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2021年06月01日

【コミュニケーション】『どんなストレス、クレーム、理不尽にも負けない 一流のメンタル 100の習慣』山本洋子


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どんなストレス、クレーム、理不尽にも負けない 一流のメンタル 100の習慣


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも、個人的に気になっていた1冊。

華やかなイメージとは裏腹な、過酷なCAの世界で会得したTIPSが100も収録された力作です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
飛行機という密室、クレーム、厳しい人間関係、昼夜逆転の時差……
CAは実は過酷な仕事を優雅にやり抜く「メンタルソルジャー」だった。
6000人のCAを育てた日本航空の元管理職教官が教える「心と体の整え方」。
礼節は最強の武器になる!

中古が値崩れしていませんから、「21%OFF」のKindle版がオススメです!





in flight 1 / Consumerist Dot Com


【ポイント】

■1.まずは「型」を整えることで「心」も成長する
 どんな業種であれ、「お客様を大切にする」という気持ちは必要です。お客様があってこそ、企業の存続が成り立ちます。そのため多くの企業は、顧客満足度を上げる方法を様々模索し、それを行動指針として徹底しています。 「お客様が見えなくなるまで見送る」ということも、心を型で表す1つの方法です。最初はやらされている感があっても、マニュアルで規定されているから仕方なくやっているのだとしても、それを徹底してやることです。心がある人は、自然と型にも表れているものですが、心がないと型にも表せません。型だけ整えても仕方がないのですが、心も型もないのであれば、まずは型だけでも徹底することです。
 型が整うだけでもビジネススキルは向上します。型が整ってくると、周囲から信頼され、それに伴い心も成長していくのです。


■2.最初と最後は目を合わせる
 アイコンタクトは、最初と最後が肝心なのです。
 みなさんは、レストランで食事をするとき、出された食事だけに目を配るのではなく、立ち去る前のスタッフと目を合わせ、「ありがとう」を言葉にしていますか?
 たったこれだけのことですが、アイコンタクトは、瞬時に人間関係を築き、好印象を与える魔法のような力があります。そして、「ファーストアイコンタクト」と「ラストアイコンタクト」をセットで行うだけで、相手はあなたのファンになります。
 ファンが増えれば増えるほど、ビジネスは急速に発展します。
 たかが「アイコンタクト」、されど「アイコンタクト」。恥ずかしがらずに、まずは身近な人と目を合わせてみてください。「ラストアイコンタクト」を意識して。信頼は、「ファーストアイコンタクト」と「ラストアイコンタクト」で、より早く築かれていきます。


■3.「手添え」の技術が、ステイタスを上げる
 これは、CAの世界でよく使われる言葉なのですが、例えば、お客様にお水をお出しするとします。お水の入ったコップをお客様のテーブルに置くのですが、コップを置いたあと、コップから手を離すとき、サッと引き払うように手を離すのではなく、少し余韻を残すように手を添えてから、ゆっくりと手を離す動作のことを「手添え」といいます。手を添えるのは、時間にして1〜2秒ほどでしょうか。
 これは、CAの接客上のテクニックにとどまりません。日常生活の中で、人に何か物を手渡すときや、物を置くときなど、意識して「手添え」を行うだけで、相手に与える印象が変わってきます。(中略)
「手添え」は単に手を添えるということだけではありません。手を添えることで、相手に心を残すという意味も含まれているのです。ほんの1〜2秒、手を添えることで、相手に丁寧に向き合っているという気持ちが伝わります。


■4.日常習慣に「ながら」を取り入れる
 通常歯磨きは、1日3回が普通かもしれませんが、私の場合、朝起きてすぐと3度の食事のあと、そして寝る前の最低でも1日5回歯を磨きます。ただ歯を磨いているだけでは、もったいない! だから、歯を磨きながらスクワットを取り入れます。1回3分歯磨きをすると仮定して、1日5回だと15分、それを毎日続けると、かなりの効果です。
 特別なことを特別にやるとなると、よほどの覚悟がないと続けられないものです。だから、日常生活の中で、普通に行っていることに、「ながら」や「ついで」を組み込むのです。それを毎日繰り返すと、習慣になり、自然と体が動くようになります。頭で考えなくてもできるレベルに達すると、あとは楽して効果が出るものです。


■5.思わぬ反応には「笑顔」「言葉がけ」「与える」で対応する
 円滑な人間関係を送るためには、相手から思わぬ反応が返ってきたときには、まずは、「笑顔」で対応することが大事です。笑顔には人の心を穏やかにする効用があります。相手が少々不快に思っていたとしても、笑顔を向けるだけで不快な気持ちが和らぐものです。
 そして、次に必要なことは、「言葉がけ」です。優しい気持ちがあったとしても、言葉がないと伝わりません。この場合も「何かお手伝いしましょうか?」の一言があったら、状況も変わっていたかもしれません。
 そして最後は、「与える」です。これは、相手が望むものを与えるという意味だけでなく、必要な情報やわかりやすい説明をするということも含まれます。つまり、相手に対しての「敬意」と「思いやり」を与えるのです。
 これは、長年接客業に携わってきた経験から身についた処世術です。


