2022年08月03日
【FBI式?】『元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法』ジャック・シェーファー,マーヴィン・カーリンズ
元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本夏のキャンペーン」でも大人気のコミュニケーション本。当ブログでも『元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法』(こちらも現在セール中です)が評判だったジャック・シェーファー&マーヴィン・カーリンズのコンビの、現時点での最新作になります。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
スパイや容疑者が思わず秘密を漏らした、実証済みの極秘心理テクニック
豊富な会話例で交渉力を劇的に高める!
自分の情報を相手に渡さないための「防御法」も伝授!
相手の性格タイプ別のアプローチも解説
ビジネスの現場でもプライベートでも活用できる、日本人が知らない究極のメソッド
送料を加算した中古よりも、このKindle版が800円弱お得な計算です!
#FBI# / hans-jurgen2013
【ポイント】
■1.推測をまじえた質問をする推測をまじえた質問をすると、正直な答えを得やすくなる。事実通りであるか、事実とは異なるか、どちらかの情報を質問のなかに織り交ぜるのだ。この手法は「この質問への答えを相手が知っている」とあなたが確信しているときに、うまくいく。推測をまじえた質問をすれば、相手はそれを肯定するか、訂正するか、どちらかの返答をせざるをえなくなるからだ。相手が返答を避けた場合には、その質問が正しいと認めることになるし、相手が否定する場合には、追加情報を提供したうえで訂正せざるをえなくなる。と同時に、「スポットライト効果」を利用することもできる。推測をまじえた質問をすれば、あなたは実際より多くの情報を入手しているような印象を与えることができるからだ。
■2.第三者の話を引き合いに出す
浮気をするか否かといったデリケートな問題について、愛する人がどう考えているのか本心を知りたいのなら、第三者の話を引き合いに出してみよう。「浮気についてどう思う?」と尋ねるのではなく、「友だちのソフィアがね、ご主人の浮気現場を押さえたんですって。あなた、どう思う?」と尋ねればいい。
第三者の話に感想を述べるだけなら、相手は思わず本音を漏らすものだ。この場合、あなたが聞きたい答えは「浮気はいけないことだ。僕なら、絶対に浮気なんてしないね」といったものだろう。とはいえ、「いまどき、浮気なんか珍しくもないさ」「奥さんに欲求を満たしてもらえなかったら、男が浮気するのは当然だろ」「奥さんからあんな扱いをされていたら、おれだって浮気するかも」「やっぱり、そうなったか。あの2人、ここんとこ、うまくいってなかったからなあ」などという答えが返ってくるかもしれない。こうした返答が返ってきたら、同様の状況にパートナーを追い込めば、あなたも浮気されるという予測がつく。
■3.相手を「格上げ」する
この営業担当者の売り口上を修正するには「格上げ」するテクニックを使えばいい。それも、次のように切りだすのがベストだ。「失礼いたします、[教員の名前]教授、恐縮ですが、ご都合のいいときに、弊社が刊行したばかりの新しい教材について、アドバイスを頂戴できないでしょうか」と。この場合、彼女は教科書を売りつけるのではなく、教材に対する教員の意見を引き出している。また「失礼いたします、○○教授」と切り出すことで、顧客になってほしい人物の地位に敬意を払っている。「アドバイスを頂戴できないでしょうか」という言葉もまた、教授の地位を格上げする。よって、この教員は「彼女が私にアドバイスを求めるのは当然だ。私は学識のある教授なのだから」と思う。
■4.無知なふりをする
容疑者から真実を引き出すために、コロンボが活用していたのが「無知なふりをする」テクニックだ。実際、スザンヌ・マッコークルとメラニー・J・リースは共著Mediation Theory and Practice(調停の理論と実践[未邦訳])のなかで、コロンボのことを「無知な刑事」と呼んでいる。だが、「無知なふり」をすることと、「頭が悪いふり」をすることは同じではない。どれほど頭脳明晰な人であろうと、知らないことはある。万事に精通している人などいない。だからこそ、純粋な好奇心と組み合わせて活用すれば、「無知なふり」をするテクニックは効果を発揮するのだ。
無知なところを見せるのは、こちらの真意を覆い隠したまま相手に話をさせる優れた手法だ。第2章で説明したように、相手がものを知らないと思うと、人は打ち解けて話をしやすくなる。私自身、無知なところを見せると、特にこちらからうながさなくても、相手がどんどん話しだすので驚くことが多い──うっかり真実を漏らしてしまい、話し手が墓穴を掘るのだ。
■5.相手に引き出し法を使われた場合
つまりブライアンは、「はい」「いいえ」「知りません」のいずれかの返答を選び、あとは伝えていい情報として事前に決めていたものだけを、尋問官役に教えたのである。
ブライアンは尋問官役をさらに混乱させるために、本書の前半で説明した〈好意シグナル〉を態度やしぐさで見せた。また、自分が農場を経営していることを、さまざまな言い方で表現した。「畑をやっています」「家畜も育てています」「農場経営で家族を養おうと必死なんですよ」
ブライアンはまず〈好意シグナル〉を発し、尋問官役を無限のループにおちいらせ、抜け出せなくした。つまり尋問官役たちはブライアンに好意をもち、取り調べのあいだ、自分がそうしたループにとらわれていることを自覚しなかった。よって、私は息子が編み出したこのテクニックに「ブライアンのループ」と名づけた。引き出し法に対抗する有効な手法であることがわかったからだ。
【感想】
◆奇をてらうことのない、なかなか真っ当な「心理戦術」の作品でした。まず、冒頭でも触れた、著者2人の前作なのですが。
元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法
