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2022年07月22日

【DX?】『米中先進事例に学ぶ マーケティングDX』宮下雄治


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米中先進事例に学ぶ マーケティングDX


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「コンピュータ・ITキャンペーン」における一番人気作。

タイトルどおり米中(特に中国)を中心とした「マーケティングDX」を詳細に解説した1冊です。

アマゾンの内容紹介から。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の重要性が叫ばれている昨今、その本命としてマーケティング分野のDXに注目が集まっています。
本書では、既存のマーケティングの仕組みや前提を大きく変化させる「マーケティングDX」について、企業の担当者や経営陣が知っておきたいポイントをコンパクトにわかりやすく解説。
DX先進国である中国やアメリカの驚きの事例を紹介しながら、消費やマーケティングのデジタル化が各業界に与えているインパクトをリアルに描き出します。
たとえば、中国経済回復の立役者である「ライブコマース」や「OMO」など話題のトピックも扱い、その仕組みからビジネスに与えるインパクトまで詳しく解説しています。

なお、中古価格が定価を1000円近く上回りますから、このKindle版が900円以上お得お買い得です!






NIO Power Battery Swap / bfishadow


【ポイント】

■1.独自の進化を遂げるスーパーマーケット「フーマー」
フーマーでは、30分以内の即時配送を特徴としたモデルを構築し、これまでの「ネットでは生鮮品が売れない」という常識を覆しました。フーマーが新規出店すると、その配送圏内の不動産価格が高騰するほど、中国人に支持されている次世代流通業です。店内にある商品はすべてスマホで注文が可能で、店内には水色のユニフォームを着た多くのスタッフが待機し、スマホ注文に対応しています。(中略)
 フーマーではビッグデータとAIを駆使し、ECでの売れ筋商品に加え、配送エリア内に住む住民の属性や嗜好性を踏まえた品揃えを構築しています。店舗から半径3劼鮠Ψとし(30分以内の配送が実現できる物理的距離)、商圏の人口動態や天気、曜日等のさまざまなデータをAIが分析し、その日に仕入れる商品、数量、価格などを毎日調整しているのです。さらには商品ごとの販売状況もリアルタイムで把握し、「ダイナミック・プライシング」 によって価格を調整、在庫の適正化を図っています。
 

■2.ビッグデータとAIを組み合わせた「滴滴出行」
同社はビッグデータとAIを駆使したサービスで、中国人の移動や交通の習慣を変えました。
 AIが数分後の交通・利用状況を予測してドライバーを誘導し、精度の高いマッチングを実現しています。米ウーバーをはるかに上回る5億人強の利用者のデータの蓄積と、AIへの積極投資を重ね、ビッグデータとAIの組み合わせによって短期間で世界最大級の配車プラットフォームに成長しました。(中略)
 アプリで目的地と乗車地点を入力すると、迎えの車が来るまでの待ち時間や、乗車後の目的地までの所要時間に加え、料金まで事前にわかります。タクシーに乗ってから目的地を告げる必要もありません。運転手の評価や経験、さらには車のグレードも選ぶことができます(日本車を選ぶこともできます)。走行ルートも事前に確定し、ルートをそれるとアラートが表示されます。


■3.ユニークなバッテリーシェアリング「NIO」
中国のシェアリングサービスで筆者がもっとも注目しているのが、電気自動車(EV)の「電池(バッテリー)シェアリング」です。中国版テスラの異名を持つ新興EV自動車メーカー「NIO(上海汽車蔚来汽車)」は、高級車の車体からバッテリーを切り離して販売し、主要都市に電池交換ステーションを設置しました。EVのバッテリー容量が少なくなったら、バッテリーごと交換するという新しいアイデアです。既存の充電では90分を要していたところ、3分から5分程度で別の充電池と交換できるサービスであり、ひとつのイノベーションとも言えるでしょう。充電時間を短縮するだけでなく、月額定額制で何度でも交換できることで、走行距離や燃費を気にしないで済む運転体験を実現しています。本体の販売に加え、販売後も安定した収益が見込めるビジネスモデルとしても注目に値するでしょう。


■4.「アバターロボットによる接客」という新しい顧客体験
 飲食店のマーケティングDXとして、筆者がもっとも注目しているのがアバターロボットによる接客です。
 2021年6月に東京・日本橋にオープンした「分身ロボットカフェDAWN ver.β」(オリィ研究所運営、本社東京)では、外出が困難な従業員が分身ロボットを遠隔操作して接客サービスを提供します。席に座ると、テーブル横に置かれた愛らしい接客ロボット「OriHime(オリヒメ)」が明るく元気な声で出迎えてくれます(写真左)。ロボットにはカメラとマイクが搭載されており、パイロットと呼ばれる遠隔操作をするスタッフがメニューを1つひとつ丁寧に紹介し、オーダーを受けつけます。(中略)
 パイロットとのコミュニケーションを通して、AIロボットにはない親しみと温かさを感じました。一般的なロボットの導入が生産性や効率性を重視しているのに対し、同店のロボットは他とは一線を画す存在であり、人間とテクノロジーが共存する社会を捉え直す貴重な拠点であると感じました。


■5.マーケティングDXを成功させる10カ条
.妊献織襪魘郢箸靴拭嵬税鬚瞥グ明」の確立
▲妊献織襪領呂如嵜靴靴良質な顧客体験」を創造
生活者の問題を解決し、社会を進化させる商品・サービス
ぁ嵜靴靴最適な解決法」の提案
ァ屮丱奪キャスト」による未来志向のビジネス
γ粒丱螢好を排除したシステム・機能
Щ続可能な事業基盤の確立
徹底した顧客視点のユーザーインタフェイス(UI)
企業買収や出資の継続的展開
多様性を活かすインクルージョンの推進

