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2021年02月10日

【働き方】『週休3日でも年収を3倍にした仕事術』越川慎司


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週休3日でも年収を3倍にした仕事術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった仕事術本。

最近よくお名前を目にする越川慎司さんが、ご自身や経営する会社の生産性の高さの秘密を明かしてくださっています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「週休3日、週30時間労働」でマイクロソフト時代より年収が3倍になった──。
私がそう言うと、「なぜそんなことが可能なのですか?」とたいてい聞かれます。
その大きな原動力となっているのが「DX仕事術(個人版DX)」です。
本書では、私が日々実践しているDX仕事術を、具体的なITツールやサービスを挙げて紹介していきます。
この4年間で200以上のITツールやサービスを実際に試してきましたので、誰よりも精通しているという自負があります。

若干中古が値下がりしましたから、お得なKindle版がオススメです!






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【ポイント】

■1.最も効果があるのは「やめることを決める」こと
 これまで700社以上のクライアント企業の働き方改革に関わってきて、最も効果があった施策は何か?
 それはAIを導入することでもテレワークを導入することでもなく、「やめることを決めること」でした。(中略)
 多くの企業が既存のタスクを効率化しようと、ITツールやコンサルティングを導入します。それも間違いではありません。ITやコンサルにすがりたい気持ちもよくわかります。
 しかし、10時間かかっていたタスクを7時間に圧縮するよりも、成果につながらない10時間のタスクをやめるほうが効果が出ます。この無駄な業務、そしてそれに費やす時間を見つけ出すためにITツールを使ってください。業務改善では、成果と稼働時間の見える化をしてから、どの業務をやめるかを決めてください。


■2.ブレスト以外の社内会議を見直す
「無駄の棚卸し」と言われても、どこから始めればいいのかわからないという人も多いでしょう。そんなときは、まず「会議とメールを見直す」ことをお勧めします。クライアント企業総計16万人の調査で、社内会議とメールの処理に稼働時間の54%が奪われていることがわかったからです。
 社内会議には目的別に3種類あります。「情報共有」「意思決定」「アイデア出し」です。391社の調査で71%の企業が「情報共有」の会議が最も多いことがわかりました。
 ただ、この「情報共有会議」は注意が必要です。アジェンダ(討議項目) が事前に共有されずに、ただ集まることが目的の会議が多数見受けられました。
 また、オンラインでの情報共有会議では、約4割が他の仕事をしていて聴いていないことがわかりました。情報を共有するのが目的であればビジネスチャットで十分です。アジェンダがない会議であれば参加するのは無駄です。


■3.時差を有効に使う
 例えば、日本がいま夕方だとして、明日の午前中までに資料を用意する必要があるとします。このとき、パリにいるメンバーに資料作成を頼めば、私が朝起きたときには資料が完成しています。日本が夕方であれば、パリは朝の時間帯。時差を利用すれば作業を効率的に分担することができるわけです。
 あるいは、今週はもう30時間働いてしまったけど、週明けまでにレポートを作らないといけない、というときもあります。そんなときには、クラウドでつながっている「海外メンバー」に残った仕事を仕上げてもらうように依頼をします。
 日本では夜や週末であっても、シアトルやパリはまだ昼間や金曜日。基本的に、資料やデータはクラウドサービスを通じてメンバー同士で共有しています。ですから、細かい指示をすることもなく、きっちりとサポートしてくれます。これが、週30時間労働を可能にする「時差を有効に使った働き方」です。


■4.音声で文字入力を行う
 私はiPhoneを使い始めて4年以上経ちますが、100文字を指先でフリック入力する場合は1分程度かかります。
 これに対して、100文字を読み上げて音声入力すると39秒で済みました。長い文章を音声入力で作成する場合、変換精度などの関係で修正作業が必要な場合もありますが、ふと思いついたことをメモに残しておきたいときは音声入力を使うと便利です。
 もちろん、PCでも音声入力が簡単にできます。クラウドサービスの「Microsoft365(Office365)」に含まれているWordには音声入力(ディクテーション) 機能があり、ようやく日本語がプレビュー版として使えるようになったので、今回の執筆でも活用しました。
 講演や講座の文字起こしではカバーできませんでしたが、文章を追加する際にはWordの音声入力を使いました。


