2022年06月09日
【健康】『「これ」を食べればサプリはいらない』田村忠司

「これ」を食べればサプリはいらない
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、本日が最終日となる「Kindle本趣味・実用書キャンペーン」にて人気の高かった1冊。著者の田村さんは、医療用サプリメーカー社長でありながら、「サプリは飲まないに越したことはない」と言われているとのことで、「きっと信頼できる」と本書を手に取った次第です。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
サプリより、「食べる」栄養が最強。
医師も信頼するサプリメーカー社長が教える、ちょっとのコツで「疲れない」「老けない」「病気にならない」、365日元気でいる方法!
中古は値崩れしていますが、値引率が「60%OFF」と高めのため、Kindle版の方がお買い得です!

Probiotic Supplements / Ryan Snyder
【ポイント】
■1.サプリメントは添加物の方が多いぐらいサプリメントには栄養素や有効成分だけが入っているわけではありません。添加物もたくさん使われています。
サプリメントにおける添加物には粉を固めたり、外側のカプセルの材料になったり、どうしても必要なものもあります。しかしそれ以外に、着色をしたり、甘味をつけたり、香りをつけたりといった目的で使われているものもあります。あるいは単に「増量」の目的で使われることさえあります。
こうした色や香りをつけたりするための添加物は、本来使う必要のないもの、使わなくてもサプリメントを作ることができるものです。
ところが市販のサプリメントの中には、有効成分よりも添加物のほうが多い、それどころか添加物が大半を占めているものが少なくありません。
重量の大半が添加物……、中には9割以上が添加物というものもあるのです。
■2.原料が信頼できない
サプリメントの原料には化学合成で作られる「合成原料」と、天然の材料から作られる「天然由来原料」がありますが、市販のサプリメントの多くは、合成品が使われています。特に価格の安いサプリメントはほぼ100%が合成品です。
一概に天然がよくて合成が悪いというわけではありませんが、合成原料の中には「使うのが不安なもの」もあるのも事実です。
合成品に不安を感じるのは、サプリメントの原料を化学合成する際、余分な物質も一緒に合成されてしまい、管理の精度が高くない工場ではそれが除去されないまま、一緒に紛れ込んでしまう可能性があるからです。そうした「余分な物質」は体に悪い影響があるかもしれません。
余分の物質の発生は工場で目的の物質を化学合成する場合に起こりやすく、普通はこうした余分な物質を取り除く「精製」の工程が行われますが、それには費用も時間もかかります。ですから余りコストをかけていない工場で作られた安い原料では、精製が十分にされていないのでは? と疑ってしまうのです。
■3.サプリメントの原価はこんなに安い
これは前著にも書いたことですが、あるサプリメントをテレビ通販する場合、売上の6割がテレビ局、2割が企画会社の取り分ということが行われています。すると、メーカーの取り分は2割。となるとメーカーはどれだけ原価をかけられるでしょう。その上、テレビ通販の場合は「売れ切れNG」ということで、大量に商品を用意しなくてはいけません。しかも、売れ残りのリスクはメーカー負担になることがほとんどです。そうすると、メーカーとしては売れ残りが出ても損をしないように、きわめて原価の安い商品を供給せざるを得なくなります。
これを「買う立場」から考えると、原価の10倍以上の値段でサプリメントを購入するということになります。1万円のサプリメントであれば原価が1000円以下かもしれないのです。
■4.子どもの受験向け栄養素・サプリメント
まずは「ストレス対策」のための栄養素。受験生はストレスがたまるものですが、ストレスが起こると、体内で「活性酸素」が発生してしまいます。活性酸素は細胞を傷つけてしまいますから、これを処理するために「抗酸化物質」が必要です。ビタミンCのほか、ビタミンE、α‐リポ酸、コエンザイムQ10、ポリフェノール類、亜鉛、セレンなどがおすすめです。
これらは風邪の予防やウイルス対策にも役立ちますから、積極的に摂りたいものです。
次に血流を改善する栄養素です。受験生は運動不足になりがちです。運動が足りないと血流が悪くなり、酸素や栄養素が全身に十分に行き渡りづらくなります。頭に栄養が行き渡らないと記憶力や集中力が働きません。(中略)
運動がなかなかできない状況であれば、血流の改善によいビタミンE、イチョウ葉、L‐アルギニン、L‐シトルリン、EPA、DHAなどの補給を心がけましょう。
■5.サプリメント選びで頼りになる医療機関の選び方
インターネットを活用するのは便利な方法です。ホームページ上で栄養素の働きやサプリメントのことについて紹介しているなら、栄養療法に取り組んでいるクリニックの可能性が高いでしょう。
待合室に並べられている書籍や雑誌に、食事や栄養素、サプリメントに関するものが多かったり、栄養に関する資料が掲示されたりしている場合も、そのクリニックのドクターやスタッフが栄養療法に関心を持ち、この分野に詳しい可能性が高いと推測できます。
このようなクリニックを見つけたら「特定のサプリメントの PR」と「栄養素の働きや食生活についての情報発信」のどちらに力を入れているか、注目してください。
ホームページや待合室などの情報発信が、サプリメントよりも、本書で紹介しているような、悩みの解決に役立つ栄養素の働きや、食生活の改善方法に力を入れているなら、栄養療法に対してしっかりした考え方の先生である可能性が高いです。
