくる4つの方法
(1)定量的に踏み込む
「ここ3ヶ月で、職場の中で気になった出来事を1つ教えてください」
(2)定性的に踏み込む
「ここ3ヶ月で、職場の中で、〜枋螻阿亡鬚靴った出来事と∩枋螻阿忙椎阿世辰申侏荵を1つずつ教えてください」
(3)仮定法で問う
「もし仮に、時計の針を戻すことができるとしたら、あなたは職場の中で、どんなリーダーシップを発揮しますか?」
「もし仮に、あなたが、この職場のリーダーだとしたら、職場の何を変えますか?」
(4)ジレンマを問う
「じっくり時間をかけて職場メンバーの相互理解を進めたいが、同時に、早く成果を上げなければならない状況にある。こんなとき、私たちは何からはじめればいいのか?」
「顧客との信頼関係を築かなければならないが、同時に、売り上げも上げなくてはならない。私たちは、これまで何をしてきて、これからどうしたいのか?」
(詳細は本書を)


■4.対話では「自分」を持ち寄る
 それでは、なぜ、対話において「自分を持ち寄ること」が重要なのでしょうか。それは、私たちが、日々のコミュニケーションにおいて「自分(=自分の意見や考え) を持ち寄ること」を巧妙に避けながら、人付き合いを行っているからです。
 むしろ「自分に他者からの関心のベクトル(矢印) が向かないように、向かないように」、自分が発言するときには「他者」「噂」「社会」「メディア」といった「自分以外の第三者」があたかも「語っている」かのように、巧妙に印象操作して話し合っているケースがほとんどです。(中略)
 人は、日々のやりとりの中で、巧妙に「自己」を他者にさらすことを避けます。読者の皆さんも、ぜひ職場で話し合いなどをするとき、ビジネスパーソン同士の会話に耳をそばだててみてください。その会話の中で、皆が、巧妙に自己を他者の眼前にさらすことを避けていることがわかるでしょう。


■5.決断の5つの決め方
(1)全員で合意する
 メンバーで徹底的に話し合い、コンセンサス(合意) をとることです。要は「満場一致」です。
(2)多数決
 世の中で最も多く用いられる、一番安易な決め方が、多数決です。
(3)多段階での多数決
「多段階での多数決」とは、「何段階か多数決を重ねて、選択肢をしぼり込み、最後は決戦投票を行う」方法です。1回こっきりの多数決では納得いく結果が得られないときに、選択肢の1つになる方法です。
(4)スコアで決める
「スコアで決める」とは、投票するときに順位を決め、その順位を点数化し、その数の合計で1位を決める方法です。  例えば、候補案が3つあるとしたら、1位だと思うものに3点、2位だと思うものに2点、3位だと思うものに1点をつけてもらいます。そして、その合計点数で順位を出す方法です。
(5)評価で決める
「評価で決める」とは、評価軸を複数、あらかじめつくっておき、それぞれの対象ごとに点数をつけて、合計点を見る方法です。
(詳細は本書を)


【感想】

◆新書であるにもかかわらず、ハイライトを引きまくった作品でした。

昨今においては、生産性の点から「話し合い」というか会議自体を削減する動きもあり、かつ、他人と話し合うことが「ムダ」だと考えている人も多いのだそう。

その点に関連して、第1章の「話し合いが苦手な国、ニッポン」では、その章題にある「話し合いが苦手な理由」を
「(1)同質性の高い集団」
「(2)子どもの頃から、ダメな話し合いを積み重ねている」
「(3)正解主義に陥っている」
と3つ挙げています。

しかしこれからの社会を考えると、そうも言ってはいられません。

なぜなら上記ポイントの1番目のように「世の中の『正解』が見えにくくなってきた」から。

確かに今までの社会であれば、決められたことを決められたとおりにやるのが正解でしたから、上の指示に従えばよく、特に話し合う必要がなかったものの、今後はそういうワケにもいかないでしょうね。


◆では、さっそくどのように対話をすべきかというと……おっと、それを考える前に第2章において「残念な話し合い」なるものが5つ挙げられていたので、そちらをご紹介。

本書ではこの5つについて、詳しく解説されていますが、どれも「あるある」と思わず口にしそうになりました。

まず(1)のように「話し合い」というと「論破」したがる人がいますが、当然NG。

(2)はちょっと分かりにくい小見出しですが、要はひたすら対話だけ行って、そこから議論や決断に向かわないケースで、(3)は各人の意見の違いを咀嚼せずに、まさに「みんな違ってみんないい」と「決断」に至れないケースとのこと。

また(4)は、しっかり対話せずに「強引にアンケートフォームなどを用いて意見をすいあげてしまう」ケースを言い、(5)は、せっかく決定まで至ったものの、誰も決定に従わない(「自発的フォロー」をしない)場合を指すのだそうです。

……さらには、これらの「病」が進行すると「究極の病」である「対話ゼロで、ただちに多数欠病」なるものにかかるそうですから、ご注意ください。


◆それでは改めて、第3章の方で「対話」を掘り下げていくことに。

著者の中原さんいわく、対話の意義を生み出すのは「問い」であるとのことなので、上記ポイントの3番目にある「問いの作り方」において「問い」の具体例をご覧ください。

これらはいずれも、「before」として挙げられた「問い」をブラッシュアップしたもの。

例えば(1)なら「職場の中で気になったことがありますか?」とあいまいに問うのではなく、「3ヶ月」や「1つ」といった定量要素を加えることで、答えやすくなっています。

さらにその定量的にブラッシュアップされた問いに、定性的に踏み込んでいるのが(2)ということ。

また、(3)の仮定法なら自由な発想が望めそうですし、(4)のようにジレンマ状況(にっちもさっちもいかない状況)に問いの中に含めるのも、効果的なようです。


◆一方、個人的に「目からウロコ」だったのが、上記ポイントの4番目の「『自分』を持ち寄る」という考え方でした。

言われてみたら、自分も議論する際には、ここで言われているように
「自分以外の第三者」があたかも「語っている」かのように
物事を主張していたかもしれません。

そしてそのようなアプローチを取ると、その先に待っているのは「べき論の応酬」……という指摘は図星過ぎて返す言葉もありませぬ。
 対話のときには、自分の考えを理解してもらおうと説明するというより、他者の目の前に「そっと差し出す」。それぐらいの感覚で話せば十分です。
……これは皆に広く伝わって欲しい考え方だな、と。


◆そして第4章ではいよいよ「決断」に入ります。

その際、まずは「決断の5つのルール」というものがあって、具体的には以下のとおり。
1.メリット・デメリットを明らかにする
2.多数決に安易に逃げるな
3.「誰が決めるか」を決める
4.「いつ決めるか」を決める
5.「どのように決めるか」を決める
個々の詳細は本書をご覧いただくとして、上記ポイントの5番目は、最後の「どのように決めるか」からのものになります。

(1)の全員合意はハードルが高いですし、逆に(2)のただの多数決は本書ではかなり否定的。

逆に(3)(4)(5)は、かなり検討する価値があると思いました(これまた詳細は本書を)。

……少なくとも、すぐに多数決をやりたがる組織においては、絶対本書を熟読すべきかと。


会議や話し合いを行う方なら必読の1冊!

B0BBFHZ6DP
「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法 (PHPビジネス新書)
第1章 話し合いが苦手な国、ニッポン
第2章 「話し合い=対話+決断」――よい話し合いのプロセスとは?
第3章 対話の作法
第4章 決断の作法
第5章 「話し合い」にあふれた社会へ


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle本ポイントキャンペーン」の日経BP分の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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