■5.成果につながるパワポの6つのルール
 全国の826名の企業の意思決定者の方々を対象に、「あなたの意思決定および行動に影響を与えたPowerPoint資料はどういうものですか?」という調査をしたのです。秘密保持契約のもとに5万枚のPowerPoint資料を集めました。そのデータをAIに分析させた結果、人を動かすことができた資料の共通点として、以下の6つのルールが浮かび上がったのです。
(1)1スライド105文字以内、配色は3色以内、メイリオ24pt以上
(2)対角線と白で視線を誘導する
(3)矢印は5つ以内、アイコンは4つ以内
(4)挿入するグラフはインサイト(洞察)を添える、配色は3色以内
(5)相手のメリットを変化と数字で表現する
(6)5枚に1枚は画像か動画を挿入する
(詳細は本書を)


【感想】

◆さすが著者の越川さんの本業が「働き方改革コンサルタント」だけあって、これからの働き方のヒントになるお話が満載の作品でした。

まず第1章は、今広まりつつある「テレワーク」、さらにはあまり聞いたことのない「週休3日」を越川さんの会社(クロスリバー)がいかに導入できたか、について。

驚いたのが、Excelの作業も禁止されたことで、その理由が「売上に直結しにくい」からとのこと。
 このことから、クロスリバーではExcelの作業は基本的に禁止としています。代わりにAIによる解析、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション) による自動収集と解析、BI(ビジネス・インテリジェンス) ツールによる取りまとめを行っています。
そ、そう言われても、私たちにはなかなか真似できず……。

そこで私でもできそうだったのが、上記ポイントの1番目の「やめることを決める」。

ある意味王道ではありますが、これだけ多くの会社を見てきた越川さんが言われると説得力がありますね。


◆続く第2章では、旧前の働き方を「どのように変えたか」を紹介しています。

まずクロスリバーでは、全員が「業務委託」契約なのだそう。

また、基本的に「完全リモートワーク」で、顧客との打ち合わせも貸会議室をネットで予約して行います。

他にもアウトソーシングも徹底しており、経理・税務・法務は専門家に任せ、見積書・請求書発行や資料作成等は、こちらのオンラインアシスタントサービスを使われているのだとか。

CASTER BIZ - 優秀なオンラインアシスタント

さらには、上記ポイントの2番目にあるように、ブレスト以外の社内会議も廃止。

確かに、単に「情報共有」だけが目的ならば、ビジネスチャットでも用は足りますね(導入してなければメールで)。


◆一方第3章のテーマは「ギグ・ワーカーのバーチャル組織」なるもの。

クロスリバーはテレワークと言っても、単に「会社まで通勤しないで自宅で働く」レベルではなく、海外(パリ・シアトル・ニューヨーク等)にも「アグリゲーター」と呼ばれる社員がいます。

その利点を活かしたのが、上記ポイントの3番目の「時差の利用」。

もっとも普通の会社の海外拠点と言ったら、独自の職務内容があり、日本国内の資料作成を担当してくれることはないでしょうが、こういう本来「短所」であること(「時間が合わない」という)を、「長所」に変える視点は見習いたいところです。

また、この章には、越川さんたちが匿名で実施したアンケート調査では、「在宅勤務でサボる人の94%はオフィスで勤務をしてもサボっていた」そうで、「サボる原因は働く場所ではない」と断言。

この件の詳細は、章の最後のコラム欄にて深掘りされていますので、テレワークをお考えの方は、ぜひご覧ください。


◆また、第4章では越川さんが「4年間で200以上のクラウドサービスを試した」という越川さんが、オススメのサービスを一挙に紹介。

こうした諸サービスに関しては類書でも紹介されることもありましたが、さすがにこれだけの数を試された方も少ないのではないでしょうか?

