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2021年11月04日

【対人関係】『だから、あの人は嫌われる 対人関係がうまくいかない人の解決策』吉原珠央


B0957BL12N
だから、あの人は嫌われる 対人関係がうまくいかない人の解決策 (幻冬舎新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」にて、個人的に注目していた作品。

思ったよりもハイライトを引く箇所が多く、「あれ? 私、知らぬ間に嫌われてる?」と不安に陥りました(ドキドキ)。

アマゾンの内容紹介から。
「頼み事がうまくいかない」「心を開いてもらえない」など、「自分が嫌われている」と思った経験は誰にでもあるだろう。自分も知らないうちに無神経な言動をして誰かを傷つけていないか、一度振り返ってみることは有用である。そこで本書では、メールで相談に乗ってもらったのに「なるほど」だけの返信をする人や、独りよがりの励ましをする人、エレベーターでわざわざ操作パネルから遠いところに立つ人など「嫌われる人」の言動を詳細に挙げ、そういう人をどう扱うか、そして周囲から「必要とされる人」になるためにはどうすべきか、その考え方や手法を具体的に解説。

中古は値崩れしていますが、送料を合わせるとKindle版の方がお買い得です!






Relationships/Community / tuchodi


【ポイント】

■1.相談に乗ってもらって「なるほど」「了解しました」はNG
 一方的に自分が頼み事、相談をしているのに、「なるほど」「わかりました」などという一言で片づけてしまうのは、あまりにも厚かましく、無作法なことだと思われてもおかしくありません。
 会社で先輩に質問をして関連する資料を添付してもらい、細かくメールで説明を受けたというのに、「了解しました」だけの返信をする人もいます。
「なるほど」「了解しました」というのは、相手に手間を取らせた人が発する言葉としては 相応しくないものだということを心得ておくべきです。
「了解しました」というのは、丁寧語としては誤りではありません。ただ、自分が依頼したことを実行してくれた人に対しては、お礼の言葉を最初に伝えるほうがいいでしょう。


■2.自分のせいでなくとも相手に迷惑をかけたら謝罪する
 友人を待たせておきながら「遅刻したのは電車が遅れたせいで、私の責任じゃない」と思い、一番の被害者は自分であると主張したいことだってあります。
 本来だったら10分前に到着するはずだったのに……と悔しい思いをすることもあるでしょう。
 そういうときこそ、結果的に相手の時間を無駄にしてしまったことに目を向け、謙虚に振る舞うことができれば、相手はよりあなたに好意を持ってくれるでしょう。
 こうした視点を持ちながら言動を徹底できれば、予期せぬ何かが起こっても、きっと周囲から「いいんですよ」「力になりますよ」と、快く協力してもらえるはずです。
 遅刻をして「大変だったね」「大丈夫?」と心配してもらったとき、「もう、最悪だよ」「本当にまいったよ」「今日はついてないなあ」などと調子に乗って答えている場合ではないのです。


■3.「少々軽はずみだった」という謝罪は反省ゼロ
 ある政治家は、「少々、軽はずみでしたことを猛省しています」と話していました。
 一見すると、反省を述べているようですが、軽はずみだったのは「少々」で、つまり自ら「大したことではないが……」と堂々と主張しているに等しいのです。
 これでは、反省の伴わない「フェイク謝罪」であることが露骨にわかります。
 会話の中で、「ちょっと」「少し」という言葉を日常的に使用している人は、たくさんいます。
「ちょっと遅れます」「ちょっと申し訳ないなと思っています」「少しだけ待ってください」「ちょっとお願いがあります」「あれから、少し反省してみました」などと、あたかも枕詞のように、「ちょっと」「少し」を口にしているのです。
 しかしながら、相手への謝罪や依頼に分類される内容の場合には、状況や事態を軽く見ているような表現は使わないほうがいいでしょう。


■4.心ない言葉には、自分の正直な気持ちを伝える
 誰かの心ない言葉に傷ついたとき、「そんなことをいわれたら、ショックです」「そんなふうにいわれたら落ち込みます」「それはいくらなんでも傷つくな」「そこまでいわなくてもいいんじゃないですか」などと真っ直ぐな気持ちを相手にはっきり伝えることも必要です。
 無神経な言動を取る人の中には、相手を傷つけようなどとは微塵も思っていない人もおり、傷ついた気持ちをぶつけてみると、「えっ、そうだったの。そんなつもりじゃなかったのに、本当にごめんなさい!」などと驚いて謝罪し、その後、十分に気をつけて接しようとしてくれる人もいます。
 相手に対して心の中で「察してよ」と願ったところで、それは不可能です。
 無神経な言動に対しては「我慢」とか「反撃」といった極端な受け止め方をするよりも、自分の感情をスマートに、かつ気軽に口にできる方法を取れるようになれば、きっと、より生きやすくなるのではないでしょうか。
 

