2022年03月21日
【売上増!?】『売れる言いかえ大全』大岩俊之

売れる言いかえ大全
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「新生活セール Kindle本キャンペーン」でも大人気の作品。戦略営業コンサルタントの大岩俊之さんが、売上を伸ばす言い方を指南してくれるという1冊です。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
そもそも「売れる/売れない」の違いは、優秀かそうでないか、才能やセンスの有無ではなく、「ちょっとした言葉の使い方」で決まるのです。
本書は、その「ちょっとした言葉の使い方」の法則をお教えする本です。
中古価格が定価を大きく上回っていますから、「58%OFF」のこのKindle版が1100円弱お買い得です!

gregor-salesman / CityCaucus
【ポイント】
■1.テレアポで「今忙しい」と言われたとき×「5分だけでもお時間をいただけないでしょうか?」テレアポに慣れていない人が導入部分の伝え方を間違えると、門前払いされてしまいます。定番の断り文句である「今忙しい」と言われ、ガチャっと電話を切られてしまうこともあります。
〇「いつ頃がお手すきになりますでしょうか?」
中には、門前払いするほどでもないが、本当に今忙しくて対応できないというケースもあります。そこで「5分だけでもお時間をいただけないでしょうか」などと粘ると、「二度と電話しないでほしい」と本当に断られてしまいます。この時点で終了です。
そんなときは「いつ頃がお手すきになりますでしょうか?」と、お客様に答えをゆだねてしまいましょう。
断り文句として「今忙しい」と言っている場合は「必要ありません」と断ってきますし、多少なりとも興味があれば「〇時ならいいですよ」と言ってもらえます。
■2.雑談が続かず会話が途切れたとき
×「この仕事は〇年になりまして」話が途切れたときや会話のネタに困ったときに、お客様の仕事歴を聞いてみると、その会社での立ち位置が見えてきたりします。(中略)
〇「〇〇さんは、このお仕事は長いのですか?」
たとえば、今は品質管理部門にいるが、その前は、設計部門にいたことがわかると、技術的なことに詳しい人であることがわかります。転勤で今の支店に来ており、転勤が多い会社であるとわかれば、定期的に担当者が変わる可能性が高いと予測できます。
「〇〇さんは、このお仕事は長いのですか?」「〇〇さんは、この部署は長いのですか?」とお客様の今の会社での職歴を聞いてみることです。間違っても、自分の職歴を話してはいけません。自分の話は、聞かれてから話せばいいのです。
■3.「昨日の企画会議、ホント大変でさあ」と言われたとき
×「会議があったのですね」相手が発した言葉の中には、「事実」と「感情」が入り交じっています。会話の中で感情が入っている場合は、事実よりも感情を捉えて言葉を返してあげてください。感情とは人が物事に対して抱く気持ちのことで、「疲れた」「うれしかった」「大変だった」という言葉です。
〇「大変だったのですね」
コミュニケーション研修などで、最近あった出来事とその気持ちを話してもらいます。そのときに、事実を返した場合と、感情を返した場合では、ほとんどの人が、感情を返してもらったほうが、話を聞いてもらった感じがすると答えます。
■4.急ぎではない件の返事が欲しいとき
×「今週中にお願いします」お互いの信頼関係が構築できているのであれば、「あうんの呼吸」で仕事が完結してしまうことがあります。
〇「お手すきのときにご連絡ください」
逆に、仲が良すぎると、はっきりと言えなかったりします。「それほど急ぎではない案件だが、なるべく早く回答が欲しい」という場合に使えるフレーズがあります。
それは「お手すきのときに」という言葉です。
お客様からこの言葉を言われることがありますが、なぜだか、すぐに返事をしてしまいます。私からこの言葉を相手に伝えるときもありますが、すぐに返事が来ます。急かしていないように聞こえる言葉ですが、「手が空いたときに」と遠回しに言われているので、手が空いた仕事の合間に対応してしまうのです。
■5.契約していただくときの言葉
×「契約していただけませんか?」「契約していただく」という言葉と、「契約書にサインをいただく」という言葉は、意味が違います。「契約していただく」という流れの中に、「契約書にサインをいただく」という小さな作業があります。クロージングの重要場面では、相手が具体的にアクションを起こしやすい言葉に変換して、伝える必要があります。
〇「契約書にサインをお願いできますか?」
「契約していただけませんか?」という言葉では、具体的に何をすればいいのかわかりません。「その場で書類にサインをする?」「あとから契約書が送られて来る?」「口頭だけでいい?」など、よけいなことを考えてしまいます。その流れで「本当に契約していいのかな?」「何か聞き逃していないか」など不安にさせてしまうのです。
【感想】
◆今まで何冊か「言い換え本」をご紹介してきましたが、本書はその中でもタイトルとおり「売ること」(法人営業)に特化した作品でした。まず構成としては、下記目次にあるように全18のシーンごとに、それぞれ4〜7つほどの「法則」を収録。
