2021年01月15日
【英語学習】『必ず! 報われる勉強法:頭の使い方もスポーツと同じ、「鍛錬」すれば上達する!』眞上久実
必ず! 報われる勉強法:頭の使い方もスポーツと同じ、「鍛錬」すれば上達する!
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「教育・学参関連本キャンペーン」でも注目を集めていた勉強本。基本的には大学受験用の英語勉強本なのですが、「勉強の仕方」自体に取り組んでおり、非常に参考になりました。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
まずは今日から英単語の暗記! そして他の教科のレベルアップ!
著者曰く、鍛錬すればスポーツが上達するのと同様に、脳も鍛えれば勉強が『うまく』なる。
そこから合格への道が開けます。
1年で偏差値15〜20アップはけっして夢じゃない。
報われる勉強法を一挙公開します。
中古に送料を足すと定価を超えますから、Kindle版の方が800円弱、お買い得となっています!
useful! / lindsay.dee.bunny
【ポイント】
■1.英単語を1日100個以上覚える一般的に、高等学校でやっている単語テストの範囲は1日20個程度ですが、残念ながらこれでは記憶力を向上させることにはなりません。記憶力を向上させるためには、英単語を最低でも1日100個以上覚えてください。これがポイントです。
1日100単語というと、多くの生徒は「冗談でしょう?」と言います。
でも冗談ではありません。実際にやってみてください。あなたにも必ずできます。私のところに来た生徒で、1日に100単語覚えられなかった生徒は、ほぼいません。
大切なことは、その人のもつ気迫です。
「どうしても英語の成績を上げなくてはならない。そうしなければ絶対に希望の大学に合格しない」と感じているのなら、可能なのです。その人の思いが強ければ強いほど、多くの単語を覚えられます。
■2.「シンカンセン記憶術」で1つずつ覚える
たとえばdeliberateという単語を例にとってみましょう。
deliberateの意味はおおまかに言って3つあります。ひとつは「慎重な」という意味であり、もうひとつは「故意の、計画された」という意味。そして動詞では「よく考える、何度も考え直す」という意味になります。
でも、まず1つ目の意味だけを覚えるのです。 「deliberate→慎重な」とだけ覚えます。
要するに、「シン(deliberate)」ときたら「カン(慎重な)」とだけ覚えるのです。その時点では、「故意の」とか「よく考える」の意味は覚える必要はありません。
とにかく大切なのは、このシンからカンの横線だけを覚えること。
この横線を何度も何度も覚え直し、「deliberate→慎重な」を完全に覚え込んでください。
そしてこの意味を完全に覚えた後、今度は縦線、つまり「慎重な」→「故意の」→「よく考える」と縦線で覚えます。これがセンです。
まず横線、そして縦線、この順番がシンカンセンだというわけです。
■3.発音記号は覚えない
ある学校の課題には、単語を覚え、つづりを覚え、さらに発音記号を覚えさせるものがあります。私は生徒に「そんな課題をやるのはすぐにやめなさい」と言っています。
意味をいくつも覚え、綴りも発音記号も覚えるのが悪いわけではありません。でも勉強効率からすると、まったくナンセンスです。
不必要なことに時間をかけているようでは、合格できないからです。
100時間かけたら、これだけの効果があるという時間対効果を気にしてください。
いくら完璧であっても、時間が異常にかかる方法は絶対に避けるべきなのです。
では、なぜ単語を覚えるのでしょうか?
単語を覚えることで得られる効果は絶大です。単語の意味がわかれば英文の意味がわかります。つまり英文の内容を読み取れるということです。
ところが、発音を覚えても広がりは期待できません。発音がわかったとしても、それは単純に発音問題に正解を出すためのもの──すなわち、一点でしかないのです。
■4.左に英文、右に訳文のある教材を選べ
イディオムの問題集と同じように、英文の教材を選ぶ際も、左ページに英文、右ページに訳文が載っている教材を選んでください。もちろん、右ページには訳と単語の説明の両方が載っているものがベストです。
こうした教材を使うと、わからないときは視線を右に移せばすぐに訳文が見えますから、効率的です。左ページの英文と同じ目線上の右ページに訳文が載っていると、さらによいでしょう。
読むスピードがものすごく速くなり、そのおかげで話の展開がどんどん頭に入って来て、英文を楽しめます。
はじめの段階では、こうした訳つきの教材のなかでも、小説がいいと思います。
論文よりも小説の方が速く読み進められますし、ストーリーを楽しむことができるからです。
■5.リスニングは映像化して聞く
ほとんどの人がリスニングで感じるのは、「日本語と違って、英語だと聞いた内容を覚えておくのがむずかしい」ということです。英文が長ければ長いほど、字で覚えておくのは大変になります。いちいち日本語に訳していては、次から次に流れてくる英語を聞き取れなくなります。
そこで実践してほしいのが、聞いている内容を頭の中で映像化することです。
たとえば、マーガレットさんという人が出てきたら、その人を頭の中でイメージして、「買い物に行った」「△○を買った」といった具合に、その人を動かしていくのです。
