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2021年11月08日

【自分を動かす】『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』大平信孝


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やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ (科学的に先延ばしをなくす技術)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも、個人的に読んでみたかった1冊。

「すぐやる」ですとか「先延ばししない」というテーマは、以前から当ブログでは人気が高いので、必然的に手に取ってみました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
よく、「やる気は出ない」という人がいますが、「やる気」は行動した後にしかついてきません。やる気に頼っていると、永遠に動くことはできないのです。
本書では、アドラー心理学や脳科学に基づいた、「やる気に頼ることなく自分を動かすためのコツ」を豊富なイラストを交えながら紹介します。

中古が定価の倍近くしますから、お得なKindle版をご検討ください!





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【ポイント】

■1.面倒なことは前日にちょっとだけ手をつけておく
 たとえば、経費の精算なら前日の終業時に最初の1項目だけ入力したり、領収証をまとめて机の引き出しのいちばん目立つ場所に入れて退社する。
 トラブルの報告なら、上司にアポイントだけとっておく。
 資格試験の勉強なら、テキストを開いて、横に筆記用具を置いた状態で就寝する。
 部屋の片づけなら、前日の夜に不要なものを2つ、3つ捨てたり、片づける予定の部屋を掃除しやすいように少しだけ整理しておく。
 たったこれだけのことで、先延ばししがちなことに着手しやすくなります。
 この方法は、頭を使う複雑な仕事や、これまで経験したことのない新規の案件に取り組む際にも効果を発揮します。
 企画や戦略の立案なら、盛り込みたいことをメモ書きしておく、参考になる過去の資料を眺める、概要を書き込むための新規ファイルを作成して、デスクトップに保存しておくなどです。


■2.プレッシャーがきついときは1分間目を閉じる
「うまくいくか不安」「失敗しないだろうか」など、つい先のことを考えてしまう心配性の人は、過緊張状態にある場合が多いのが現実です。
 このように、過緊張になると、パソコンがフリーズしたように、なかなか動くことができなくなり、つい物事を先延ばししてしまうことが増えます。常に緊張している人は、意識的に緊張を緩めてあげることで、いい結果に結びつけることができます。
 緊張を緩めるための最も簡単で効果的な方法は、「1分間目を閉じること」です。
 目からの情報を遮断するだけで、脳への負担を劇的に減らし、緊張度を緩めることができます。「人間の脳が視覚から得る情報は83%」という研究データもあるほど、目からの情報は脳に負担をかけているからです。


■3.10秒でできる自己肯定感が上がる行動5選
当然ですが、自己肯定感が下がると、行動する意欲を失ってしまいます。ここでは、10秒でできる自己肯定感を上げるための5つの方法を紹介します。
その1:自分にダメ出ししてしまうときは →「わかる、わかる」と合いの手を入れる
その2:認めてもらいたいときは → 自分で肩をポンポンとしながら「頑張ってるね」
その3:頭でっかちな自分に → おいしいものを食べた瞬間を思い出す  
その4:イヤなことを忘れたいときは → 口角を1ミリ上げる
その5:疲れている自分に → 上を見て大きく伸びをする
(詳細は本書を)


■4.気分転換の方法を所要時間別にあらかじめ決めておく
 行動力のある人が「いつも絶好調」というわけではありません。むしろ、たくさん動くぶん、うまくいかないことも増えるわけです。それでも動き続けられるのは、体力や集中力を回復するためのリフレッシュ法や落ち込んだ気分を仕切り直す方法、すなわち「自分のトリセツ」があって、「いつでも、どこでも、すぐに」実行しているからです。
 具体的には、深呼吸やストレッチ、散歩、甘いものを食べるなど「数分でできるもの」、仮眠や掃除、ランニング、入浴など「30分あればできるもの」、旅行や映画鑑賞など「ある程度時間が必要なもの」の3種類を決めておきましょう。こうすることで、仕切り直しが必要になったとき、状況に応じて、すぐに気分転換できるようになるのです。


■5.「頭の声」「体の声」「心の声」を分けて聞く
 たとえば、あなたが、「最近疲れているな」と漠然と思いながら働いているとします。そんな自分に、「本当はどうしたい?」と質問してみるのです。
 コツは、「3つの声を分けて聞く」ことです。
 最初のうちは「今忙しいし、同僚に迷惑がかかるから頑張らなきゃ」という頭の声が聞こえてきます。でもこれは本音ではないはずです。
 頭の声が聞こえてきたら、もう一度「でも、本当はどうしたい?」と問いかけてみてください。これを続けていると、「最近、体調も悪いし、肩こりもひどい。夜もよく眠れない。以前より仕事に集中できなくなった」という体の声が聞こえてきます。
 そこからさらに「それなら、本当はどうしたい?」と問いかけます。すると、「2、3日休みをとって、頭と体を休ませたい」「温泉でゆっくりしたい」「趣味の陶芸に没頭したい」といった心の声(欲望) が聞こえてくるのです。
 こうやって、自分の本音を少しずつ顕在化させていきます。


【感想】

◆TIPS的に類書とかぶるものもありましたが、実践すれば効果のありそうな作品でした。

たとえば第1章から引用した、上記ポイントの1番目の「前日にちょっとだけ手をつけておく」。

よくあるのが「ツァイガルニク効果」を応用した、「キリのいいところでやめない」というパターンです。

集中力が高い人ほど「キリが悪いところでやめる」を実行している | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン

