2021年07月12日
【メンタル】『メンタルコーチが教える 潜在能力を100%発揮する方法』鈴木颯人

メンタルコーチが教える 潜在能力を100%発揮する方法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「夏のビジネス実用書フェア」でも人気の高い1冊。当ブログでも過去何冊かご紹介したことのある、鈴木颯人さんのメンタル強化本です。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
オリンピック選手やトップアスリートのサポートをするスポーツメンタルコーチの鈴木颯人氏による、プロの成長リミッター解除法!
やりたいことや高い目標に対し、「自分には無理だ」と思っているのは、リミッターがかかっている状態です。
そのリミッターを外し、自分らしい心のまま成果を出す方法をお伝えするのが本書です。
中古に送料を加算すると、定価近くなりますから、このKindle版が700円弱お買い得です!

MOIRE POTENTIAL / ▓▒░ TORLEY ░▒▓
【ポイント】
■1.「人のせい」にするのをやめると潜在能力が開花するうまくいかないときこそ「当事者意識」を持って対応すること。これが潜在能力を発揮しやすくするコツです。
自転車競技の一種であるBMXのある選手は、「海外を拠点に競技をしたい」という希望を持ってスポンサー探しをしていました。ところが、なかなか希望に合う会社が見つかりません。複数社からそれなりに良い条件も提示されたのですが、彼の答えはNO。どんなに良い条件の会社でも、彼にとっては「海外でプレーできる環境」でなければ意味がなかったのです。(中略)
最終的にその選手は、理想的な条件を提示してくれる企業に出会うことができました。けっしてあきらめず、継続して行動した証しだと思います。
このように、希望が叶わなそうなときの対応にこそ、その人の本質が現れます。先ほどの選手のように、逆境に直面しても信念を持って取り組める人は、結果を出しやすい傾向にあります。
一方で、うまくいかない理由を他人のせいにする行動は、自分をラクに慰められる手っ取り早い手段なので、常態化し、泥沼にはまる傾向があります。
■2.つぶやくだけでポジティブになれる「セルフトーク」
まず、「一人称のセルフトーク」ですが、これは、セルフトークするときに、自分の名前を付け加えるというものです。
「絶対に勝てる」と思うより、「颯人(ここにあなたの名前が入ります) は絶対に勝てる」と思ったほうが動機付けになり、結果も出やすくなります。
加えて、語尾に「受け入れます」と付け加えます。
「私は目標を100%達成します」と言い切ることに抵抗を感じる人もいると思います。語尾を少し変えて、「受け入れます」とするだけで、抵抗感が薄れるのではないでしょうか。この方法は、私がメンタルコーチングを行っている選手もよく使っている手法です。 「颯人は絶対に勝てる」よりも、「颯人は絶対に勝てる自分を受け入れます」とすることで、より自然と、自分の中に言葉がスッと入っていく感覚を得られると思います。
■3.本質を見つけるプロセスを踏む
多くの人は、まず行動(Do)し、成果(Have)をつかんでから自分の理想の姿(Be)を追いかけようとします(DoとHaveの逆もしかり)。
しかし実際は、Do(行動)もHave(成果)も、「Be」(あり方)が起点となっています。
〔*11〕の「10の質問」で出てくる回答も、すべて「Have」(成果)に関するもの。図3─5の一番外側に該当します。
ただしこれは、あなたの内面にある世界観を表現するものではありません。そこでさらに「どうして」と答えを掘り下げ、核心に迫っていきます。その結果、見えてくる「Be」(あり方)こそが、あなたの大切な価値観であり、本質というわけです。