こうして映像化しておくと、字で覚えておくよりも記憶に残り、あとで苦労なく引き出すことができます。
【感想】
◆確かにタイトルに「必ず! 報われる」とはありますが、思っていたよりはるかに「ハードコア」な勉強法でした。まず驚いたのが、上記ポイントの1番目の「英単語を1日100個覚える」(正しくは「100個以上」ですが)。
私自身も大学時代に、確かにドイツ語の単語を定期テストの前日に、100個以上覚えたことはありましたが、それはあくまで「一夜漬け」であり、数日後にはきれいさっぱり忘れていました。
一方こちらは、大学受験を意図したものですから、基本的には蓄積を目指すものでしょう。
とはいえ、この「1日100個」の暗記は、単に英語の力をあげるだけでなく、著者の眞上さんによると「記憶力そのものを即強化できる」とのこと。
また、英単語のボキャブラリーが豊富であれば、他の個所で指摘されているように、英文を読む際に「辞書を引かない」ことも可能だと思います。
◆さて、ではどのように英単語を暗記していくかというと、本書で推奨されているのが、上記ポイントの2番目にある「シンカンセン記憶術」。
まず単語の意味は、たとえ複数覚えられる自信があっても、1つだけ覚えます。
いいですか? 決してしないでください。自分は記憶力がいいから一度に2、3個の意味が覚えられる自信があっても、決して一度に2つの意味は覚えません。そして、1つの意味が記憶できたら、その後にはじめて他の意味も覚える次第。
なぜなら、記憶するには、1つずつ覚える方が効率が断然いいからです。
すなわち記憶は、単純な形式で行うのが一番効率的なのです。
ただ、間違ってはいけないのは、シンカンセンと続けてはいけないということ。私はこのような覚え方で記憶したことがないので何とも言えませんが、今、英語を勉強されている方は、試しにやってみてください。
シンときたら、まずカンで止めます。そのあと、カンからセンを連想させます。
◆ちなみに、「意味を1個だけ(初めは)」という覚え方も抵抗がある方は多いと思うのですが、それ以上に面食らったのが、上記ポイントの3番目の「発音記号は覚えない」です。
確かにここの最後で言われているように、発音記号で点が取れてもその「1点だけ」でしょうが、あくまで効率性を重視するとのこと。
個人的には、発音記号などやめてしまって、カタカナで英語の読みを書き、大方の発音を覚えた後は、耳で聞いて本当の発音を覚えるという方法の方が、より効率的だと考えます。なるほど電子辞書(やネット)で、発音は耳で聞いて覚えることはできるかもしれませんが、ここまでハッキリ言いきっているのもスゴイな、と思います。
辞書に発音記号が載っているのは理解できますが、英語の単語帳に発音記号をつける必要が果たしてあるでしょうか? カタカナで押し通す方がより効率的だと思うのです。
ただ、割愛した部分にあった「単語を覚えるとき、手を使わず、目から飲み込め」という教えに関しては、「書かないと覚えられない」人もいるのではないか、と……。
もちろん、書くことが単なる「作業」になっていて、アタマがお留守になる人もいるので、その辺は本人の意志によるのかもしれませんが。
◆実はこの辺までがまだ第1章の「基礎編」で、第2章からはいよいよ「実践編」。
いよいよ、イディオムや英文法といったセクションに入っていきます。
イディオムは「動詞でまとめる」「前置詞でまとめる」「意味でまとめる」の3段階方式で記憶するのですが、ちょっと長くなるので、今回は割愛。
英文法も、基本的には上記の「シンカンセン記憶術」に沿って覚えるのだそうです(詳細は本書を)。
一方、問題集については、上記ポイントの4番目にあるように、左右見開きで完結するタイプを選ぶのだとか。
そして分からないときは、そのつど訳文を見ていくのが、一番効率が良いとのことです。
◆なお、リスニングに関して、上記ポイントの5番目にある「映像化」というのは、個人的には「目からウロコ」(常識だったらごめんなさい)。
記憶術でもよく「イメージ化せよ」と言われていましたが、リスニングも映像化すれば、記憶しやすいと思います。
またスピーキングについては、おなじみ「シャドーイング」が推奨されていましたので、こちらも本書にてご確認ください。
ちなみに最後の第3章は、大学選びの考え方等が中心でしたので、実際に大学受験をされる方以外はほぼ不要だと思われ。
もちろん、そこまでの部分だけでも、英語学習の1つのやり方として、非常に秀逸だと思うので、興味のある方はぜひご一読いただければ、と。
「ガチ」な英語勉強法がお好きな方なら、読まざるを得ない1冊!
必ず! 報われる勉強法:頭の使い方もスポーツと同じ、「鍛錬」すれば上達する!
第1章 必ず! 報われる勉強法 基礎編
第2章 必ず! 報われる勉強法 実践編
第3章 必ず! 報われる勉強法 最終編
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【編集後記】
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参考記事:【仕事術】『楽しくなければ仕事じゃない: 「今やっていること」がどんどん「好きで得意」になる働き方の教科書』干場弓子(2019年11月05日)
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ご声援ありがとうございました!
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