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2021年08月26日

【ダイエット】『減量の正解』エリック・ヘミングソン


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減量の正解


【本の概要】

◆今日ご紹介するのも一昨日に続いて、8月初旬の「未読本・気になる本」の記事」にて反応が高かったダイエット本。

過去20年に渡って肥満に関する研究をしてきた著者が、「減量の真実」を描いた1冊です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「これを食べればやせる! 」
「この動きが体を引き締める! 」
なぜ、キャッチーなダイエット法は現れては消え、人々の体重は減っては戻るのか――
肥満研究者が出した減量、キープ、ノーリバウンドの最終結論。
私たちは現象としての「体重増加」を捉え直さなければならない――。

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graff of my diet / burgermac


【ポイント】

■1.減量の邪魔をする「4つの抵抗力」
(1)代謝が「低下」する
 ダイエットを始めると、最初に代謝が低下する。つまり、体のエネルギー消費量が減少する。このことは、体がより効率的に働くようになったともいえる。
(2)「満腹感」がなくなる
体重が減ると満腹感が得にくくなるのは、脂肪細胞内の脂肪を満たそうと体が働くからである。つまり、体はふたたび体重を増やそうとする。
(3)「脂肪細胞」は減らないが増える
 減量によって脂肪細胞のサイズを小さくはできても、完全に消すことはできない。肥満の人の脂肪細胞の数は標準体重の人の約2倍あり、残念ながらダイエットで標準体重になってもその数は変わらない。
(4)やせない「習慣」の完成
 私たちの多くは、食べ物に心地よさといった感覚を求めている。とくに夜の空腹時は甘いものがほしくなりがちだ。つまり、私たちの摂食行動は、栄養やエネルギーをとるためでなく、心理的な欲求やホルモンの影響を大きく受けている。たとえば、あわただしい仕事や人間関係、あるいは仕事から受けるストレスによって摂食行動は大きく左右される。


■2.愛情不足で育つと肥満リスク10倍に
 ふたりのデンマーク人研究者が見つけたことは、じつに驚くべき内容だった。インゲ・リサオとトーキル・セアンセンは、両親から愛情や安心感を与えられていない疑いのある子ども(10歳)の調査を行い、10年後(つまり20歳のとき)の彼らが肥満になるリスクが通常の10倍近いことを突き止めた。幼児期の経験は、驚くほどの影響力をもっている。肥満の原因はカロリーだけではないのだ。(中略)
 2013年秋、私はこの分野に関する記事探しに没頭し、それらをまとめる作業に着手した。ストレスと肥満の因果関係は明らかだった。
 標準体重の人と比べて、肥満の人は幼児期にストレスやそのほかの悪条件にさらされている場合が多かった。それがどのような悪条件だったかにかかわらず、肥満の発症リスクが高くなっていたのだ。
 さらに、それらの悪条件の程度が過酷で頻度が高いほど、肥満のリスクも大幅に上がることがわかった。


■3.「自尊心」を高く持つ
 肥満の要因をあらわすコップにたとえると、自尊心の低さは底のほうに溜まっている。肥満の人には自尊心の低い人が多く、これが肥満を引き起こす一因となっている。
 これは、さほど不思議なことではない。肥満の人の多くは、ふつうの人とは違うとか、変わるべきだとか、あなたは責任感のない意思の弱い人間だとかを、ずっと言われつづけているかもしれない。(中略)
 自尊心は幼児期に形成されるので、成人してから大きく変えるのはむずかしい。しかし、改善できる可能性も十分に残されている。
 だから、あきらめてはいけない。自尊心とは、自分という存在に違和感をもたず、失敗した経験や欠点をもつ人間として、自分自身を許すことだ。外見に関して、広い心で受け入れることなく、ないものねだりをしてしまうのは、何の意味もない。体は体でしかなく、あなたの個性、つまり、内なるあなた自身ではないのだ。


■4.「超加工食品」が食事の大部分にならないようにする
 超加工食品が肥満(とくに腰回りの脂肪の増加)や高血圧、多くの癌、2型糖尿病などの病気と明確な関連性があることは、その製造過程を考えれば驚くことではない。
 一方で、加工食品にはそのような病気との関連性はあまり見られない。最小加工食品にいたっては、果物、野菜、全粒粉、ナッツ、魚、マメ科植物などの多くが、肥満、糖尿病、心血管疾患を予防する効果があると証明されている。
 つまり、病気を防ぐには、最小加工食品を中心に食べ、超加工食品の摂取を控えることが効果的なのだ。もちろん、炭酸飲料やキャンディを一切口にしてはいけないという意味ではない。超加工食品も、ときどき口にする程度なら大きな害はないだろう。
 大事なのは、食事の大部分がスーパージャンクフードをはじめとする超加工食品にならないようにすることだ。


■5.「運動していない人」は効果が出やすい
 運動には、知っておくべき別の側面がある。
 一日中座りっぱなしの生活を送ってきた人が少しでも運動を始めると、その効果は健康面にはっきりと表れ、その後も多くの変化が生まれる。
 しかし、すでに習慣的に運動をしてきた人で、運動量をこれ以上増やせない場合には、さらなる健康増進は期待できない。
 そしてもう一点、相当な量の運動をしなければ変化は生じないと考えていたとしたら、それは誤解だ。もし運動がきついと感じているなら、運動量が多すぎる証拠である。(中略)
 さらに運動は質のよい睡眠をもたらし、運動をするときに脳から放出されるエンドルフィンはリラックス効果を生むため、ストレスを管理するのにも役立つこうしたことから、運動は触媒として、とくに心理面にポジティブな働きをするといえる。


