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2021年07月30日

【複業?】『【スタンフォード式】世界一やさしい パラレルキャリアの育て方』江端浩人


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【スタンフォード式】世界一やさしい パラレルキャリアの育て方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも注目を集めていた「複業」本。

いわゆる「副業」がテーマなのですが、「正」に対する「副」ではなく、「複数の仕事」という意味で、本書内では一貫して「複業」と称しています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「大学教授/経営者/コンサルタント/講演家/ビジネス書作家」。
名刺を常時7、8枚持つスタンフォード出身の著者が、「複数の仕事を自由に選んで稼ぐ方法」をTipsで紹介!

上記未読本記事の時点では定価と同額だったKindle版が、「10%OFF」とお買い得になっています!







Startup Weeekend Merida / szwerink


【ポイント】

■1.「1日48分」は新しいことに挑戦する
「70対20対10」の法則をご存じでしょうか。これは、Google元会長兼CEOのエリック・シュミット氏がGoogleを成長させていく過程で用いたリソースの配分ルールです。
 簡単にいえば、70%は「うまくいっていること」に、20%は今までの「改善」に、10%はまったく「新しいこと」に配分すると、うまくいくとの考え方です。人も資源も時間も、この比率で配分します。(中略)
 これは個人でも同じです。
 自分の活動時間の10%を新しいことに配分してみてください。それが難しければ5%でもいいでしょう。
 仮に1日の活動時間が16時間あるとして、10%なら96分、5%なら48分。最初は難しく感じるかもしれませんが、続けているうちに成果を実感できるはずです。


■2.「心配性」の人こそ成功確率は高い
 心配性という言葉は、一般にネガティブなイメージがあります。自分が「心配性」だと自覚している人は、「できれば克服したい」と考えているのではないでしょうか。しかし、複業するうえでは「心配性」が逆にメリットになります。
 そもそも「心配性」の人は、考える力が強く、脳のポテンシャル(潜在能力) が高いと私は考えています。この力を複業に転換できたら、ものすごい威力を発揮するでしょう。
 問題は、なかなか踏み切れないことです。心配性の人は試してみる前からさまざまなリスクを考えてしまうので、最初の一歩を踏み出せません。しかし、事前にさまざまなリスクを想定しているので、いざ踏み出したときは成功確率が高いのです。


■3.資格ではなく事例をつくれ
 資格を取ることは達成感があります。しかし、それで満足してしまい、次々と資格ばかりを取ってしまいます。その結果、そもそも「何をしたかったのか」を見失ってしまうのです。
 そうした人は「○○の資格があります」と書いておけば、仕事がたくさん来ると思っています。しかし、それは幻想です。資格よりも「自分は何をしてきたか」という事例が大切です。しっかり結果を出してきた事実を積み重ねることです。(中略)
 事例をつくるうえでは、どんなプロジェクトを経験したかも重要ですが、そのプロジェクトを通じて何を得たか、他のプロジェクトにどう応用できるかが大切です。
 また、本当に必要な実績は、無償でも積むべきです。


■4.仕事でほめられたことは"武器"になる
松田 私はグラレコが仕事になるとはまったく思ってなかったのですが、「価値ある仕事をありがとう」とか「会社に持って帰って共有したよ」とか言っていただいて、これは私の武器だと素直に受け取れたことが、よかったと思います。会社の中でも、きっと「これしてくれてありがとう」とか「すごく助かった」とか、あると思うんです。それを素直に受けて、自分の武器だっていうことを認識できると、「それを生かせるのは何だろう」と発想が次のステップにいく気がします。なので「最近、周りからほめられたことや感謝されたことは何ですか?」と聞きたいですね。それを1つの武器と思ってほしい。その中から「やりたいかも」って思えるものを少しずつでもやってみるといいんじゃないでしょうか。種をたくさん蒔いていけば、芽は出てくるものですから。


■5.いつでも、どこでも、やる
 例えば、「外出中だからこれができない」と、場所やシチュエーションを言い訳にしないこと。いつでもどこでも、脳の活発度合いを優先してタスクを選ぶことを心がけるのです。こうすることで、相当な仕事の効率化が可能となります。(中略)
 私は街を歩いているとき、良いアイデアが浮かんだら、すぐに作業を開始します。そのために私はパソコン、スマホ、イヤホン、予備バッテリー、各種アダプタなどを常に持ち歩いて、「今はできない」状況を排除するようにしています。
 ミニマリストは「最低限これがあれば」と、外出時も荷物をできるだけ持たないことを美徳としていますが、私はそれとは正反対です。「これがあれば大丈夫」ではなく「これがなくてはダメ」のリストを用意しています。結果、荷物が増えるのですが、その煩わしさを超えるメリットがあるのです。


【感想】

◆冒頭では「複業」について、いわゆる「副業」と大差ないような書き方をしましたが、本書を通して読むと、そのニュアンスの違いが理解できました。

そもそも著者の江端さんご自身が、「大学教授/経営者/コンサルタント/講演家/ビジネス書作家」という肩書であり、どれについても名刺があるようなもの。

この「/」で区切られるような複数の肩書を持つことを、「スラッシャー(SLASHER)」というのだそうです。

私がブログを始めた頃(15年以上前ですが)にも、名刺を複数持つことが流行りましたが、たいてい2枚目(以降)は「ブロガー」等の、ある意味「趣味」としての名刺であり、キチンと稼ぎがあるワケではなかった記憶が。

