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2022年09月23日

【公安流?】『元公安捜査官が教える 「本音」「嘘」「秘密」を引き出す技術』稲村 悠


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元公安捜査官が教える 「本音」「嘘」「秘密」を引き出す技術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも評判の高かったコミュニケーション本。

かつて当ブログで大人気だった、嘘を見抜いたり、本音を引き出したりするのがテーマということで、私も久しぶりにこの手の作品を読んでみました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書は、元警視庁公安捜査官の著者が自らの経験を一般向けにアレンジした手法をご紹介するものです。
ヒューミント(人に接触することで情報を得る諜報活動)のテクニックで、相手の心に入り込み、信用させ、情報を引き出すことが可能に! 最前線で活躍していたプロだからこそわかるノウハウですが、特別なトレーニングは不要。誰でも応用することができます。

上記未読本記事の時点ではなかったKindle版が、「20%OFF」でリリースされましたので、そちらもぜひご検討ください!






detective / olarte.ollie


【ポイント】

■1.スパイが尾行を振り切る方法
 たとえば、急に立ち止まり、踵を返すように反転し、今まで歩いて来た道を引き返す。
 これは尾行している側にとっては、想定外の行動です。
 こちらも同じように逆戻りするのは明らかに変ですし、だからといって、そのまま通り過ぎれば見失ってしまうかもしれません。
 戻ってくるときに相手と目線が合えば、即アウト。尾行は失敗です。(中略)
 電車が来ても、あえて乗らないで、ホームに残るスパイもいます。
 電車が去った直後は、ホームに残っている人はほとんどいません。その時点で残っている人物の中に、自分を追いかけている者がいる可能性が高いというわけです。
 そこで、ホームの端から端まで歩き、電車を待っている人の顔を記憶するのです。
 この行動に出られると、尾行を続けられないので本当に困りました。


■2.情報を先に出す
 聞きたい情報を得るときに、よく使うのは、「情報を先に出す」という手法です。(中略)
「自分の家族が大病を患った」というのは、言ってみれば、こちら側の「弱み」です。
 その情報を先に出したことで、Aさんは、「ああ、この人は自分を信頼しているからそんなことを教えてくれるのか」と感じたはずです。
 人間というのは、「自分を信頼してくれる相手のことは信頼しやすい」という傾向があります。だからこそ、Aさんも私のことを信頼し、自分の弱みをポロリと口にしたのです。
 つまり、情報を先に出すことは、「あなたのことを信頼していますよ」という、こちらからのサインだと言い換えることもできます。


■3.「嫌いな食べ物」の話題は盛り上がる
 実は、心の距離が近くなる話題は他にもあります。
 そのひとつが、「嫌いな食べ物」の話。
 子どもじみた話題だと思うかもしれませんが、これが意外と効果があるのです。
 相手がたとえ初対面でも、「嫌いなもの」を話題にすると、意外とその場が盛り上がるのを私は何度も経験してきました。
 実は、(品の良し悪しは別として)「嫌いな人の話」が一番盛り上がるのですが、どうしてもネガティブな空気になりやすく、また、話題としても、やや唐突な感じがするでしょう。初対面では、互いの真意がわからないため、同意しにくいというデメリットもあります。
 その点、「嫌いな食べ物」なら、あまり深く考えずに好きなことが言えます。「嫌いなもの」という情報を犇ν瓩垢襪海箸膿凸感をつくり出すのです。


■4.ごまかせない質問で誠実さを測る
 たとえば、こんな問いかけはどうでしょうか?
「あなたが最後についた牘貝瓩鯱辰靴討ださい」
 この質問もまた、「嘘をついた」ことを前提にしているので、質問された側としては戸惑うかもしれません。
 しかし、否定するには相当なエネルギーが必要です。そのエネルギーを使って、「嘘をついたことは一度もありません」と答える人物がいるでしょうか?(中略)
 なお、この質問では、誠実さ以外の特徴もわかります。
 ユーモアのひとつも交えながら、他愛もない嘘を上手に話せる人は、非常に対応力が高い人物だと言えるでしょう。
 一方、「嘘って……どれくらいのレベルを指すのですか?」と逆質問してくる人は、頭のキレる人物だと思います。質問を投げかけながら、その場にふさわしい答えを探しているのです。


■5.詐欺師のアプローチから身を守る
 親族や警察官、弁護士などを装って、家族が起こした事件や事故に対する示談金を名目に大金をだまし取るのが、「特殊詐欺」です。
 どれだけ注意喚起されても、被害は一向になくなる気配がありません。
 なぜ、だまされてしまうのでしょうか?
 そこに、相手に対する無意識の「信頼感」があるからです。(中略)
 被害に遭った人の多くは、警察手帳や捜索差押許可状などを見せられて、すっかり信用してしまったと証言しています。相手が警察官だと思い込んでいるせいで、それが本物だと信じ込んでしまったのでしょう(実物を一度も見たことがないのに……)。
 特殊詐欺に限らず、あらゆる怪しげなアプローチに関しては、この「無意識の信頼感」に気をつける必要があります。


