【健康】『不老長寿メソッド死ぬまで若いは武器になる』鈴木祐:マインドマップ的読書感想文

2021年05月05日

【健康】『不老長寿メソッド死ぬまで若いは武器になる』鈴木祐

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「GWキャンペーン」からの健康本。

エビデンスベースの著作でおなじみの鈴木祐さんが、「アンチエイジング」のTIPSを指南してくださっています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。

肌、髪、体、心が細胞レベルでアップデート!
世界最先端の科学が証明
「ここ最近、頭が鈍ってきた」「気力が落ちてきた」「肌が…髪の毛が…体型が…」などなど。「いつまでも若々しくあり続けたい」。本書は、人類史上最大と言ってもいい難題である「不老」に挑む1冊です。

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【ポイント】

■1.HIIPA（High Intensity Incidental Physical Activity：高負荷偶発的身体活動）

　次のようにありふれた活動を少しきつめに行うのが「HIIPA」の基本です。
・坂道を駆け上がってランチの店に向かう
・通勤時に駅までダッシュする
・階段を2段飛ばしでのぼってみる
・普段は10分かけている雑巾がけを5分でやる
・いつもの散歩を倍のスピードで行う
　一見すると運動とは呼べなさそうな印象もありますが、最新の研究では、日常的な活動の負荷を少し上げるだけでも、クオリティが高いエクササイズを行ったと考えて良いことがわかってきました。(中略)
　つまり、毎日ジムのマシンで30分のランニングをする人と、「コンビニまで3分走る」「駅の階段を30秒駆け上がる」といった細かい活動を30分積み重ねた人を比べても、得られる健康効果はほとんど同じ。どんなに短時間の行動でも「1日の運動時間」としてカウントしていいのです。

■2.90分ファスティング

(1)いつも朝食を食べる時間よりも90分だけ遅い時間にずらす
(2)いつも夕食を食べる時間よりも90分だけ早い時間にずらす
　いつもの朝食が7時なら8時半に変え、いつもの夕食が20時なら18時半に早めればOK。一般的なファスティングのイメージからは遠いものの、これでも十分な効果が見込めます。
　研究例としてはサリー大学の実験が有名で、研究チームは、健康な参加者に「90分ファスティング」を指示し、食事や運動の指導はなにもせずに10週間の経過を調べました［43］。すると、「90分ファスティング」を行ったグループの約6割が「いつもより食事量が減った」と答え、いつもの時間に食事をしたグループと比べて2倍も体脂肪が減ったのです。

■3.「生で食べられる」「緑が濃い」野菜

　カロリーの質が高い野菜を選ぶ際は、ざっくり2つの基準で判断してください。
(1)生でも食べられるかどうか？
(2)緑色が濃いかどうか？
　キャベツ、レタス、ケールなど、そのまま口にできる野菜はカロリーの質が高く、ジャガイモ、コーン、ゴボウ、サツマイモ、カボチャ、穀類、豆類のように生で食べづらい野菜は1食分あたりのビタミンやミネラルが少ない傾向があります。例外もありますが、基本的には「生で食べられる野菜はカロリーの質が高い」と覚えておくのが便利でしょう。
　同様に、ほうれん草、ブロッコリー、モロヘイヤ、ケール、明日葉などの緑色が濃い野菜もカロリーの質が高い傾向があります。この基準に照らせば、ほうれん草とレタスを比べた場合は、前者のほうが優良な食材だと判断できるでしょう。合わせて野菜選びの参考にしてください。

■4.重いブランケット

　アンバーグラスと並んで、ここ数年で新たな快眠ガジェットと呼ばれ出したのが、「重いブランケット」です。名前のとおり通常より重量を増やした毛布のことで、体重が45～70㎏の人は7㎏前後のブランケットを使うように推奨されます。通常は2㎏を超えるブランケットなどなく、かなりの重さです。
　そんな毛布を使ったら悪夢を見そうな気もしますが、「重いブランケットで睡眠の質が上がる」というデータが急増しています。具体的な効果としては、起床時のぐっすり感や睡眠時無呼吸の改善、睡眠時における不安感の低下、入眠時間の短縮と夜間覚醒の減少などが報告されており、快眠ガジェットとして試す価値は十分にありそうです。
　重い毛布で睡眠の質が高まる理由はシンプルで、「包み込まれる感覚の増加」によって安心感が増すからです。

■5.保湿の基本は「ワセリン」

　お風呂から出て5分以内に少量のワセリン（大豆1個分ぐらいの量）を顔全体に塗れば、多くの人は問題ありません。
　考えてみれば当然の話で、そもそも保湿剤によって肌の状態が改善するのは、表面から浸透させた水分を油脂が閉じ込め、皮膚が乾くスピードが遅くなるからです。ほとんどのスキンケア商品が持つメリットは大半が保湿剤のおかげとも言えます。
　要するに、肌をゆっくり乾かす能力があれば保湿に使う成分はなんでも問題なし。ミツロウやシアバターなど好きなものを選んでOKですが、ワセリンは安価でアレルギー反応が起きにくく、香料や保存料をふくまないのが魅力です。香料や保存料が悪いとは言わないものの、人によっては肌に合わないケースもあるため、ワセリンを使ったほうがいらぬトラブルに悩まずにすみます。

