【健康】『医師から「痩せなさい」と言われたら最初に読む本』土山智也,土山奈央美:マインドマップ的読書感想文

2022年03月11日

【健康】『医師から「痩せなさい」と言われたら最初に読む本』土山智也,土山奈央美

【本の概要】

◆今日ご紹介するのも、現在開催中の「Kindle本ポイント還元キャンペーン」にて大人気のダイエット本。

今まで読んださまざまなダイエット本の総まとめ的な内容であり、実際に現在ダイエットをなさっている方にもお読みいただきたい1冊でした。

アマゾンの内容紹介から。

巷には間違ったダイエット法が溢れている。メタボ外来医が教える「正しいダイエット」決定版。

値引率が実質「65％OFF」と高めなこともあり、このKindle版が500円以上お買い得となっています！

Fat / Anderson Mancini

【ポイント】

■1.食生活は基礎代謝を上回らねばならない

　そして、これが最大のポイントなのですが、脂肪を蓄えにくい身体をつくり、さらに身体についた脂肪を健康的に落としていくためには、摂取エネルギーが基礎代謝を下回らないようにしなければなりません。つまり、基礎代謝に使われる分はきちんと食べる必要があるということ。摂取エネルギーを抑えるだけ抑えるのが瘦せる最短コースと思ったら、大間違いです！
　基礎代謝を下回った食生活を続けると、身体は〝生命の危機に瀕している状態だ〟と判断し、消費エネルギーを極力抑えて、脂肪をなるべく溜め込むようにします。そのため、逆に瘦せにくい身体をつくってしまうことになります。(中略)
「ダイエット中は、摂取エネルギーは基礎代謝を若干上回る程度に抑える。ただし、絶対に基礎代謝を下回らないようにする」
　健康的に脂肪を落としていくために、このセオリーは必ず覚えておいてください。

■2.健康を損なわずに痩せる「ダイエットの黄金ルール」

(1)一日の総エネルギー摂取量のうち、炭水化物が占める割合を40～50％とする。
(2)植物性タンパク質を多めにしたタンパク質と、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を控えた脂質で、残りの総エネルギー摂取量を補う。(中略)
　ただでさえ乱れがちな現代人の食生活。いきなり変えろとは言いません。接待などの会食も仕事に含まれている方は、ストイックな食事制限が難しい場合もあるでしょう。
　そこでまずは「炭水化物を食べすぎないように、かといって減らしすぎないようにする」「脂質の種類を考えながら摂取する」「植物性タンパク質を多めに摂る」などと、一日のうちで炭水化物、脂質、タンパク質のバランスと質を意識することから始めてみてください。日常生活でのちょっとした意識改革と継続が長い目で見たダイエット成功の秘訣なのです。

■3.「肥満の元凶」便秘の改善方法

(1)毎日、定時にトイレに行く。おすすめは朝食後。排泄時には、上体を斜め45度、前に深く傾けた姿勢をとる。ただし、長時間座り続けるのは逆によくない。
(2)朝、起き抜けに冷たい水や牛乳を飲み、一日3食を心がける。
(3)水分をこまめに補給する。水分が足りなくなると便が硬くなるため。
(4)体操や水泳などの運動を心がけ、腹筋を鍛える。腹筋の強化は排便にとって大切。また、腹部のマッサージ（右下→右上→左上→左下→へその下→下腹部の順）も効果的。
(5)下のほうまで便がきているように感じても出ない方は、直腸型便秘の可能性がある。スキマ時間などに、お尻の穴を閉めたり緩めたりする肛門体操を繰り返す。

■4.「夜遅く食べると太る」は本当か？

　一日の摂取エネルギー量が同じなら、夜遅くに食べても体重は増えませんが、昼食から時間を空けすぎると空腹感が強くなり、結果的に摂取エネルギー量が増えている可能性があります。簡単に言うと、夜遅くに食べるから太るのではなく、"お腹が空きすぎてドカ食いしてしまう"から太るというわけです。(中略)
　レプチンと呼ばれる、食欲に関係する体内物質があります。レプチンは、脳の満腹中枢に「もうお腹がいっぱい」という刺激を与えて食欲を抑え、エネルギー消費を増やし、過剰なエネルギー蓄積を防ぐ働きをしてくれます。そして夜間の食事が多いと、レプチンの作用が著しく低下することが知られています。
　皆さんも、深夜に急な空腹感に襲われることがあると思います。それは、レプチンの作用不足が引き起こすものです。つまり夜の食事時間が遅くなると、普段より食べすぎてしまう可能性があるのです。

