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2021年09月17日

【自己啓発】『勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法』勝間和代


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勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも大人気だった、勝間和代さんの新作。

サブタイトルにもあるように、55の「知見」が収録された充実作です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
年を重ねるほど、自由で幸せになれる! 時代の変化を楽しむ最適解が満載!

KADOKAWAさんの作品としては記憶にないのですが、出た時点ですぐKindle版が「10%OFF」とお買い得になっています!






Old-school Risk / Patrick Haney


【ポイント】

■1.リスクリテラシーをアップデートする
 私が提案するリスクリテラシーとは、次の3段階です。
1 身の回りにあるリスクを予測して、計量する
2 そのリスクに見合ったリターンを得られるかどうかを判断し、当該リスクを取るか、取らないかを決定する
3 リスクを取る場合、リスクをどうモニターして、制御するのかを検討する
 すなわち、リスクとリターンは表裏一体であるため、どのようなリスクを取れば、それに見合ったリターンを得られる可能性があるのかを常に評価して、その上でより適切な管理方法はどれかを判断し、その継続の習慣化をはかるのです。
 この流れを概念としてだけではなく、ちゃんと腹落ちするまで理解することが必要ですが、基本的に、私たちはリスクを取りたがらない動物です。行動経済学などで指摘されている通り、私たちには常に現状維持バイアスという、変化を避けて現状維持を望む心理作用が働いています。変化したほうがリターンが増えるかもしれないのに、変化を「安定の損失」と捉えて、現在の状況に固執したがるからです。


■2.「あなたのためを思って」という人と距離を取る
 ときどき、「あなたのためを思って」と言って苦言を呈する人がいます。もちろん私たちは間違いや失敗をする生き物なので、注意されるときはあります。ただ「あなたのためを思って」と言う人は、実はそれは自分のためで、相手に間違っているという罪悪感を植え付けて、自分の言う通りにしてコントロールしようとします。相手を自分の支配下に置いて、自分の欲求を満たそうとするタイプ、とも言えます。
 一見親切な人のようですが、こちらがアドバイスを求めているわけでもなく、また心理のプロでもない人から「あなたのためを思って」と言われたら、例外なく、その時点で警戒して距離を取ってください。
 こうした支配欲が強い人たちに対抗するには、相手のペースにのまれる前に離れることが賢明です。私たちは、支配欲が強い人の欲求を満たすための存在ではありません。


■3.怒りを覚えたときには何にギャップを感じたか明らかにする
 よく、凶悪な犯罪が起きたとき、加害者が悪いのはもちろんですが、被害者にも非がある、と多くの人が考える傾向にあります。それはなぜかと言うと、「非がない人が被害者になるのであれば、自分も非がないのに被害者になる可能性がある」ということを認めたくないからです。これを「公正世界仮説」と呼びますが、決して世界はいつも公正ではないのです。
 従って、怒りを覚えたとき、いったい自分は何に対してギャップを感じて、想定していたことが裏切られたと感じているのだろう、と考えることが重要です。そして、それは不必要なこだわりや囚われではないか、という視点で見つめてみてください。怒りの爆発を防いで良好な人間関係を維持したいと思うなら、「自分がこだわっているもの、囚われているものは幻かもしれない」と客観的に見ることが必要です。
 不要で幻だと判断すれば、そのこだわりも囚われも緩和していきましょう。その結果、怒りを感じても爆発しなくなります。


■4.「やる気幻想」を捨てる
 かねてから、私は頑張ることの危険性を説いていますが、それは、どんな問題も頑張れば解決できるんだ、といった間違った問題解決法を植え付けるからです。特に、頑張り続ける、死ぬ気でやる、寝ずにやるなどの根性系の発想は危険です。問題解決の糸口が見えないから、根性論に逃げているだけです。無休で睡眠時間を削り続けたら蓄積疲労でミスをしやすくなり、いい結果が出る確率は下がります。もし、こんなに頑張っているのにどうして報われないのだろう、と嘆きたくなる状況に置かれていたら、まずいったん、頑張ることをやめてください。残酷なようですが、頑張りすぎが報われない原因だからです。(中略)
 語弊を恐れずに言うと、頑張ることは、実は難しいことのようで簡単なことです。なぜなら、頑張るというのは考えることをやめて自分を思考停止状態にし、目標や課題に向かって猛進すること、と言い換えられるケースがたくさんあるからです。 どうしてこんなに大変なんだろう、と思ったら、頑張りすぎる前に、集めた情報を精査し直しましょう。 残すべき本質は1%です。あとの99%は捨ててください。


■5.気力は体力の従属変数
 体と脳の働きを切り離して考えがちですが、脳も体の一部なので、その働きは体力の有無に左右されます。体力がないのに、頭の回転が速くて思考力がある、ということは基本的にあり得ません。
 なぜ、人は年を取ると頑固になるかというと、体力がなくなっていくからです。特に高齢になると認知能力が低下して思考力が低下するため、ものの見方がどんどん近視眼的になるという悪循環が起きます。そうなってから元の状態に戻そうとしても、すでに認知能力が衰えているので、体力づくりのために割けるリソースが尽きてしまっている可能性が高いのです。
 若くても、体力がないと、自分の人生目標の実現や様々な課題の解決をしようという気が起きにくくなります。体力と気力は別物ではなく、気力は体力の従属変数です。つまり、体力があれば気力も充実します。気力だけ充実していて、体力がない人というのはほとんどいないでしょう。決められたことを決められた通りにする分には、あまり体力を使いませんが、新しいことにチャレンジして、考えながら前に進むときには瞬発力や集中力が必要で、それを習慣として持続するには、体力的な余力がないとできないのです。


