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2021年12月03日

【戦略的?】『戦略的思考トレーニング 目標実現力が飛躍的にアップする37問』三坂 健


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戦略的思考トレーニング 目標実現力が飛躍的にアップする37問 (PHPビジネス新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、11月初旬の未読本記事にて人気の高かった思考術本。

当初電子化されておらず、待機していたのですが、新書発売のタイミングでKindle版もリリースされていたようです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
戦略的思考は、激変する今の時代を生き残るために不可欠だ。
目標の設定の仕方から、それを実現するまでのシナリオの描き方、外部環境や自社の分析の方法、さらに、戦略を実行するための人の動かし方に至るまでを、演習問題に答えながらトレーニング!

なお、中古が未だ定価を上回っている以上、「11%OFF」のKindle版がお買い得です!






Getting a masterclass in strategic thinking from @boxman. / adactio


【ポイント】

■1.「戦略的思考」と「問題解決的思考」の違いとは?
●戦略的思考……目標から考える。建設的。中〜長期的。目標の実現までのシナリオ
●問題解決的思考……問題から考える。分析的。短期的。問題の解決までのシナリオ(中略)
 私がヒアリングできる範囲でビジネスパーソンにうかがうと、多くの人が「1:9」や「2:8」で問題解決的思考の割合が高いと回答されます。
 それは悪いことではなく、日々の業務を考えれば、とても自然なことです。私たちの業務は、日々、問題解決を繰り返すことで成り立っているからです。目の前の問題を解決することで対価を得ている仕事は少なくありません。(中略)
 もし、先ほどの一般的な回答と同じように、1:9や2:8といった割合に傾いていたら、少しでも戦略的思考の割合をあげる意識を持って行動することから始めてください。


■2.戦略的思考の基本は「アウトサイド・イン」
 経営や事業において大切なのは、「何を作るか」「何を売るか」の前に、「どんな目標を実現したいのか」「どんな状態に辿り着きたいのか」を考える視点です。
「内から外」のインサイド・アウトの発想だと、目的や目標、そして周辺の環境や相手の存在が忘れ去られ、自社の持っている商品やサービス、技術やナレッジから考えてしまうことになりがちです。
 もちろん、自社の持っている商品やサービス、技術やナレッジはとても重要で、最終的にはそれを起点に考えることになるのですが、考える順序を誤ってはいけないということです。
 また、「内から外」のインサイド・アウトの思考では、今あるもの、見えるものから考えるために、思考に制限が生まれやすい傾向もあります。
 一方、「外から内」のアウトサイド・インの思考は、今あるもの、見えるものはいったん横に置き、目的・目標を軸に考えることで、制限なく、柔軟かつ戦略的に考えることにつながります。
 まずは、自分がアウトサイド・インの思考プロセスを備えているか、意識できているかを振り返ってみましょう。


■3.「いい戦略」の3つの条件
「戦わずして、勝つ」を実現することが、いい戦略の絶対条件です。それをわかりやすく言い換えたものが、「成果が現場の努力に依存しすぎない」という視点です。
 仮に、あなたの上司が、目的や目標を伝えたうえで、「あとはみなさんの努力次第です」と言い放ったとしたら、そこに戦略は存在しません。
 また、「ああして、こうして……」と戦略を述べたとしても、それが現場の社員の過度な労働を前提にしていたり、いわば「無理ゲー」のようなターゲット顧客攻略や競合との争いを前提にしていたりしたとしたら、それはいい戦略とはいえません。
 まとめると、「いい戦略」とは、次のようなものです。
● 戦略をしっかりと遂行すれば結果が伴ってくるロジックが存在する
● 社員にとってやるべきことがシンプルでわかりやすい
● 社員がやるべきことに無理がない
 この3つの条件を備えたとき、その戦略のもとで、チームは効果的な成果を生み出すことができます。


■4.いい質問が人を動かす
「いい質問」とは、相手に考えさせる質問、相手に成功に至るイメージを持たせる質問、相手に現状とのギャップを確認させる質問です。
 反対に、「わるい質問」とは、相手に約束や責任を迫る質問、自分が安心するための質問です。
 戦略が実行される組織においては、いい質問が飛び交っています。上司・部下の関係に限らず、同僚同士が互いに質問を投げかけ、相手に貢献します。
 その質問の例をいくつかあげておきます。ぜひ、あなたの職場でもこうした質問の投げかけができないか、考えてみるといいと思います。
●「目標に近づくうえで、今、何が 妨げになっていますか?」
●「目標の実現に向けて、手を借りられそうな人や組織などの存在は考えられますか?」
●「過去にこのような状況を打開した経験はありますか? そのときはどうされたのですか?」
●「もし最初からやり直せるとしたら、どんなやり方をしますか?」
●「もし最も大胆な行動がとれるとしたら、何をしますか?」(後略)


■5.戦略的思考を実践しているとどのようになるのか?
(1)目的・目標が明確
(2)目標の実現を起点に思考がなされている
(3)現状認識が正確に行えている
(4)目標と現状のギャップを正確に把握できている
(5)戦略が目標到達までのシナリオになっている
(6)戦略の前提となる分析(特に市場・競合についての分析)が十分に行えている
(7)「戦わずして勝つ」という視点を備えている(努力に依存しすぎない)
(8)戦略の検証がクリティカルに行われている
(9)複数の戦略オプションから戦略が選択されている
(10)階的な戦略ロードマップが描けている