そしてその対象も、「テレワークの障害となる3大要因(電話・FAX・印鑑)」から、本の執筆まで多種多様。

上記ポイントの4番目の「音声入力」は、実践されている方もいらっしゃるかもしれませんが、越川さんは本書の執筆にも活用されたのだそうです。

なお、一部日本国内での販売はまだ先である、「ファブレット」の使用比較も、ガジェット好きなら興味深いかと。

ちなみに「ファブレット」とは、こんな感じの「2画面スマホ」を指すらしいです。

Galaxy Z Fold2 5G (ギャラクシーZフォールド2 5G)|Galaxy公式(日本)


◆最後の第5章では、「今日からできるDX仕事術」と題した、身近なレベルでの業務改善TIPSを多数収録。

それこそキーボードのショートカット(ただしオンライン会議で便利なものは、私は知りませんでした)や、速読法等、いわゆるハック的な要素が強いものです。

ちょっと古いですが、速読法に関しては、以前当ブログでもご紹介した、この本のやり方が紹介されていました。

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どんな本でも大量に読める「速読」の本

参考記事:【速読】『どんな本でも大量に読める「速読」の本』宇都出雅巳(2011年09月27日)

また、上記ポイントの5番目のパワポのルールは、それが本当に有効なのか検証するために、8社4513名のビジネスパーソンに、実際にこのルールにのっとって作り変えてもらったところ、「作成時間が20%減り、提案している商材やコンテンツの成約率が22%も上がった」のだとか。

もっとも、この件に関しては、越川さんのこの本に詳しいらしいので、詳細はそちらにてご覧ください。

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科学的に正しいずるい資料作成術


テレワークを本気で導入したい方なら要チェック!

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週休3日でも年収を3倍にした仕事術
第1章 週休3日&テレワークを4年続けてみた
第2章 DX仕事術は「手放す」ことから始まる
第3章 DX仕事術を支える「ギグ・ワーカーのバーチャル組織」
第4章 最新のITツール・サービスがもたらす劇的な変化
第5章 今日からできるDX仕事術


【関連記事】

【オススメ!】『仕事の「ムダ」が必ずなくなる 超・時短術』越川慎司(2019年08月30日)

【仕事術】『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』越川慎司(2020年10月06日)

【生産性向上】『職場の科学 日本マイクロソフト働き方改革推進チーム×業務改善士が読み解く「成果が上がる働き方」』沢渡あまね(2020年09月04日)

【生産性向上】『無駄な仕事が全部消える超効率ハック――最小限の力で最大の成果を生み出す57のスイッチ』羽田康祐 k_bird(2020年09月24日)

【速読】『どんな本でも大量に読める「速読」の本』宇都出雅巳(2011年09月27日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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減速して自由に生きる ──ダウンシフターズ (ちくま文庫)

こちらの自己啓発系の文庫本は、中古が値崩れしていますが、送料を足せばKindle版がお得。

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読まれる・稼げる ブログ術大全

私も著作でご紹介いただいたことのある染谷昌利さん監修のブログ術本は、中古が定価の倍近くしますから、Kindle版が1500円弱お買い得となります!


【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle本 ビジネス書キャンペーン」の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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管理職失格 新世代リーダーへの条件 (日本経済新聞出版)

参考記事:【管理職必読?】『管理職失格 新世代リーダーへの条件』木村尚敬,柳川範之(2021年02月09日)

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RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる

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良い戦略、悪い戦略 (日本経済新聞出版)

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ラクして受かる勉強法

参考記事:【裏ワザ?】『ラクして受かる勉強法』鈴木秀明(2012年07月22日)

宜しければご参考まで!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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