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2021年01月25日

【振り返り?】『1行書くだけ日記 やるべきこと、やりたいことが見つかる』伊藤羊一


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1行書くだけ日記 やるべきこと、やりたいことが見つかる


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今月初めの未読本記事にて人気だった自己啓発書。

一足先に土井英司さんがメルマガで取り上げているため、既にお読みになった方も多いかもしれません。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
Yahoo!アカデミア、グロービス、プレゼン講師、大学の学部長(2021年4月より予定)と、大活躍の著者ですが、30代後半までは「ダメダメサラリーマン」。そこから抜け出したのは、毎日の日記と振り返りを続けたからでした。その後、十数年試行錯誤を重ね、やっと形になってきた、継続が簡単で誰にでも効果が出るスタイルを、ここに公開いたします。

中古は定価を大幅に上回っていますから、「10%OFF」のKindle版がお買い得です!






diary writing / freddie boy


【ポイント】

■1.「自分にとってどういう意味を持つか」という視点で学ぶ
 たとえばファイナンス(企業の財務)のクラスをとったとします。でも「会社で自分が担当しているのは営業で、ファイナンスの知識をすぐに活かせるわけではない。でもカリキュラムにあるから、一応勉強しておこう」。そんなスタンスで学ぶのと、「今の仕事に置き換えて考えるとこういうことだな。これが取引先のスタンスを理解する上で役立つから、明日から仕事で使ってみよう」と思って学ぶのでは、1年、2年経つうちに雲泥の差になるのはおわかりだと思います。
 そうやって意味を持たせて、自分にとっての学びを抽出できる人は、どんな経験からでも「自分はこれを学んだな、未来に向けてこうなっていこう」というアクションにつなげて、変わっていくことができます。そして、そういう人と数年後に会うと、起業していたり、会社の中で目覚ましい成果を上げて自分の人生を突き進んでいるのです。


■2.「1行日記」の書き方
・1行書くだけでいい
 1行書くだけなので、どんなに忙しい人でも、毎日続けることができます(具体的な方法については、後で説明します)。
・書く場所はなんでもいい
 手帳やノートに書いてもいいですし、アプリやウェブ上のカレンダーに入力しても構いません。僕は、しばらく携行式の5年日記を使っていましたが、現在では「Day One(https://dayoneapp.com/)」というアプリを使っています。
・言葉にすることが大事
 手書きでもPCやスマホへの入力でも、大事なのは、言葉にすることです。言葉にするプロセスを通じて、自分にとって必要な体験を取捨選択して、抽象化することができます。
・たくさんルールをつくらない
 1行日記をはじめるにあたっては、あまりたくさんのルールをつくらないほうがよいでしょう。


■3.やったことを振り返る
 さて次に大事なのは「振り返り」です。
 1行日記に「やったこと」を書いたら、今度はそれを読み返してみます。
「振り返り」の時に大事なのは、
「自分にとってそれはどんな意味がある?」(So What?)
 という問いです。(中略)
「自分にとって」という問いは、大事な問いです。
 ただ目の前を過ぎ去っていく様々な事象も、すべて自分事として考えることができれば、そこから多くのことを学べます。(中略)
 その日に起こった出来事や感じたことを言葉にして記録する。それを見て、「自分にとっての意味」を考える。そして「そうか!」と気づく。この一連のプロセスが僕の振り返り方法です。


■4.日々の体験を構造化する3つのパターン
(1)共通点を見つける
 これは因数分解に近いかもしれません。別々の出来事を見直しながら、共通点と相違点を見つけて、「これが共通点だな」ということをくくり出すのです。
(2)時系列で並べる
 それぞれの出来事を時系列に沿って考えるやり方です。半年前に比べて、どのくらい成長しているのか、たとえば英語力がこれだけ向上したな、といったことを分析できます。
(3)相対的に考える
 目の前で起こっている出来事にどうしても気を取られてしまいがちですが、ひとまず「1行日記」に書いて、それぞれを見比べることで「この時の大変さに比べたら、大したことがなかったな」などと、相対化して考えることができます。


■5.「大振り返り」で「今」を「未来」につなげる
 大振り返りは、自分が描いている方向、自分が目指している道を歩いているのかいないのかを、それまでの日記を振り返りながら、1か月もしくは1年単位でチェックします。もちろん、3か月単位で振り返ることもあります。
 たとえば、こんなことを振り返ってみましょう。
・この期間、自分は成長したか
・それはなぜか
・この期間の自分にとっての意味は何か
 また、「みんなが自由に発言できる社会にしたい」「10キロやせて人前で自信を持って話せるようになりたい」「英語で仕事ができるようになりたい」といった方向性をすでに持っているのであれば、振り返って、その北極星に向かって自分が成長できるかを振り返ってください。(中略)
 そうすると、大抵の場合、1か月前、3か月前、1年前からみると、自分がなんらかの形で成長しているのがわかります。もちろん、全然進展がなく、埒が明かないこともあったりはしますが、それでも、別の側面では、何かしら変化はあるものです。


