2022年01月16日
【健康】『「冴える脳」をつくる5つのステップ ゆっくり急ぐ生き方の実践』築山 節
「冴える脳」をつくる5つのステップ ゆっくり急ぐ生き方の実践 (NHK出版新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本 目標応援セール」でも人気の1冊。「脳ネタ本」でおなじみである、築山 節先生の現時点における最新作です。
アマゾンの内容紹介から。
衰えを感じる身体、なんとなく続く不調、さらに、私たちの生活や健康はコロナ禍で脅かされている。現代人はこのような不安にどう対処すればよいのか。ベストセラー『脳が冴える15の習慣』の著者が、「健康」「自立」「自律」「管理」「対策」という5つのステップで、脳と身体の関係を改めて見直し、着実に状況を把握し、スピーディーに判断する「脳」のつくり方を伝授する!
中古は値崩れしていますが、「399円」というお値打ち価格のおかげで、Kindle版の方がお買い得となっています!
40 health checklist / Sustainable Economies Law Center
【ポイント】
■1.コロナ禍がもたらした「行動変容」生活習慣を変えることを「行動変容」と言いますが、以前は絶対にできないだろうと思っていた行動変容が、「コロナ禍」の中で、誰でもできるようになっていました。人は誰でも、命にかかわるような緊急事態になると、自身の生活習慣も自発的に変えることができる、ということかもしれません。
たとえば、以下の2つがそうです。(1)通勤・通学時間帯の電車では、咳エチケットを守るため、マスクの着用を乗客全員が徹底している。これらは、以前のインフルエンザ流行期には、繰り返しキャンペーンを行っても、なかなか浸透しなかった習慣です。(中略)
(2)自宅、会社、レストラン等々の外出先、帰宅後を問わず、必ず手洗い・うがいが徹底されている。
しかし、人びとが、「コロナ禍」を避けるためには、この方法しかないと理解したとき、多くの人が進んでご自分の習慣行動を変えていました。
本当に印象的でした。これらの行動は、まさに、慎重に考え、するべきときにはしっかり行うという「ゆっくり急げ」の実践的な動きだったと思います。
■2.基礎体温低下の4つの原因
人は、低体温になると、身体の免疫力が低下します。(中略)
では、肝心の基礎体温低下の原因は何でしょうか? 4つあります。
まず1つは、「加齢」です。
基礎体温は、加齢とともに低下していきます。(中略)
2つめは、「運動不足」です。
近年、若者にも低体温の人が増えています。その原因は運動不足です。筋肉は、熱を生み出す器官です。運動不足になると、筋肉量も減り、その結果、体温も低下してしまいます。
3つめは、「職場環境」です。
最近の職場は、快適な環境を維持するためにエアコンが完備されています。この汗をかきにくい環境も、低体温の要素の1つとなります。
そして4つめが、「ストレス」です。
ストレスも低体温の要素になります。現代はストレス社会です。人がストレスを感じると、ストレスホルモンの1つであるコルチゾールが分泌されます。このホルモンは筋肉の分解を促進します。
■3.人は同時に2つのことができない
脳では、しゃべる場所、運動する場所、感情・興奮を起こす場所など、それぞれ機能する部位は異なっています。このことを機能局在と言います。
ですから、人は、誰でも怒りながら走れないのです。実際、会議など着席する場で怒っている人を見ればわかりますが、顔を真っ赤に紅潮させて、言葉も単語しか出なくなり、じっと怒りが収まるまで座っています。
これは、脳の中で運動機能と、感情機能との機能分野が異なっているためです。したがって早く感情を収めようとする場合には、この部長が指示したように、少し歩く運動をさせて機能的に異なる部位をよく働かせたほうが、早く理性的になれるということなのです。
■4.疲れたときのコーヒーやエナジードリンクは逆効果?
私たちは、疲れたとき、コーヒーやエナジードリンクを飲みますが、これらの飲料は多くが肝臓でつくられる炎症性サイトカインの産生を抑制してしまいます。したがって、本当はひどく疲れているのに、身体の持つ疲れのアラーム機構がうまく働かず、つまり、生理的疲労のアラーム機構がうまく機能せず、結果として、身体に過剰な疲労蓄積が起こってしまうことがあるのです。
コーヒーやエナジードリンクは、肝臓でつくられている炎症性サイトカインの産生を抑制してしまうという理由から、仕事で忙しいとき無制限に飲まないように、もしも飲みたいときには、本数を数え、その量を意識して飲む必要があると思います。
■5.予定は大まかに、記録は事細かに
誰でも年の初めや年度替わりの際には予定や目標を立てたりすると思いますが、では、なぜ人は、予定や目標を立てるのでしょうか?