【感想】

◆なるほど、タイトルにもあるように、徹頭徹尾「減量の正解」について言及した作品でした。

まず第1章では、「ダイエットが失敗する原因」がテーマであり、その原因となるのが、上記ポイントの1番目にある「4つの抵抗力」。

たとえば(1)の「代謝の『低下』」の具体例として挙げられたのが、アメリカのダイエット・リアリティ番組『The Biggest Loser』で、この番組の多くの参加者たちが、そのリバウンドがゆえに「再出演できない」のだそうです。



また、(3)の「脂肪細胞」の件については、類書でも読んだことがありましたが、減量後のリバウンドする場合に、新しい脂肪細胞ができる可能性があるのだとか。

つまり長期に渡ってダイエットを繰り返していると、ますます太りやすくなるワケです。


◆その脂肪細胞ですが、第2章によると、その量は多かれ少なかれ幼児期に決定されるとのこと。
肥満の人の場合、脂肪細胞がもっとも多くつくられるのは10歳までの時期だが、標準体重の人は、その時期には細胞の数がほとんど変化しない。このことは、幼児期の肥満の高い発生率と一致する。
 つまり、幼児期に脂肪細胞が急激に増加した人は、生涯を通して肥満リスクが高くなると考えられる。
その原因となるのが、上記ポイントの2番目の「愛情不足」です。

これは少し飛んだ本書の第4章から抜き出したのですが、今ダイエットに苦しむ人にとっては「今さら言われても……」と思わざるを得ないでしょう。

さらにこうしたストレスにさらされた子どもは、不安定な精神状態に対処するために、目の前にあるものにしがみついて夢中になります。

その最たるものが第7章で詳しく解説される「スーパージャンクフード」。

大人でさえ食べるのをガマンするのに意志力を要求されるものを、子どもがガマンできるわけもなく、必然的にさらに体重が増えてしまうことになります。


◆一方第5章では、こうした肥満に対抗する術をいくつか紹介。

「よく噛む」「満腹なら食べない(「残さずたべなさい」は厳禁!)」といったTIPSに加えて、上記ポイントの3番目にある「『自尊心』を高く保つ」ことも大事です。

なお、続く第6章ではこうした「太っていること」に関連した「ハラスメント」が列挙されていました。

特にひどいのがフランスで、最近出版されたとあるフランス人女性のエッセイには、体重に関するハラスメントの描写が多々。
 ガブリエルは子どもの頃も大人になってからも、あざけられ、ひどい言葉を浴びせられつづけていた。ビーチでは「隠れていろ」とボーイフレンドから言われ、パリの学校に自閉症児の教員助手として採用されたときには、「デブとは一緒に仕事しない」と上司から言われた。校長でさえも「彼女は汗をかきすぎだ」「2階に上がってくると息切れがひどい」などと辛らつな表現で彼女を批判した。
挙句の果てには、フランスでは外見への差別が禁止されているにもかかわらず、「彼女は30日間で十分に体重を減らせなかったという理由で学校を解雇された」のだそうです。

……それはジャンクフードに逃げてもしょうがないような。


◆ということで第7章では、いよいよこうした「ジャンクフード」の解説が。

上記ポイントの4番目ではサラッと抜き出してしまいましたが、その種類にはこのようなものがあります。
1.最少加工食品
2.加工調理材料
3.加工食品
4.超加工食品
1の最少加工食品とは具体的には果物、野菜、魚、肉等の収穫・食肉処理からほぼ加工されず添加物を含まないもの。

2の加工調理材料とは、調理で使用される塩、油、バター、砂糖など。

3の加工食品は 1と2を元に多様な方法で調理・保存されたもの(トマトの缶詰やスモークサーモン、チーズ、ハム等)。

そして4の超加工食品とは、2や添加物からなる食品で、小麦粉やでんぷんなどの精製炭水化物を大量に含み、繊維質はほぼ含まないものになります。

ちなみにこの4の超加工食品には、1の最少加工食品がほとんど含まれていないのは言うまでもありません。


◆なお、最後の第8章では、リバウンドをなくすための「9つのポイント」が紹介されています。

上記ポイントの5番目は、その中の1つである「運動」について。

類書でも言及されているように、実は運動自体にはそれほどカロリーを減らす効果はありません。

ただし本書で指摘している「ストレス」の対処法としては十分に有益であり、私もやっとこちらを購入して、ムスコと一緒に始めている次第。

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前から欲しかったんですが、やっと定価で買えるようになったので遅ればせながらw

なんたって「『運動していない人』は効果が出やすい」んですから、「それなんて私」状態ですよ!

ちなみに他のポイントについては、本書にてご確認ください。


ダイエットされている方なら一読の価値アリ!

4763138766
減量の正解
はじめに 減量は「意思の強さ」と無関係
1章 なぜダイエットは「失敗」する?――脂肪は人類の友である
2章 肥満には「種類」がある――無害な肥満・やっかいな肥満・解消しにくい肥満
3章 体重は「セットポイント」に戻る――100万キロカロリー食べても体重は一定
4章 「根本」を解決する――減量&ノーリバウンドの正解
5章 「サイン」をしっかりつかむ――「シグナル」に敏感になる
6章 「重圧」をはね返す――あなたを太らせる見えない存在
7章 「スーパージャンクフード」はものすごく悪い――「工業製品」を食べるようなもの
8章 「リバウンド」をなくす――必要な9つのポイント


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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