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2023年02月17日

【NLP?】『ストレスや不安に打ち勝つ最強のメンタルをつくる 脳の取扱説明書』井上慎介


B08MZKYNMN
ストレスや不安に打ち勝つ最強のメンタルをつくる 脳の取扱説明書


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「インプレスグループ30周年記念フェア」の中でも人気の1冊。

タイトルを見た時はいわゆる「脳ネタ本」だと思ったのですが、NLP(神経言語プログラミング)について掘り下げた作品でした。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
オバマやクリントンら歴代のアメリカ大統領、レディー・ガガやビル・ゲイツも実践している最強のメンタルコントロール術、それが「NLP」です。本書では、そのNLPを活用して、自分自身でストレスや不安を払拭できる考え方をわかりやすく解説しています。また、よく悩みがちな例から、自分に合った解決方法も見つけ出すことができ、最強のメンタルをつくりやすい一冊となっています。

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【ポイント】

■1.朝起きて「今日も何か良いことがあるかな?」と口にする
 この行為を「空白の原則」と「焦点化の原則」から考察していくと、まず、寝起きのときの脳がフレッシュな状態(リセットされた状態)で「今日も何か良いことがあるかな?」という質問をすれば、脳が良いことに対して意識を向けやすくなります。意識付けされれば、「良いこと」に対して焦点が当たり、「良いこと」以外の情報であるネガティブなことは省略されていきます。ここが「焦点化の原則」ですね。
 ただ、脳は「良いこと」というだけでは抽象的で、具体的にわからないという状態です。「良いこと=わからないこと」ですので、とりあえず良さそうなものを手当たり次第に集めまくります。これが、空白の部分を情報で埋めるということになるのです。(中略)
 人間は、すべての物事に目が行き届いている訳ではありません。目に見えているすべての物事から選択して自分に必要な情報だけを取り入れようとします。その機能を担っているのが「空白の原則」であり、「焦点化の原則」なのです。


■2.未来に起こる失敗を事前に修正してしまう「未来ペーシング」
 まず、「ペーシング」とは、対人関係を円滑に行うNLPのスキルの1つで、基本的に自分と他の人とペースを合わせて信頼関係を構築することにもなります。ですが、「未来ペーシング」とは、未来の自分と、今の自分のペースを合わせて、未来で起きたときに実現可能かどうかをイメージすることです。
 未来ペーシングは、イメージトレーニングのやり方と同様に、イメージしてみて無理だと思ったら、改善点を見つけ出して、もう一度イメージトレーニングをするのです。何回も何回もやっていれば、いずれ未来で本当にできると思えるときがきます。
 未来に起こるかもしれない失敗の欠点を事前に見つけ出し、改善することは、いわば、未来を修正するということでもあります。スポーツ選手が勝てるイメージができるまでイメージトレーニングをやる。ビジネスマンが人前で発表をするときに失敗しなくなるまでイメージトレーニングをやる。どちらも本質は同じなのです。


■3.「あなたが悩みだと思ってしまったことは、なんでしたか?」と聞く理由
 私がクライアントさんに声をかけるときは「あなたが悩みだと思ってしまったことは、なんでしたか?」と聞きます。なんだかまわりくどい、わかりづらい聞き方ですよね? ですが、この質問の方法こそが「NLP的なアプローチ」なのです。
 この質問を分解すると、「あなたが『悩みだと思ってしまったこと』は『なんでしたか?』」と2ブロックに分かれます。最初のブロックは「あなたの悩み」ではなく「あなたが悩みだと思ってしまったこと」ということで、その悩みは事実ではなく、思い込みであるというメッセージを深層心理に落とし込んでいます。そして「なんですか」ではなく「なんでしたか」と過去形で聞くことにより、その悩みはもう終わったんだと、深層心理にメッセージを入れ、理解させているのです。
 この形式の質問をした場合の答え方を「私が悩みだと思ってしまったことは〇〇でした」と答えていただきます。この質問と答えを3回やっていると、クライアントさんの深層心理が悩みを手放しやすくなって、自ら悩みを解決できる脳の体質が作れるのです。


