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2022年03月18日

【投資】『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』山崎 元,水瀬ケンイチ


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【全面改訂 第3版】ほったらかし投資術 (朝日新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのも、昨日に続いて先日の「未読本・気になる本」の記事で人気が高かった作品。

投資初心者でも挑戦しやすい「ほったらかし投資」について、詳細に論じた1冊です。

アマゾンの内容紹介から。
投資初心者も、もう迷わない
ほったらかし投資の公式本!
ベストセラー『ほったらかし投資術』が7年ぶりの全面改訂!
運用方法が過去2版と大きく異なり、もっとシンプルに、もっとほったらかせるようになりました。
実行マニュアルから口座の開き方、素朴な疑問へのアンサーなど大幅加筆で初心者も安心。
2024年スタートの新NISAにも対応。
お金の不安から解放されて、より良い人生を!

中古が定価の倍以上する一方、Kindle版は「31%OFF」の「594円」とセール並みのお値段となっています!





Numbers And Finance / kenteegardin


【ポイント】

■1.インデックス投資は再現性が高い
 そしてこの「インデックス投資」は、理屈はいろいろあるものの、私たち個人投資家にとってありがたい際立った特徴を持っています。「再現性」が高いのです。冒頭、私が年換算収益率6%で20年間運用して1億円を作ることができたと書きました。投資金額はともかく、年換算収益率6%で20年間運用すれば、誰でも同じ収益率が再現できます。これは、インデックス投資の表現方法が極めて具体的であるためです。
 例えば、「MSCI ACWI連動のインデックス・ファンドに月5万円投資する」といえば、先進国23カ国及び新興国23カ国の大型株と中型株で構成されている2480銘柄に対して、日本:先進国:新興国=1:8:1の割合で投資することと同義です。定量的で明確です(2022年の本書執筆時点で、日本株は1割を切っています)。


■2.無リスク資産への投資は個人向け国債で
「ほったらかし投資術」にあっては、「無リスク資産」を別途取り分けてこれを運用する方法を含めるのが適切でしょうし、読者に対して親切でもあるでしょう。
 では、リスクを取らずに相対的に安心して無難に運用できる対象は何でしょうか?
 この問いに対する答えとして著者達が2010年の『ほったらかし投資術』のオリジナル版以来ずっと採用しているのが、「個人向け国債(変動金利型 10 年満期)」です。
 国債は国が発行する債券です。我が国の場合は、特に個人が購入することができる個人向け国債と呼ばれるタイプの国債が発行されています。
 個人向け国債には、固定金利型の5年満期、3年満期、変動金利型の10年満期という3タイプがあります。ここでは変動金利型で10年満期のタイプのものを選ぶことをお勧めします。


■3.オススメ金融機関の印象は?
 SBI証券は、ネット証券最大の規模で安心感があり、総合的によくまとまっています。各種手数料の値下げにも積極的で業界をリードしています。インデックス投資において「必要なベストファンドを買えない」ということは、将来にわたりほぼないでしょう。
 楽天証券は、新商品・サービスの導入に意欲的なパイオニアです。また、いわゆる「楽天経済圏」(楽天市場など楽天グループの様々なサービス)の中にあるため、楽天カードや楽天銀行との連携やポイントサービスの相互利用など利便性が高いです。こちらも、インデックス投資において「必要なベストファンドを買えない」ということは、将来にわたりほぼないでしょう。
 マネックス証券は、主要インデックス・ファンドの一部を取り扱っておらず、新商品・新サービスの導入スピードもやや遅い点はありますが、一方で、資産管理ツールには定評があります。


