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2022年12月15日

【話し方】『最強リーダーの「話す力」誰から見てもリーダーらしく見える「話し方」の秘密』矢野香


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最強リーダーの「話す力」誰から見てもリーダーらしく見える「話し方」の秘密


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、本日が最終日となる「Kindle本冬のキャンペーン」からの話し方本。

昨日のランキング記事で上位に入っていると知り、あわてて読んでみた次第です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
カリスマ性がなくても、自信がなくても大丈夫!
「リーダーの自分」を「素の自分」と切り離して考えることで、“最強のリーダー”として人を動かす話し方ができるようになります。
著者はNHKでキャスターとして活躍しながら大学院でスピーチ研究に取り組み、博士号を取得。現在は国立大学教員として研究を続ける傍ら、スピーチコンサルタントとして経営者や政治家などトップリーダーのトレーニングを行っています。
本書では、古今東西の優れたリーダーたちが実践している「秘伝のテクニック」を多数紹介していきます。

中古価格が定価の倍近くとなっていますから、このKindle版が900円強、お買い得となります!






audience / miss_rogue


【ポイント】

■1.「話す力」には3つの階層がある
 第1階層は、誰もが最初に立つスタート地点です。「緊張してうまく話せない」「大勢の前に出るのは恥ずかしい」といった、人前に立つことに対する苦手意識を克服する段階です。「好感獲得」と名づけました。(中略)
 第1階層の話す力を習得後、第2階層の「分かりやすさ」に進みます。
 論理的に分かりやすく話す、正確に伝える、信頼される話し方をする……といったビジネスパーソンであれば身につけておきたい段階です。(中略)
 そのあとに続く最終段階が、第3階層の「影響力」です。
 言葉の力で大衆を導く段階で、リーダーのためのスキルです。「みんなをまとめたい」という方はもちろん、「SNSでフォロワーを増やしたい」という方も該当します。自分を支持する人たち、従う人たちを増やし、周りを巻き込む段階です。


■2.おじぎをする前に、まず相手を見る
 マイクスタンドなど所定の位置にたどり着くと、一礼して話し始めるのが一般的です。人によっては、マイクに到着する前から歩きながらお辞儀をして、へこへこと「こめつきバッタ」のように登場する方もいます。
 しかし、これらはリーダーに相応しくない振る舞いです。人前に立ってすぐにお辞儀をしてしまうと、目線を上げたときにすでに聞き手から見られているからです。つまり、先に視線で噛みつかれてしまっているのです。
 この場面で相手より先に目線を送るためには、お辞儀するよりも前に、一呼吸置いて、先に相手を見るのです。それも、じっくり全体をなめ回すように。
 相手がどんな人であっても、1人だろうと大勢だろうと同じです。ついお辞儀をしそうになるのをこらえ、先んじて相手を見ることを忘れないでください。


■3.「レトリカル・クエスチョン」の名手、新庄監督
  ここで、「レトリカル・クエスチョン(答えを求めない問い)」というテクニックをご紹介しましょう。
「皆さんは、今のこの現状に満足していますか?」
「このままで、明るい未来は開けるのでしょうか?」
 政治家の演説でも多用されますので、どこかで聞き覚えがあることでしょう。日本語では「修辞疑問」と訳されます。疑問形にすることで伝えたい部分を強調し、聴衆を巻き込む効果があります。
 この「レトリカル・クエスチョン」の名手が、「ビッグボス」こと、日本ハムファイターズの新庄剛志監督です。2021年11月の監督就任以来、メディアの注目を集め、就任直後のオフシーズンにプロ野球界で最も報道された人物と言っていいでしょう。


■4.「恩」を思い出させる
 同じように、現代の私たちも、先代や創業者、前任者など過去のリーダーの名前を使い、その恩を思い出させる伝え方ができます。
「この部署を立ち上げた前社長が、今の現状を見たらどう思うだろうか」
「当社の礎を築いてくださった先輩方に恥ずかしくないのか」
 もし伝える相手が一人であれば、このような言い方をすることもできるでしょう。
「あなたをこのプロジェクトに加えるよう推薦してくださったAさんは、あなたの今の勤務態度を見てどう思うだろうか」
 こうした伝え方は、説得を目的とした話法において「情緒的説得」と呼ばれている手法です。相手の感情や想像力を刺激し行動を促します。特に心に後ろめたさや罪悪感、不安がある人は、さらにこうした「情緒的説得」の影響を受けやすくなります。


■5.能動態で語る
「基準を示す」とは、リーダーが何を考え、どのような判断をしているかを、聞き手にはっきりと分からせるための話し方です。
 その第一歩は、「受動態」をやめること。つまり受け身をやめ、すべて「能動態」、すなわち、はっきり自らがしている行為として語ることです。主語は「自分」です。例を挙げましょう。
△「こうした事態を打開するため、来月、全体会議が行われることになりました」
◯「こうした事態を打開するため、来月、(私は) 全体会議を行います」
 聞き手の立場では、どちらがより「この事態は打開しなければならないのだ」という危機を感じて、どちらがより「事態が打開できそうだ」とリーダーに期待するでしょうか。(中略)
 主語は必ず自分。能動態で、シンプルに言い切る。基準を示すうえでもこの原則に従って語ります。


