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2021年09月24日

【ストレスフリー】『整える習慣』小林弘幸


B08VDRK22H
整える習慣 (日経ビジネス人文庫)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「趣味・実用書キャンペーン」でも人気の高かった「ストレスフリー」本。

著者の小林弘幸さんは、「自律神経研究の第一人者としてプロスポーツ選手、アスリート、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる」方だけあって、本書も自律神経を整えることに関しての言及が多かったです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
著書累計200万部突破。
メディアで大人気の医師が、自律神経と上手につき合う108の行動術を伝授。
コロナ禍により、知らず知らずのうち、私たちの心と身体は大きなダメージを受けています。
そこで大事になるのが、自律神経を整える毎日のちょっとした積み重ね。

中古もあまり値下がりしていませんが、文庫本の「50%OFF」ということで、Kindle版が300円弱お買い得となっています!






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【ポイント】

■1.鞄の中は整理しておく
 モノを取り出すために、鞄の中を探し回る。
 じつは、そんなささいなことで私たちの自律神経は乱れ、仕事への集中力は大きく下がってしまいます。
 スマホが鳴って、取り出そうとしたのにすぐに見つからない。持ってきたはずの資料が見つからず「もしかして、忘れたのか!」と焦る。オンライン会議で使うイヤフォンを鞄に入れたはずなのに、どこにも見当たらない。
 そんなちょっとした瞬間に、交感神経は跳ね上がり、血流は悪くなり、集中力は下がり、結果として仕事のパフォーマンスは著しく低下します。(中略)
 医学的に見て、人間の体とはそういうふうになっているのです。
 だからこそ、常にコンディションを整えることが重要で、その第一歩が鞄の中を整理すること。
 必要なものと、必要でないものは分ける。必要でないものは鞄から出す。鞄の中は、ポーチなどを使って、どこに、何を入れておくのかを明確にしておく。
 そんな単純なことから始めてください。


■2.昼食後の2時間は捨ててOK
 午前中の「勝負の時間」とは真逆で、昼食後の2時間はほとんど仕事がはかどらないノンファンクション(非機能)な時間帯だと思ってください。(中略)
 この時間、一番大事なのはあきらめること。「どうせノンファンクションな時間なんだ」とあきらめてよいのです。
「集中して仕事をしたいのに、はかどらない」「もっと効率よくやりたいのに、眠くなってしまう」と考えるほうがかえってストレスになり、自律神経を乱してしまいます。
 そんな無駄なストレスを感じるくらいなら、いっそのことあきらめて、とにかくルーティンワーク。この時間を利用してメールをチェックしたり、返信するというのもひとつの方法です。
 あるいは、この時間をうまく利用したいなら、人と会うのも一案です。オンラインのミーティングを入れてしまうのもいいでしょう。


■3.ゆっくり静かに伝える
 自律神経を整え、自分のコンディションを保つコミュニケーション法として「ゆっくり静かに伝える」はオススメです。これを意識するだけで、ストレス要因は圧倒的に少なくなり、自律神経が乱れる機会を減らすことができます。
 ゆっくり話すとなぜいいのか。
 まずは感情が入らないことです。人は感情が入れば入るほど、話すスピードが速くなります。何かイヤなことを言われたら、すぐに反応する人、猛烈な速度で反論する人がいるでしょう。
 完全に自律神経を乱し、コンディションを下げている状態です。
 何かを言いたくなったときほど、ひと呼吸置いて、ゆっくり静かに話し始める。
 そのスイッチが入った瞬間、自律神経は整い始めます。


■4.温度差に敏感になる
 自律神経というのは温度差に非常に弱いものです。温かいところから急に寒いところへ出たり、その逆のケースなど、激しい温度差があるとすぐに自律神経は乱れます。
 たとえば、夏の暑い日にクーラーのガンガンにきいた室内に入ったとします。入った瞬間は気持ちいいのですが、じつは自律神経は乱れ、体のコンディションは悪くなっています。(中略)
 あるいは冬場、「近くの定食屋へ昼食を食べに行こう」「すぐそこのコンビニにちょっと買い物を」という場合にコートを着ていない人をよく見かけます。薄いスーツ姿で、背中を丸め「寒い、寒い」とブルブル震えながら、足早に移動しているのです。
 たしかに、外にいる時間はわずかなので「ちょっとくらい我慢すればいいや」と思っているのでしょうが、これが意外な落とし穴。
 外にいるのは3〜4分でも、一度乱れた自律神経は3〜4時間戻りません。
 昼食時に一度自律神経を乱してしまったら、その日の午後はほぼコンディションを崩した状態のまま仕事をすることを忘れないでください。


■5.「感謝」ほど自律神経が整うものはない
 寝る直前、布団やベッドの上に正座して「今日も一日ありがとうございました。明日もよろしくお願いします」という感謝を心の中で唱えます。遠くに住んでいる親に感謝してもいいでしょうし、友人、同僚、先輩に感謝するのでも構いません。
 感謝しているときというのは気持ちがとても穏やかになります。この状態こそ、コンディショニングにとても効果があるのです。
 言うまでもなく、「感謝」とは人間的・道徳的にも大事なことです。
 とはいえ、本書はコンディショニングの本なので、あえてその側面から話をすると、「今日も一日ありがとうございました」と心の中で唱えているとき、人は誰でも、ゆっくりとした、深い呼吸になっています。体の中では交感神経が徐々に下がり、副交感神経が高まってきて「休息モード」「睡眠モード」にスムーズに切り替わっていきます。その流れのまま眠りにつくのですから、睡眠の質が高くなるのも当然です。