■4.コロナショックのような危機にどうするか?
 最近の出来事で考えると、コロナ・ショックの渦中では、これ以上株価が下がるのではないかという予想と、ここは下げ過ぎなので少なくとも持ち株(インデックス・ファンド) は売らない方がいいのではないかという予想とが心の中で拮抗して、相当に迷った投資家が多かったのではないでしょうか。
 この波乱の相場の中で著者達は、「では、今の投資行動としては何が正しいか?」と自問しましたが、ほぼ常に「今の情報は、今の株価に反映しているのだろうから、自分が保有するリスク額が適切なら、そのまま持っているのが適切だろう」がその答えでした。(中略)
「市場は間違えることがあるとしても、概ね正しい価格を形成するのだろう」と考えて、「上げ相場にも下げ相場にも、全て付き合う」 と決めるのが、自分が他人よりも優れた情報や解釈能力を持っていないことを自覚する「賢い投資家」の行動ルールでしょう。


■5.ボーグルヘッズの10則(抜粋)
●早くから、かつ定期的に投資する仕組みを作る
長期にわたる複利効果を得るためにできるだけ早く投資を始めてください。収入からどの程度を投資に回すかの目安として、人それぞれですが、収入の2割が出発点として適しているかもしれません。
●分散する
特定の株式やセクターの投資成績が、継続的にベンチマークとする指標を上回り続けたデータはないため、幅広く分散、または市場全体に投資できる投資信託やETFに投資してください。
●インデックス・ファンドを活用する
株式市場全体に投資する最良かつ最低の保有コストにする方法は、インデックス・ファンドを活用することです。典型的な米国外の投資家にとって、1本のグローバル(全世界) 株式ファンドやETFへの投資は、完全に分散された株式ポートフォリオを所有する最も簡単な方法です。
●コストを低く抑える
運用会社の利益のためではなく、ご自身の利益のために複利で運用しリターンを得る必要があるため、低コストのファンドに投資してください。
(詳細は本書を)


【感想】

◆当ブログでは今まで、それなりに投資本もご紹介しており、その中では当たり前のようにインデックス投資についても触れられていましたが、本書のようにほぼ全編を通じて「インデックス投資のみ」について解説している作品は初めてでした。

そのせいもあってか、ハイライトもやたらと引きまくるハメに。

何せこの「ほったらかし投資術」は、2010年に初版を、2015年に第2版を出し、2022年の今回が第3版という根強い人気を誇るものです。

私は過去の2つの版を読んでいないのですが、著者であるお2人の見解を、今回初めて統一したのだそう。
過去の2版では、幾つかの問題について「山崎は○○のように考える、水瀬は△△のように考える」といった両論併記があったり、運用商品について「……と考える人は○○、……と考える人は△△」といった複数の選択肢の提示があったりしましたが、今回は、「かくかくの理由により、コレ!」と結論を一本化することを大方針としました。
なるほど、これなら読む方にとっても迷いがありませんね。

また、第2版以降に「つみたてNISA」という制度が導入されたため、それも反映した内容になっているのだそうです。


◆さて、まず第1章では「ほったらかし投資」の基本的なお話や概略等についての言及が。

その骨子となるインデックス投資の大きな特長は、上記ポイントの1番目にあるように「再現性」が高いことでしょう。

これが他の方法だと、国内と海外の配分やら、どの銘柄を選ぶか等々、人によってまちまちになってきてしまいます。

また著者の1人である水瀬さんは、それまでは個別株投資に時間を割いていたそうで、2年間かけた時間と努力に対して、リターンがほぼなかったのに加え、四六時中株のことが気になって生活にも支障をきたしていた(悪材料が出たらトイレから携帯で売却等)のだとか。

それから比べたら、ほぼ何もしないで、かつ、リターンが望める「ほったらかし投資」を推奨するのも分かります。

実際、投資額の大きさもあったのでしょうけど、20年間で1億円ですからね……。


◆続く第2章ではこの「ほったらかし投資」の「実行マニュアル」が登場します。

まず、ある程度の生活資金を別途プールし、それ以外のお金を「リスク資産」と「無リスク資産」に分割。

このうち無リスク資産については、上記ポイントの2番目の「個人向け国債」に、リスク資産は「某インデックス・ファンド」に投資する、というのが大まかなアウトラインです。