【感想】

◆今まで当ブログでは、CIA、FBI、警察といった組織のコミュニケーション術の作品をご紹介した事はありましたが、「公安」というパターンは初めてでした。

実際私も、名前は聞いた事はあるものの、今ひとつ何をしているのかわかっていなかったので、第1章の「『公安』とはどのような仕事か」にて、それを確認。

本書には組織図やら具体的な仕事内容も記されているのですが、タイトルや本題とはあまり関係がないのでその辺は割愛させてもらいました。

ただし、敵対国や組織の「諜報活動」の情報収集や取り締まりを日本で行っているのは、公安警察(以下本書内では「公安」と略します)なので、普通の警察関係の作品では登場しなかったエピソードも多々登場します。

もっとも、敵国のスパイであっても、ライバル会社のスパイとやっていることには大差がない(誘拐等しない限り)ので、本書収録の公安の用いるテクニックによって、自社の利益を守ることができる可能性は高いでしょう。

つまり、上記ポイントの1番目の「スパイ」のお話も、他人事ではないハズです。

……後は、浮気していて、自分が探偵につけられてると思う人は試してみては?


◆続く第2章では、「私が情報を引き出す5つのステップ」とあるように、「人」から情報を集める場合の5つのステップについて解説されています。

具体的には「選定」「基調」「接近」「獲得」「運営」の5つ。

それぞれの説明はここでは略しますが、上記ポイントの2番目はこのうちの「獲得」において用いられるテクニックです。

……って中略した後に、いきなり「自分の家族が大病を患った」と続いているのは、この略した部分に相手との会話があって、そこでその「家族の大病」の話がされている次第。

確かに自分のことを先にさらけ出すと、相手が乗ってくる可能性は高そうです。

少なくとも自分のことを開示せずに、相手に質問しまくるよりははるかに目的は達せられるかと。


◆さらに相手から情報を得るためには、「信頼」が大事ということで、第3章では「信頼を築くための5つのテクニック」を指南。

上記ポイントの3番目のTIPSは、ステップ3の「相手のキャラクターを知る」からになります。

いや、実際「嫌いな食べ物」というネタは盛り上がること必至でしょう。

かつては「食わず嫌い選手権」なんてテレビ番組のコーナーもありましたし、相手にカドを立てずに何かをdisることができる、数少ないジャンルだと思います。

しかも、必ずしも「嫌いな食べ物」自体が同じである必要がない、というのは秀逸。

これは飲み会や合コンでも使えそうですね。


◆そしていよいよ第4章では、本書のメインタイトルにもある「本音」「嘘」「秘密」がテーマ。

ここがもっともテクニカルな部分なので、ハイライトを引きまくったのですが、その中から選んだのが、上記ポイントの4番目のお話でした。

これは相手の話が「嘘か否か」ではなくて、相手がどういう人間かを推しはかるための質問になります。

つまり活用するのは、相手の人間性を探る必要があるときですから、本書では採用面接のシーンで登場していました。

その点、本書を読む私たちにとっては、採用する方にもされる方にも関係しますから、覚えておきたいところ。

この章では他にも、嘘を見抜くテクニックとして「しぐさの観察」が挙げられており、そこで「顔をさわる」等のいくつかの「サイン」が紹介されていますから、ぜひご確認ください。


◆なお、上記ポイントの5番目は、第5章の「あなたの大切な情報を守るために」からのもの。

ここでは産業スパイを含め、さまざまなスパイや詐欺師が登場しています。

このうち、私たちにとって身近なのが「特殊詐欺」であり、ポイントの5番目にあるように、「信頼感」を悪用しているワケで。

これは実際に会わなくとも、電話口で「警察」「税務署」「銀行」と名乗られると、ついつい信用してしまうもの。

もっともその辺についてはこちらの本がかなり掘り下げているので、気になる方は下記レビューをお目通しください。

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だましの手口 知らないと損する心の法則 (PHP新書)

参考記事:【『影響力の武器』悪用編?】『だましの手口』に学ぶブラック手法6選(2012年03月07日)


公安流のテクニックを垣間見れる1冊!

4866214287
元公安捜査官が教える 「本音」「嘘」「秘密」を引き出す技術
第1章 「公安」とはどのような仕事か
第2章 私が情報を引き出す5つのステップ
第3章 信頼を築くための5つのテクニック
第4章 「本音」「嘘」「秘密」を引き出す技術
第5章 あなたの大切な情報を守るために


【関連記事】

『交渉に使えるCIA流 嘘を見抜くテクニック』が想像以上に凄い (2015年02月26日)

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【99%?】『FBIトレーナーが教える 相手の嘘を99%見抜く方法』から選んだ嘘つき の7つの特徴(2012年09月09日)

【読心術】『心を上手に透視する方法』トルステン・ハーフェナー(2011年09月05日)

【『影響力の武器』悪用編?】『だましの手口』に学ぶブラック手法6選(2012年03月07日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B07NBJ9GPN
「空腹」こそ最強のクスリ

「半日断食」を推奨する健康本は、中古が値崩れしていますが、送料を加味すればKindle版がお買い得。

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あなたは、あなたなりに生きれば良い。―――自分の無意識に気づき、それを認めれば、道は拓ける (三笠書房 電子書籍)

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