スポンサーリンク

       

2022年09月25日

【思考術】『東大教授の考え続ける力がつく 思考習慣』西成活裕


B09335JK89
東大教授の考え続ける力がつく 思考習慣


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「渋滞学」で知られる西成活裕先生の思考術本。

今月の「Kindle月替わりセール」で月初に見かけたときには、読む気満々でいたのですが、セール終了まで残り1週間となっていました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
やりたいことも、転職も、副業も、人間関係も、生き方も、思考体力があれば解決に近づきます。
本書では、そんな困難な物事を解決できる""7つの思考体力""についてご紹介します。

中古は値崩れしていますが、送料を加味すればKindle版の方がお買い得な1冊です!






Thinking / Creative Ignition


【ポイント】

■1.「多段思考力」で3段考えれば人と差がつく
 たとえば、明日締切の企画書を作らなければいけない場合。
 インターネットで検索して付け焼き刃で考えてみたり、他社で売れている商品を参考にして、1〜2段考えた企画をそれっぽい内容に仕上げて早めに提出する。
 それとも、「いやいや、ちょっと待てよ」と思い直して、「もっと面白い企画を考えてみよう」ともう1段、あともう1段とギリギリまで考え続ける。
 大抵の人は早く終わらせることを優先しがちですが、仕事ができる人はギリギリまで粘り強く考え続けます。(中略)
 そこで私は、どんなに忙しい人でも、まずは最低3段考える習慣をつけたほうがいいという話をよくします。
 何でも3段まで考えられるようになれば、その後も3段ずつ分けて考えるようにしてみてください。そうすると、3段が1段くらいに感じられるようになり、思考の段数が増えていきます。


■2.「数字」や「データ」のカラクリを見抜く
 8年ほど前に、私が経験した例を紹介しましょう。
「LED電球」の広告に「普及率が70%近くになっています」というキャッチコピーがありました。それを見たとき、70%という大きな数字から、電球の大半がLEDになっていると錯覚しそうになったのです。
 しかし当時、周りを見渡しても、LEDが使われているところはほとんどありませんでした。そのため、「疑い力」が働き、「何かおかしいぞ?」と思いました。
 そこで、「普及率70%」という数字がいったいどこから出てきているのか調べたところ、販売金額ベースで67%でした。
 LED電球は白熱電球より30倍ほど高い値段のため、金額だけで「70%近い普及率」とうたっていたわけです。
「普及率」と言われたら、一般的に数量ベースで考えてしまいがちですが、実際、使用されているLED電球の数量の割合を調べたら27%でした。


■3.AIが真似できない人間の「直感」を鍛える
 部屋の中にある荷物をぱっと見て、全部入るのが2トン車なのか4トン車なのか、瞬時に分かる人がいます。
 これも、専門用語で「箱詰め問題(ビンパッキング問題)」と言い、配送順路と同じように数え切れないほどの組み合わせ方があるので、AIが数百万年かけても解けない問題です。
 しかし、組み合わせをいちいち考えなくても、部屋の中を見た瞬間に「大局力」で全体と本質をとらえることができるのが、人間が持っている究極の才能なのです。
「勘」と言うと第六感のように思われがちですが、もっと分かりやすく言い換えると「直感」です。
 この直感を鍛えるためには、思考体力を使いながら場数を踏むことが大事です。
「若いうちの苦労は買ってでもせよ」
と言われるように、早いうちから1つでも2つでも経験値を増やしていけば、理屈で考えなくても判断できる感覚が磨かれていくはずです。


■4.1日1回「なぜ? なぜならトレーニング」
 たとえば、電車に乗るとき、「ここにライトがあるのはなぜ?」「この位置にモニターがあるのはなぜ?」というふうに、目に飛び込んできたものに関することを「なぜ?」から考えてみるのです。
 そして、「大局力」「場合分け力」「微分思考力」などを使って、「なぜなら……」と自分で答えを出してみてください。
 筋肉に負荷をかけて鍛えるように、脳も「なぜ?」を考えて負荷をかけることで、ぐんぐん鍛えられます。

 テレビやインターネットから毎日大量に流れてくる情報を、受け身のままインプットするだけでは考える力がつきません。
 どんな情報も、子どものように「なぜ?」「なんで?」と疑い、目に入るものすべてを不思議がる。
 そこから、思考体力を鍛えるトレーニングが始まるのです。 「疑い力」を鍛えると集中力も鍛えられますので、勉強や仕事のミスも減るでしょう。


■5.「努力」と「目標」のベクトルを合わせる
 努力しているのに報われない……というときほど、ツライものはありません。
 そういう人は、「自己駆動力」があっても、努力していることと目標のベクトルがずれている可能性があります。
 その場合、「これだけ頑張っているのに、なんで上手くいかないんだ?」「自分の選択が間違っているのかな?」
 と、「疑い力」で原因を分析する必要があります。
 そして、何が間違っているのか検証するために、仮説を立てて、試行して、結果を見て、調整するという「フィードバック」を繰り返すのです。(中略)
 この「フィードバック」作業では、主に「適応能力」が求められます。
 適応能力の具体的な意味は、「周りの条件や環境に自分を合わせていくこと」です。
 つまり、周りの人ではなく自分を疑って、「今、自分が置かれている環境に合わせた行動とはどういうものか?」「自分に求められていることは何なのか?」など、客観的に考えて適切な行動を取るのです。