【感想】

◆今までビジネススキル本や、自己啓発書で言われてた内容が、医学的、特に自律神経の観点から見て、妥当性があることが理解できた作品でした。

まず第1章のテーマは「身の回りの整え方」で、上記ポイントの1番目の整理整頓ネタなどは、普通に新人向けの仕事術本辺りでも言われていることかと。

そういった書籍では、普通「時間のロスを防ぐ」「ミスをなくす」あたりがその目的だったりするのですが、実は自律神経にも関係しているとは知りませんでした。

もちろんこれは、鞄だけの話にとどまらず、机の上や引き出し、さらにはパソコンのフォルダでも同じこと。

そのための対策として、「場所を決める」といったTIPSもあるのですが、これはまさに整理整頓本でもおなじみですよね。


◆続く第2章は「時間の整え方」ということで、仕事をする上での、身体と時間の関係性についてのお話が。

まず大事なのは午前中で、もっとも生産性が高いことは類書でも定番となっていますから、とりあえず割愛しました。

それに対して午後イチの2時間は、上記ポイントの2番目にあるように「捨ててOK」と大胆発言!?

もちろん休んでよいわけではなく、メールチェックやミーティング等なら、ということですから、今後のスケジューリングで参考にしていただければ、と。

……食後のミーティングで居眠りしないといいのですが。


◆また第3章のテーマは「人間関係の整え方」ですから、コミュニケーションネタが中心に。

割愛した中に「SNSは『自律神経を乱すツール』」というお話があって、まさに昨今の調査結果で言われたとおりだな、と。

SNS疲れに関する事例を調査。現代人のストレスを引き起こす原因とは?

一方、アンガーマネジメントにも通じるのが、上記ポイントの3番目のお話です。

実際、感情がほとばしって何かを言いたくなったら、つい早口になりそうなものですが、それがよくない模様。

逆に著者の小林さんによると、政治家の石破茂さんの話し方が最強なのだそうです。
一貫して、あの人はいつもゆっくり、静かに話しています。ゆっくり話していれば、余計なことを言うリスクも減り、過度に誰かを傷つけたり、後悔することも減ります。政治家として、じつに大事なコミュニケーション術です。
なるほど確かに。


◆そして第4章はいよいよ「体の整え方」ということで、運動から入浴まで幅広い内容が展開されています。

その中で意外だったのが、上記ポイントの4番目の温度差のお話。

ガマンできる程度だったり、ほんの数分であれば問題ないかと思っていましたが、その後数時間に渡って悪影響があるのだとは!?

オフィスの場合、個人の温度に対する感覚や、座る席によって、感じ方はまちまちなのですが、極力自分の服装で調節できるようにしなくては、と思いました。

なお、割愛しましたが、リモートワーク時における運動のオススメの1つが、「ゆっくりと10回だけスクワットをする」というもの。

私は電子レンジで飲み物を温めている間に、高速(自分的に)でスクワットをしていたのですが、今後はこちらを取り入れようかと。


◆また、最後の5番目の「感謝」のお話は、1つ飛んだ第6章の「行動パターンの整え方」から引用しました。

「感謝」をする、というTIPSは、まさに自己啓発書でもおなじみなのですが、これまた自律神経が関係していたんですね。

しかも睡眠にもプラスの効果があるのですから、ぜひとも実践したいところ。

なお、第7章の「メンタルの整え方」では、改めてアンガーマネジメントのお話が登場しますし、さらにご紹介したかったのが「落ち込んだら迷わず『階段を上がり下がり』」というTIPS。

詳しくは本書にてご確認いただくとして、「メンタルの問題を、メンタルで処理しようとしてはいけない」という指摘には、「目からウロコ」でした。


ストレスから解放されるために読むべし!

B08VDRK22H
整える習慣 (日経ビジネス人文庫)
第1章 まず、モノを片づけて、心を安定させる――身の回りの整え方
第2章 一日ごとの体の変化を意識する――時間の整え方
第3章 無理したつき合いは絶つ――人間関係の整え方
第4章 体のスイッチを意識する――体の整え方
第5章 食べ物と食べ方を少しだけ変える――食の整え方
第6章 今夜の振り返りが、スムーズな明日をつくる――行動パターンの整え方
第7章 ストレスには正しく対処する――メンタルの整え方
第8章 自分のタイプを知る――自分らしさの整え方


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【疲労回復?】『隠れ疲労 休んでも取れないグッタリ感の正体』梶本修身(2017年11月23日)

【疲労解消】『寝てもとれない疲れをとる本』中根 一(2017年10月05日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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家族が片づけられない (コミックエッセイの森)

今日のご本でも言われているように、キチンと片づけがされてこその自律神経の安定が望めるというもの。

中古が値崩れしていますが、送料を加味するとKindle版に軍配が上がります!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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