2023年02月15日
【時間術】『仕事も人生もうまくいく! 勝間式 タイムパフォーマンスを上げる習慣』勝間和代
仕事も人生もうまくいく! 勝間式 タイムパフォーマンスを上げる習慣
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、一番お求めいただいている自己啓発本。おなじみ勝間和代さんが、時間の使い方について指南してくれる1冊です。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書では、時間リッチになるための考え方、そしてより具体的な実践方法をさまざまに紹介しています。時間リッチとは何も難しいことではありません。誰でも実践できるものですし、それはあくまでも「方法」や「技術」にすぎないのです。それを繰り返し実践し、習慣化することができれば、誰もが時間リッチになることができます。
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Clock - Success / flazingo_photos
【ポイント】
■1.運動を複利計算で考えるこの運動というものは、あたかも複利のように効いてくるたぐいのものです。続けていればいるほど、効果が倍増すると言っても過言ではありません。毎日1万歩ずつ歩いていれば、やがて体力がついてきて、10分や15分の道のりを歩いてもまったく苦ではなくなります。
めったに歩かない人がそれだけの道のりを急に歩こうとしても、すぐに息が上がり、疲れてしまうでしょう。しかし、日常的に歩いている人にとっては、楽々と歩けるわけで、その分、効率がよくなっていることが実感できるでしょう。これがまさに時間割引率の低い行動の効果であり、時間の投資の配当の成果なのです。
言い換えれば、これは時間というものが複利で増えていくことの証左だと思います。将来の時間のために投資すれば、その分だけ、複利的に時間の効率化が増していきます。まったく投資せずに目の前のことだけを優先して生きてきた人に比べれば、将来のある時点では、時間を効率的に使うという技術において、大きな差が生まれていることになるのです。
■2.先延ばしは時間の負債
それではどうすれば、このような「後でやればいい」という先延ばしの思考を防ぐことができるかというと、やはり思考の習慣化が重要になります。「これを先延ばしした場合にいつやるのだろう」何かやらなければならないことがあったとして、先延ばしにしたくなったときには、このように考えるといいでしょう。先延ばしにしてもいつかはやらなければならないときが来るわけですし、先延ばしにしたところで結局やらなければならないのは自分です。だったら、先延ばしにするのは、未来の自分の首を絞めることになるわけですから、得策ではありません。いまやってしまったほうが、その分だけ未来の時間への投資にもなるというわけです。
「これを先延ばしした場合に誰がやるのだろう」
■3.気力最優先主義を目指す
丸1日、活動的に動けば当然、体力を消耗して身体も疲れてしまいます。1日の始まりから終わりまで、同じパフォーマンスを維持し続けるというのは、どんな人間であれ、難しいことだと思います。それは気力についても同じことで、常に一定のモチベーションのまま、朝から晩まで過ごすことはかなり困難なことです。
ですから、体力と同じく、気力もまた有限であると心得ることが大切です。気力がなくなれば、十分に休み、満足な睡眠時間を取って、体力とともに気力の回復も図る必要があります。
言い換えれば、気力のコストパフォーマンスをなるべく抑えることが、1日全体のタイムパフォーマンスの向上にもつながるということです。(中略)
気力が必要なハードな仕事やクリエイティヴな作業は、朝起きてから気力がみなぎっていて、充電がたっぷりされている午前中の間に行うようにするとよいでしょう。
そうした作業は昼過ぎくらいまでには終えて、気力が減り疲れも出てくる夕方や夜には、さして気力を必要としない、自動的に行えるルーティンワークのようなものを行うようにするとよいと思います。
■4.ニュースダイエットは時間リッチの簡単な方法
先述したように私は完全に飲酒をしない生活を送るようにしていますが、それと同等、もしくはそれ以上に私の時間をリッチにしてくれているのが、「ニュースダイエット」というものです。
