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2022年11月18日

【45の法則】『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』木下勝寿


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時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気の高かった仕事術本。

当初、サブタイトルにある「1日1話」というフレーズを見て、物語本かと思ったのですが、そんなことはなくごく普通の(しかし濃い内容の)ビジネス書でした。

アマゾンの内容紹介から。
著者は、成果は「スキル×思考アルゴリズム(考え方のクセ)」によって生み出されると言っている。
実はスキルはどれだけ磨いても、新人とベテランで「1:3」と3倍しか差はつかないが、「思考アルゴリズム」は「1:50」と、その差は50倍にもなる。
掛け合わせると150倍の差になるのだ。
よって、同じスキル、同じ努力でも短時間で成果を最大化できる思考アルゴリズムを、45の法則にまとめた。

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Information Overload / cambodia4kidsorg


【ポイント】

■1.行動量が10倍アップするピッパの法則
 私はそれまで「忙しいから実行できない」と思っていた。
 だが、よく考えると、社長のほうがよっぽど忙しい。
 そこで成功している社長たちに「なぜすぐに行動できるのか」を聞いてみた。
ピッと思いついたらパッとやるんだ。
 君と話していて、こんなことをやったら面白いと感じる。
 君が帰った瞬間にやる。それだけだ」
 これが拙著『売上最小化、利益最大化の法則』の最後に書いた「ピッパの法則」だ。
 やるべきことが起こったとき、後でやろう、いつかやろうではなく、その場ですぐやるか、すぐできない場合はいつやるかをその場で決める。すると、タスクを滞らせず、次々にこなしていけるのでキャパが激増する。


■2.めんどうくさければGO!の法則
 絶対に成功できる唯一の方法がある。
 それは「他人にはできないこと」をやること。だから成果を上げる人は、常に他人にはできないことを探す「思考アルゴリズム」を持っている。
「他人にはできないこと」というと、「難易度が高いこと」と思うかもしれない。
 だが、もう1つ、「他人にはできないこと」がある。
「めんどうくさいこと」だ。
「難易度が高いこと」と「めんどうくさいこと」の両方できれば大成功するが、めんどうくさいことができるだけでも成功する。
 成果を上げる人は、めんどうくさいことを見つけたとき、「これは絶対に他の人はやらないだろう!」と嬉しくなる。
 では、めんどうくさいことを見つけるにはどうしたらいいか。 多くの人がめんどうくさいと感じるものは、だいたい似通っている。 だから、自分がめんどうくさいと思ったことは、たいてい他人にとってもめんどうくさいことなのだ。


■3.最強チェックシートの法則
 私は仕事でもプライベートでもチェックシートを使う。
 チェックシートを活用するメリットは3つある。
(1)漏れがなくなり、クオリティが上がる
(2)所要時間が2分の1〜5分の1程度に減る
(3)チェックシートの精度を上げれば、誰にでも仕事を任せられる
 特に(3)の視点は重要だ。
「判断が難しくてベテランにしかできない」と思われている仕事も、細かく分解して「どのように」「やったか」をチェックすれば、誰にでもできるようになる。
 実際、洗い出した作業手順を時系列に並べてリスト化し、チェックリストにしたところ、ベテランの仕事がアルバイトの仕事に変わったことがある。


■4.「今がチャンス」は見送る法則
「今がチャンス」とは、厳密にいえば「今だけがチャンス」であり、本物のチャンスではない。「今がチャンス」と言っている時点で再現性がない。本物の成果を上げ続けるには刹那のチャンスにかける暇はない。
「今だけのチャンス」は短期間はうまくいっても、数年後にはダメになることがわかっているからだ。
「本当にダメになるかどうか」が気になるときは、じっくり過去の事例を調べてみるといい。
 必ず似たケースがあるからだ。
 飲食店で長く成功する人は、今流行しているスイーツ店をやろうとはしないだろう。今すぐ出店すればうまくいくのだろうが、2年後には流行は終わっているだろう。
 1年間培ったものが、一瞬にしてゼロになることがわかっているのだ。


■5.一流を知る法則
 1位の会社はなるべくして1位 になっており、2位の会社はなるべくして2位になっている。
 1位には1位の理由があり、2位以下には2位以下になる理由がある。
 そして悲しいかな、1位は2位以下の理由が理解できるが、2位以下は1位の理由が理解できない。
 1位になるには1位の中に入り、1位の常識に染まることが大切だ。
 私が就職相談を受けたときに必ず言うのは、「小さな業界でもいいから業界1位の会社に行きなさい」ということ。
「1位の会社から2位の会社には転職できるが、1位の会社は2位以下の会社から転職者をめったに受け入れない。同業2位以下の経験者より、他業界の未経験者を受け入れる」という事実を伝えるのだ。これはなぜか。
「同業2位以下にいた」ということは、業界2位以下の常識に染まっており、1位の常識を理解できない可能性が高い。それなら、常識に染まっていない未経験者の伸び代に期待するというのが、経営者の判断というものだ。