仕事や競技で成果を求められると、自分の大切にしていることから目を背けてしまいがちです。多少時間はかかっても、こうして本質を見つけるプロセスを踏むと、本当に大切にしたいものが見え、目の前の些細なことに惑わされなくなります。自分のアイデンティティを確立するうえでも、有効な方法です。
■4.目標は「WOOPの法則」でアレンジする
私がメンタルコーチングをしている陸上選手の例で説明しましょう。
その選手は、大事な試合になると緊張しすぎて、思うようなパフォーマンスが発揮できないという悩みを抱えていました。国内の大会でメダルを獲得した実績もあったのですが、頭で考えすぎて、本来の力を発揮できずにいました。
そこで彼に、「WOOPの法則」に沿って目標を立て直す提案をしたところ、次のような内容になりました。・Wish(願望、希望)……「どんな大会であっても平常心を持つ」このように、自分の心に沿った目標を立てて行動したところ、彼はなんと、次の大会から連戦連勝。オリンピック出場も十分狙えるタイムを叩き出せるようになったのです。
・Outcome(結果)……「コンスタントに大会で優勝できる」
・Obstacle(障害、障壁)……「大会になると緊張しすぎてしまう」
・Plan(計画)……「走る前に『この大会は自分にとって通過点でしかない』とセルフトークする」
■5.正解を探すより「選択肢」を見つける
学校のテストや資格試験には必ず「答え」があります。しかし、人生に答えは存在しません。(中略)
自分のとった行動が正解だったのか、そうでなかったのかは、時間が経ってはじめてわかるもの。誰も教えることはできません。正解を追い求めても、つらいことしか待っていないのです。答えを見つけるのではなく、そのときできるベストを尽くすことが正解といえます。
もう少し具体的に言うと、いろいろな選択肢を見つけたうえで、最善だと感じることに全力を注ぐということ。この思考こそ、「可能性」という潜在能力を引き出すのです。(中略)
ビジネスの場も同じように、一瞬一瞬が勝負だと思います。短期間に高パフォーマンスを上げることを求められる現場に、正解などありません。日々の課題に向き合う際には、幅広く選択肢を探ったうえで、「自分の選択を正解にする」くらいの気概が、未来を切り拓くのです。
【感想】
◆タイトルにある「100%」は言い過ぎ(本書に限らず「100%」という表現は皆そうですが)なものの、得るところが多い作品でした。ただ、必ずしも「潜在能力」とは直接関係ないお話もなきにしもあらず。
この辺は、「広い意味での『潜在能力』とのかかわり」と言いますか、まわりまわって関係してくる、という理解で良いのだと思います。
とはいえ、第1章から抜き出した上記ポイントの1番目は、小見出しでもうたわれているように、さっそく「潜在能力」に関するお話。
よく成長に関して、他責思考よりも自責思考の方が伸びる、と言われますが、それは潜在能力においても同様のようです。
◆続く第2章のテーマは、潜在能力の邪魔をする「思い込み」について。
ボリュームの関係で割愛した「5つのNGワード」は、ぜひ本書に従って言い換えていただきたいところです(詳細は本書を)。
また、上記ポイントの2番目の「セルフトーク」は、類書でもよく登場するテクニックの1つ。
実際、「セルフトーク」は潜在能力の発揮に大きく影響しているのだそうですから、本書でも取り上げてしかるべきでしょう。
ただ、ここで挙げられている「自分の名前を付け加える」ことと、「受け入れる」という表現は初めて知りましたが、確かに効果を高めそうな。
なお、この章の後半では、章のテーマである「思い込み」に大きく関係する「バイアス」にページを割いています。
全部で18種類のバイアスの簡単な説明と、その対処法が述べられているのですが、章の最後に紹介されていたこちらの本で代用させていただきたく(講談社のセール対象なのか「30%OFF」です)。

