2022年11月11日
【勉強法】『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』加藤俊徳
一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事では一番人気だった勉強本。著者の加藤俊徳先生は「脳番地」という概念で知られる方ですが、本書ではそれを勉強法に活かしてらっしゃいました!
アマゾンの内容紹介から一部引用。
30代も40代も50代も60代以降も、脳は伸び盛り。
学生時代よりも勉強するのに最適な時期なのです。
本書では、脳科学に基づく大人の脳の使い方を紹介。
大人の脳が求める勉強法を実践すれば、脳力はUP!
一生頭がよくなり続けるすごい脳が手に入ります。
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24K: Brain Power / Reliv International
【ポイント】
■1.脳の最盛期は40代後半から50代脳の中には、特に複雑な情報処理を担う、脳細胞のエリート集団がいます。
私はこれを「超脳野(スーパーブレインエリア)」と呼んでいます。
記憶や理解を担う「超側頭野」は30代でピークを迎えます。
視覚や聴覚から入ってきた情報をもとに分析や理解をする「超頭頂野」は40代でピークに。
実行力や判断力を司る「超前頭野」は50代でピークを迎えます。
これらの脳力は遺伝ではなく、後天的に伸ばしていけるもの。
つまり脳のピークは30〜50代。
その中でも45歳から55歳は脳の最盛期とも言えます。
まさに、学ぶのに絶好の時期。
「55歳からは下り坂になるのか」と心配した方もご安心ください。
■2.大人になると丸暗記はできなくなる
「無意味記憶」といいますが、子どもは知らない言葉でも記憶することができます。
たとえば、子どもの頃は、読み聞かせの絵本で初めて聞く「親孝行」という言葉を、音の響きでそのまま覚えられます。そして、だいぶ時間が経ってから「おやこうこうってどういう意味?」などと聞いて親を驚かせます。(中略)
これが大人になると、子どもの頃より思考系や理解系が発達しているので、「忖度? それってどういう意味だろう?」と、記憶するよりも前に疑問が湧いてきて、意味を理解してから記憶するという「意味記憶」が優勢となります。(中略)
「忖度という言葉があるんだ。そうか、僕も上司に忖度して意見を呑み込むことがあるな」と自分だったらどう使えるか理解してはじめて、記憶できるという仕組みになっています。
つまり、何かを覚えたいときは、「覚えよう」と思うより「理解しよう」と頭を働かせるのが正解。
脳番地で言えば、理解系脳番地を働かせることがポイントです。
■3.ワクワクしたポジティブな感情に海馬はだまされる
「これが好き」「この作業は楽しい」。ワクワクとしたポジティブな感情を浴びると、海馬からシータ波と呼ばれる4Hzから8Hz未満の周波数を持つ脳波が出ます。
このシータ波が出ているときは海馬が活発に働き、入ってきた情報を「これは重要だ!」と判断します。
長期記憶へとつながるルートを開放してくれるのです。(中略)
そう、脳をだまして、楽しいと錯覚させればいいんです。
では、具体的にどうやってだましていくか。
忘れてはいけないのは、ワクワクとした前向きな感情で勉強に向かうことであって、勉強そのものを好きになる必要はない、ということ。
たとえば、大好きなカフェラテを飲みながらハッピーな気分で勉強に取り組む。試験に合格した自分へのご褒美を決めておき、そのご褒美を思い出してからテキストを開く。あるいは、好みのタイプの先生のオンラインレッスンを受けるというヨコシマな気持ちでワクワク感を高めていくのもアリです。
■4.75時間取り組めば脳番地の働き方が変わる
脳が新しい勉強を受け入れて、好意的に働き出すまでに必要な時間は、おおよそ75時間程度ではないかと私は考えています。
私がアメリカで英語脳になるのに5日間は必要だと言いましたが、眠る以外の時間を英語に触れ続けていると考えると、5日間×12〜15時間=60〜75時間となります。
この計算からいくと、1日5時間ほど何かに取り組み続けると、15日間で75時間となり脳番地が変化。1日1時間勉強したなら、およそ2カ月半で75時間を達成でき、1日30分の勉強でも5カ月ほどで脳番地が成長します。(中略)
ですから、新しいことを身につけたいと思ったときには、75時間から逆算して、1日に費やせる時間からかかる日数の目安を導き出し、それに沿ってスケジュールを組むといいと思います。
■5.女性は聴覚、男性は視覚からの勉強が相性◎
視覚系と聴覚系は、人によってどちらがより優位に働くかが決まっています。
ざっくりとした傾向として、女性は聴覚系が強い人が多く、全体のおよそ8割を占めると言われています。
男性は視覚系が強い人が多く、全体のおよそ6割を占めると言われています。
聴覚系が強い人は、言葉の情報が入りやすいのが特徴です。
テレビを観ているとき、画面下のテロップを追いかけなくても、話し言葉がすんなり耳に入ってきて理解もしやすい傾向があります。