それに対して本書では、「『FIRE』よりも『SLASHER』」とうたっているように、経済的な「柱」を目指しているワケです。


◆さて第1章では、こうした新たな「複業」を見つける作業がテーマ。

上記ポイントの1番目にあるように、「新しいことに挑戦する」というのは、ある意味王道です。

ただし
 その過程では、「試してみたけれど、自分に合わない」と気づくこともありますが、むしろそれが重要です。 それに気づいたら次のことを始めればいいだけです。だから、2カ月あるいは3カ月など、自分なりに期間を区切って挑戦するのがいいでしょう。
というように、ある程度の期間を設けて行うべし。

実際、江端さんも「新しいことに挑戦」してうまくいかなかったことは山ほどあるとのことです(インスタグラム等)。

なお、この章で割愛した中では、「時代の『すごく先』ではなく『少し先』を読め」というTIPSが腑に落ちました。

江端さんも、1996年に写真や年賀状などの印刷をネット注文できるサービスを立ち上げたものの、当時はまだネットやデジカメが普及する前で、サービス自体が先過ぎたのだそうです。


◆さて、やることが見つかったと仮定して、続く第2章のテーマは「一歩目の踏み出し方」。

日本人に多い(らしい)心配性の人でも、上記ポイントの2番目のように「踏み出せば成功確率は高い」とは心強いです。

むしろ問題は「なかなか踏み切れない」ことであり、まさに「一歩目が踏み出せない」らしく……。

逆に「楽観的な人は、あまり深く考えずにチャレンジできる」ので、「複業にもすぐに参入できる」ものの、代わりに成果は出しにくいのだとか。
つまり、1回当たりの成功確率は低くなるのですが、 楽観的な人はチャレンジの回数が多いので、成功する人も多くなります。
なるほど。

また、上記ポイントの3番目の「資格」のお話は、「起業・副業あるある」でしょう。

本書では基本的に、無償での労働を推奨していませんが、実績のためならそれもいとわないこと。

「スキルを無償提供して社会貢献する」ことを「ブロボノ」というのだそうですが、「報酬をもらって経験できないことはプロボノでも経験したほうがいい」と言われていました。


◆なお、上記ポイントの4番目の冒頭に出てくる「松田」さんとは、この章の最後の「特別対談」に登場するグラフィックレコーダーの松田海さんのこと。

松田(上園) 海 - グラフィックレコーダー - フリーランス | LinkedIn

江端さんの「『やりたいことが見つからない』という若い人にアドバイスは?」という問いかけに対して、上記のように回答されています。

実は各章の最後では、この松田さんのように「SLASHER」の方々が江端さんと対談されており、それも本書の読みどころの1つ。

こうした方々が、どのようにして複業されるに至ったかを知るのは、会社勤めの方には非常に参考になると思います。


◆そして上記ポイントの5番目は、タイムマネジメントがテーマである本書の第3章からのもの。

この章自体は、直接は「複業」とはかんけいないものの、このようなインフラ部分についても言及しています。

それにしても、ガジェット系を数多く持ち歩くあたりは、勝間和代さんを彷彿とさせる気が。

ほかにも「同じデジタル環境を2つ以上用意せよ」という項を読むと、Macを3台保有して同じアカウントで運用したり、テレビも各部屋合計5台あるそうで、まさに有言実行と言いますか。

なお、第4章のビジネス規模拡大のお話は、「複業」のネタが見つかってからでしょうから、今回は割愛。

また、第5章の習慣づくりも、ライフハックネタとしては興味深いのですが、とりあえず「複業」とは直接的に関係ないのでカットしました(スイマセン)。

……「足裏マッサージで脳を活性化せよ」なんて、うなずきまくりでしたがw


複数の肩書で経済的自立を目指すために読むべし!

4761275596
【スタンフォード式】世界一やさしい パラレルキャリアの育て方
第1章 「やりたいこと」& 「ニーズがある仕事」を見つける
第2章 未経験でも安心! 一歩目の踏み出し方
第3章 パラレルワークの成果を最大化! 超効率タイムマネジメント
第4章 信頼できる仲間を見つけ、 ビジネスの規模を拡大する
第5章 脳も体も進化する! パラレルワークに必須の習慣づくり


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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地球の歩き方 J01 東京 2021〜2022 地球の歩き方BOOKS

「東京」も「地球」の一部(?)ということで、東京のガイドブックはKindle版が300円強お得。

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経済学講義 (ちくま新書)

飯田先生の経済学本は、Kindle版が300円弱お買い得。

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小さな宇宙ベンチャーが起こしたキセキ

ちょうど今日レビューした作品にも関連するようなベンチャー本は、Kindle版が300円弱お得な計算です!


【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle本 夏のビッグセール」の日経BP分の記事で評判が良かったのは、これらの作品でした(順不同)。

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トリガー 自分を変えるコーチングの極意 (日本経済新聞出版)

B08D926BQQ
The Intelligence Trap(インテリジェンス・トラップ) なぜ、賢い人ほど愚かな決断を下すのか (日本経済新聞出版)

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昼スナックママが教える45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気

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日本人の健康を社会科学で考える (日本経済新聞出版)

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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