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2021年05月30日

【生産性】『超速』ウィル・デクレール,バオ・ディン,ジェローム・デュモン


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超速


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも一番人気だった時短術本。

一足先に、土井英司さんがメルマガで紹介されていたので、既にお読みになった方もいらっしゃると思います。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
最速で、最高の成果をーー。
3人の生産性オタクが、世界中のビッグ起業家・CEOに、実際にやっている時間テクを尋ねに尋ねた、圧倒的に使えるスーパータイムハック本!

中古価格が定価のほぼ倍値ですから、「10%OFF」のKindle版がオススメです!





Time / edmondson photo


【ポイント】

■1.ToDoリストは「何を、どうする」のか書く
 書き留めるときの書式は、「必要な情報+行動を示す動詞」がお勧めだ。たとえば、「Aさんからグラフィックレイアウトを(情報)受け取る(動詞)」「絵文字ゲームの技術仕様を(情報)作成する(動詞)」「生産性に関する本のタイトル10案を(情報)書き出す(動詞)」といった具合だ。
 また、結果を主体にした表現をしてもいいだろう。たとえば「壊れた窓を修繕する」ではなく「窓が修繕された」と書くのだ。結果に焦点を当てると、やる気につながる。窓を修繕するという行為よりも、窓が修繕された状態のほうが、イメージとして嬉しいからだ。
 どちらの方法もお勧めだ。大切なのは、自分に適したやり方を見つけたら、使い続けることだ。


■2.タスクは先にパッシブなものに取りかかる
「パッシブ(消極的)なタスク」とは、やる必要がないタスクではなく、1つのアクションを実行するだけで流れ続けるタスクのこと。
 たとえば以下のようなものだ。
・人に任せることに関連したタスク。プレゼンテーションに関する同僚への説明や、プレゼンテーションに必要な資料の配布など。
・「最初のステップ」のタスク。管理サービスに承認を要求する、大きなファイルをダウンロードする、オーブンのスイッチをオンにするなど。
 アクティブ(積極的)なタスクかパッシブなタスクのどちらを選ぶかという局面では、先にパッシブなタスクに取りかかろう。いったん動きはじめれば、パッシブなタスクの進行中にアクティブなタスクを並列処理できるからだ。


■3.やるべきことに100%集中する
 交互に作業を行うと、遅くなるだけでなく、知的能力も低下する。
 心理学者のグレン・ウィルソン教授は、問題を解いている最中に中断すると、IQを10失うのと同等のリスクがあるという研究結果を導き出した。1通のメールを受信するような一見無害なものでも、中断になる可能性があることを覚えておこう。
 最も生産的な人は、与えられた時間にやるべきことに100%集中している人である。
 会議では、関連するテーマを推し進め、問題を解決し、前向きな一歩を踏み出すことに全力を尽くす。研修では、可能な限りすべての情報を吸収することに集中する。働いているときは、手元の仕事に全力を注ぎ、5分おきにメールやフェイスブックの投稿をチェックしない。


■4.「加速」の4つの手順
(1)基礎固め(Fundamentals)
これから行う作業の時間を節約するのに役立つ、強固な基盤を作る。この場合は、深く長い呼吸をして、作業をするテーブルをきれいにし、包丁を研ぐ。
(2)自動化(Automation)
くり返すアクションを自動化する。ディナーパーティーの準備なら、隣人にブレンダーと電動ミキサーを借りてもいいだろう。
(3)高速(Speed)
手動の作業を高速化する。できるだけ速く野菜の皮をむいてみじん切りにするために、ピーラーなどの効率のよい道具をそろえ、包丁さばきを訓練しておこう。
(4)20/80 ルール(Twenty/Eighty Rule)
100%は目指さない。 80%のインパクトを与えるために、 20%の労力を使う。


■5.メールの冒頭にまとめを書く
 メールの冒頭で、メッセージの相手に何を期待するかを正確に説明する。理想的には1つの正確な質問文で。
 長すぎたり文字が多すぎたりする文章を要約する便利な方法が「TL;DRテクニック」だ。メールの冒頭に、内容をごく簡潔にまとめるのだ。
 同僚に勉強会を提案したい場合は、「スピーチのトレーニング、来週の水曜日、興味があれば教えてください」とメール冒頭に書いてから、下に具体的な詳細を説明しよう(「TL;DR」は「Too Long ; Didn't Read(長すぎて読まなかった)」の略で、「Reddit」(レディット)などのサイトで長い文章に簡潔な要約をつけるときに使われる)。