そして各法則は、上記のポイントの小見出しのような状況ごとに、「売れない人は」「売れる人は」という区分け(上記では「×」と「〇」に略してます)で、回答例が併記されています。
なお、その後に続く解説部分は、本書では上記ポイントの解説部分よりも、もうちょっと長いのでご安心を。
さらには章のおしまいには、まとめ的に「OKワード」と「NGワード」が解説付きで登場し、それに続いてロープレ(ロールプレイング)と、トレーニング方法も掲載されているという、至れり尽くせりぶりです。
……ただし社外でトレーニングするのは、場合によってはいい迷惑(お店で値引き交渉をする等)かもしれないのでほどほどに。
◆さて、18も章がありますから、もちろん全部は網羅できません。
そこで上記の各ポイントは、個人的に「なるほど!」と思ったものに限定しました。
たとえば上記ポイントの1番目は、第1章の「アプローチ(新規開拓)をする」からのもの。
NG例にあるような「5分だけでもお時間を〜」のような粘りはダメで、いつならいいか問うてしまうのが正解なようです。
ちなみにここにある「お手すき」はマジックワードのようで、第7章から抜き出した上記ポイントの4番目では、あらためて掘り下げられているという。
私自身深く考えないで「お手すきのときに」と言ったりメールしたりしていましたが、こんな「煽り効果」があったんですね。
◆また、1つ飛んだ第3章では「雑談」がテーマ。
これまた当ブログでも雑談本は多々ご紹介してきましたが、上記ポイントの2番目にある「仕事歴を聞く」というのは記憶にありませんでした。
ただこれも、上記で引用したように、さまざまな情報を得られる価値がある質問のよう。
結構有益ですから、別に話が途切れたときでなくとも、積極的に使っていきたいところです。
ちなみに、あくまで「その会社内での職歴」であって、相手の「転職歴」ではないのでご注意を。
◆続く第4章は「良いコミュニケーションで会話をうながす」という章題が付いていますが、内容的には「聞き方」について。
上記ポイントの3番目で挙げた返答の仕方は、NG例も含めて「オウム返し」として「聞き方本」でも読んだことがありました。
ただし「事実」よりも「感情」にフォーカスする、というアドバイスは、類書であったとしてもごくわずかだったと思います。
確かに「感情」を返す人は少ない(特に男性は)でしょうね。
お客様との関係が浅い場合は、会話の中に感情が出て来ません。それだけ、感情が入った会話というのは、貴重なのです。日頃から、感情を返すクセをつけることで、会話の中の感情を見つけやすくなります。なるほど、売れる人はこういうところから違うのだな、と。
◆ちまちまご紹介していたら、先ほど触れた第7章まで含めたとしても、まだ本書の半分弱しか到達できませんでした。
そこで一気に飛んで、最後の方である第16章の「クロージングをして契約してもらう」から引用したのが、上記ポイントの5番目。
「契約書にサインを」なんて口にするのは何となく抵抗があって、「察してよ!」と思われるかもしれませんが、このようにハッキリ言うのが大事なようです。
実際、著者の大岩さんも、ここでつまづいて「痛い目にあった」ことがあるのだとか。
そもそも、ここに来るまでの道のりでの労力を考えたら、躊躇する理由はありませんよね。
なお、その後の2章、特に最終章である第18章の「クレーム発生時の対応をする」まで、お役に立つこと必至の1冊。
営業に携わる方なら、ぜひお読みください!

売れる言いかえ大全
第1章 アプローチ(新規開拓)をする
第2章 訪問先(あいさつ)で好印象を残す
第3章 雑談で相手を知り距離を近づける
第4章 良いコミュニケーションで会話をうながす
第5章 タイプ(ソーシャルスタイル・優位感覚)別に攻略する
第6章 マル秘情報を聞き出すには?
第7章 すでに信頼関係があるお客様に伝える場合
第8章 あとでモメないように先手を打つには?
第9章 商談を上手に進めるには?
第10章 オンラインで商談を進める
第11章 交渉・折衝の最終局面で成約するには?
第12章 会議やプレゼンをうまく進める
第13章 次の商談につなげるには?
第14章 テストクロージングをかけて購入度合いを探る
第15章 相手を不快にさせずに断るには?
第16章 クロージングをして契約してもらう
第17章 販売後(セミナー後)も関係を続けたいときは?
第18章 クレーム発生時の対応をする
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
まんがで身につく ずるい考え方
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【編集後記2】
◆一昨日の「新生活セール Kindle本キャンペーン」のフォレスト出版分の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。
売れる言いかえ大全

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