その理由は、これから自分のするべきことをはっきりさせて、目に見えるものにしておきたいからです。
しかし、ただ予定を立てても、実際に達成できなければ何の意味もありません。ですから予定は、あまり大きくなく、具体的である必要があります。実際欲張って大きな目標を立てても、どのくらい達成できたか目に見えるものでなければ期限までに完了することはできません。予定を立てるときの大前提として、「予定は大まかに、記録は事細かに」とするのがおすすめです。
では、どうすれば予定の達成率は上がるでしょうか? その方法は、適切な「記録」です。具体的には、できるだけ細かく、さらに回数を増やして記録をとることが、目標を立てることよりも重要です。
【感想】
◆当ブログとしても久しぶりとなる築山先生の作品でした。冒頭でも申し上げたように、築山先生といえば「脳ネタ」で広く知られるお方。
実際、著作を確認しても、ほとんどの作品で「脳」という漢字が含まれています。
とはいえ本書は、純粋な「脳ネタ本」というよりは、広く「健康」をテーマにしたものと言った方が良いかもしれません。
結果、他の健康本とややかぶるお話はあるものの、そんな中でも築山先生らしさをところどころで出されているという。
◆さて、上記ポイントの1番目は、本書の「はじめに」から抜き出したものになります。
確かにコロナ禍によって、上記で築山先生が挙げた「行動変容」を、私たちは実現することができました。
ただ、海外の映像等を見ると、マスクの着用率が高くなかったりしますから(国や状況に違いはあるものの)、あくまで日本人仕様な感じ。
実際、インフルエンザの感染者数を見ると、コロナ禍以前と比べて激減している以上、同じ感染症でも「命にかかわるような緊急事態」だと「背に腹は代えられない」のでしょうね。
ちなみに私は、春先になると花粉症のせいでマスク必須だったので、人命に関係なくとも、「分かりやすいメリット(実践しないことによるデメリット)」が即座にあらわれるのなら、誰でも「行動変容」できるのだと思っています。
◆続く第1章から引用したのが、上記ポイントの2番目。
「基礎体温が低い」のは、高齢者のお約束で、自分もいずれそうなるのかとは思っていたものの、「身体の免疫力が低下する」と言われてしまうと何とかしたいところ。
1番目の「加齢」はさておき、2番目の「運動」は、まさに以前より細くなった自分の手脚を眺めて実感しております。
ただ、1番目とも関係するのですが、昨年やっと買ったものの放置していたリングフィットアドベンチャーを、ふと思い立って暮れ前からガンガンやりだしたら、急に筋肉痛がひどくなって、現在コーヒーの入ったマグカップを持つのもキツいという有様(涙目)。
そこで築山先生を見習って遠回りしてでも歩こうとしたら、今度は原因不明の臀部の痛みに襲われるという、踏んだり蹴ったりの状態です。
ちなみに最近やっと治ったのですけど、五十肩は、昨年ほぼ1年間悩まされていました……って、運動はできるうちにしときましょうね、というお話でした。
◆また、上記で触れた「築山先生らしさ」に該当するのが、第2章から抜き出した上記ポイントの3番目のお話。
「人は、誰でも怒りながら走れない」なんて、初めて知りましたよ。
上記引用部分の後の方に「この部長が指示したように」とあるのは、実はその前段部分にエピソードがありまして。
とある会議で議論が白熱し、部下が乱暴な言葉を連発したため、議長である部長が「カッカしてないで、会社の周りを一回りしてから戻ってこい」と部下に指示。
ぶつぶつ言いながらも一回りしてきた部下は冷静になって、入口で頭を下げて謝罪したのだそうです。
「少し歩く運動をさせて機能的に異なる部位をよく働かせたほうが、早く理性的になれる」というのも、思わず納得。
さらに他の例として、「夫婦喧嘩になると台所で洗い物を始める奥さん」がいるそうで、こちらも洗い物によって冷静さを保てるワケですから、私たちももしカッとなったら、手なり足なりを動かせば良いわけですね。
◆なお、上記ポイントの4番目は1つ飛んだ第4章から抜き出したもの。
糖分が多すぎるのでエナジードリンクは飲みませんが、確かに私も疲れたらコーヒーを飲んでいました。
ただし、こうした飲み物は、疲れをとるのではなく、脳をだまして疲れに気づきにくくするだけで、かえって逆効果のようですからご注意を。
また、同じくポイントの5番目も第4章からで、「記憶」に頼るのではなく「記録」を取ることを推奨しています。
実際本書では、築山先生が、どういう記録をどういうタイミングで取っているかが明記されていますので、ご参考まで。
さらに最終章では、それまでのテーマに対する対策も指南されていますので、一部重複しますがこちらもご確認ください。
コロナ禍でも健康であるために読むべし!
「冴える脳」をつくる5つのステップ ゆっくり急ぐ生き方の実践 (NHK出版新書)
はじめに──「ゆっくり急ぐ」という生き方へ
ステップ1 健康──いつまでも元気で暮らすために
ステップ2 自立──運動が脳の働きを活性化する
ステップ3 自律──脳と腸の関係を知る
ステップ4 管理──脳の健康状態を保つ
ステップ5 対策──ゆっくり急いで「冴える脳」になる
おわりに──「断念する、諦める」は大切なこと
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。頭が冴える! 毎日が充実する! スゴい早起き
今日の作品でも早起きが推奨されていましたが、本書は中古が値崩れしているものの、ギリギリでKindle版がお買い得。
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ご声援ありがとうございました!
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