情報過多となった現代社会において、日々、マスメディア、ネットメディアなどから、さまざまなニュースが報じられています。新聞・雑誌・テレビ・ネットなどのこうした洪水のようなニュースを、あえてカットするのです。
たまたま目に飛び込んできたニュースくらいは観ますが、私はほとんどテレビのニュース番組を観ることがありません。ワイドショーの類も一切観ません。新聞や雑誌の定期購読をやっていません。(中略)
実際に、私はニュースをまったく観なくなってから、3〜4年経ちますが、特別に困ったことはありません。むしろ、ニュースを観なくなった分、自分の時間が増えました。その時間を使って、自分の好きな本を読んだり、仕事の作業に没頭したりすることができるようになりました。
その意味で、ニュースダイエットというのは、お酒を飲まないことと同じくらいに、自分の時間を作ることに非常に効果的です。
■5.「念のため」という「保険仕事」を減らす
この保険仕事について少し説明しますと、一言で言えば、「本当は必要ないかもしれないけれども、とりあえず念のためを行う仕事」の総称になります。
つまり、過度にコンプライアンスを気にして、来るかもしれないクレームに備え、必要以上に注意書きをするとか、もしかしたらこんな危険もあるかもと、とにかくリスクヘッジばかりを優先して、細部までこだわってしまうことを言います。これは先ほど述べた、過剰包装も似たような「保険仕事」と言えるかもしれません。
「念のため」「もしかしたら」というような、保険仕事が増えれば増えるほど、効率はどんどん悪くなりますし、その分、コストも上がっていきますから、結局、収益は少なくなってしまうのです。
これは大企業であればあるほど、多くなる傾向にあります。もっと細かく言えば、クレーム対応やコンプライアンス対応のために、企業弁護士・顧問弁護士、あるいはコンサルタントを雇うというのも、この「念のため」の備えなのです。
【感想】
◆勝間さんらしさに溢れた、いわゆる「勝間節全開」の作品でした。そもそも勝間さんの作品の特徴として挙げられるのが、実際にご自身が実践されたことを分析したり蓄積したりして、コンテンツとして文章化しているということ。
その点、海外の論文の結論を持ってきて、体裁を整えるタイプの作品とはひと味違います。
ゆえに後になってから「あー、そう言えばそういう話、よくメルマガで話題にしてたなー」ということがしょっちゅう起きるという。
たとえば本書では、タイパ(タイムパフォーマンス)を上げるために、音声入力で文章を仕上げる話が出てくるのですが、そのクオリティを上げるために外付けのマイクをいくつも購入して試しているワケです。
これなどは、勝間さんのメルマガの読者の方はご存じでしょうが、それこそもう、ビックリするくらい色々試している次第。
……マイク1つでこうですから、その他のガジェット合わせたら、どんだけ試してるのかと。
◆また、第1章から引用した上記ポイントの1番目の「運動」も、勝間さんが実践されているものの1つ。
ただし、無理してジムに通うよりも、普段の生活の中で「毎日1万歩以上歩く」ことを推奨されています。
……「駅までの道のりを歩いたりすれば」と言われているのは、大都市圏にお住いの方の視点かもしれませんが。
ちなみに、この第1章のテーマは、いわゆる「時間割引率」なのですが、この運動は「時間割引率が低い」(=時間リッチになる)ものとして挙げられています。
さらに引用したように、その積み重ねが複利になる、という考え方は、盲点でした。
たまに思い出したように、こんな室内トランポリンでピョンピョンしてますが、わずかながらでも複利になるといいな、と。
◆続く第2章は、「タイパ」がテーマです。
ここから抜き出した上記ポイントの2番目の「先延ばし」の考え方は、実は私も実践していました。
ただ、先延ばしたとしても「いつか」「自分が」やらねばならないことは、迷わずすぐやるようにしてますが、すぐやることで後になって二度手間になることは、よく考えねばならないのがポイントです(経験者語る)。
さらには自分だけの問題だけではなく、相手からの修正があるかもしれない仕事は、どのタイミングで着手するか考慮しなくてはならないのがミソ。
お役所に提出してから、お客さんに「すいません、ここ変えたいんですが……」と言われたことが何度かあると、用心深くなるものです。
また、上記ポイントの3番目の「気力最優先主義」は、第3章から引用したもの。
