2022年02月17日
【導く】『FREE, FLAT, FUN これからの僕たちに必要なマインド』伊藤羊一
FREE, FLAT, FUN これからの僕たちに必要なマインド (角川書店単行本)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「KADOKAWA 冬の読書フェア」でも人気の1冊。当ブログではおなじみの伊藤羊一さんが、独自のリーダーシップ論を展開されている作品です。
アマゾンの内容紹介から。
ベストセラー『1分で話せ』著者、伊藤羊一氏による最新刊。自身の信念でもある「FREE」「FLAT」「FUN」という概念は新型コロナウイルスによって、その重要性がより明らかになった。今、必読の1冊。
中古は値下がりしていますが、送料を考えるとこのKindle版が400円弱お買い得です!
Leadership / Luigi Mengato
【ポイント】
■1.自分を導き、他者を導き、社会を導く先にも述べましたが、「自分で自分を導く」とは、自分に対してリーダーシップを発揮することです。
それが、Chapter2で紹介する「他者を導く(Lead the people)」リーダーシップにもつながっていく、リーダーシップの原点です。
「どうすれば人を巻き込んでリーダーシップを発揮できるのか?」「どうやったら人がついてくる?」と多くの人は悩みます。でも、自分で自分をリードできていなければ、そもそも他者をリードできるわけがありません。(中略)
この他者を導くリーダーシップにより、ひとりからチームになります。チームになれば、ひとりより大きなことができます。結果として、それが自分と他者を導きながら、まわりの人の笑顔に貢献できるような社会に対するリーダーシップ、つまり「Lead the society(Chapter3参照)」につながるのです。
■2.リーダーを演じる
「リーダーを演じる」というのは、語感こそあまりよくありませんが、実はリーダーのあるべき姿、スタンスのひとつではないかと感じています。
「自分ではないリーダー」を演じることで、その外側に自分がいて、その「演じている姿」を自分が客観的に見ることができます。自分自身として、この振る舞いを変えよう、この考え方を変えようというのは大変ですが、「演じているリーダーをリモートコントロールで望ましい姿に変える」というのは、素の自分を変えるより楽なはずです。なぜなら自分自身ではなく、「演じているリーダー」と割り切れるから。
要するに、「リーダーを演じる」意識を持って行動すると、俯瞰して自分をとらえ、変えていくのが容易になるということです。
■3.「俺、かっけー!」と思えることが、とても大事
多くの人は、年を重ねるにつれて「自分かっけー!」なんて、思えなくなっていきます。ましてや、人にこうして自分のことを話すなんて、恥ずかしくてできませんよね。でも、地道な作業を毎日繰り返し、自分で壁を乗り越えて成長していけるってかっこいいと思いませんか?
何歳になっても、「俺、かっけー!」と思えるまで繰り返せば、いくらでも成長できます。要するに、「意識高い系でよくね?」と思えるようになる。それで行動できるのならば、それでいいのです。
みんなどんどん成長して、自分をどんどん好きになっていけばいいのです。
■4.1on1ミーティングで、リーダーがやるべき3つのこと
1on1ミーティングで、リーダーがやるべきことは次の3つです。(1) 個々のメンバーのいまの気持ちや、感情的な部分を受け止めるこうなると、リーダーが、その部署の専門知識があろうがなかろうが関係ありません。まず、メンバー自身が抱えている感情的な部分を聞くだけだからです。
(2) チームのゴールに対し、いまギャップになっているものを理解してもらう
(3) ギャップをどう解決すべきか、自分で考えてもらう
「そうか、そうか!」
「すごいね、それは!」
そんな 相槌 を打ったり返事をしたりして、まずはたくさん話してもらう。そうして、「いまチームが向かっているのはここだけど、ギャップになっていることってある?」と、もっと意見をたくさん挙げてもらう。
そのうえで、「それをクリアするにはどうすればいいかな?」と、さらに考えてもらうのです。
■5.社会を少しだけ幸せにする
「Lead the society(社会を導く)」というと、なにか壮大なことのように思えますが、別にイーロン・マスクのような、宇宙を目指したり電気自動車をつくったりする人だけが世界を変えるのではありません。まずは、「自分で自分を導く(Lead the self)」のがすべての出発点。
たとえば、雪が降ったのであなたが家のまわりで雪かきをするとします。すると自分の家の周囲が歩きやすくなる。それを見た近所の人も同じように雪かきをして、その一帯が歩きやすくなる。また、通勤で通りかかった人が、雪かきされた道を歩けて素敵な気分になれたので、着いた会社の前でも雪かきをする。