■4.「なかなか寝付けない」人のストラテジーを変える
帰宅→晩御飯→風呂→髪を乾かしながらスマホでチャット→TVを見る→気が付くともう真夜中→慌ててベッドに入る→寝る
 こんな感じで、帰宅してから就寝までの習慣的に行っている行動を書き出してみます。(中略)
 NLPには「失敗はない、ただ単に結果が出るだけ」という考え方があります。人間は誰でも、常に成功していると考えます。例えば、不眠症の人がいるとすると、その人は「寝ない結果にたどり着いている」ということになります。「なかなか寝付けない」ということに成功している人は、無意識的な行動が「なかなか寝付けない」ためにやっている習慣だからです。もし、「夜更かしをせず、早く就寝したい」と考えるならば、習慣を意図的に変えてみれば良いのです。(中略)
 例として、TVを見るという行動を、読書をするという行動に変えてみます。すると手順が変わります。
帰宅→晩御飯→風呂→髪を乾かしながらスマホでチャット→読書をする→ほど良い疲れを感じる→ベッドに入る→寝る
 このように、実際に書いてみてストラテジーを変えてみてください。直したい習慣などを修正することができるかもしれません。


■5.ダイエットに成功するには「本当のゴール」を見つける
 では、本当のゴールとは何かといえば「自分の安全安心の欲求を、さらなる高いレベルで満たしてくれる状態」です。ダイエットに関してですが、痩せたいと思うのは表面的な思いであって、深層心理が、本気で痩せたいと願っているかはわかりません。「なんとなく痩せたいな」と思う程度でしたら、ダイエットは成功しません。ダイエットとは辛いものであり、動物の本能としては、やりたくないからです。しかし、医者から「今の体重よりも10キロ落とさなければ余命3ヶ月です」と宣告されたり「結婚式で美しい体型でウェディングドレスを着たい」といった強い願望がある場合は、成功する可能性が高いのです。(中略)
 ここでいう本当のゴールとは、深層心理が望む、理想のことです。「今の体重よりも10キロ落とさなければ余命3ヶ月です」ならば、本当のゴールとは「生きていたい」という生存欲求です。「結婚式で美しい体型でウェディングドレスを着たい」ならば、本当のゴールとは「友人に素敵と思われたい」という強い承認欲求です。生存欲求も、承認欲求も、深層心理が強く欲しがるものなので、本当のゴールになるのです。


【感想】

◆冒頭でも触れたように、タイトル並びに書影を見た限りでは、NLPをテーマにした作品だとはまったく分かりませんでした。

実際サブタイトルはさておき、表紙の字数から考えたら、ひと言くらい掲載されていても良さそうなもの。

と言いますか、むしろあえて「伏せた」のだとしたら、それは「NLP本」であることで、変な色眼鏡で見られたくなかったからかもしれません。

ただ、私がこのブログを始めた頃ですとか、そこからしばらくの間は、むしろ「NLP」をウリにしていた著者さんの作品も結構あったんですよね。

しかし、下記関連記事でレビューした作品は、いずれもNLPの講師さんやNLPのテクニックが用いられたものなのですが、ここ数年はご無沙汰しています。

……単に私が見逃していたり、記事にしなかっただけで、一定数出版されていたらごめんなさい。


◆一方本書は、まさに正面からNLPないしはNLP的なTIPSを紹介している作品でした。

そこで本来ならNLP的なロジックを順を追って解説すべきところ、そこを端折って、極力実践できるTIPSを優先した次第。

たとえば第1章から抜き出した上記ポイントの1番目は、「朝の気だるさ」「起きるつらさ」を払拭するためのものです。

「今日も何か良いことがあるかな?」と口に出して自分に質問をすることで、脳が勝手に一日中良いことを探し始めるのだそう。

つまり逆に「あー、昨日の疲れが抜けない、どうせ今日もロクなことなんか起きないだろ」等、上記の例と逆のことをつぶやいてしまったとしたら、脳はネガティブなことを探してしまうワケです。