【感想】

矢野さんの作品は、下記関連記事に挙げたように過去2冊ご紹介していましたが、本書はそれらに比べてもかなりテクニカルな内容でした。

まず第1章から抜き出したのが、上記ポイントの1番目の3つの階層のお話。

本書にはピラミッドの図があって、下から第1、第2、第3と階層が積み重なっているのですが、本書は「リーダー向け」だけあって、第3階層の話し方だけを取り扱っているとのこと。

ちなみに、各階層ごとに「話し方」本のベストセラーが紹介されており、当ブログではそれぞれの階層ごとに次のような作品をレビューしていた次第。

●第1階層

B00BHCM7HE
伝え方が9割

参考記事:【こんな方法あったんだ】『伝え方が9割』佐々木圭一(2013年03月05日)

●第2階層

B07BFNPD6Q
1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術

参考記事:【プレゼン】『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』伊藤羊一(2018年04月13日)

●第3階層

B08VDZS65P
影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか

参考記事:【速報!】『影響力の武器』の[第三版]を[第二版]と比較してみました(2014年07月14日)

他にも話し方本はたくさん取り上げていますから、それぞれどこに属するか考えてみるのも面白そうですね。


◆ちなみにこの第3階層のスキルは、5つの要素から構成されており、第2章以降の各章でそれぞれ解説されています。

まず第2章のテーマは「注目を集める」。

上記ポイントの2番目は、この「注目を集める」ための5つのスキルのうち、「登場を制する」から抜き出したものです。

いやー、私なんぞ、ここにある「こめつきバッタ」さながらにペコペコしちゃってましたから、リーダーの素養が皆無な気が……。

さらに、ここからはもう1つ、上記ポイントの3番目の「レトリカル・クエスチョン」も選んでおります。

実際に新庄監督は、監督就任後の「ファンフェスティバル2021」でこのように言われたのだそう。
「暴れても良いですか?
 感動させても良いですか?
 泣き笑いさせても良いですか?」
この問いかけに「ノー」という人はいません罠。


◆一方、第3章のテーマは「高揚感を高める」ということで、エモーショナルな話し方を指南しています。

具体的には3つのメソッドがあり、そのうちの1つが「思い出させる」。

つまり「聞き手の眠っている感情を刺激する」ワケです。

そして何を思い出させるかというと、「誇り」と「怒り」と、上記ポイントの4番目の「恩」。

確かに「恩」を前面に出されると、「報いなければ」と奮い立つのはうなずけます。

また、割愛した中で興味深かったのが、メソッドの1つである「声のエネルギーを変える」。

今まで「速さ」とか「声の大きさ」「声の高低」は意識したことはありましたが、それらに加えて「熱量」まで話す内容を考えて配分するのだそうです(詳細は本書を)。


◆なお、上記ポイントの5番目の「能動態で語る」は、1つ飛んだ第5章の「基準を示す」からのもの。

この章では「リーダーの言葉づかい」を5つ紹介しており、「能動態で語る」もその中の1つになります。

確かにリーダーが受動態というか、受け身で語ってしまうと、「自分は責任を取りたくない」という逃げ腰の印象を与えかねませんからご注意を。

ちなみに受動態に似たものに、過剰に丁寧な言い回し(「〜させていただきます」等)がありますが、こちらも要注意!
「〜させていただきます」は敬語として使う方が多いのですが、そもそも許可を要していない場面では使う必要はありません。
確かにそのとおり……なんですけど、ついつい「〜させていただきます」と言ってしまうんですよね(反省)。

私自身は、リーダーになることなく会社員をやめて独立してしまいましたが、部下がいたり、現にリーダーでいらっしゃる方は、ぜひ本書の内容を実践してみてください。


「影響力を持ち、行動を促す」話し方をするために読むべし!

B0B9RP225L
最強リーダーの「話す力」誰から見てもリーダーらしく見える「話し方」の秘密
第1章 リーダーの話し方は「これだけ」やればいい
第2章 注目を集める
第3章 高揚感を高める
第4章 信頼感を与える
第5章 基準を示す
第6章 器の大きさを見せる


【関連記事】

【話し方】『たった一言で人を動かす 最高の話し方』矢野 香(2017年12月01日)

【大人の伝え方ノート 一言で「人間関係」はガラッと変わる】矢野 香(2019年10月21日)

【こんな方法あったんだ】『伝え方が9割』佐々木圭一(2013年03月05日)

【プレゼン】『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』伊藤羊一(2018年04月13日)

【速報!】『影響力の武器』の[第三版]を[第二版]と比較してみました(2014年07月14日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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実践システム・シンキング 論理思考を超える問題解決のスキル (KS理工学専門書)

問題解決という当ブログ向きのテーマの1冊は、Kindle版が1700円以上お買い得。

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J04 地球の歩き方 沖縄 2023〜2024 本島周辺の島々・八重山諸島・宮古諸島 (地球の歩き方J)

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