【感想】

◆「戦略」とか「戦術」といった言葉は、普段からなじみがある割に、何となく使っているだけで、深く理解していなかったことがよく分かった1冊でした。

まず第1章では、言葉の定義や関係について触れられており、例えば「戦略と戦術の違いは?」という質問は、著者の三坂さんにも寄せられるそうです。

さらに「作戦」を加えた上でこれらの関係を表すと以下のとおりとのこと。
 戦略が「目標実現に向けたシナリオ」なのに対して、そのシナリオの中に位置付けられる各プロジェクトが「作戦」です。そして、その各プロジェクトを成功に導く戦い方を「戦術」と表現します。
例えば、サッカークラブが「クラブワールドカップに優勝して、世界一のクラブチームになる」という目標を持っている場合、「戦略」とは「この目標を実現するシナリオ」を意味します。

そこで、AFCチャンピオンズリーグで優勝することや、J1で上位に入るか天皇杯で優勝することが、「作戦」であり、AFCチャンピオンズリーグや、リーグや天皇杯の、1試合、1試合を勝ち抜くために何をするか、どう戦うか、というのが「戦術」になる次第。

……サッカーやこれらの仕組みをご存じでないとピンとこないかもしれませんが、個人的には腑に落ちまくりました。

また、上記ポイントの1番目にあるように、私たちは普段、主に「問題解決的思考」に基づいて動いているワケですから、意識しないと「戦略的思考」を働かせられないようです。


◆続く第2章のテーマは、章題にもある「アウトサイド・イン」。

上記ポイントの2番目にあるように、私たちは通常であれば「自社の持っている商品やサービス、技術やナレッジから考えてしまう(インサイド・アウト)」ので、これを「今あるもの、見えるものはいったん横に置き、目的・目標を軸に考える(アウトサイド・イン)」ようにしなくてはなりません。

目からウロコだったのが、ハーゲンダッツの例なんですが、この会社、スペルも「Haagen-Dazs」なのに、「アメリカ人がアメリカで創業した会社」だってご存じでした?

これはアメリカ人がアイスクリームの主原料である牛乳に欧州の牧畜のイメージを持っているゆえ、「酪農国であるデンマークの首都コペンハーゲンから爛蓮璽殴鶚瓩鬚箸蝓響きのいい爛瀬奪牒瓩鬚弔韻拭廚里世修Α

確かに欧州の酪農関係っぽいブランド形成に成功していますよね?
 このように、戦略的思考とは、「ありもの」から考えるプロセスではなく、目標と現状のギャップを解消するうえで不足しているリソースに着目し、そのリソースを工夫や調達で埋め合わせる思考である、といえます。
なるほど納得。


◆一方第3章では、戦略の良し悪しについてのお話が。

いきなり結論から述べると、上記ポイントの3番目にあるように「戦わずして、勝つ」のが、いい戦略の絶対条件です。

それがこの章の章題の「努力に依存しないシナリオを描こう」につながってくるわけで、本書ではそれに続いて、「戦わずして勝つ方法」が5つ登場します。

その中の1つが、「No.1を極め、ファーストコールをゲットする」という、いわゆる「No.1戦略」。

それに関する演習問題が、本書の帯にある「子どもに大人気の『ちゃんこ屋』」なんですけど、「子どもに大人気」ということは、味とか雰囲気ではないことはお分かりになると思います。

答えは本書でご確認いただくとして、必ずしも売上やシェアを押さえなくても「No.1」になれるのだな、と。


◆また、第4章では「人を動かす」ことにフォーカスしています。

たとえ「いい戦略」であったとしても、人はなかなか動かないもの。

たとえば戦略に反対する3つの勢力として、本書では
(1)能力的側面からの抵抗
(2)政治的・経済的側面からの抵抗
(3)慣習的側面からの抵抗
を挙げているのですが、そういえば当ブログでもこんな本をご紹介したことがありましたっけ。

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抵抗勢力との向き合い方

参考記事:【仕事術】『抵抗勢力との向き合い方』榊巻亮(2017年12月14日)

さらにコミュニケーションの面から重要なのが「いい質問」であり、それに関しては上記ポイントの4番目に掲げたとおりです。


◆そして最後の第5章では、今までの内容を踏まえた上で、再度「戦略的思考を実践することの意義」について言及が。

具体的内容として「クリティカル・シンキング」「オプションマトリクス」「アンゾフのマトリクス」「PPM分析」といったフレームワークが登場しているのですが、これらは本書に収録された図があってこそのものなので、ここでは割愛させてもらいます。

ちなみに、演習問題の題材として、大昔に「激オススメ」としてご紹介したこの本が登場しており、やはりこの本のクオリティは高かったのだと、今さら納得したという。

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Hot Pepperミラクル・ストーリー―事業マネジメントを学ぶための物語

参考記事:【超・仕組み系】「Hot Pepperミラクル・ストーリー」平尾 勇司(2008年06月04日)

さらに最後のポイントの5番目は、「戦略的思考を実践している」場合での状況であり、ある意味「理想」ですね。

ネタバレを自重して、本エントリーでは演習問題とその答えを極力避けていますが、実際にお読みいただく際には、ぜひじっくり解いていただきたいところ。


「戦略的思考」を身につけたい方なら必読です!

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戦略的思考トレーニング 目標実現力が飛躍的にアップする37問 (PHPビジネス新書)
第1章 戦略的思考とは「強い想いを実現するための思考」である
第2章 「アウトサイド・イン」で考えよう
第3章 努力に依存しないシナリオを描こう
第4章 理感一致で人を動かそう
第5章 戦略的にロードマップを展開しよう


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【仕事術】『抵抗勢力との向き合い方』榊巻亮(2017年12月14日)

【超・仕組み系】「Hot Pepperミラクル・ストーリー」平尾 勇司(2008年06月04日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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