自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)
参考記事:【認知バイアス】『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80』池谷裕二(2016年01月26日)
◆一方上記ポイントの3番目は「〔*11〕の『10の質問』」やら「図3─5」やら、本書を見ないと分からない表現があって恐縮です。
この部分は第3章から抜き出しているのですが、まず「10の質問」というのは、この章の最初で触れられている「自分の大切な価値観がわかる10の質問」のこと。
具体的には「明日死ぬとしたら何をしますか?」「今までで楽しかったことは何ですか?」「嫌いなことは何ですか?」といったもので、自分の世界観を形作る要素を見つけ出すために自問自答していきます。
また、「図3─5」というのは、「Be+Do=Haveの法則」を図解したもの。
こちらは、3つの同心円の真ん中に「Be(あり方)」、それを囲む円に「Do(行動)」、一番外側の円に「Have(成果)」があるというものです。
もし以前当ブログでご紹介した、同じ鈴木さんのこの本をお持ちでしたら、そちらにも詳しいのでご覧いただければ、と。

最高のリーダーは「命令なし」で人を動かす
参考記事:【マネジメント】『最高のリーダーは「命令なし」で人を動かす』鈴木颯人(2020年04月13日)
いずれにせよ、真ん中の「Be」が最も重要なので、こちらを見つける必要があるわけですね。
◆また、第4章から抜き出した上記ポイントの4番目の「WOOPの法則」は、以前ご紹介したこちらの本に詳しいです。

成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則
参考記事:『成功するには ポジティブ思考を捨てなさい』のあまりの凄さに戸惑いを隠せない(2015年06月10日)
上記レビューは、「ホッテントリメーカー」を使った関係でサブタイトルがカットされていますが、正しいタイトルは『成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則』というもので、まさに「WOOPの法則」がテーマの1冊。
……って今、久しぶりにアマゾンのページを見たら、講談社さんの版権が切れたみたいで、中古が11000円もしますね(大汗)。
結構この本、最近出た作品で参考書籍に挙がっているので、ニーズが高まってるでしょうけど、どこかの版元さんに何とかしていただきたいな、と。
さらにこの章では、問題解決でおなじみの「OODAループ」まで紹介されており、ビジネス書のTIPSが活用されまくっていた次第です。
◆なお、上記ポイントの5番目の「正解を探すより『選択肢』を見つける」というのも、ビジネス書チックなTIPSかと。
答えをピンポイントで探す前に、まずは選択肢を増やすのが先、という指摘はごもっともです。
これは「セルフコーチング」がテーマである最終章から抜き出したものなのですが、この章では他にもマインドフルネスや、感情をコントロールする「5つの対処法」などが紹介されていました。
さらには「リバースエンジニアリング」等もサラッと紹介されており、本のタイトルからはイメージできないくらい、ビジネス書寄りの内容な本書。
関連記事では、巻末の参考文献や上記にあるように、本文内で挙げられた作品のレビューを列挙しましたが、当ブログの読者さんにも、なじみやすい1冊だと思います。
自分の可能性を引き出すために読むべし!

メンタルコーチが教える 潜在能力を100%発揮する方法
STEP0 「自分らしさ」こそ最強の武器である
STEP1 秘めた潜在能力を見つけ出す「セルフリサーチ」
STEP2 潜在能力の邪魔をする「思い込み」を解除しよう
STEP3 ここ一番で潜在能力を引っぱり出す「自分コンパス」の作り方
STEP4 自分らしく目標達成できる「ゴール設定」のコツ
STEP5 スランプに効く! 「セルフコーチング」で自分を整える
【関連記事】
【オススメ!】『マインドセット: 「やればできる!」の研究』キャロル・S. ドゥエック(2016年01月18日)【認知バイアス】『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80』池谷裕二(2016年01月26日)
『成功するには ポジティブ思考を捨てなさい』のあまりの凄さに戸惑いを隠せない(2015年06月10日)
【思考法】『OODAループ思考[入門] 日本人のための世界最速思考マニュアル』入江仁之(2019年10月24日)
【科学的自己啓発書?】『科学的に幸せになれる脳磨き』岩崎一郎(2020年10月23日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
LINE公式アカウントの達人が教える 超簡単!SNS仕事術 「1人で月商100万円」への超ショートカット法
装丁の色でお分かりのように(?)、LINEを活用されたい方にお勧めの1冊は、Kindle版が1000円以上お得。

眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話
意外と頭の良いことで知られるカラスの生態を描いた本書は、Kindle版が400円弱お得な計算です!
【編集後記2】
◆一昨日の「話題作てんこ盛り!準新刊フェア」の記事で人気の高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。
関口宏・保阪正康の もう一度! 近現代史 明治のニッポン

マンガでわかる 人を見抜く技術 20年間無敗、伝説の雀鬼の「人間観察力」

孤独の発明 または言語の政治学

日蓮主義とはなんだったのか 近代日本の思想水脈
少々マニアック(?)な作品が並びますが、ご参考まで!

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