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2021年11月24日

【学び】『50歳からの人生が変わる痛快! 「学び」戦略』前川孝雄


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50歳からの人生が変わる痛快! 「学び」戦略 (PHPビジネス新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今月初旬の未読本記事で、一番人気だった作品。

シリーズの過去2冊ともご紹介している、前川孝雄さんの「50歳からの〜」シリーズ最新刊になります。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書では、著者自身の経験と豊富な事例をもとに、第二の職業人生で本当にやりたい仕事を、「学び」を通じて見つける方法を指南する。
やりたい仕事が見えてくる「50歳からの学び戦略MAP」や自分探しの迷路から抜け出せる「自己分析ワークシート」も必見!

中古が定価の3倍弱という高値ですから、Kindle版がお買い得です!






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【ポイント】

■1.興味を惹かれる分野に関して学ぶ
 思えば日本のサラリーマンは生殺与奪の権を会社に握られていました。今こそ、それを自分の手に取り戻すべきときです。
 では、何をしたらいいのか。 「やりたいこと」を見つけるのです。「天職」に出会い人生を変えるのです。それこそが自分のキャリアのオーナーシップを握り、幸せな第二の職業人生を送るために最も大事なものなのですから。
 しかし、本章の冒頭でも触れたように、自分でキャリアビジョンを描いた経験がないミドルが、ゼロからやりたいことを見つけるのは簡単なことではありません。
 あまり深く考えずにとりあえずで決めてしまうとあとで方向転換することになるリスクが高くなりますし、かといって、じっくり時間をかけて考えれば正しい答えが見つかるというものでもありません。そもそも頭の中だけで考えても答えの出にくい問題です。
 そこで、私が提案するアクションが「学び」です。まずは興味を惹かれる分野に関して学んでみるのです。学ぶという行為、学びに付随する体験は、「やりたいこと」を実感をもって知るためには非常に効果的だからです。


■2.まずは「トライアルの学び」に取り組む
 興味のある分野があるなら、関連する本を読むのでも、お手軽なセミナーに参加するのでもいいので、手軽に触れられる学びをとにかく体験してみる。これだけで、単に頭の中で想像を巡らせるより、グンとその分野への距離を縮めることができます。
 そのとき、おもしろい、もっと学びたいと感じるのか、あまり興味を惹かれない、退屈だと感じるのか、自分の中の心の動きをとらえることがポイントです。会社からの指示ではないのですから、誰にも遠慮することなく、ただただ自分の気持ちに素直になりましょう。「おもしろい、もっと深く学んでみたい」と思えばヒット。その分野はあなたの「やりたいこと」候補です。
 会社を辞めて退路を断つわけではなく、手軽に受講できる講座ですから、「違うな」と思ったら切り替えて次にいくことができます。早めに適性がないことがわかるのも大きなメリットです。ミドルは、やってみてもおもしろいとは感じられないことや明らかに適性がないことに時間はかけていられません。
 やりたいことが見つかるまでは、この「トライアルの学び」にいくつも取り組んでみることをおすすめします。


■3.やりたい仕事が見えてくる50歳からの学び戦略MAP

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 横軸は「実務スキル」寄りの学びか「マインドセット」寄りの学びかを表しています。縦軸はその学びが「参加型」「受動型」かを表しています。
 横軸に関しては、もちろんどちらが良い悪いということではありません。自分に不足しているほうを重点的に学ぶということでいいかと思いますが、マインドセット、実務スキルの両方のバランスを意識した学び戦略が必要となります。(中略)
 学び戦略を立てるうえでより重要なのは縦軸です。
 受動型というのは、要するに一方的に与えられる知識をインプットしていく学びです。
 それに対して参加型というのは、自分自身で実際にやってみる、あるいは自分の意見を持って集団で議論をする、グループワークで課題解決に取り組むといった学び方です。先ほど説明したアウトプット型の学びがまさにここに該当します。


■4.「できる→役立つ→働きがい→やりたい!」の順で頭を整理する
 まずは今の自分にできることは何かを改めて掘り下げます。
 次に、自分にできることをベースにして、どのように人々の役に立てるかを考えていきます。
 それは今すぐできることでなくても構いません。「今の自分にこのような+αがあれば、こういう仕事で人々に貢献できる」ということがイメージできれば十分。+αは学べばいいのです。
 ただし、ベースがないところに+αオンリーでやっていこうとすると無理が生じてしまいます。だから、ある程度ベースがあるところで勝負することが大事なのです。
 次に、自分がその仕事で人々の役に立っているシーンを想像してみましょう。そこに「働きがい」を感じることができれば、その仕事こそあなたが本当にやりたいと思えるライクワーク候補となると言えます。
「働きがいを第一に考える」。これを念頭に置き、早速ワークを始めてみましょう。


■5.やりたい仕事に近づく「学び方8つのステップ」
【ステップ(1)】少しでも気になる仕事の目星を付ける
【ステップ(2)】仕事の実態がわかる本を10冊読む
【ステップ(3)】講演会やセミナーに参加する
【ステップ(4)】社会人大学院やスクールに通い、 参加型の学びでスキルアップ
【ステップ(5)】属人的な自分の経験値を資格取得で客観評価に変える
【ステップ(6)】聞くに聞けない内情を学ぶには、弟子入りバイトがいちばん
【ステップ(7)】勉強会は参加するのではなく、 主宰者になって最新情報とご縁を広げる
【ステップ(8)】専門以外の教養を幅広く学び続け、専門分野を相対化させる
 比較的取り組みやすいものから、実践を伴う参加型のものまで、8つのステップに分けてミドルの学びについて解説してきました。
 このうちステップ(1)〜(3)と(8)は必須、(4)〜(7)は適切なタイミングで自分に合ったものを選んでいくというイメージでとらえてください。
(詳細は本書を)