【感想】
◆サプリを愛飲している方にとっては、結構ショッキングな内容だったかもしれません。私はこうしてブログで健康本をご紹介するたび、その作品で知った気になるサプリを試してみたりするのですが、たいてい途中で飲み忘れたり、飲み切っても継続しなかったりというナマケものでした。
その理由は、効き目があまり実感できなかったり、薬のように事態が改善しなかったり、というからなのですが、そもそも頭痛や腹痛のような「痛み」があって、それを抑える薬とサプリとは役割が違うんですけどね。
それでもサプリは「飲まないよりマシ」だと思ってましたし、実際にモノによっては必要に応じて飲むべきだったりするのですが(鉄分等)。
そんな「少なくとも悪いモノじゃない」と思っている私のような者でも、戸惑ってしまったのが、本書の第1章の「私がサプリメントをすすめない10の理由」です。
その中の1つである、上記ポイントの1番目の添加物の件も、最後にある「中には9割以上が添加物というものもある」というのは、さすがに盛ってるのかと思いきや、まんざらでもないようで。
続く部分で、パッケージの栄養成分表示から、単純に割り出せばいいのですが、全体の重さから、薬効部分を除いた分が添加物(乳糖、寒天、セルロース等のつなぎ)なのだそう。
◆また、上記ポイントの2番目の原料のお話も、気になるところ。
とくに文中にある合成原料多くが、中国の工場で生産されているそうですから、その安全性については、ある程度覚悟しておかねばなりません。
やはり格安サプリだと、安全性の低い工場生まれの原料が用いられる可能性が高いのだそうです。
食料品と違って「味」で判断できない分、いかんともしがたいのですが。
なお、この「10の理由」には、ほかにも「重ね飲みによる過剰摂取」「アレルギーの原因になる可能性」等、ほかにも気になるものがありました。
さすが、著者の田村さんは内情を知ってるだけあって、信憑性も高いかと。
◆そんな第1章でも結構おなか一杯なのに、続く第2章も「これを知ったらもう飲めない! サプリメントの衝撃ウラ事情10連発」という内情暴露系でした。
ただしここは、「栄養ドリンクが効果がある気がするのは『糖分』によるもの」「飲むだけでみるみる痩せるサプリは存在しない」といった、既読の健康本でも言及されているものがちらほらと。
それでも上記ポイントの3番目の、テレビ通販の取り分の話は私は知りませんでした。
とくに「売り切れNG」なんて縛りがあったら、それは大量に用意しないといけないハズで、リスクも抱えるとなったら、それは原価が安いものにせざるを得ず。
もちろん、取り分等は全部が全部こうではないと思いますし、出版時と今とでは事情が異なるかもしれませんので、一応その点はご留意を。
実際、この章で挙げられていた「サプリ広告の『使用前』『使用後』の写真」の件は、現在は規制されています(そう言えば最近見ないですよね?)。
◆1つ飛んだ第4章では、「お悩み・症状別おすすめの栄養素」ということで、サプリから一歩引いて、具体的な栄養素のお話が登場。
お悩みとしては「アレルギー(花粉症)」「肥満・ダイエット」「更年期障害」「血圧コントロール」といったものが並び、それぞれについて栄養素とそれを摂取できる食品が挙げられています。
また、その食品を使ったレシピも紹介されているので、自炊等されている方なら試してみてもいいかも。
ちなみに上記ポイントの4番目は「受験勉強」という「お悩み」からのもので、具体的に「頭が良くなる」というワケではありませんが、これこそ「やらないよりやった方がマシ」程度に心がければいいと思います。
もっともEPAやDHAは、当ブログの勉強本・健康本でもおなじみでした(「青魚を食べよう」等)が、イチョウについては、あまり期待しない方がいい、との話も……。
◆なお、最後のポイントの医療機関の選び方は、第5章の「それでもサプリメントを飲みたい人に」からのもの。
「そんなこと言っても、結局はご自分のところの製品を選べばいい、という結論なんでしょ?」とうがった目で読み進めていったところ、本書の「あとがき」によると、田村さんの前著を読んで、購入を希望された方が多かったのだそうです。

サプリメントの正体: 本当に「効くもの」「危ないもの」 (知的生きかた文庫)
ところがどっこい、そういった「ご用命はお断りしている」とのこと。
それは、電話でお話をお聞きしただけでは、購入しようとされているサプリメントがその方のお悩みの解決に役立つかどうかの判断がつかないからです。何らかのお悩みがある場合は、やはり医療の専門家に相談して本当の原因や正しい解決策を見つけるのが最も効果が上がり、時間も費用も節約できます。やみくもにサプリメントを購入しようとするのではなく、信頼できる医師や歯科医師を探すことに注力してほしいと思います。ますます本書の内容が信じられたワタクシ。
サプリを飲む前に、読んでおきたい1冊です!

「これ」を食べればサプリはいらない
第1章 私がサプリメントをすすめない10の理由
第2章 これを知ったらもう飲めない! サプリメントの衝撃ウラ事情10連発
第3章 この「生活習慣」と「食べ方」をすればサプリメントはいらない
第4章 お悩み・症状別おすすめの栄養素
第5章 それでもサプリメントを飲みたい人に
付録 主要な栄養素の食材一覧
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
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