参考記事:【ナンパ術?】『元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法』ジャック・シェーファー,マーヴィン・カーリンズ(2015年11月22日)
上記レビューでも言及しているように、こちらの作品は「モテ本」として使えるくらい、「人に好かれる方法」を伝授した作品でした。
一方今回の作品は、相手から「情報を引き出す」のがテーマであり、その際に用いるのが「引き出し法」なるテクニック。
これがどのようなものかについては、本書の第1部の3つの章を費やして解説しているのですが、簡単に言うと「こちらが情報を得ようとしていることを悟られずに真実を聞き出す」というものです。
そのためには、「相手に好かれる」ことも必要であり、そのために有用なのが、上記ポイントの5番目に登場する〈好意シグナル〉。
こちらは本書でも解説されているのですが、前作にもそのまま出てきますので、お手数ですが、上記レビューのポイントの1,2番目辺りをお読みください(「目を見開く」「頭を傾ける」等)。
◆さて、第2部からは10個の章にまたがって、具体的な「引き出し法」のテクニックが紹介されています。
たとえば第5章から抜き出した、上記ポイントの1番目の「推測をまじえた質問をする」。
本書では具体的な例として
たとえば「リーヴァイとは知り合いか?」と尋ねた場合、容疑者は「いや、知らないね」と、ただウソをつけばそれですんでしまう。だが推測をまじえて、「最後にリーヴァイに会ったのはいつだ?」と尋ねれば、おまえがリーヴァイと知り合いであることはわかっているんだぞと、前提を設けることができる。といったようなものが挙げられていました。
また、似たようなパターンとして紹介されていたのが「付加疑問文」。
中古車を買おうとした著者のシェーファーは、エンジンに問題がないのに、ぴかぴかに磨かれていたのを不審に思い
「エンジンのオイル漏れは、私に売る前に修理してくれますよね?」と問うたのだそう。
すると持ち主が「漏れるったって、ほんのちょっとですよ」と自白して、有利に交渉を進められたのだそうです。
◆続く第6章から引用したのが、上記ポイントの2番目の「第三者話法」。
ただこれは、俗に言う「マイ・フレンド・ジョン・テクニック」ですから、ご存じの方も多いことかと。
マイ・フレンド・ジョン・テクニックって何? 彼の心を操る恋愛ワザ(2015年8月20日)|ウーマンエキサイト(1/2)
……別にこれ、恋愛テクではないのですが、Wikipediaになかったので、極力商用以外のサイトを持ってきてしまいました。
ちなみに本書では、この「第三者話法」で本音を告白する例が多数登場していますので、ぜひご覧ください。
◆一方第9章からは、上記ポイントの3番目の「格上げ」テクニックをセレクトしました。
なお、ここで登場する「営業担当者」というのは、シェーファーに「この教材は、いま先生が授業でお使いのものより、はるかに優れております」と売り込みに来た女性のこと。
そう言われてカチンときたシェーファーは、その時は丁寧に断ったものの、またぞろその担当者が来た際に、「こういう売り口上の出だしの文句を考えているのだが、アドバイスをもらえないか」と言って、このフレーズを披露します。
すると逆にその担当者が、シェーファーのセリフを気に入り、自分が使っても良いか尋ねると、シェーファーは承諾。
その後、担当者が報告したところによると、売り上げが実際にアップしたのだそうです。
◆また、上記ポイントの4番目の「無知なふりをする」は、第11章から抜き出したもの。
このテクニックの効能については、引用にも出てくる『刑事コロンボ』でおなじみでしょう(若い方はご存じないかもしれませんが)。
刑事コロンボ完全版 1 バリューパック [DVD]
さらに、第3部では逆に「引き出し法を相手に使われた場合」の対処法について。
私たちは、警察から尋問されることはないでしょうが、上記ポイントの5番目の防御テクニックは、ビジネスシーンでも使う機会が来るかもしれません。
なお、本書の第13章では、性格診断である「マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標(MBTI)」をも用いたアプローチ法にも言及しており、これは全部で16パターンも組み合わせがあるため、巻末で捕捉されています。
MBTI - Wikipedia
こちらは丸ごと割愛していますので、気になる方は本書にてご確認ください。
相手に気づかれずに、情報を引き出したい方なら必読!
元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法
第1部 「引き出し法」とは FBIの極秘心理術を活用して、貴重な情報を引き出す
はじめに ウソをつかれる前に真実を聞き出す
第1章 引き出し法とは 信頼関係を築き、好印象を与え、情報を引き出す
第2章 信頼関係を築く 引き出し法の基盤をつくる
第3章 人間が自然にとる行動 なぜ引き出し法は絶大な効果を発揮するのか
第2部 引き出し法のテクニック
第4章 引き出し法の基本
第5章 推測を述べる
第6章 第三者話法
第7章 範囲を限定する
第8章 好奇心を刺激する
第9章 相手の地位を「格上げ」して、情報を引き出す
第10章 共感を言葉で表現する
第11章 「無知なふり」をする
第12章 引き出し法のその他のテクニック
第13章 性格タイプを知り、引き出し法で活用する
第3部 引き出し法を使われた場合の対処法とチェックリスト
第14章 引き出し法を使われた場合の対処法
第15章 「理解度テスト」で腕試し
特別付録 引き出し法の名手になるためのチェックリスト
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【必読】『FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学』緊急レポート(2011年01月29日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。勝間式食事ハック
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ご声援ありがとうございました!
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