2022年06月26日
【心理術】『一瞬で印象を操る ズルい話し方 相手の脳にこびりつくコミュニケーション術』岸 正龍

一瞬で印象を操る ズルい話し方 相手の脳にこびりつくコミュニケーション術 (きずな出版)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「プライムデー最大70%OFF Kindle本セール」でも人気を博していた1冊。「サブリミナル心理学研究所」で主宰を務める岸 正龍さんが、「無意識」に働きかけて、相手を動かすテクニックを指南してくださっています。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
心理学を用いたハッタリこそ、最強のスキルになる! なぜあの人は、たった一度の会話で強く印象に残るのか? なぜあの人は、大した実績もないのに人から信頼されるのか? なぜあの人が話をすると、素直に聞いてしまうのか? バカ正直は損をする! コミュニケーションには「ズルさ」がいる!
送料を加算した中古よりは、このKindle版が500円弱お買い得となります!

Five Senses Studio (!) Set-Up / scalespeeder
【ポイント】
■1.バイアスにギャップを付ける次の公式に当てはめてください。
「○○なのに、 ××(バイアスの逆)」
「女性は理数系が弱い」の場合は「女性なのに、理系」となります。いわゆる「リケジョ」ですね。
「女性は理数系が弱い」というバイアスがあるから、ギャップのある理系女子・略称「リケジョ」はエッジが立つ。
自然と興味がかき立てられるわけです。
「リケジョ」という言葉は2010年ころからメディアで使用されたとされています。一般に広めたのはES細胞の記者会見をした小保方晴子さんでしょう。
そのときの小保方さんの 格好、覚えていらっしゃいますか?
「かっぽう着姿」でした。
「理系」というバイアスとはギャップのある「かっぽう着姿」だったから余計にエッジが立ち、話題になったと私は考えています。
■2.相手に「質問」させるよう会話を誘導する
ギャップを使うのは有効だけど、自分から話すと心理的リアクタンスが働いて逆効果になる。
では、いったいどうすればいいのか?
相手から「質問」を引き出しましょう。
自分が言いたい話ができるような質問を相手にさせるのです。
「そんな人の行動を操るようなことができるの?」
できます。
具体的な手順はこうです。(1) バイアスのギャップを使って、相手に興味を持たせる(詳細は本書を)
(2) すると相手は「どうして○○なんですか?」と質問したくなる
(3) その質問に答える形で「自分がアピールしたいこと」を話す
■3.よく聞かれる質問にはアナロジーを作っておく
また私がもう1つ、マインドリーディングの拠り所としている「エリクソン催眠」については「フラワーロックのようなもの」と話しています(フラワーロックをご存じない若い方にはユーチューブにあがっている動画をお見せします。それもまた「興味」を引きつけるのに一役かっています)。
「どういうことですか?」に対しての私の答えはこれ。「フラワーロックって、音が鳴ると自動で動くじゃないですか。エリクソン催眠というのはフラワーロックにおける音のようなもので、相手がこちらが望む行動を、勝手に始めてしまうような言葉遣いです」まずは、よく使う専門用語やよく聞かれる質問に対して、すぐに答えられるアナロジーを作っておくことをオススメします。
それも対象者によって複数あると、なおいいです。
■4.五感に訴えかける話し方をする
ファイブセンス・リアリズムは日本語でいうと「五感臨場」。
「五感・イメージの世界」である無意識にアクセスするため、五感に訴えかける話し方をする。そして無意識を動かし、こちらの望む行動を促していく……これがファイブセンス・リアリズムです。(中略)
コツは、自分がカメラになること。
耳も鼻も舌も体感覚もあるカメラです。そのカメラが写しだす光景を描写し、カメラに届く音や匂いや味や肌感覚を描写するのです。
練習方法としては、いまやったように「食事や食品など食に関わることを相手にオススメする」のがいいでしょう。五感のすべてが含まれるからです。
■5.ブレない態度を演出する「フェイク・イット」
相手を支配するのにもっとも必要なものはなんでしょう?
それは「自信」です。
相手が「この人の言う通りにしておけば大丈夫」という安心感を抱けば、ホメオスタシスは邪魔をしません。「信頼」というのは相手の無意識を、自信で支配することによって生まれるのです。(中略)
ブレない態度、自信がある態度を演出するために使っていただきたいテクニックこそが「フェイク・イット」です。
フェイク・イットは直訳すると「ごまかす」という意味ですが、英語の格言に「Fake it till you make it」というのがあります。「そうなるまでマネをしろ」とか、「上手くいくまでは上手くいっているフリをしろ」と訳される格言です。
自分に実績がなく、自信や能力がなくても、「自信や能力があるフリ」をしていれば(持っていると思い込んでやっていれば)、それがやがて現実になるということで、認知行動療法などでも使われている有用なテクニックです。
【感想】
◆「意識させず相手に働きかける」というテーマの作品は、かつては当ブログでもよくご紹介していましたが、今回久しぶりに遭遇しました。そんな既読本の中でもテーマ的に一番近いのは、おそらくこちらではないでしょうか。