【感想】

◆何の注釈もなく、「多段思考力」や「疑い力」「大局力」といった本書固有の専門用語がガンガン出てきて申し訳ございません。

これらは本書において西成先生が、「本当に頭のいい人が身につけている7つの力」として列挙しているものでして、実はアマゾンの内容紹介の初っ端にて登場しています。

もちろん本書では、それぞれについて解説があるものの、全部抜き出すのは無理ですし、かといっていくつか選ぶのもどうかと思うので、本書のプロローグから、これらの概要に触れた部分をご紹介。
〈7つの考える力〉
自己駆動力:能動的に考える力
多段思考力:常にもう1段先を考える力
疑い力  :あらゆることを疑ってみる力
大局力  :全体を 俯瞰 して見る力
場合分け力:物事を分類して選び取る力
ジャンプ力:思考の階段を何段も飛ばす力
微分思考力:物事を細分化して考える力
上記ポイントや、この感想部分で出てきた際には、この前提で話を進めておりますので、ご了承ください。


◆さて、本書のテーマ的にもっともマッチしているのが、第2章の「『やるべきこと』を考え続ける思考習慣」ではないでしょうか。

経営者では10段ぐらい、東大の「純粋数学」の数学者に至っては1000段(別にいいのですが誰がカウントしたのでしょうね?)と言われる一方、上記ポイントの1番目によると、私たちは、とりあえず3段でも差を付けられるとのこと。

西成先生も、かつて考えに詰まったときに、あえて鈍くさい方法を考えて、失敗する場合分けをしたのだそうです。
「微分思考力」で考えながら、「場合分け力」で探索していく感覚です。
 失敗の数が増えれば増えるほど、消去法で考えられるようになるので、正しい方向の階段へ進んでいけるようになっていきました。
一方、第3章の「『情報』に惑わされない思考習慣」からは、それにマッチした、上記ポイントの2番目のお話をセレクト。

いや、「普及率70%」と言ったら、普通数量ベースだと思いますよね?

このように「ちょっと変だな」と思ったら、そのまま流さないで、自分でキチンと確認するのが大事なのだな、と。


◆さらに上記ポイントの3番目は、第4章の「『ベストな判断』をする思考習慣」からのもの。

ビンパッキング問題という名称もさることながら、「AIが数百万年かけても解けない問題」だとは知りませんでした。

ビンパッキング問題 - Wikipedia

なお、「直感」に関しては、当ブログでご紹介したこちらの作品が興味深かったので、よろしければレビューをご覧いただきたく。

B07ZVCXKGB
未来仮説検証思考 直観とロジカルシンキングの融合法

参考記事:【論理と直感?】『未来仮説検証思考 直観とロジカルシンキングの融合法』藤田泰宏(2019年12月11日)

……この本、Kindleが半値な上に、「50%ポイント還元」になっていますね(いつまでかは不明)。

ちなみにAI絡みで言うなら、以前西成先生が、経営学者の野中郁次郎先生とお話された際、「AIにできなくて人間にしかできないもの」を訪ねたところ、「簡単だよ。共感だよ、共感」と言われた、というのも痺れました。

これぞまさに7つの力のうちの「大局力」に該当する次第です。


◆続く第5章からは、上記ポイントの4番目の「なぜ? なぜならトレーニング」をご紹介。

この考え方自体は、はロジカルシンキングでもおなじみですから、ご存じの方も多いでしょう。

ただし、ここにもあるように「大局力」「場合分け力」「微分思考力」などを使うのがミソ。

ぼーっとテレビを観ているだけでは、思考が鈍くなっても当たり前に思えますよね。

そして上記ポイントの5番目は、第7章の「『結果を出す』ための思考習慣」から抜き出しました。

ここにあるように、たとえフィードバックをしても、人はつい自分に対して甘くしがちです。

そこで西成先生いわく「『努力』と『目標』のベクトルが狂ってきたら、まず疑うべきは『自分の思考』」とのこと!?


考え続ける力をつけるために読むべし!

B09335JK89
東大教授の考え続ける力がつく 思考習慣
第1章 「やりたいこと」を見つける思考習慣
第2章 「やるべきこと」を考え続ける思考習慣
第3章 「情報」に惑わされない思考習慣
第4章 「ベストな判断」をする思考習慣
第5章 「問題解決」のために発想する思考習慣
第6章 「人間関係」で悩まない思考習慣
第7章 「結果を出す」ための思考習慣


【関連記事】

【渋滞学】『「渋滞」の先頭は何をしているのか?』西成活裕(2009年07月11日)

【意外な発見】40代の自分が「16歳の教科書2」を読んでみますた(2009年09月08日)

【思い込み?】『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロンランド(2019年01月02日)

【失敗学?】『ミスしても評価が高い人は、何をしているのか?』飯野謙次(2019年11月20日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」は、どちらも「眠れなくなるほど面白い」シリーズから!

B07TDPRVLV
眠れなくなるほど面白い 図解 統計学の話

私も好きな統計学がテーマの作品は、中古が値崩れしていますが、Kindle版の方がかろうじてお買い得。

B08CXRLPS5
眠れなくなるほど面白い 図解 微生物の話

こちらの微生物本は、中古に送料を足した金額よりは、Kindle版が300円以上お得な計算です!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 10:00
ビジネススキルこのエントリーを含むはてなブックマーク

スポンサーリンク