【感想】

◆ちょっと派手目な装丁ゆえ、ぶっちゃけ当初は敬遠気味だったのですが、予想をはるかに上回る濃い内容でした。

タイトルにもある「思考アルゴリズム」とは、著者の木下さんいわく「考え方のクセ」である、と。

つまり、人生のさまざまなシーンで、何かしらの困難に直面した際に、どのように対処するかによって結果が異なるのですが、成果が上がる「考え方のクセ」と上がらない「考え方のクセ」があるワケでして。

そこで、このうち前者の成果が上がる考え方のクセを「45の法則」としてまとめたのが本書ということ。

なおこの法則は、「若手向け」「中堅向け」「幹部向け」とレベル分けされているのですが、上記ポイントはそれぞれ、若手、若手、中堅、幹部、若手、と若手多めとなっております。

……私自身が未だ「若手レベル」の可能性が微レ存なのですが。


◆というわけで、さっそくこの法則を見ていくと、まず上記ポイントの1番目と2番目は、第1章の「すぐやる人の思考アルゴリズム」からのもの。

前者は木下さんの「自分の中の『思考アルゴリズム』が大きく変わり始めた記念すべき第1法則」とのことなので、それを尊重してセレクトしました。

ただ、そこでも触れられているように、木下さんの前著となるこちらの作品にも収録されているそうなので、お持ちの方はご留意ください(他の法則ではそういった記述がないので、ネタ被りについては問題ないハズ)。

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売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密

……この本1年以上前に出ているのに、あまり中古が値下がりしていないのもスゴイですが。

また、後者は「他人にはできないこと」のうち難易度が低いのが「めんどうくさいこと」、という視点が見事です。

本書では解説部分で仕事を「やるべきこと」「やりたいこと」「やれること」の3つの円であらわし、その重なり部分から7つに分類。

「やるべきだが、誰もやらない『めんどうくさいこと』」を「一人勝ちできる仕事」と定義し、ここに率先して着手するよう言われているのですが、こういうのって本当に意識の問題ですよね?


◆また、第3章から抜き出した上記ポイントの3番目の「チェックシート」は、過去何度もご紹介していますが、こちらの作品でもおなじみです。

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アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】

参考記事:マッキンゼーが選んだ『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』の10個の原則(2011年06月23日)

ただし木下さんの会社では、その項目数が半端なくて、たとえば品質確認のチェックポイントは800項目もあるのだとか。

またプライベートでも、旅行や出張時の「持ち物チェックシート」を活用しているそうです。

品質確認と持ち物で、どちらも実際のリストの図表の一部が掲載されており、非常に細かくて圧倒されたのですが、このくらいシビアに活用してこそのチェックリストなのだな、と思った次第……。


◆一方、第4章で気になったのが、上記ポイントの4番目の「『今がチャンス』は見送る法則」。

一歩間違うと、上記ポイントの1番目の「ピッパの法則」に逆らってしまうのではないか、という印象を受けました。

ただ、これに関しては「じっくり過去の事例を調べてみるといい」とのこと。

確かにスイーツ店はその時その時の「トレンド」がありますから、安易に飛びつくのが危険なのは分かります。

試しに「昔流行ったスイーツ」で検索して、下記のサイトを眺めてみたら、懐かしくも今は見かけないスイーツがちらほら……。

爆発的ブームを生んだスイーツの数々!80年代〜現在までの歴史をまとめてみた | machicon JAPAN


◆なお、上記ポイントの5番目は最終章である第5章からのもの。

木下さんはリクルート出身なのですが、業界ナンバー2の企業に勤めていた高校の同級生に「おまえの会社が業界1位なのは、たまたまうちより早く参入したからだ」と言われたのだそうです。
 これを聞いた途端、私は、この差は永久に埋まらないだろうと感じた。
 はっきりいってリクルートと業界ナンバー2の会社では営業力が桁違いだ。
 その差に気づかず、自分たちが万年2位の理由を単なる「タイミングや運」ととらえているのだ。
 事実、その後の順位はそのとおりに推移した。
なるほど、「1位は2位以下の理由が理解できるが、2位以下は1位の理由が理解できない」というのは、こういうことなのですね。

また、この章では他にも「お金持ちこそ普段から礼儀正しい」という指摘があって、タワマンでは上の方の階の住民の方が率先して挨拶するのだそう。

というのも、彼らは普段から「味方をつくりやすい生活」をしているからであり、まわりに好感を持たれていると、「仕事もうまくいきやすく、結果的にお金持ちになりやすい」という指摘には深く納得しました。

このようにTIPS的には類書とかぶりやすいものが、本書を通じて散見されるのですが、それこそ「本質を突いているから」だと思ったワタクシ。


「短時間で成果を上げ続けるため」に読むべし!

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時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム
プロローグ 短時間で成果を上げ続けるための黄金法則
第1章 すぐやる人の思考アルゴリズム
第2章 必ず目標達成する人の思考アルゴリズム
第3章 ノーミス人間になる思考アルゴリズム
第4章 自分で考え行動する人の思考アルゴリズム
第5章 成功者の思考回路をコピーする
エピローグ 今日から「できる人」へ変身するあなたへ


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マッキンゼーが選んだ『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』の10個の原則(2011年06月23日)

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【オススメ!】『仕事の「ムダ」が必ずなくなる 超・時短術』越川慎司(2019年08月30日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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