【モテ】『57歳で婚活したらすごかった』石神賢介:マインドマップ的読書感想文

2021年05月31日

【モテ】『57歳で婚活したらすごかった』石神賢介

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、前回ではなく、5月初旬の未読本記事で、意外に人気の高かった婚活本。

テーマがテーマだけに、こっそり「編集後記」で小さく取り扱ったのですが、目ざとい方に見つかってしまっていたようです。

アマゾンの内容紹介から。

やっぱり結婚したい。57歳で強くそう思った著者は、婚活アプリ、結婚相談所、婚活パーティを駆使した怒涛の婚活ライフに突入する。その目の前に現れたのは個性豊かな女性たちだった。「クソ老人」と罵倒してくる女性、セクシーな写真を次々送りつける女性、衝撃的な量の食事を奢らせる女性等々。リアルかつコミカルに中高年の婚活を徹底レポートする。切実な人のための超実用的「婚活次の一歩」攻略マニュアル付!

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Erin and Peter's Bachelor(ette) Party / Matthew Juzenas

【ポイント】

■1.モノクロ写真は加工されている前提で

　よく見ると、写真の多くは加工されていた。婚活アプリと同じ傾向が見られた。目鼻立ちがくっきり写るように陰影のあるメイクをしたり、しわが目立たないようにソフトフォーカスで撮影されていたり。おそらく画像上でも、頰をシャープにしたり、肌荒れをフラットにしたり、レタッチが施されているのだろう。
　ほうれい線を消したのだろうか。妙にのっぺりした顔の女性が多い。背景は服装同様白や淡いピンクが主流だ。観葉植物が置かれている写真が多かった。(中略)
「そうですか……。ならば、写真をつくり込んでいるか、見破る方法はありますか？」
「それはご自身のスキルを磨いていただくしかないかと」
「スキルを磨く……」
「はい。あっ、1つポイントを申し上げましょう。モノクロ写真は加工されている前提で見てください」
　コジマさんはきっぱりと言った。

■2.結婚相談所でも同時進行は当たり前

「ひょっとして、ほかの男性と同時に会っていますか？」
　一応聞いた。そのときは同時進行の男性会員はいないと思っていた。かなりの頻度で僕と会っていたからだ。しかし、思いもよらぬ答えが返ってきた。
「はい。今、5人の男性とお会いしています」
「えー！」
　驚愕した。ほかにも同時に会っていたとは。しかも5人も。その日まで、そんなそぶりはまったくなかった。あっぱれだ。アイコさんが仮交際している相手にはさほど頻繁に会っていない男もいるかもしれない。しかし、それにしても5人は多い。(中略)
　その2日後、結婚相談所を通して、アイコさんから僕との交際を終了する連絡がきた。
「3か月続いて、私は成婚退会になると思っていました。ほんとうに残念でした」
　コジマさんが、さして残念でもなさそうに電話で伝えてきた。

■3.結婚相談所の女性は専業主婦願望が強い

「頑張って生きている女性が好きです。あとは、洗練されたフレンチでも、街角のラーメン屋でも、おいしそうに食べる人でしょうか」
　すると、ヤマムラさんは困った表情で言った。
「それは難しいリクエストですね」
　そんな特別な条件とは思えないが──。
「難しいですか？」
「はい。私どもの結婚相談所では結婚しても頑張って働きたい女性は少数派です」
「え──────！」
「私どもの相談所に登録している女性の多くは、経済力のある男性を見つけて、無理をせずに人生を歩いていきたいと考えています。積極的で人生を自分の力で切り拓いていくタイプの女性は、すでにふさわしいパートナーを見つけています」

■4.自分に向いた婚活を選ぶ

　婚活アプリと結婚相談所は、プロフィールからスタートする。容姿のいい、いわゆるイケメンで、年収2000万円以上で、年齢が20代から30代前半あたりならば、プロフィールの時点で有利な立場で女性にアプローチできるだろう。
　しかし僕の場合、その第一歩のプロフィールにハンディが明記されている。その時点で女性にはじかれる可能性が高く、リングに上がることなく、敗北する。
　一方、婚活パーティーは最初から対面だ。リング上から始まる。男女ともプロフィールにある記述よりも、自分の目で見て会話した第一印象で相手を判断するだろう。57歳という年齢も、ある程度カバーできる。静止した写真ではジジイでも、声を発し、表情が変化し、身振り手振りがあると、実年齢よりもいきいきとして見える。

■5.パーティには自分に適した"街"がある

　実は、青山や恵比寿のパーティーを選んだことには理由があった。40代で参加していたときにも感じたことだが、パーティー参加者には街によって明確な傾向がある。
　ビジネス街の会場だと、男女とも企業に勤めている参加者が多い。東京ならば、丸の内周辺の八重洲や銀座や新橋の会場には会社員が集まりがちだ。安定した仕事に就いている人は、自分と同じように収入の安定した仕事に就いている人を求める。価値観が近いからだ。こうした会場で、フリーランスの記者という職種はハンディが大きい。
　一方、青山や恵比寿には専門職が多くいる。美容系、ファッション系、メディアなどだ。フリーランスの記者でも偏見を持たれない。オープンに接してもらえる。