いわゆる「意志力」同様、消耗するものですから、午前中の「ゴールデンタイム」に、ネット等で消耗しないように心がけるべきでしょう。
ちなみに、その気力を温存するために、この章ではガジェットや機械化等の仕組みづくりが推奨されていましたので、興味のある方はご確認ください。
◆一方、第4章の「時間泥棒」として、上記ポイントの4番目でニュースが挙げられていたのにはビックリの巻。
そういえば、以前こんなテーマの本を読んだっけ、と思ったら、巻末の「時間術本10選」の中に、まさにその本が入っていました。
News Diet
参考記事:『News Diet』から学ぶニュースを読まなくて良い5つの理由(2022年04月22日)
私の場合、顧問先と話をする関係で、ニュースをまったく見ない、というわけにもいきませんし、上記作品では完全にニュース断ちをできない人は「新聞一紙だけ(あるいは週刊誌一誌だけ)なら許される」とありましたのでご参考まで。
他にも意外だったのが、勝間さんが家ではスマホを触らない、というお話です。
これは画面が小さすぎて情報量が少ないのと、受動的なコンテンツが基本的に多いため、どんどん時間が取られてしまうから、とのこと。
私も基本、スマホでの入力にはストレスがたまるので、ここも深く納得しました。
◆なお、上記ポイントの5番目は、最後の第5章「仕事を効率化してリッチな人生を手に入れる」から抜き出したもの。
確かに「万が一」「念のため」にやったり、準備したり、という仕事は効率が悪いかもしれません。
大企業ほど多くなる傾向にある、という指摘は確かで、私も「大企業の子会社」という顧問先は、「念のため」の確認作業が非常に多いです。
……まぁ実際に動く金額が小さい小規模の会社だと、担当者レベルはもちろん、最悪オーナー社長が腹をくくればいいだけの話なのですが、前述のような子会社だと、動く金額がそれなりに大きく、結局親会社にお伺いを立てたり等の作業が必要なワケでして。
ただ、それに関連した話で、本書全体を通じて、勝間さんのような「自分で何でも決められる」立場の人や、経営層はある程度本書を実践できる反面、会社で働くビジネスパーソンにとっては、自分ではどうにもできないTIPSがいくつかあると思います。
とはいえ、その辺は割り切って、「できるところをできる範囲でやる」形で改善をしていけば良いと思いますし、それこそ将来、手がけたものが複利で効果が出てくるのではないか、と。
「時間リッチ」になりたい方なら読むべし!
仕事も人生もうまくいく! 勝間式 タイムパフォーマンスを上げる習慣
第1章 時間リッチな人生を送るために
第2章 タイムパフォーマンスを意識する
第3章 頭の中に「時間の家計簿」を持とう
第4章 時間泥棒を撃退しよう
第5章 仕事を効率化してリッチな人生を手に入れる
【参考】
上記で触れた、巻末に掲載されている「タイムパフォーマンスを上げる最強の時間術本10選」のうち、当ブログで取り上げている作品とそのレビューは以下のとおりです。いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学
参考記事:【オススメ!】『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学』センディル・ムッライナタン,エルダー・シャフィール(2015年03月01日)
ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣 (フェニックスシリーズ)
参考記事:【習慣大全?】『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』ジェームズ・クリアー(2022年01月28日)
睡眠こそ最強の解決策である
参考記事:【決定版!】『睡眠こそ最強の解決策である』マシュー・ウォーカー(2018年05月20日)
News Diet
参考記事:『News Diet』から学ぶニュースを読まなくて良い5つの理由(2022年04月22日)
自分を変える1つの習慣
参考記事:自分を変える1つの習慣:マインドマップ的読書感想文(2015年08月07日)
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【編集後記】
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