(詳細は本書を)


【感想】

◆昨日の本に続いて、大量にハイライトを引きまくってしまいました。

もっとも、相変わらず私がこの手の海外の技術系のネタに疎く、知らないことだらけだった点は否定はできないところ。

それでも本書はセール本の割には新しくて、今年3月に出版されていますから、コロナ禍を踏まえた新しめのネタが中心になっています。

また、冒頭で「米中」と言いつつも、アメリカネタもほとんどご紹介できず申し訳ございませんでした。

アメリカサイドの話はGAFAの話が中心だった(メタバース等)ため、私ですら知ってるネタをここで取り上げるのもどうかな、と思った次第です。


◆逆に上記ポイントだけでなく、本書内でも多かったのが中国ネタ。

実際、著者の宮下さんは「中国での実地調査は約20年におよぶ」(広州には2017年から1年間滞在したとの事)そうですから、それも当然かもしれません。

特に第3章は中国のマーケティングDXがテーマのため、読みどころ満載でした。

もちろん、BATH(バイドゥ、アリババ集団、テンセント、ファーウェイ)もしっかり登場しますが、気になったのは初耳の企業群。

その1つが、上記ポイントの1番目のスーパーマーケット「フーマー」でした。

上記で引用した以外にも、本書は色々と解説されているのですが、特にスゴイと思ったのが、生鮮品のプライベートブランド(PB)を売り切る技術です。

曜日ごとに異なる色で区別されたPBが、閉店までに売り切る需要予測に応じたダイナミック・プライシングで提供され、見事に翌日には残らないのだとか。


◆続く第4章は「デジタル経済を動かす『BASICS』」ということで、どうもこの「BASICS」という6つのキードライバーが、デジタル経済を支えているとのこと。

具体的には「B:ビッグデータ」「A:人工知能(AI)」「S:スーパーアプリ」「I:IoT」「C:キャッシュレス決済」「S:シェアリングサービス」の6つになります。

そして上記ポイントの2番目の「滴滴出行(ディディチューシン)」は、このうちのビッグデータとAIを組み合わせたもの。

ウーバーに乗ったことがないので断言はできませんが、どうもこちらの方が高度なサービスを提供している感じです。

同じく上記ポイントの3番目の「NIO」は、最後のシェアリングサービスのパートから。

確かに高速充電が難しい以上、バッテリーをシェアリングするのが、現状の最善手でしょうね。

一応日本でも、電動バイクのバッテリーシェアリングサービスが開始するみたいですが。

電動バイクのバッテリーシェアリングサービス『ガチャコ』が始動〜ただし当面は法人のみ - EVsmartブログ


◆一方、我が国のサービスもいくつか紹介されていたので、1つ飛んだ第6章から、上記ポイントの4番目の「分身ロボットカフェDAWN ver.β」をセレクト。

こちら、テレワーク的なものかと思いきや、難病や障碍などで外出できない人が働ける、という社会的意義が高いものでした。



ちなみに宮下さんがこのお店にいらした際、担当のパイロットが近所の方だったため、地元の話題で盛り上がったのだそう。

なるほどそういうのは、普通のロボットではできないことですよね。

また、割愛した中では、スポーツ用品大手のゴールドウインが、「ザ・ノース・フェイス」や「ヘリーハンセン」をはじめとしたブランドのWebサイトにおいて、映像と音声を用いたリアルタイムのオンライン接客を展開しているとのこと。

オンライン接客サービス|スポーツウェア/アウトドアウェア通販のGOLDWIN WEB STORE

こちらも興味のある方はお試しください(私は夜中にこの記事書いているので自重)。


◆また、最後のポイントの「マーケティングDXを成功させる10カ条」は、第8章の「マーケティングDXが拓く未来」から抜き出しました。

もちろん、列挙した10カ条それぞれについて、本書ではキチンと解説されていますので、本書のまとめ的な意味でもぜひご覧ください。

さらにこれに続くのが、割愛したものの興味深かった「日本企業が克服すべき8つの課題」。

こちらも「技術偏重の経営」ですとか「失敗に不寛容な文化」といった耳イタイものが並びますので、お読みいただくと良いと思います。

なお、本の作り的なお話ですが、巻末には注記が106項目も並んでいるのが、さすが博士でいらっしゃるな、と。


基礎から実践までよくまとまった1冊です!

B09QX1CDDV
米中先進事例に学ぶ マーケティングDX
第1章 マーケティングDXの時代へ
第2章 マーケティングDXの展開
第3章 中国に見るマーケティングDXの取り組み
第4章 デジタル経済を動かす「BASICS」
第5章 進化する顧客体験(CX)
第6章 店舗で進むマーケティングDX
第7章 デジタル企業が開拓する新領域
第8章 マーケティングDXが拓く未来


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【Amazon流?】『amazonの絶対思考 常に、「普通という基準」を作り変える』星 健一(2020年09月06日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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ホモ・ルーデンス 文化のもつ遊びの要素についてのある定義づけの試み (講談社学術文庫)

いかにもHONZさん辺りで紹介されていそうな作品は、評価平均「4.6」というなかなかのもの。

「66%OFF」という激安設定のおかげで、Kindle版が700円弱お得です。


【編集後記2】

◆一昨日の「KADOKAWA 夏のビジネス&実用書フェア」の続き分の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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[ポイント図解]損益分岐点の実務が面白いほどわかる本 (中経出版)

B071V9YYLT
マネー・コネクション あなたのビジネスを加速させる「戦略」の見つけ方 (角川書店単行本)

B07HWP4ZZQ
0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方

参考記事:【スピード感?】『0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方』星尚彦(2019年02月08日)

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外資系コンサルが入社1年目に学ぶ資料作成の教科書

参考になりましたら!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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