これで、社会は少しだけ幸せになれる。こんなことも十分に「Lead the society」なのだと思います。
【感想】
◆部下を持たない働き方をしている私にとっては、リーダーシップ本である本書は、正直なところ「畑違い」かと読む前には思っていました。ただ、著者の伊藤さんによると、本書は「ビジネスパーソンのみならず、より幅広い人たちに手にとっていただきたい」作品とのこと。
その理由は、0章から引用した上記ポイントの1番目にあります。
要は自分を導き、他者を導き、社会を導くことができれば、自分やそのまわりだけでなく、多くの人々が笑顔で生きられる社会を創ることができる次第。
そしてこの3つのリーダーシップの根本にある価値観が、本書のタイトルにもある「FREE, FLAT, FUN」になります。
◆FREE 常識から解放され、ひとりの人間として自由に生きる私自身、タイトルに込められた意味が気になっていたので、ここで触れさせていただきました。
◆FLAT 一人ひとりが、異なる意思を持つリスペクトされるべき存在である
◆FUN 一人ひとりが意思を決めて生きられれば、楽しく幸せな社会になる
◆まず第1章は「自分を導く」がテーマ。
自分自身がどうリーダーとしてふるまうべきかを考えた場合、伊藤さんは上記ポイントの2番目にあるように「リーダーを演ぜよ」と言われています。
この演じている姿を客観的に見る、という行為はたまたま昨日ご紹介した『メタ認知』にも通じるような。
またこの章では、自分の「ライフラインチャート」を描くことを推奨しています。
第3回 自己分析その2 過去を振り返る「ライフライン」|田中ウルヴェ京のキャリアプランニング講座|日立ソリューションズ
この「ライフラインチャート」を用いて、自分の人生を振り返り、他人に言語化して伝え、他人と対話することは、自分を受け入れて、自分の未来をつくる助けになるのだとか。
◆また上記ポイントの3番目も、同じ第1章からのものです。
そもそもリーダーを目指そうとする方にとっては、自分の限界に挑戦し、成果を出すとはどういうことかを身をもって体験すべき、とのこと。
そこで「俺、かっけー!」と思えるくらい努力し、成長する。
確かに斜に構えるよりも、こういうプリミティブな情熱は、より一層の成長を促してくれそうです。
ちなみにこの「かっけー」のような「肉声」的な表現は、伊藤さんの意図するところであり、この部分のすぐ後ろに「すげぇ! やべぇ!」「シャー!」「うおおおお!」といった小見出しが続きますので、気になる方は本書にてご確認ください。
◆続く第2章のテーマは「他者を導く」。
こちらでは主にリーダーとして部下をどう導くかが述べられています。
そこで言及されているのが、上記ポイントの4番目にもある「1on1ミーティング」。
最近さまざまな本でも目にすることがあるマネジメント手法であり、伊藤さんのいらっしゃるYahoo!でも長年行われているのだそうです。
今回は割愛しましたが、本書では具体的なやりとり例も収録されていますので、そちらもぜひご覧いただきたく。
特に「コーチング」と「フィードバック」という、「1on1ミーティング」の2つの要素それぞれについてもしっかり掘り下げられており、非常に勉強になりました。
◆最後となるポイントの5番目は、第3章の「社会を導く」からのもの。
章題を見たときには、私も遠大過ぎて手に負えないと思っていたのですが、ここにもあるように、ちょっとした身の回りのことでも、十分なんですね。
確かに雪かきをしてもらえると大変助かりますし、自分もできるものならお手伝いしたいもの(都会でマンションに住んでいると、朝起きて職場行くまでに既に終わってるのですが)。
他にも本書では、コンビニの店員さんとレジで「ありがとうございます」と声をかけあうことで、お互いにうれしくなるようなケースも挙げられています。
目の前の人がうれしかったら、多くの人が幸せになる可能性があるのです。なるほど、私にもまだできることはたくさんありました。
そんな行動によって、社会は少しだけ幸せになっていきます。
1人ひとりが幸せになるために、読んでおきたい1冊!
FREE, FLAT, FUN これからの僕たちに必要なマインド (角川書店単行本)
Chapter 0 FREE,FLAT,FUN
Chapter 1 Lead the self ―自分を導く
Chapter 2 Lead the people ―他者を導く
Chapter 3 Lead the society ―社会を導く
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【編集後記】
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