【感想】

◆相変わらずの「鈴木節」（？）が満喫できる作品でした。

具体的に言うなら、膨大なエビデンスの数々！

冒頭のまえがきで

　執筆にあたっては、 1970年代から現在までに発表された抗老化の文献から、GRADEシステムなどにもとづいて質が高いものを抽出し、およそ3000超のデータを参考にしました。

というだけあって、1つの文章に2つ3つ引用の番号が付いていることなどザラ（読みにくいので、上記ポイントでは割愛しましたが）。

章ごとに引用文の番号がリセットされるので、そこまで多いと気が付かなかったのですが、巻末の参照文献を全部足したら、213もありました。

……全部英語の文献なので、いちいちチェックはしていないのですが（スイマセン）。

また、本書に収録されたTIPSの数々は、「UCLAやハーバードといった機関の専門家に意見を求め、科学的な妥当性と効果のバランスが良いテクニックを選び抜いた」そうですから、まさに現時点における最良「アンチエイジングの指南書」と言えると思います。

◆さて、本書の中身を見ていくと、「運動」「栄養素」「メンタル」「睡眠」「美肌」といった項目に分かれている次第。

たとえば上記ポイントの1番目はCHAPTER2の「運動」からになります。

ここで挙げた「HIIPA」以外にも、「NEAT（Non-Exercise Activity Thermogenesis：非運動性熱産生）」や、「ウォーキング」「SIT（Sprint Interval Training）」といったエクササイズが登場。

なお、これらはレベル順に紹介されており、この「HIIPA」は、「NEAT」の次になります。

さらに「運動」のオプションとして「サウナ」が紹介されているのですが、「サウナは温熱によって心拍数を120bpm前後まで上げ、エクササイズの効果を擬似再現してくれる」のだそう。

◆続くCHAPTER3の「毒とファスティング」からは、上記ポイントの2番目の「90分ファスティング」を選んでみました。

なお、章題にある「毒」というのは、身体にある程度の負担をかけるポリフェノールや抗酸化成分のことなので、ご安心ください（詳細は本書を）。

本格的なファスティングは抵抗ありますが、この「90分ファスティング」なら、私でも挑戦できそうな？

もちろん、レベルが上がるにつれて、もっと本格的なファスティングメソッドも登場しますから、自信のある方はぜひお試しください。

また、1つ飛んだCHAPTER5の「栄養素」からは、上記ポイントの3番目の野菜の選び方を抜き出してみました。

よくコンビニメニューで「1日の1/2分の野菜」といった表現を目にしますが、あれは単純に重さで言ってるだけでしょうから、このような視点からも選んでみてください。

◆一方、CHAPTER6の「睡眠」からは、おなじみのTIPSが散見される中、上記ポイント番目の「重いブランケット」というのは、初めて知りました。

そのロジックは上記でも述べられているように「包み込まれる感覚の増加」なので、「不安やストレスに弱い人ほど、重い毛布でメリットを得やすいでしょう」とのこと。

ちなみにポイントの初っ端で触れられている「アンバーグラス」とは、こういうオレンジのサングラスのことで、ブルーライトをブロックしてくれるのだそうです。

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それよりも、指摘されて「目からウロコ」だったのが、「部屋の換気」で「寝室の換気が睡眠の質を大きく左右するのは有名な事実」なのだとか。

デンマーク工科大学のテストでは、換気をしない部屋で１週間を過ごした被験者は、一様に翌日の気分が下がり、日中の眠気が増大しました。一方で、換気した部屋で過ごした被験者は集中力が上がり、論理的な思考力を問うテストの成績まで上がったそうです。

……ここを読んで、昨夜私が寝室の窓を開けたのは言うまでもありません。

◆そして上記ポイントの5番目の「ワセリン」は、CHAPTER7の「美肌」から抜き出したもの。

我が家でも冬場に唇に塗ることはありましたが、まさか顔全体に塗るとは考えてもみませんでした。

なお、鈴木さんが現時点でオススメするワセリンは、「プロペトピュアベール」と「サンホワイトP－1」の2つとのこと。

どちらもネットや薬局で簡単に購入でき、不純物を限界まで取り除いた優良プロダクトです。保湿剤選びに迷ったら、まずどちらかを試してみてください。

なるほど、アマゾンにもありました！

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そして最後のCHAPTER9「ロードマップ」では、本書内のTIPSを駆使した、レベル別のロードマップが紹介されていますから、こちらもぜひ参考にして「アンチエイジング」に取り組んでいただけけたら、と。

科学的なエビデンスに基づいたメソッドをお試しアレ！

不老長寿メソッド死ぬまで若いは武器になる

PART1 理論編正しく知る
CHAPTER1 苦痛⇆回復

PART2 実践編正しく苦しむ
CHAPTER2 運動
CHAPTER3 毒とファスティング
CHAPTER4 メンタル

PART3 実践編正しく癒える
CHAPTER5 栄養素
CHAPTER6 睡眠
CHAPTER7 美肌
CHAPTER8 脱洗脳

PART4 ロードマップ編正しく行う
CHAPTER9 ロードマップ