本書の場合は、途中でやめるのではなく、むしろ新たに手を付けておくワケなのですが、
1.行動に対するハードルが下がる
2.物理的なアクセスタイムが短くなる
という2つの理由があるとのこと。

この第1章では、他にも「仮決め・仮行動でよしとする」「試しに10秒だけ動いてみる」といった、章題にあるような「行動に『初速』をつける」ための提案がされていますので、ぜひご確認ください。


◆続く第2章も「集中力」がテーマとあって、これまた当ブログ向きなTIPSが多々。

たとえば「仕事を中断されたら再開時にやることをメモしておく」というのは、ぜひ取り入れたいところです。

作業中に何か思い付いたことがあったら、「中断しないでメモをしておく」というのはよく見ますが、仕方なく中断する場合のケースはあまり出てきてなかったような。

また、上記ポイントの2番目にある「1分間目を閉じる」というのも、「プレッシャーがきつい」状況で行うケースは、個人的には見た記憶がありませんでした。

こういう場合は「深呼吸をする」辺りが定番なんですけど、「目からの情報を遮断する」という効果は、結構「目からウロコ」かも。


◆さらに第3章の「行動マインド」もハイライトを引きまくりました。

ただ「『できていないこと』ではなく、『できていること』に注目する」や、「『結果目標』ではなく『行動目標』に注目する」といった辺りは、類書でも似たようなものが登場していたかと。

そこで、TIPSの詰め合わせである上記ポイントの3番目にある「自己肯定感が上がる行動5選」を、小見出しを中心に引用してみました(もちろん本書では、個々の行動について説明がありますのでご安心を)。

ちなみに「その3」が少々わかりにくいと思いますが、これは「考えこんでしまってなかなか動けない」ときは、頭ばかりで考えて、五感を活用していない傾向があるのだそうです。

そこでおいしいものを食べた瞬間を思い出すことで、五感を総動員すると、徐々に動けるようになるのだとか。

また「その4」の「 口角を1ミリ上げる」は、普段から結構意識しているかも(イヤなことがなくとも)。


◆一方、第4章は「時間術」がテーマということで、登場するTIPSも定番ないしはそれに準ずるものが中心です。

ただし、上記ポイントの4番目の「気分転換の方法」まで「所要時間別にあらかじめ決めておく」、というのは考えたことがありませんでした。

私もさすがに、映画や旅行のような大掛かりなものは思い付きでは行いませんが、そもそも「気分転換をしよう」と思ったときに、やりたいことを何となくやっていたような(ダメじゃん)。

さらにこの章で「グサッ」と来たのが、「『緊急ではないが重要なこと』を『1日2回、30分ずつ』行う」というTIPS。

もうずいぶんと、「緊急ではないが重要なこと」から遠ざかっていましたが、結局そこに手をつけないから、私自身「時間貧乏」になっているんですよね……。


◆そして上記ポイントの5番目の「『頭の声』『体の声』『心の声』を分けて聞く」は、最後の第5章から引用しました。

私の場合、「頭の声」はいつも聞いているからいいとして、「体の声」はいつも「眠い」と言っているようなw

ちなみにこのTIPSは、本来は「将来の目標に挑戦するため」に行うものであり、たとえば「起業してみたい」という夢がある人でも、「私には能力がない」という「頭の声」に支配されて動けないケースが考えられます。

そういうときこそ「本当はどうしたい?」と問いかけて、その目標を顕在化させる次第(「体の声」は関係なさげですが)。

なお、慣れないうちは「ランチに何を食べるか」等の簡単なものから実践するとよいそうです。


「自ら動ける人」になるために読みたい1冊!

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やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ (科学的に先延ばしをなくす技術)
第1章 先延ばしがなくなる! 行動に「初速」をつける方法
第2章 集中力が驚くほど続く! 「行動ブレーキ」の外し方
第3章 感情に左右されない! 行動マインドのつくり方
第4章 「忙しくて動けない」がなくなる! 時間の使い方
第5章 夢や目標に向かって一歩踏み出せる! 行動思考の身につけ方
巻末付録 目標を着実に実現するための「振り返りノート」の書き方


【関連記事】

【オススメ!】『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』ピアーズ・スティール(2019年01月25日)

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【快・不快?】『「やる気が出ない」が一瞬で消える方法』大嶋信頼(2018年10月05日)

【先延ばし?】『先延ばし克服完全メソッド』ピーター・ルドウィグ(2018年07月10日)

ビジネスの達人がこっそり教えてくれる『「先延ばし」にしない技術』の真実(2012年01月09日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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教養としての政治学入門 (ちくま新書)

2年半前に出た新書の割には、中古が定価を超えているこちらの作品は、Kindle版が700円弱お得。

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中古が値崩れしているこちらの営業本は、送料を考慮するとKindle版に軍配が上がります!


【編集後記2】

◆一昨日の「学問の秋!KADOKAWA新書フェア」の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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ビッグデータベースボール (角川新書)

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座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」 (角川新書)

参考記事:【名著解説】『座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」』出口治明(2020年09月18日)

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元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略 (角川oneテーマ21)

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右手に「論語」左手に「韓非子」 現代をバランスよく生き抜くための方法 (角川SSC新書)

よろしければご参考まで!


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