2021年07月18日
【オススメ!】『インプット・アウトプットが10倍になる読書の方程式』羽田康祐k_bird
インプット・アウトプットが10倍になる読書の方程式
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも一番人気だった読書術本。ただし類書と比べると、より思考術に近いお話が展開されており、非常に勉強になりました。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
多くのビジネス書は、著者がこれまで経験してきた職業人生が存分に注ぎ込まれています。そこには必ず、著者ならではの物事をとらえるポイント(=視点)や、「ああなれば→こうなりやすい」という因果関係・ノウハウ(=法則)があります。
本書では「視点読書」「法則読書」として、これらの視点と法則をインプットする方法、自身のビジネスにおける仮説やソリューションというアウトプットにつなげる方法を、次の方程式を使って解説していきます。★何を考えるべきか?(視点)×どう考えるべきか?(法則)=あなたなりの結論(仮説・解決策)本書の内容は、類書にあたるさまざまな読書術の本とは、その主張も、得られるスキルも大きく異なっています。だからこそ、読者であるあなたにとって価値あるものになるはずです。
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summer reading list / Robert Couse-Baker
【ポイント】
■1.知識の理解から関係の理解へ知識は、断片的な理解のままでは「暗記」と同じで、使いこなせるようにはなりません。
重要なのは、「知識の理解」だけでなく、知識と知識の間にある「関係の理解」です。「関係の理解」があってはじめて、「体系的に理解できた」という状態になり、暗記を越えて運用できる状態になっていくのです。
多くのビジネス書は、平均して8万字から12万字のボリュームがあるといわれます。これだけのボリュームがあれば、その内容は断片的になりようがなく、ほとんどのビジネス書は体系的にまとめられています。
「知識」だけでなく、「知識の運用能力」も身につけたいのなら、「体系化された知識」が身につくビジネス書は、あなたの成長を加速させるエンジンになるはずです。
■2.ビジネス書から「視点」を発見する
まずは「視点」を意識しながらビジネス書を読み進めてみてください。いきなり、そういわれても戸惑うかもしれませんが、「この文章には、どのような視点が隠されているのか?」という質問をぶつけながら「視点を発見する感覚」で読み進めていくのがコツです。(中略)仕事の漏れや重複は、作業の一部分ばかりに視点が集中して「段取り全体」が見えていないときに起こります。まずは、「これから必要になる作業」をすべて洗い出しておきましょう。筆者の場合、この文章に隠されている「視点」は、「段取り全体の視点」と「部分的な作業の視点」だととらえました。・「段取り全体」の視点これ以外に、あなたなりに「視点」を発見できたら、迷わずにビジネス書の文章部分にアンダーラインを引き、余白に発見した視点とメモを書き加えてください。
・「部分的な作業」の視点
■3.「法則」は「問題解決」に活かせる
たとえば、議論が紛糾している会議のシーンを想像してみてください。
もしあなたが、議論するうえでの「前提」が揃っていないと(=原因) → 会議は紛糾しやすい(=結果)という法則を知っていれば、「会議が紛糾している」という結果から逆算して、会議が紛糾しているのは(=結果) → 議論するうえでの前提が揃っていないからでは?(=原因)と素早く仮説を立て、原因に当たりをつけることができるようになります。
そうすれば、会議メンバー全員に対して、「まずは、議論の前提を揃えませんか」と声をかけることで、紛糾した会議を収束に向かわせることができるかもしれません。
■4.手書きのメモをメモアプリに転記する
ビジネス書を読むたびに手書きメモをとり、そのメモをメモアプリに転記していけば、「視点・法則リスト」は、どんどんと育っていくことになります。この「視点・法則リスト」こそが、今後のあなたの財産になっていくのです。
メモアプリは、使い慣れたもので大丈夫です。おすすめするとすれば、メモをクラウド保存でき、スマートフォンでもPCでも書き込み・参照できるものがいいでしょう。また、リスト機能があれば、「一覧」として整理しやすくなるのでおすすめです。
メモアプリへの転記の仕方も「これが正解」というものはありません。
重要なのは「正解かどうか?」ではなく、「役に立つかどうか?」ですから、自分にとって役に立ちやすい転記の仕方であればOKです。
筆者の場合は、書籍タイトルをワンセットとして転記しながら、「視点・法則リスト」を作成しています。
・アンダーラインを引いた文章
・発見した視点(あるいは法則)
・抽象化した視点(あるいは法則)
■5.ビジネス書を選ぶ際の視点と流れ
●Whyの視点(1)Be(=状態):そもそも自分はどう在りたいと願っているのか?●Whatの視点
(2)Do(=行動):その状態に近づくために、自分はどのような行動をとればいいのか?
(3)Have(=道具):その行動を取るためには、どのようなビジネス書が必要なのか?・どんなテーマ、ジャンルを選ぶか●Howの視点
・そのテーマやジャンルには、どのような個別・専門のテーマやジャンルがあるか内容: 自分が求める内容とビジネス書の内容がマッチしているか?(詳細は本書を)
信頼性: ビジネス書の内容は信頼できるか?
レベル: 自分のレベルとビジネス書のレベルはマッチしているか?