【感想】

◆現時点における「時短術」のTIPSをまとめまくった作品でした。

本書の著者である3人は、いずれも起業家であり、生産性にこだわって情報を集めていた結果、それらが1冊の本にできると気が付きます。

彼らはさらに、起業家の友人や知り合いに片っ端からメールを送り、このような質問をしたのだとか。
「日常生活の中で、最も時間の節約になっていることを、1つ教えてください」
最終的に200通を超える返事をもらい、かつ、ほとんどの起業家に会って、直接教えを請えたのだそうです。

こうしてまとめられたTIPSはフランスで出版され成功し、新たに世界100人以上の寄稿を追加されてできたのが、この「国際版」とのこと。

巻末の「謝辞」には、この合計300人以上の起業家の名前が列挙されており、なかなか圧巻でした。


◆さて、本書のテーマは次の3つ。
・整理:作業を適切に行うために、上手に時間を割り当てる
・集中:作業に必要なだけの意識を向ける
・加速:作業をできる限り 迅速 かつ効率的にやり遂げる
そしてこの3つが下記目次のとおり、各章ごとにまとめられています。

さっそく第1章から見ていくと、いわゆる時間術系のTIPSが既知のものをふくめて、大量に収録されている次第。

何かあったら作業を中断せずに「ToDoリストに書く」辺りはおなじみだと思います。

とはいえ、上記ポイントの1番目のような「ToDoリストの書き方」、特に後半の「結果に焦点を当てる」書き方は、個人的には初見だったので選んでみました。


◆同じく上記ポイントの2番目も、この第1章からのもの。

タスクの「パッシブ/アクティブ」という考え方は初めてとはいえ、要は段取りを考えて作業せよ、ということかと。

本書ではカルボナーラを作る例で解説されているのですが、確かに「パスタをゆでる」作業自体は最後の方に行うにせよ、「お湯を沸かす」ことを先に始めておかないと、無駄な待ち時間が生じてしまいますよね。

そんなの当たり前……と思っている人の多くが、「タスクが飛び込んできた瞬間に、次々に取りかかろうとしてしまう」という指摘はなるほど確かに。

この章ではほかにも、「ポモドーロテクニック」や、この本でおなじみの「2分ルール」(2分以内にできるタスクは、即実行する)も紹介されていましたので、ご存知のない方は本書にてご確認ください。

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全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術


◆続く第2章のテーマは「集中」ということで、こちらは「集中術」でおなじみのTIPSがチラホラ。

ただ、上記ポイントの3番目にあるように、「中断すると、IQを10失うのと同等のリスクがある」という話は知りませんでした。

そこで中断を避けるべく、この第2章ではさまざまなツールやサービスが登場します。

・特定のウェブサイトやアプリへのアクセスを決まった時間ブロックするように設定する「Freedom」。

あらゆるデバイスから邪魔者をシャットアウトするアプリ『Freedom』 | ライフハッカー[日本版]

・Gmailの受信トレイをデフォルトで隠してくれる拡張機能「Inbox When Ready」。

Gmailの受信トレイを隠す拡張機能『Inbox When Ready』で生産性が高まる | ライフハッカー[日本版]

辺りは特に効果がありそうなので、興味のある方は、ぜひご検討を。


◆そして最後の第3章のテーマは「加速」ということで、上記ポイントの4番目ではその手順がまとめられています。

「F」のFundamentalsの中で、つい最近私も、下記のツイートを見て取り入れていたのが、「マウスのマウスのポインターの速度を上げる」ことでした。

また「A」のAutomationとしては、この自動化ツール「Zapier」なるものが強力そうなのですけど、果たして……。

Zapierで複数ウェブサービスをまたいだ自動化が可能に | Lifehacking.jp

また、上記ポイントの5番目のメールの書き方は、「S」のSpeedからのもの。

他にもテンプレートでの返信や、文章登録は私も取り入れていましたが、こちらのChromeの拡張機能は知りませんでした。

Google Chrome™用の無料の自動テキストエキスパンダー - Chrome ウェブストア

なお、こうしたツール等は巻末にリスト化されており、そちらでも確認いただけますのでご安心を。


生産性を向上させたい方なら、一読の価値アリ!

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超速
プロローグ ――世界中のメガ成功者に「時間術」を聞きまくった。
第1章 整理――「超・生産的な人」の頭の中
第2章 集中――シャットアウトで「完全集中」する
第3章 加速――「FAST」でブーストする
結 論 「労働時間」を変えてしまおう
リソース
巻末付録


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【時短】『時短術大全』生産性改善会議(2017年09月08日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B0752B2V39
はじめてのホツマツタヱ 天の巻

「ホツマツタヱ」という言葉自体を知らなくて、ググってみたところ、なるほど確かに「謎の古代書」のよう。

中古に送料を足すと定価を超えますから、Kindle版が1600円以上お得な計算です!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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