【感想】

◆久しぶりに、勝間さんの「自己啓発書の王道まっしぐら」な作品でした。

かつてはこういった切り口でも作品を出されていたと思うのですが、ここ最近はどちらかというと、ある特定のテーマに対して掘り下げていたような。

それが今回は、下記目次にもあるように、コミュニケーションや思考、仕事、お金等々、幅広いテーマが扱われています。

また、サブタイトルにある「55」の各節についても、過度にマクロにならずに、レイヤーを少し上げた感じ。

それこそ「ライフハック」ではなく「知見」と言われているのが納得できる内容です。


◆ぶっちゃけ、その55の方法のいずれもが、上記でポイントとして挙げてもいいくらいなのですが、個人的に勝間さんの過去の著作で言われているものは外し気味にしました。

「気味」というのは、実は「以前出た『○○』にもあった」と、後で突っ込まれるかもしれないから。

さすがに「『起きていることはすべて正しい』と考える」辺りは、著作のタイトルにもなってますけど、もしこの本を読んだことがなければ、当然このパートから引用していたと思います。

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起きていることはすべて正しい―運を戦略的につかむ勝間式4つの技術

参考記事:【勝間式自己啓発本】「起きていることはすべて正しい」勝間和代(2008年11月29日)

……うわー、この本読んでからもう13年も経っているのか(遠い目)。

もっとも、第1章から抜き出した上記ポイントの1番目のリスクリテラシーのお話は、何かの本にあったような気がしたのですが、こちらは極めて大事なので、ご紹介させていただきました。

要は「『適度にリスクを取らないというリスク』が全体のリスクを高めている」というお話であり、まさに「それなんて私」状態というか。


◆続く第2章の「コミュニケーション」パートから抜き出したのが、上記ポイントの2番目のお話。

ただしこの部分が含まれた節は「『どんな人とも仲良くしなくちゃいけない』は嘘」というもので、ひょっとしたら、この本辺りに載っていたかもしれません。

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断る力 (文春新書)

参考記事:【オススメ】「断る力」勝間和代(2009年02月19日)

私は他人から「あなたのためを思って」と言われた記憶はないのですが、いわゆる「毒親」辺りが言いそうなセリフです。

言われたことのある方や、今後言われることがあった場合は、重々お気をつけください。

一方、第3章のテーマは「コントロール思考」ということで、まさにこちらの本のタイトルにもなっています。

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勝間式超コントロール思考

参考記事:【オススメ!】『勝間式 超コントロール思考』勝間和代(2019年02月13日)

この章から引用したのが、上記ポイントの3番目のお話なのですが、今まで当ブログでは「公正世界仮説」という考え方を取り上げたことがなかったので、触れておきたかった次第。

ここにある「怒りを覚えたとき、いったい自分は何に対してギャップを感じて、想定していたことが裏切られたと感じているのだろう、と考えることが重要」というご指摘は、深くうなずかざるを得ません。


◆逆に第4章のテーマである「仕事」は、勝間さんの著作では何度も扱われていたテーマです。

ここから引用した上記ポイントの4番目では、初っ端で「かねてから」と前置きされてしまいました。

それでもこのお話を取り上げたのは、私自身がいまだに睡眠時間を削ってこのブログを書いているから。

自分自身は「頑張っている」意識はないものの、このブログも書き方自体はKindleに移行してからはほぼ変わっていませんから、いいかげんやり方なりを考える必要があるのかもしれません。

……「頑張ることは精神力の前借り」と言われていて、これまた納得の巻。

確かに「頑張るというのは考えることをやめた思考停止状態」ですよね。


◆なお、上記ポイントの5番目の「気力は体力の従属変数」というお話は、1つ飛んだ第6章から抜き出しました。

この章のテーマは「体力」ということで、まさに最近の勝間さんの取り組んでらっしゃること。

かつては「自転車」、今は「歩き」がメインのようで、自炊と合わさって、「ダイエットいらず」の体型を保持されているようです。

対して私は、運動本はレビューするものの、結局マンションから徒歩数分のところにスポーツクラブがあった前居でさえ、そこにも入会せず、まったく運動らしい運動をしなかったというナマケモノ。

最近、階段を駆け上るのがおっくうになってきたので、体力がなくなってきたのは明らかであり、自分が頑固になっているのかも、恐れおののいているところです。

いずれにせよ本書は、かつて「カツマ―」(勝間さんマニア)と呼ばれた者にとっては、バイブルのような作品かと。

もちろん、最近読者になられた方なら「勝間本大全」とも言える内容ですから、ぜひお読みいただきたく。


これはオススメせざるを得ません!

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勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法
第1章 新しい可能性に投資しよう―自己革新の知見
第2章 自分も相手も気持ちよく―コミュニケーションの知見
第3章 メンタルブロックを外そう―コントロール思考の知見
第4章 短時間労働で成果は出せる―仕事の知見
第5章 収入に上限はない―お金の知見
第6章 体力はお金より仕事より大事―人生百年時代の知見
第7章 完璧を目指さない―幸福度アップの知見


【関連記事】

【勝間式自己啓発本】「起きていることはすべて正しい」勝間和代(2008年11月29日)

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【オススメ】「断る力」勝間和代(2009年02月19日)

【力作!】「お金は銀行に預けるな」勝間和代(2007年11月22日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B07Z9C2GTM
足・腰・ひざの痛みが消える ゆるかかと歩き―――腰痛・ひざ痛が自然と解消!

歩くことを推奨している今回の勝間本を実践するためにも、意味がありそうなこちらの作品は、Kindle版が800円以上お得。

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新世紀のコミュニズムへ 資本主義の内からの脱出 (NHK出版新書)

資本主義をテーマに据えたこちらの作品は、中古があまり値下がりしていないため、Kindle版が500円弱お得な計算です!


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