【感想】

◆タイトルからして、なかなか過酷な環境が伺えましたが、実際に読んでみたら、なるほど納得、となった作品でした。

ぶっちゃけCAの仕事って、傍から見るよりもずっとタフなんですよね。

よくCAや元CAの方が書いた本だと、マナー本が多い気がするのですが、マナー以前にクレーム対応やパワハラ寸前の上下関係や年上部下の嫌がらせ等々、人間関係で疲れそう。

実際、著者の山本さんも、入社直後の合宿では早朝から3キロのランニングがあったり、CA専門訓練では6階の教室に行くにもエレベーター禁止といった、まさに「軍隊並み」の体験を強いられたのだそうです。

そしてお客さんからも様々な理不尽なクレームが。

クレームとは違いますが、ちょうど昨日も、また「マスク拒否」の乗客がいたというニュースがありましたし。

飛行機の乗客男性がマスク着用を拒否「コロナ病み上がりだから苦しい」 - ライブドアニュース


◆さて第1章では、こうしたCAの「メンタルを鍛える」TIPSが登場します。

いきなり最初の方で、山本さんが新人時代に、厳しい先輩に叱られて泣いたら
「泣くんだったら、ラバトリー(機内トイレ) に行きなさい。CAは人前で泣くもんじゃないのよ」
とさらに追い打ちをかけられたお話が出てきて、読んでる方も涙目の巻。

確かに感情の切り替えは大事ですけど、TIPSとして挙げるのは、さすがに自重した次第です。

他にも「ネガティブストレスには『好きなことをとことんやる』」「大きなショックからは自分を思いやることで立ち直れる」といったハードなTIPSが続く中、第1章では上記ポイントの1番目を選んでみました。

基本的な「型」を整えることで、スキルが成長する、というのは、私たちビジネスパーソンにも大いに言えることだと思います。


◆続く第2章のテーマは、冒頭の内容紹介の最後でも言及されている「礼節」。

たとえば上記ポイントの2番目の「最初と最後は目を合わせる」というのは、アイコンタクトの「キモ」として押さえておきたいところです。

最近の若い人だと、目を合わせること自体苦手、という方も多いかもしれませんが、相手に与える印象が段違いだと思われ。

また、ポイントの3番目の「手添え」というのは、その言葉自体初めて目にしました。

なるほど言われてみたら、どこかのお店で、そういう余韻を残すような手の動きをされたこともあった記憶が。

これは逆に、パッと渡されて、手をサッと引っ込められたときと比較すると、実感できると思います。


◆一方第3章では、心身のコンディショニングがテーマ。

CAは身体が資本なだけに、食事や入浴、睡眠のお話が続きます。

また、運動について言うなら、上記ポイントの4番目の「ながら」習慣は、自己啓発書ではおなじみかと。

私も「ながら」とはちょっと違いますが、電子レンジで飲み物等を温めているときに、いつもその傍らでスクワットをしていますw

なお、外国のネイルサロンでは、男性でも爪を整えている、というお話で「なるほど」と思ったのが、あちらには「握手」の習慣があること。

さすがにコロナ禍の今は違うかもしれませんが、ビジネスで握手をする機会が多い方は、取り入れてもいいかもしれません。


◆また、第4章はクレーム対応がテーマですから、接客業、サービス業の方は要チェックです。

たとえば自分のとった言動に対して、思わぬ反応や反響があった場合には、上記ポイントの5番目のTIPSで対応すべし。

「思わぬ反応や反響」というのは、自分が良かれと思ってやったことに対して、ネガティブな反応があった場合等を指すのですが、この「3種の神器」でコミュニケーションが円滑になるのだそうです。

他にも割愛した中では、「クレーム対応は迷っている『1分』が命取り」「相手の言いがかりには、絶対に途中で口を挟まない」といった、実体験に基づくTIPSが続きますから、詳細は本書にてご確認ください。

なお、「すみません」「ごめんなさい」というフレーズはビジネスシーンではNGとのこと。

謝罪なら「申し訳ございません」が基本であり、たとえカジュアルな場合でも「失礼いたしました」になりますから、あしからず(自分にも言い聞かせているw)。


CA流のコミュニケーションスキルが身につく1冊!

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どんなストレス、クレーム、理不尽にも負けない 一流のメンタル 100の習慣
第1章 一流のメンタルをつくるための基本
第2章 「礼節」が自信とブレないメンタルをつくる
第3章 心と体、一流のコンディショニング法
第4章 理不尽・クレームが怖くなくなるコミュニケーション
第5章 折れないメンタルを持ったリーダーになる


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【お買い得?】『人生が変わる会話術』丘村奈央子(2016年08月28日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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自己啓発本でおなじみの金川顕教さんが、本職である会計をテーマに書かれた本書は、Kindle版が1000円ほどお得。

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