【感想】
◆冒頭でも触れたように、単なる「読書術本」とはひと味違う内容であり、個人的には「思考術本」に近いのではないか、と思わせられた作品でした。というのも、内容紹介で挙げられている「視点読書」「法則読書」のいずれもが、思考を伴うものだから。
しかし本書では、その前にまず第1章の「ビジネス書は、成長を加速させるエンジン」において、ビジネス書を読むことで得られる5つの効果を列挙しています。
・「体系化された知識」が身につくこの5つそれぞれを解説しているのですが、1つひとつが結構深くて、ハイライトを引きまくり。
・「解釈力」が身につく
・「思考力」が身につく
・「応用力」が身につく
・「将来に向けた投資」になる
上記ポイントの1番目は、最初の「体系的に理解する」の項から抜き出したのですが、ググって得られるのは単なる「知識」であり、「知識の運用能力」も得るためには、ビジネス書を読む必要があるのだと腑に落ちました。
……といいますか、この章だけでも記事が書けそうなくらいなんですけど、いきなり第1章で終わってしまうのもアレなので自重しております(当たり前)。
◆続く第2章では、本書のサブタイトルとも関係する「10倍読書の4大原則」を解説。
この「10倍読書」とは、第3章以降で登場する「視点読書」「法則読書」の上位概念であり、以下の4つになります。
・「読書量」より「学びの量」詳細については本書をお読みいただきたいのですが、特に初っ端の「『読書量』より『学びの量』」における、「ビジネス書の中で重要なのは2割に過ぎない」という考え方は、「ビジネス書で学べる内容の上限が100%である」という前提の上にある、という指摘は目からウロコでした。
・「フローの情報」より「ストックの情報」
・「視点読書」「法則読書」の2回読みをする
・同じ分野の「固め読み」をする
要は、本書でいう「10倍読書」は、その上限を「100%以上」にするものであり、その具体的な方法が第3章以降で明かされています。
◆そしていよいよ第3章では、その「10倍読書」の大きな柱の1つである「視点読書」が登場。
「視点読書」のステップ1: ビジネス書から「視点」を発見する。という2つのステップから構成されており、上記ポイントの2番目は、ステップ1の概略を表している部分になります。
「視点読書」のステップ2:「発見した視点」を抽象化してとらえ直す。
ちなみに引用した「仕事の漏れや重複は〜」という部分は、羽田さんのこちらの作品からのもの。
無駄な仕事が全部消える超効率ハック――最小限の力で最大の成果を生み出す57のスイッチ
参考記事:【生産性向上】『無駄な仕事が全部消える超効率ハック――最小限の力で最大の成果を生み出す57のスイッチ』羽田康祐 k_bird(2020年09月24日)
……すいません、この本読んだ際に、「視点」など意識しておりませんでした。
◆一方第4章では、もう1つの柱である「法則読書」について解説。
簡単に言うと、ビジネス書を読む場合、1回目は「視点」を意識するだけ(「視点読書」)ですが、2回目の通読を行う際には「法則」を探る作業を行い、これが「法則読書」になります。
実は「法則読書」も2つのステップがあり、その2つ目のステップである「『法則』を抽象化してとらえ直す」を実践したのが、上記ポイントの3番目。
このように、「法則」を知っていることによって「問題解決」も行うことができるわけですね。
◆また、第5章では「10倍読書のアウトプット術」ということで、最初に行う作業が上記ポイントの4番目にある「手書きのメモをメモアプリに転記する」。
本書では具体的に羽田さんの手書きメモの画像もあり、なるほど、このように「視点」や「法則」をメモしていくのだと理解しました。
……Kindleで読書をしている私は、Kindleのメモ機能を使えばいいのでしょうが、100%再現は難しそうな。
なお、スマホのメモアプリにあることで、読書後も頻繁に接することまで意識されていますから、Kindleで読書する場合には、抜き出したメモを、メモアプリに保存することで対応することになると思います。
◆そして最後の第6章のテーマは、ビジネス書読者にとって非常に有益な「選書術」。
ここがあまりにも深かったので、上記ポイントの5番目ではそのアウトラインのみ抜き出しておきました。
具体的なTIPSを挙げると
・タイトルや装丁、帯文は著者に決定権がないので参考にしない等々。
・「はじめに」「まえがき」で「何が書いてあるか」を確認
・ちょうど真ん中付近で「ビジネス書のレベル」を確認
・アマゾンは「売れ筋ランキング」だけでなく「人気ギフトランキング」をチェックする
・レビューは「感情的レビュー」「自己本位レビュー」でなく「客観的レビュー」を参考にする
いや、長年アマゾンにはお世話になってきましたが、「人気ギフトランキング」なんて初めて知りましたよ……。
また、最後の「感情的レビュー」「自己本位レビュー」「客観的レビュー」の違いについては、本書で具体例にてご確認ください。
私も無意識のうちに「客観的レビュー」を選んでいましたが、個人的には「人を動かそうとするレビュー(「読んで!」「読むな!」等)」は怪しいと思っている次第。
これはもう、オススメせざるを得ません!
インプット・アウトプットが10倍になる読書の方程式
第1章 ビジネス書は、成長を加速させるエンジン
第2章 10倍読書の4大原則
第3章 視点を増やす「視点読書」10倍読書[前篇]
第4章 法則を増やす「法則読書」10倍読書[後篇]
第5章 10倍読書のアウトプット術
第6章 ミスマッチを防ぐ!10倍読書の選書術
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【読書術】『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』山口 周(2015年10月18日)
【読書術】『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』西岡壱誠(2018年06月03日)
【編集後記】
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