2022年07月25日
【中高年必読!】『50歳からの科学的「筋肉トレーニング」 若いときとは違う体をどう鍛えるか』フィンク・ジュリウス
50歳からの科学的「筋肉トレーニング」 若いときとは違う体をどう鍛えるか (ブルーバックス)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも個人的に読んでみたかった1冊。タイトルからもお分かりのように、まさに私のような中高年男性が読むべき筋トレ本となっています。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
筋トレこそ最強のアンチエイジングだった
男性更年期を乗り切り、肥満、生活習慣病を防ぐ方法
中古価格が定価の倍以上しますから、普通に「10%OFF」のKindle版がお求めやすくなっています!
#119/366 Push-ups / bobsfever
【ポイント】
■1.加齢によるテストステロンの低下の問題テストステロンが不足する状態を、性腺機能低下症と名付けていますが、ほとんどの場合は「病気」ではなく、ただ加齢によって体内のテストステロン量が低下する自然な現象です。(中略)
繰り返しますが、健常な男性でも加齢によるテストステロンの低下は自然の流れであるので、「テストステロンが少ないから病気だ」と短絡的に思わないでください。けれど、中高年が筋肉を付けるには「テストステロンが少なくなっている」ということをしっかり意識して、それなりの工夫が必要です。加齢によるテストステロンの低下は、トレーニングや食事、生活習慣の見直しなどで、改善できる可能性があります。
■2.若い頃よりタンパク質を多く摂る
まず、年をとると代謝が下がり、若い頃よりもより多くタンパク質を摂取しないと筋肉量を保つことができません。(中略)
近年の研究で、中高年男性の体内のタンパク質合成を最大化するには、1回の食事で25〜30gの高品質のタンパク質摂取が必要であるとされています。しかし、摂取の仕方が非常に重要です。若者は20g以下のタンパク質摂取で、体内のタンパク質合成を起こすと考えられていますが、中高年はそうはいきません。(中略)
例えば、20g以下のタンパク質を含む食事を1日4〜5回摂っても、タンパク質合成は最大化されません。逆に、1回の食事で大量にタンパク質を摂取しても、その時だけはタンパク質合成が最大化しますが、それ以外の食事ではタンパク質合成が衰えてしまいます。そこが若者と中高年の大きな違いです。若者は1回の食事で20g以下のタンパク質摂取でも問題ありませんが、中高年では30gの摂取が無難でしょう。
■3.粉プロティンは避ける
実は一般にプロテインとして販売されているホエイプロテイン・コンセントレート(wheyproteinconcentrate:WPC)を50g飲んでも、タンパク質はわずか15gしか摂取できない可能性があります。というのは、粉プロテインは液体に混ぜて飲むので、かなりの量が消化されず体外に排泄されてしまうからです。
ですから、粉プロテインは非常に効率の悪い選択肢です。膨大な広告で粉プロテインが筋肉にいいと訴えていますが、ただのマーケティングです。実は粉プロテインはチーズを作る過程に出る廃棄物です。広告ではうまいマーケティングで、ホエイプロテインを優れものに見せていますが、肉や卵、牛乳・チーズなどより優れているわけではありません。しかも粉プロテインは膨満感と消化不良を引き起こすことで有名です。
■4.初心者はまずは姿勢のチェックから
初心者の場合はトレーニングを開始する前に、姿勢を確認しておきましょう。
まず立っている際の姿勢を確認しましょう。
足、膝、腰、肩の並び方を見ます。背中が曲がっていないか、頭が前に出ていないか確認しましょう。姿勢が正しくないと、トレーニングや体作りに支障が出る可能性があるので、不均衡な箇所を直すように意識しましょう。
オーバーハンド・スクワットは、体のバランスを教えてくれる良いテストです。初心者はぜひ鏡の前でまずこれを行ってみましょう。足首の柔軟性、膝が内側または外側にずれていないか、腰のバランス、背中を丸めていないか、ちゃんと胸を張っているか、肩のバランス、頭の位置など、いろいろと重要なポイントを教えてくれます。