■5.他人事のような言い回しをしない
 職場でも、自分が関わる案件でトラブルが発生すると、「書類の中にミスがあったようなんです……」「間違った納期を伝えてしまったみたいなんですけど……」「お客様が今回のことで怒っているみたいで……」などと、まるで他人事のような言い回しをする人は少なくありません。
 仕事では、事実関係を正確に報告する義務があります。
「〜みたいなんです」という伝え方は、責任転嫁したい心情を反映していると同時に、現状を把握しようとしない、あるいは把握できるほどの観察力や洞察力がないことを露呈することになるので、気をつけたいところです。
 トラブルが起きたとき、できる限り早く正確な状況を相手に伝えるということは、責任感があることを示し、その後の対処にも逃げずに向き合う意思も感じられます。
 そういった責任感や意思を持つことで、その後のキャリアだけでなく、人づき合いにおいても、次々と強力なチャンスをたぐり寄せていけるでしょう。


【感想】

◆冒頭で触れたように、今までの自分自身の言動が、あれこれと不安になる要素を含んだ作品でした。

まず第1章は「『嫌われる人』はこんな言動をしている」ということで、具体例がわんさか。

上記ポイントの1番目の「なるほど」や「了解しました」は、こういうケースで私は使ったことはありませんが、逆に返事としてなら、結構もらった記憶があります。

もちろん仕事関係ではなく、SNS等ですけど、今の若い人はそういうものかと思っていたワタクシ。

同じく上記ポイントの2番目のようなケースでも、私はとりあえず謝罪していたと思います。

ただし、「とりあえず」と書いたように「大変でしたね」とねぎらってもらうと、その後は「いかに大変だったか」を語りまくっていたかも。

その時、迷惑をかけた相手のことを、どこまで慮っていたか、と問われると自信がありません。


◆また、上記ポイントの3番目の「少々」ですけど、さすがに謝罪のときに「少々」はなかったかと。

ただし、待ち合わせに遅れそうなとき等に、「1〜2分」の意味で「ちょっと」「少々」は普通に使っていたのですが、これもアカンのでしょうかね?

そもそも遅れること自体がいけない、というのはもちろんですけど、「ちょっとお願いがあります」というのは、皆さん普通に使ってません?

しかし本書によると
「申し訳ございませんが、5分ほど遅れてしまいます」
「お忙しいところ恐縮ですが、1つだけお願いがございます」
と述べよ、とのこと。

もちろん相手との関係性もあるのですが
あなたにとっての「ちょっと」は、相手にとっても「ちょっと」なのかということに気づくだけで、より誠実な言葉を選べるはずです。
という主張には納得せざるを得ません。


◆続く第2章では、「『嫌いな人』はどう扱うべきか」と題して、その対処法を検討。

お店の店員さんや、旅先のホテルの従業員さんのように、今後その施設等を使わなければいいだけのケースはさておき、家族や仕事仲間等、今後もつきあいがある相手だと何か工夫をする必要があります。

言って何とかなりそうな相手でしたら、上記ポイントの4番目のように正直に言ってみるのも良いでしょうね。

ただし自分の信念や、ポリシーに近いものだと難しいのかも。

特に最近は、SNSによってエコーチェンバー現象が起きやすくなっており、イデオロギーも対立しがちですし……。

なお、この章で「なるほど」と思ったのが、「『嫌いな人』の前で有効な表情」なるもの。
 それはずばり、怒ったときほど口角を上げておくということです。
さらにこのとき、ゆっくりとした呼吸を意識すると、興奮している気持ちが鎮まり、落ち着いて話せるようになるのだそうです。


◆そして最後の第3章では「『必要とされる人』になるために欠かせないこと」ということで、「嫌われる人」の真逆を追求。

まずは一にも二にも「感謝」することが大事であり、「即『お礼』を徹底せよ」なんて小見出しもあります(具体的には本書を)。

ちなみにお礼には「事前準備」がキモなようで、著者の吉原さんいわく
誰かと会うアポイントメントやリモート会議の約束があるときは、直近の過去にさかのぼり、その相手に口頭でお礼を伝えるべきことを事前に見つけ、手帳に書き込んでいます。
とのこと。

もちろん以前にメールでお礼は伝えてあるにしても、直接会って話をするタイミングがあるときは、「直接感謝を伝えたい」のだそうです。

なお、上記ポイントの5番目の「他人事のような言い回し」は、私もムスコから時おり言われて、辟易していました。

彼が将来社会人になった際に、責任転嫁しがちな人間にならないよう、キチンと指導しなくては、と改めて思った次第です。


他人に嫌われたくない方なら、一読の価値アリ!

B0957BL12N
だから、あの人は嫌われる 対人関係がうまくいかない人の解決策 (幻冬舎新書)
第1章 「嫌われる人」はこんな言動をしている

第2章 「嫌いな人」はどう扱うべきか

第3章 「必要とされる人」になるために欠かせないこと


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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