【感想】

◆タイトルどおり「1行書く」ことから、大きな広がりを生み出す内容でした。

ただし当然ですが「1行書く」だけではダメで、その後の「振り返り」が大事です。

さらに言うなら、それは「自分にとってどういう意味を持つか」を考えるということ。

たとえば上記ポイントの1番目にあるように、「今の仕事に置き換えて考える」ということができれば、大きな成長につながることができるでしょう。
 もちろん、それはビジネススクールに限った話ではなく、人生のすべてにおいていえることでしょう。仕事もそうですし、本や映画ひとつとっても同じです。 「自分にとってどういう意味を持つか」という視点で学ぶことさえできれば、何歳になっても変わることができるのです。
そしてそれは、毎日の振り返りの仕方によって、誰でもできることなワケです。


◆このような概略的な内容の第1章に続いて、第2章では、いよいよ「『1行日記』の書き方」について。

上記ポイントの2番目では、その手順が記されています。

本書では具体的にどんな「1行」が書かれているか、上記で紹介されている「Day One」の画面が掲載されているのですが、それを見ると
04日 役員会議でプレゼン。緊張した。

05日 朝早く起きて会社に行く前にジョギングをしてみた。

06日 リーダーから頼まれた資料を作ったが、やり直しになった。etc……
といった感じで、本当に出来事が1行書かれているのみ。

このようにまずは「1行書く」ことが最初のステップになります。


◆そして次に行うのが「振り返り」。

上記ポイントの3番目にあるように、まずは「自分にとってそれはどんな意味があるか」を考えます。

たとえば「誰かの話を聞いた」という経験から、
「そうか、自分は○○の領域に興味があるのだな」
「うらやましいと思ったけれど、自分も○○さんみたいに、もっと社会に影響を与えたいのだな」
という「気づき」が得られたとします。

そこから、
「そうか、これが面白そうだから、この分野の本を今度読んでみよう」
「○○さんみたいになりたいから、アポイントをとって詳しく話を聞いてみよう」
というように、「自分がやりたいこと・やるべきこと」がわかって、「とるべきアクション」を考える次第。

ただし、ある程度慣れてきたら「自分にとっての意味」以降は、書かずに頭の中で回しても良いのだそうです。

この第2章では、個々の項目について、さらに詳しく解説がされていますから、こちらもあわせてご覧ください。


◆一方第3章では、この「1行日記」の「仕事」「生活」「趣味」といった各シーンでの活用法を指南。

当ブログ的には「仕事」にばかり目がいってしまいますが、実は「英語勉強」や「ダイエット」のようなテーマであっても、「1行日記」は活躍してくれます。

そしてこうしたテーマごとにまとめ直せば、理論を構造化して、その道の専門家になることも不可能ではありません。

この辺は、noteやブログを書く際に、ぜひ参考にして頂きたいところ。

なお、その「構造化」については、上記ポイントの4番目の「3つのパターン」が非常に参考になりました。

ここではスペースの関係で具体例は省いていますが、本書ではそれぞれのパターンごとに「1行日記」の例が挙げられていますので、ぜひご確認を。


◆さらに、こうした「日々の気づき」を「未来」に結びつけることをテーマにしているのが、本書の第4章です。

たとえば「過去」を振り返ることで、「自分の方向性」や「自分の価値観」「自分の強み」等に気がつけば、それが「夢」や「目標」へとつながるハズ。

その際行うのが、上記ポイントの5番目にある「大振り返り」です。

なるほど、ある程度の長めの期間を対象に振り返れば、普段よりも、ワンランク上のレイヤーから俯瞰することができるでしょうね。

なお、本書では、この「大振り返り」よりさらに大きな時間軸で、自分の方向性を確認するのに役立つ「ライフラインチャート」なるものも、具体例ととともに登場しています。

この次元まで来たら、本書のサブタイトルの「やるべきこと、やりたいことが見つかる」というのもなるほど納得。


自分の人生をより良くするために!

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1行書くだけ日記 やるべきこと、やりたいことが見つかる
第1章 なぜ、書いて振り返ると「自分がやるべきこと」が見えてくるのか
第2章 「1行日記」の書き方
第3章 1行日記で毎日を変える──仕事・学び・生活習慣
第4章 「振り返り」で自分を知る、未来の自分をつくる
第5章 「振り返り」でより成長するために
終 章 未来をつくるのは「今の自分」だ


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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【編集後記2】

◆一昨日の「知識欲を刺激する 読みものオールスターフェア」の記事で人気だったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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参考記事:【外資のオキテ?】『武器になるグローバル力 外国人と働くときに知っておくべき51の指針』岡田兵吾(2021年01月24日)

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簡潔で心揺さぶる文章作法 SNS時代の自己表現レッスン

参考記事:【文章術】『簡潔で心揺さぶる文章作法 SNS時代の自己表現レッスン』島田雅彦(2018年08月20日)


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