今までの類書で(NLPとはうたってない本で)似たような話を読んだことがありますが、ロジックである「空白の原則」とか「焦点化の原則」等の話は、今回初めて知りました。


◆続く第2章では、イメージすることの重要性に言及されています。

中でも具体例がいくつか登場したのが、イメージトレーニングの効果。

ボクサー、空手、レーシングドライバー等、格闘技なら対戦相手の細部にわたる情報を踏まえたり、レーシングドライバーなら実際にサーキットと同じ格好をしてコックピットに座わったりして、イメージトレーニングを行うのだそうです。

……何か以前、「バスケットのフリースローにイメージトレーニングが効果がある」みたいな話を読んで、その程度の考えでいましたが大甘でした。

さらに、その「未来」に起こる失敗を未然に防ぐべく行うのが、上記ポイントの2番目の「未来ペーシング」です。

こちらは、ビジネスパーソンのプレゼンにも使えますし、あくまでイメトレですから、会場の大きさや役員の出席人数を変えてもいいのだとか。


◆また、今回本書の中で最も「目からウロコ」だったのが、上記ポイントの3番目の「NLP的なアプローチ」です。

これ、普通だったら「あなたの悩みは何ですか?」と聞いちゃいそうなところですが、それではダメとのこと。

もしそう聞いてしまうと、深層心理は「自分と悩みは1つなんだ」と再確認してしまうのだそうです。
 セラピーでのこの質問と答えだけで、悩みの50%は解消したという方が多いのです。これぐらい、悩みと自分自身が一体化している状態が悩みを強くしたり、解決を阻んだりしているのです。
ちょっとした聞き方の違いですが、それが大きな効果に繋がるのだとは……。


◆さらに第4章では、悩みの元となる「自分のあまりよくない"プログラム"」(怒りやすい等)を「書き換える」テクニックを指南。

「アンカリング」と「モデリング」のどちらも重要なのですが(詳細は本書にて)、上記ポイントの4番目では後者の手順の1つである「ストラテジー」の、組み換えのお話を抜き出してみました。

もちろん、「TVを見る」を「読書をする」にしたとしても、寝つきの悪さは変わらないかもしれません。

その場合は上記にもあるように「失敗はない、ただ単に結果が出るだけ」という考え方をして、別の組み換えをすればいいということ。

これは「直したい習慣を変える」という効果がありますから、むしろ「モデリング」より役に立つかもしれません。


◆なお、上記ポイントの5番目は、第5章の「悩みの解決方法」から抜き出したもの。

この章では章題にあるように、さまざまな悩みをNLPで解決していく手順が解説されています。

具体的には
「なかなか寝付けないのを解消したい」
「禁煙やダイエットを成功させたい」
「異性への苦手意識を克服したい」
「コンプレックスを克服したい」
等々、全部で11個ほど。

正直、ここを読んで実践して、悩みが改善されるなら、本書の元は余裕で取れると思います。

ちなみに上記で引用したのは、ここにある「禁煙やダイエットを成功させたい」からなのですが、すいません、思いっきり途中ですね。

実際に「本当のゴール」を見つけるには、自分自身に質問します。
「ダイエットをしたら、何が待っていますか?」答えが出たら「それが手に入ったらどうなりますか?」あとはこれを繰り返して、質問しても、答えがこれ以上出てこないと思うところまで掘り下げることができたら、それが本当のゴールです。
ぜひお試しアレ!


NLPを用いて問題を解決できる1冊!

B08MZKYNMN
ストレスや不安に打ち勝つ最強のメンタルをつくる 脳の取扱説明書
基礎編 物事を捉える視点を変えて自分を見つめ直す
第1章 脳の奥深くにある意識を味方にする
第2章 自分の価値観を通じて良いイメージを描く
第3章 物事を捉える視点を変えて自分を見つめ直す
第4章 コンピューターのように脳に書き込める
第5章 悩みの解決方法


【関連記事】

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★「絶妙な話し方の技術」 橋川硬児 (著)【マインドマップ付き】(2005年10月06日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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