■5.コツは「筋肉を動かす」
初心者はまず神経運動機能(neuromotor functions)を活性化させるのが大切で、ウエイトの重量は気にしないようにしましょう。
つまり、最初は脳がうまく筋肉にシグナルを伝達できませんが、同じ動作を繰り返すことで筋肉への神経伝達が良くなり、筋肉を効率的に動かすことができるようになります。筋肉への伝達がうまくできるようになったら、次の段階は強度を徐々に上げて、筋線維を太くすることを目指します。
最初は「ウエイトを動かす」という意識が強いと思いますが、徐々に「筋肉を動かす」ことを意識するようにしましょう。そのように意識することで、筋肉を収縮させる能力が上がり、筋肉を効果的に刺激できるようになります。
【感想】
◆ある程度の内容は、アマゾンの詳細な内容紹介で把握していたものの、中高年にとっては世知辛いお話が続く作品でした。本書は、第1部の座学(?)と第2部のトレーニングマニュアルに分かれているのですが、まず第1部では、筋トレのやり方以前の、中高年における「筋トレの必要性」のようなものが語られています。
たとえば上記ポイントの1番目では、男性ホルモンの1つである「テストステロン」が取り上げられており、中高年になってこのテストステロンが減少することにより、たとえ今までと同じように運動をしていても、筋肉は落ちてしまうのだとか。
それ何て私!!(胸板薄くなってます)
ちなみに以前当ブログでは、テストステロンをテーマにした作品をご紹介していますので、興味のある方はご覧いただければ、と。
「男性医学の父」が教える 最強の体調管理 テストステロンがすべてを解決する!
参考記事:【中高年男性必読!?】『「男性医学の父」が教える 最強の体調管理 テストステロンがすべてを解決する!』熊本悦明(2019年11月01日)
……3年弱前に出たのに、中古がほとんど値崩れしていないのは、それだけ中高年男性のニーズが高いからなのかもしれませんが。
◆そこで筋肉を増やすためには、まずは食事面から。
上記ポイントの2番目によると、若い頃よりタンパク質を摂らねばならないそうで、1回の食事で25〜30gと、結構な量になってます。
たとえば、おなじみセブンのサラダチキンのプレーンですが。
糖質0gのサラダチキン(プレーン) 110g | セブンプレミアム公式 セブンプレミアム向上委員会
「100g当たり」のタンパク質が「24.1g」ですから、単純に110gに換算すると26.51g。
つまり、サラダチキン丸ごと1つ食べても、「中高年のノルマである30g」にはまだ足りないことになります。
食べたことがある方はご存じだと思いますけど、これ、丸々1個食べるのって結構つらくないですか?
◆ならば、ということで真っ先に思いつくであろうモノがプロティン。
運動や筋トレをされてる方には、結構おなじみのヤツです。
ところがこちらは上記ポイントの3番目にあるように、ぶっちゃけ推奨されていません……というか、もうちょっと後ろのまとめ部分で「プロテインは飲まないようにしましょう」とバッサリ斬られているという……。
代謝効率が悪く、化学物質が入っています。どうしても食べる時間がなく飲み物でタンパク質を摂る必要がある場合は、牛乳を飲みましょう。より安く、健康的です。ところがどっこい、実は我が家では、最近ヨメがプロテインを飲みだしたばかりでして、先日のプライムデーセールの時に買ったというこちらが、台所にあるんですが。
[Amazon限定ブランド]ウイダー マッスルフィットプロテイン 森永ココア味 960g BODY SUPPORT W ホエイ・カゼイン 2種混合ハイブリッドプロテイン プロテインの働き強めるEルチン配合 森永製菓
しかもヨメ以外にも、ムスメやムスコも飲んでおり、正直「かなりの量が消化されず体外に排泄されちゃうらしいよ?」とか「消化不良を引き起こすみたいだよ?」と言って、事を荒立たせたくないワタクシ(弱気)。
とりあえず買ったばかりなので、この一袋を飲み切る頃までは、黙っていようと思います。
◆さて、この第1部では、他にも「具体的なトレーニング・メニューの考え方」ですとか、「ボディー・タイプ別の有酸素運動」といったお話があったのですが、ボリュームの関係でとりあえず割愛。