【感想】

◆相変わらずの「石神節」は健在でした。

実は本書の前作に当たるこの本も、以前当ブログではご紹介しておりまして。

婚活したらすごかった (新潮新書)

参考記事：【これは使える!?】『婚活したらすごかった』石神賢介（2011年08月18日）

著者の石神さんは、10年前と相変わらずやっていることは、ほぼほぼ変わりません。

ただ、冒頭の「クソ老人」はかなり極端な例ですが、10年経ってさらに加齢した分、婚活は苦戦することになります。

一方、前作でもキャラが立ちまくった女性が多数登場したのと同様、「10年後の石神さん」の出会った女性もユニークな人ばかり!?

デートにやたらと高いレストランを指定してくる外資勤務の女性、スタイル抜群で超美形だけど美容整形しまくりのエスティシャン、夜ごとセミヌード画像を送ってくる外資系企業受付嬢、谷間を強調しまくる華道の先生等々……。

さらに某結婚相談所では、とうとう仕事の知り合いの女性と2人も遭遇してしまい、婚活における苦戦ぶりを愚痴られたりしています。

……なんというか、お疲れ様としか言いようがありませぬ（涙目）。

◆そしてこれも前作同様なのですが、婚活する上での有益な情報も、本書は多々。

たとえば上記ポイントの1番目の「モノクロ写真」の話は、私は初めて知りました。

ここに名前の出てくるコジマさんは、結婚相談所のカウンセラーなのですが、彼曰く「写真と実物のギャップ」については「7掛けくらいまではご容赦いただきたい」とのこと。

もっとも「49歳」でありながら「実際に会うと10～20歳は若く見られる」とPR欄にあった人が、いざ石神さんがお見合いしたところ「写真とは別人の白髪まじり」で「実年齢を知らなければ自分より年上と思った」女性だったりしますから、油断はできません。

また、上記ポイントの2番目にあるように、結婚相談所では3か月の「仮交際期間」中でも「同時進行」は認められており、石神さんが3カ月で20回以上会った女性も、実は裏では他に5人もの男性と会っていました。

ちなみにこのフラれた女性には、石神さんがこの結婚相談所を退会してから半年後に再会することになるのですが、その顛末については本書にてご確認ください。

◆さて、本書ではおもに「結婚相談所」「婚活アプリ」「婚活パーティ」の3つのパターンが登場するのですが、その傾向や対策はまちまちです。

たとえば上記ポイントの3番目にあるように、「結婚相談所の女性は専業主婦願望が強い」というのは個人的には「目からウロコ」でした。

また、上記ポイントの4番目のおおまかな使い分けや、5番目の「街ごとのパーティの特徴」のお話は、婚活歴が長い石神さんの見解だけに、説得力アリ。

もちろん、それを踏まえた上でなら、ひととおり試してみるべきだとは思いますが。

なお、本書ではまるでネタ狙いかのように、石神さんがさまざまなイベント系婚活に挑戦しており、「婚活バスツアー」「婚活ハイキング」「婚活料理教室」さらには座禅や写経を行う「神社婚活」等が登場します。

それぞれ特徴や長所・短所があるので、こちらもぜひご確認ください。

◆ちなみに本書の第5章では、ここ1年のコロナ禍における婚活状況にも触れられており、こちらも勉強になりました。

セミナー同様、婚活パーティもZoomを使ってオンライン化しているとは知らなんだ!?

ところが皆が皆、オンライン環境に慣れているわけではありませんから、自分の姿が参加者全員に映っていることに気づかず、ブチ切れてパソコンに罵声を浴びせ続ける女性もいたのだそうです。

また、石神さんもオンラインパーティで出会ってから、リアルでデートして、お互い記憶にない相手だったこともあったとのことで、これもオンラインならではかと。

なお、巻末に収録された「超実用的『婚活次の一歩』攻略マニュアル」は、婚活される方には非常に有益ですから、ここを読むだけでも本書をお求めになる価値はあると思います。

ホントはそこだけまとめて、記事が書けるくらいのクオリティなのですが、さすがにそれは自重した次第ｗ

2021年版の「婚活のリアル」がここに！

57歳で婚活したらすごかった (新潮新書)

序章 57歳で一人、がつくづく嫌になる
第1章 41歳女性に「クソ老人! 」とののしられる
第2章予期せず本気の恋をして打ちひしがれる
第3章婚活相手の愛犬に尻をなめられる
第4章イベント系婚活は人柄がわかる
第5章コロナで追いつめられる婚活者たち
終章誰かと生きるのではなく、誰かのために生きる
付録超実用的「婚活次の一歩」攻略マニュアル