【感想】

◆冒頭でも触れたように、本書は紹介回の未読本記事において、一番人気の作品でした。

その理由が、同シリーズの過去2作をレビュー済みだったからなのか、それともそのジャンルが当ブログでも人気の「学び」だからかなのかは、未だ分からず。

ただし後者だったとすると、類書とは少々異なるものだと言わざるを得ないでしょう。

というのも、その「学び」の対象が、単なる「教養」ではなく、中高年にとっての「次の仕事」に直結するものだから。

冒頭の「はじめに」にも、このような一節があります。
 本書では、私が見てきた 数多 の事例や私自身の経験から 第二の職業人生において本当にやりたい仕事を、「学び」を通じて、どのように見つけていくのかを解説 していきます。おそらく最後まで読み終えたとき、みなさんの「学び」に対する印象は大きく変わり、キャリア展望も大きく拓けていることでしょう。
 もちろん若い方の転職の際の仕事選びにも応用できますが、基本的には「第二の職業人生」における仕事に巡り会うために、お読みいただく作品だと思います。


◆まず第1章では、そんな中高年(「ミドル」)が置かれた現在の仕事環境について言及。

私やさらに上の世代にとっては、「年功序列」「終身雇用」の働き方が当たり前でしたから、昨今の「ジョブ型雇用」「部下のキャリア支援」と言われても、すぐにはなじめません。

私なんぞ、本書の中に出てくる「キャリア自律」という言葉を、「『自立』の誤植じゃね?」と最初思ったくらいで(実話)。

そこで改めて、本書のテーマである「学び」の重要性に触れたのが、上記ポイントの1番目です。

資格を取るためや、教養を身につけるためではなく、「『やりたいこと』を実感をもって知る」ために学ぶワケですね。


◆続く第2章からは、具体的な「学び」のやり方について。

上記ポイントの2番目にもあるように、まずは「トライアルの学び」に取り組むことが、その第一歩と言えるでしょう。

実際、著者の前川さんも若い頃、将来の独立に備えて税理士の資格を取ろうと考え、その前提となる簿記の基礎講座を受講してみたのだとか。

ところがまったく面白くなく、そこから「数字に関わることよりも、人と向き合うことを自分のライフワークにしていこう」と決めたのだそうです。
 このトライアルの学びに関しては、「せっかく学び始めたのだからおもしろくなくても続けよう」という発想は禁物です。人間には所有するものを高く評価し、手放したくないと感じる「保有効果」という心理傾向があります。あくまでトライアルですから、保有効果にとらわれないように気をつけましょう。
なるほど、ご自身の体験談を聞いた後だと説得力がありますね。


◆それを踏まえてご覧いただきたいのが、同じ第2章の後半に登場する、上記ポイントの3番目の「50歳からの学び戦略MAP」です。

ここでは本書に掲載されている実際のMAPの画像を援用しました(クリックしてもアマゾンの飛ぶだけで拡大されません)。

縦軸の「受動型」の反対が「能動型」ではなく「参加型」なのは、「受動型」に読書が含まれているように、グループワーク等の実際のアクションを伴うようなものを「参加型」にしているからのようです。

実際、「学び」自体がすべて「能動型」と言えなくもないですし。

そして本書では、このMAPにある各「学び」について、解説が展開されています。

正直、その部分だけでも結構なボリュームなので、個々に関しては割愛しますが、できれば本書にてご確認いただきたいところ。


◆一方第3章では、「自己分析」がテーマです。

前川さんいわく、「多くのミドルは、これまで経験してきたことの範囲内で、自分にできることを第二の職業人生でも仕事にしていこうと考えがち」なのだそう。

しかし、「そもそもそれが本当にやりたいこととは限りません」し、また、ビジネスが大きく変化している今、「過去の経験値だけに頼って今後のキャリアを考えることはリスクも高い」とのこと。

とはいえ、何の経験もない仕事にゼロからチャレンジすることも「別の意味でハイリスク」です。

そこで上記ポイントの4番目にあるように、「『できる→役立つ→働きがい→やりたい!』の順で頭を整理する」のが吉。

具体的には、それに続いて展開される「自己分析ワーク」をやってみることで実践できます。

本書ではそれに用いる「ワークシート」が、記入例付きで掲載されており、それぞれの項目についての解説もあるのですが、画像はアマゾンにない限り引用できないので割愛しました。


◆なお、上記ポイントの5番目では、第4章のテーマデアもある「学び方8つのステップ」の項目をご紹介しました。

もちろん本書では、各ステップごとの詳細な解説が収録されているのですが、ボリューム的に全部は無理ですから、ここでは項目のみでお許しを。

各ステップでハイライトを引いた部分がいくつもあるんですけどね……。

ぶっちゃけこの章だけで、本1冊分の範囲に該当するのではないか、と。

そして最後の第5章では、「やりたい仕事にたどりつくための『8つの質問』」がテーマ。

具体的な質問項目は、アマゾンの詳細な内容紹介ににある「本書の構成」に列挙されているので割愛しますが、前川さんご自身の「学びヒストリー」を踏まえて解説されているのでわかりやすかったです。


「第二の職業人生」を考えるために読むべし!

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50歳からの人生が変わる痛快! 「学び」戦略 (PHPビジネス新書)
第1章 「やりたいことがわからない」ミドルが幸せをつかむために
第2章 学ぶことで「やりたいこと」が見つかる
第3章 自分探しの迷路から抜け出せ! 自己分析はこれだけやれば十分
第4章 やりたい仕事に近づく「学び方8つのステップ」
第5章 やりたい仕事にたどりつくための「8つの質問」


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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