第2部のトレーニング・マニュアルの方も簡単にご紹介したいと思います。
ここでは下記目次にもあるように、筋トレを「初心者」「中級者」「上級者」の3つに分類。
この区分けは簡単に言うと「まったくトレーニングをしたことがない」のが初心者で、「若い頃運動や筋トレをやっていた」が中級者、「未だに筋トレを続けている」のが上級者、といったところでしょうか。
私はもちろん余裕で「初心者」なので、その最初のチェックである上記ポイントの4番目を抜き出してみました。
ここにある「オーバーハンド・スクワット」は、本書には挿絵があるのですが、どんなものかをご紹介したくてYouTubeでググったところ「オーバーヘッド・スクワット」(バーベルを頭上に持ち上げたまま行うスクワットのこと)しか出てこないという……。
そこでYouTube動画ではないものの、下記記事の中に掲載されている動画にて、ご確認いただけたら、と。
スクワットで美脚も美姿勢も叶えたい♡オーバーハンドスクワット|FiNC(フィンク)
◆なお、具体的な部位別ウエイト・トレーニングは、本書の最後の1/4ほどを使って、イラストと解説文で50種類ほど収録されています。
ただ、その中には、専用の用具を使うため、ジムでないと無理なものも含まれており、どこまでガチで筋トレをするかによって、オーバースペックになりかねません。
結局、私のようなド素人から、ジムでインストラクターと話し合ってトレーニングをするようなレベルの人まで、1冊の本でトレーニング方法をカバーするのは、盛り沢山杉ではないか、と。
……何せ私は腕立て伏せで腕の筋肉を鍛える以前に、手をついて腕立てのまっすぐな姿勢を保つために背筋に力を入れていた結果、開始1週間で腰痛に悩まされて、結局腕立て伏せを断念せざるを得なくなったオトコですからね。
それに対して、第1部の座学の内容は、初心者上級者関係なく、中高年共通の内容だったので、こちらは非常にためになりました。
とにもかくにも、これからの食事では、極力意識してタンパク質を摂取しようと心に誓いました(粉プロテイン以外でw)!
中高年男性なら読むべき1冊!
50歳からの科学的「筋肉トレーニング」 若いときとは違う体をどう鍛えるか (ブルーバックス)
第1部 中高年こそ筋肉トレーニングを始めよう
第1章 男性の体とテストステロン
第2章 トレーニングを成功させる生活習慣
第3章 トレーニングの筋肉学
第4章 具体的なトレーニング・メニューの考え方
第5章 ボディー・タイプと有酸素運動
第6章 テストステロン補充療法
第7章 体改善の具体的な始め方
第2部 すぐに始められるトレーニング・マニュアル
経験別トレーニング・メニュー
初心者の筋肉トレーニング
中級者の筋肉トレーニング
上級者の筋肉トレーニング
部位別 ウエイト・トレーニングの種目
自宅でできるトレーニング 他
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【健康】『いくつになっても年をとらない新・9つの習慣』吉川敏一(2015年12月29日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。風と雲のことば辞典 (講談社学術文庫)
「風」と「雲」にまつわる語彙を集めた1冊は、Kindle版が500円以上お得。
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【編集後記2】
◆一昨日の「ブルーバックス 知ると役立つ『科学のふしぎ』フェア」の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした。トポロジー入門 奇妙な図形のからくり (ブルーバックス)
高校数学でわかる複素関数 微分からコーシー積分、留数定理まで (ブルーバックス)
メールはなぜ届くのか インターネットのしくみがよくわかる (ブルーバックス)
生命はデジタルでできている 情報から見た新しい生命像 (ブルーバックス)
よろしければご参考まで。
ご声援ありがとうございました!
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