その際、リスク資産では、iDeCoやNISAを最大限に利用することも忘れずに。

なお、リスク資産の運用先は、ピンポイントで具体的な銘柄が挙げられているのですが、とりあえずここでは「ネタバレ自重」させてください(すいません)。

もちろん、それが分かったとしても、金額の配分方法やらiDeCoやNISAの使い方等、それ以外の情報が詰まった本書を読まない手はないのですが、自分が著者だったら、こういったレビューでホイホイ書いて欲しくはないかな、と。


◆さらに第3章では、いよいよ実際に口座を開設して、「ほったらかし投資」を実践することになります。

そこで検討すべきが、どの金融機関を用いるか、ということ。

それくらいならいいかな、と思って、上記ポイントの3番目では、本書に登場する3つの金融機関の特徴部分を挙げてみました。

なお、具体的に買える銘柄等(iDeCoだと、必ずしも上記で伏せた銘柄が買えないことがあるのだとか)によっても、この選択の基準は分かれてくるのでしょうけど、その辺については細かくなるので本書にて。

また、第4章では、なぜインデックス投資が優れているのかを、かなり掘り下げて解説している(私も初めて知った内容が多かったです)ので、納得した上で本書のやり方を実践したい方は、ぜひ目を通してください。


◆さらに第5章では、この「ほったらかし投資」を実践する上でのポイント(「勘所」)について触れられています。

確かにやり方は分かったにしても、上記ポイントの4番目の「コロナ・ショック」のようなイレギュラーな事象には、どう対処すべきか迷うところ。

しかし著者陣の考え方は、ここにもあるように「そのままでいい」とのこと。

……この考え方だと、現在のウクライナ問題についても、多分そのまま保持ということになりますよね。

また、上記ポイントの5番目の「ボーグルヘッズの10則」は、巻末の特別鼎談(著者お2人と元バンガード/ステート・ストリート勤務の金野真弓さん)からのもの。

著者の山崎さんにとっての「投資の世界の三大偉人」の1人であるジョン・ボーグル氏(他の2人は、ウォーレン・バフェット氏とチャールズ・シュワブ氏)という方がいるのですが、その投資哲学に啓発された個人投資家集団を「ボーグルヘッズ」と呼ぶとのこと。

そして彼らがボーグル氏の言説に基づいてまとめたものが、この「ボーグルヘッズの10則」なのだそうです。

抜粋してもかなりの量になってしまいましたから、こちらも鼎談とともにぜひご一読を。


「ほったらかし投資術」のファイナルアンサーです!

4022951672
【全面改訂 第3版】ほったらかし投資術 (朝日新書)
第1章 ほったらかし投資と人生のお金
第2章 ほったらかし投資の簡単! 「実行マニュアル」
第3章 実際に始めてみよう!
第4章 インデックス運用の基礎知識
第5章 「ほったらかし投資」実践の勘所
第6章 よくある質問にお答えします
特別鼎談 バンガード撤退後のインデックス・ファンドの未来


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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経済安全保障リスク 米中対立が突き付けたビジネスの課題 (扶桑社BOOKS)

今のウクライナ情勢に対する中国の姿勢を見ていると、読んでおきたくなるこちらの作品は、Kindle版が600円強お買い得。

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40代が、こんなにしんどいなんて聞いてなかった (幻冬舎単行本)

こちらも他人事ではないコミックエッセイは、Kindle版が400円以上お得。

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無理せず毎月5万円! 超初心者でも稼げる在宅ワークの始め方

在宅ワークをお考えの方なら要チェックな作品は、Kindle版が600円以上お得な計算です!


【編集後記】

◆一昨日の「春のビジネス・実用書セール」の記事で評判が良かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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ネガティブな感情が成功を呼ぶ

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メンタルと体調のリセット術

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元コミュ障アナウンサーが考案した 会話がしんどい人のための話し方・聞き方の教科書

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我慢して生きるほど人生は長くない

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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