こういう人は、本よりもラジオや音声のみのCD、オーディオブックを使った学習法が向いています。
視覚系が強い人は、文字による情報が入りやすいのが特徴です。
耳から情報を聞いているだけでは記憶に残りにくいため、聞きながらメモをとって可視化していくことが大切。
また、学んだ先にお手本となるかっこいい人がいる、勉強に使うアイテムがかっこいいと思うとそこから勉強意欲が湧いてくるのも視覚系の特徴。
目に見えるものから自分をやる気にさせていくのも1つのやり方として覚えておきましょう。
【感想】
◆思ったよりも(失礼!)得るものが多い作品でした。当ブログでは以前から、何冊か加藤先生の本はご紹介していたものの、このような勉強や記憶に特化した本は初めて。
ゆえに過去のこの手の作品とのネタ被りについては言及できませんが、初めて先生の作品を読まれる方なら、納得感が高いと思います。
とりあえず脳番地にはたくさんの種類がある一方で、本書で登場するのは以下の8つのみ。
思考系脳番地それぞれについて本書にも解説もあるのですが、ボリュームの関係で割愛します。
理解系脳番地
記憶系脳番地
感情系脳番地
伝達系脳番地
運動系脳番地
視覚系脳番地
聴覚系脳番地
そこでググってみたところ、加藤先生のサイトに簡単な説明がありましたので、そちらをご覧ください。
脳番地とは? | 「脳の学校」 医師:加藤俊徳の 脳が成長する脳番地
◆ところで本書が類書と異なるのが、冒頭の内容紹介にもあるように、中高年以上であっても、脳が発達するとうたっていること。
それに関しては腑に落ちない方も多いと思いましたので、本書の第1章から上記ポイントの1番目をご紹介しました。
ただし、脳細胞自体は確かに若い頃と比べると減っているのも事実です。
そこでそれを補うのが、細胞同士をつなぐネットワーク。
まずはトップにある思考系脳番地を動かすことで、トップダウン式で他の脳番地も動き始めるのだそうです。
なお、その後の各脳番地との連携や、それぞれの働きについては、本書にてご確認を。
◆続く第2章は、記憶力アップ法ということで、具体的なTIPSが言及されています。
たとえば上記ポイントの2番目の丸暗記ができない理由についても、体感的には理解していましたが、このような理由だったとは。
私は子どものころから学生時代までは、丸暗記が大得意だったのですが、今同じことをやっても、覚えられないのは確実なようです。
つまり、今まであまり使ってこなかった理解系脳番地を働かせねばならないということ。
また上記ポイントの3番目の「ワクワク感」も類書で読んだことがありましたが、これは私も勘違いしており「勉強自体にワクワクするなんて無理じゃん!」と否定的に考えていました。
なるほど、そんな「だまし」でもよければ、いくらでもなんとかなりそうですね。
◆一方、第3章では勉強への取り組み方のアドバイスが。
よく言われる、「1日に長時間より、毎日少しずつ」というのは「視覚系&聴覚系」の怠け癖を発揮させないためなのだとか(知らなんだ)。
また、新しいテーマに取り組むときは、たとえ難しい本であっても、自分の興味があるところからまずは読んでみると良いのだそうです。
そして取り組む目安が、上記ポイントの4番目に挙げた「75時間」。
これは実際に、患者さんや加藤先生の息子さんの脳番地が変化する様子からも言えるとのことです。
逆にこの時間に達するまでは、目が出なくても諦めない方が良さそうな。
◆なお、上記ポイントの5番目は、第4章の「脳番地の特徴を活かしたすごい勉強法」からのもの。
人によって、得意な五感が違うことや、視覚系と聴覚系の人とでやり方を変えるべきであることは、今まで読んだ勉強本で理解していましたが、「女性の8割」が「聴覚系」だというのは、初めて知りました(一応、当ブログでは350冊超の勉強本をレビューしてるのですが)。
これ、本当だったら(わざわざ嘘はいわないと思いますが)、多くの勉強本がその辺を踏まえていたとは考えにくいような……。
むしろ私が読んだ勉強本の著者のほぼ8割以上(もっと?)が男性なので、その関係もあるかもしれません。
ちなみに、自分自身がどちらかは、皆さんご存じだとは思いますが、本書に簡単な見分け方が掲載されていましたので、それをご紹介。
「腕時計」をさかさまから言ってみてください。「いけどでう」という答えにたどりつくために、「頭の中に文字を映像として思い浮かべていた人」は「視覚系脳番地が強い人」、「音を頼りにしてさかさまに読んだ人」は「聴覚系脳番地が強い人」なのだそうです。
大人の脳にあった勉強法をするために読むべし!
一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方
序 章 大人には大人のすごい勉強法がある
第1章 大人脳すごい取り扱い説明書
第2章 大人脳にあったすごい記憶力アップ法
第3章 大人脳をやる気にさせるすごい学び方
第4章 脳番地の特徴を活かしたすごい勉強法
第5章 大人の脳力を強化するすごい習慣術
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【編集後記】
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