■5.筋トレはダイエットに効果的

　筋トレとは筋肉に負荷をかけ、筋線維を損傷させるトレーニングです。壊れた筋繊維を回復させることで、筋肉を以前よりも強く太くします。筋肉のダメージを回復させるにはタンパク質が必要ですが、このタンパク質の分解、合成にはたくさんのエネルギーが必要となります。
　この消費エネルギー量は、筋肉1㎏あたり150kcal。基礎代謝の10倍以上です。これには、筋肉の修復にかかるエネルギー量も含まれます。
　また筋トレの消費エネルギー量はトレーニングの負荷や時間、トレーニング後の回復力やタンパク質の摂取量により大きく変動します。筋肉量が多いほど、筋トレ後の回復量が必要となるため、エネルギー代謝量も増えるでしょう。

【感想】

◆冒頭でも触れたように、非常に充実した内容の作品でした。

思わずハイライトも盛大に引きまくり。

確かに広範囲なテーマを扱っている分、過去に読んだ著作とかぶったりもしているのですが、それらを改めて確認できましたし、逆に今回初めて知った点もちらほらありました。

たとえば、第1章から抜き出した上記ポイントの1番目。

「基礎代謝を下回る食生活を続けるとかえって瘦せにくくなってしまう」とは知りませんでした。

ちなみに本書では、厚生労働省発表の基礎代謝の算出方法とは別に、「ハリス・ベネディクト方程式(改良版)」なる細かい計算式も提示しています。

男性：基礎代謝(kcal)＝ 13.397×体重kg＋4.799×身長cm－5.677×年齢+88.362
女性：基礎代謝(kcal)＝ 9.247×体重kg＋3.098×身長cm－4.33×年齢+447.593

これなら年齢別の表も不要ですから、自分で計算できますね。

◆続く第2章では食事面でのアドバイスが登場。

糖質、脂質、タンパク質の3つの栄養素が、どのように脂肪に変わるか（変わらないか）が解説されており、それを踏まえて言及されるのが、第3章の低糖質ダイエットです。

結論からして、確かに「低糖質ダイエット」は効果があるとのこと。

ただし糖質を抑える分、タンパク質を多めに摂らねばなりませんが、9種類の「必須アミノ酸」を摂るためには、肉や魚の動物性タンパク質か、大豆を食べる必要な模様。

なお、腎機能が低下している人は低タンパク食が推奨されているそうなので、低糖質ダイエットをなさっている方はご注意ください。

また脂質についても、「良い油（オリーブオイル等）」を摂取して「悪い油（トランス脂肪酸等）」を避けるのは、類書でもおなじみかと。

そして、そのほかモロモロ考慮した結果が上記ポイントの2番目の「ダイエットの黄金ルール」になる次第です。

◆一方、第4章は腸内環境がテーマ。

今回は割愛しましたが、ヨーグルトを食べる際にはタイミングが重要で、ベストなタイミングは「食中＆食後」とのこと（通常胃の中は強酸性のため）。

ちなみに2週間食べ続けても、便通や肌の状態に変化を感じなければ、別のモノを試す必要があるそうです。

また、「便秘は腸内環境を最も悪くする」ため、上記ポイントの3番目にあるように、便秘こそが「肥満の元凶」らしく。

心当たりのある方は、こちらの5つの改善方法をぜひお試しください。

◆さらに第5章では、さまざまなダイエット法を検討しています。

そんな中、初っ端で触れられているのが上記ポイントの4番目の「夜遅く食べると太る」ことの是非。

多くの書籍で「夜遅く食べると太る」と言われていますし、私も体の仕組み的にそうなるのかと思っていましたが、むしろ空腹感が大きな問題なようです（でも結局は太ることには変わらない気が）。

また意外だったのが、同じカロリーでも食事の回数を多くしたり、食べる順番を意識してもほとんど効果がない、ということ。

同じく低インスリンダイエットも有効である、との確証がまだないそうで、いずれにせよGI値の低い食品でも食べ過ぎたらダイエットにならない、というのは当然でしょうね。

◆また、第6章ではサプリメントについて触れられているのですが、現段階では「サプリではなく食事で摂取すれば十分」とバッサリ。

そんな中コラムで言及されていた「アスタキサンチン」という食品成分は、「強い抗酸化作用がある」（抗酸化力はβ‐カロテンの5倍、コエンザイムQ10の800倍、ビタミンEの1000倍、ビタミンCの6000倍と言われているそう）そうなので、ちょっと試してみたいところです。

DHC アスタキサンチン 30日分

なお、上記ポイントの5番目の「筋トレ」は、第7章からのもの。

一般的に運動をしても期待するほど痩せないことは、多くの類書でも言われていましたが、こと筋トレに関しては基礎代謝と比較しても、やってみるメリットはありそうです。

ちなみに効率よく痩せるためには、特に下半身の筋肉を鍛えるのが良いらしく。

さらに第8章の「遺伝子」、第9章の「医療」のお話も見逃せませぬ（割愛して申し訳ございません）。

ダイエットを総合的に考えるためには、必読の1冊！