97%の人を上手に操る ヤバい心理術
参考記事:【マインドリーディング】『97%の人を上手に操る ヤバい心理術』ロミオ・ロドリゲス Jr.(2015年10月21日)
……ちなみにこの本はまだご紹介していませんが、同じ「プライムデー最大70%OFF Kindle本セール」の対象作品となっていますので、合わせてご検討のほどを(中古は値崩れしていますが)。
そういえば、今回の本の帯でも著者のロミオ・ロドリゲス Jr.氏は、推薦の言葉を寄せているのですが、確かに氏の本同様、本書も「心理テクニック」をフル活用しています。
◆たとえば本書の第1章のテーマが「バイアス・コントロール」。
バイアス自体は、当ブログでも何度もご紹介してきたテーマですが、それは主に「バイアスがあることを理解し気を付けるべし」という話が多かったと思います。
それに対して、「バイアス・コントロール」というのは、むしろそれをうまく活用する、というもの。
上記ポイントの1番目にあるように、あえてギャップを付けることで、エッジを立たせているワケです。
ただし、このギャップも自らペラペラ説明すると、相手の中にネガティブな感情が生じてしまうのでご注意を。
そこで活用したいのが、上記ポイントの2番目にある「質問」を引き出す、という手法です。
実際、著者の岸さんは、セミナー講師を務めるのに金髪だったり、名刺にちょっとした工夫がされているのですが、それがどういう効果があるか、等については、本書にてご確認を。
◆続く第2章では、下記目次にもあるように「イメージ・マイニング」なるものがテーマです。
これは簡単に言うと「言葉によって相手のイメージを喚起し、こちらの望む行動を促していく」というものなのですが、具体的には以下の5つの手法があるとのこと。
●ファクト本書では個々について詳しく解説がされているものの、こちらではボリュームの関係で割愛させていただきました。
●シミリ
●アナロジー
●ショート・メタファー
●ロング・メタファー
ただし、唯一簡単に触れているのが、上記ポイントの3番目の「アナロジー」。
アナロジー自体は、細谷功さんの作品でもおなじみですけど、その場で考えるのではなくて、使う機会の多いアナロジーをあらかじめ用意しておく、というのは結構目からウロコでした。
◆また、この「イメージ・マイニング」とは別に、5つのテクニックを加速させるスキルとして紹介されていたのが、上記ポイントの4番目の「ファイブセンス・リアリズム」。
……と本書では呼んでいますが、どうもこの用語自体、岸さんオリジナルみたいなので、普通に「五感に訴えかける」でいいと思うのですけどネ。
実際、この手法は古くから使われているもので、その効果については類書でも保証済みでしょう。
さらに最後の第3章の「フェイク・イット」も、上記ポイントの5番目にあるように、「Fake it till you make it」という英語の決まり文句から来ているもの。
そのように自信を持ってふるまうことが、相手に対する説得力につながる次第です。
なお、本書の最後に、本書で述べてきたテクニックに匹敵する(それ以上の?)必殺技もサラッと登場しますので、お楽しみに!?
キチンとマスターして使いこなせたらパワフルな1冊!

一瞬で印象を操る ズルい話し方 相手の脳にこびりつくコミュニケーション術 (きずな出版)
はじめに バカ正直は損をする社会
第1章 印象を捜査して相手の心を開かせる「バイアス・コントロール」
第2章 相手の興味を誘導して行動を促す「イメージ・マイニング」
第3章 相手の信頼を勝ち取り支配すらできる「フェイク・イット」
おわりに
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
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