2021年01月12日
【考え方】『行動の品質』伊藤健太

行動の品質
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、一昨日発売されたばかりである伊藤健太さんの最新作。先月ご紹介した『「自分で稼ぐ力」を身につける本』が好評だったので、さっそく読んでみました。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
同じ時間、同じ条件でやっているのに、同じ人間にもかかわらず、成果に対して大きな差がつくのか?
それは、「学力」でも「スキル」でも「お金(資金力)」でも「前職での経験」でも「地域や業種」でも「運」でもなく、「行動の品質」にあった――。
著者の豊富な経験と知恵や知識から見いだした、行動の品質を高める思考法&実践法を、具体的な事例を交えながら徹底解説します。
早くも単行本が在庫切れして中古が高値になっていますから、「18%OFF」のKindle版をご検討ください!

Maryland Future Business Leaders of America / MDGovpics
【ポイント】
■1.「行動の品質」とは?僕が10年間で1万人を超える起業家のお手伝いをする中で、良いマインドセットを持っている人は、結果として「行動の品質」が決定的に高いということがわかりました。
行動の品質とは、
「成果を出すために、最少のエネルギーで、最大にして最高の成果を得ようとする考え方・行動」
のことです。僕が定義をした考え方です。良いマインドセットを言語化したものだと考えていただいてもOKです。
一石二鳥どころか、一石三鳥、一石四鳥、一石五鳥をどうしたら実現できるのかの考え方、行動のことです。「行動の品質」とは、飛び抜けた成果を出すために欠かせない考え方になります。
■2.正解はまわりの人が決める
まわりの人がいるときには、常にまわりに好かれることがゴールだと思ったほうがクレバーです。まわりから嫌われて損をすることは数多ありますが、まわりから好かれて損をすることなんてありません。
メタ認知が少しずつできるようになると、自分を客観視できるだけでなく、相手から見た自分、自分の憧れの成功者(ロールモデル)を客観的な存在として考えて、自分の立ち居振る舞いなどを真似たり、演じたりできるようになります。
主観的になりすぎると、問題は解決しません。
今までの経験や常識、やり方の中にそもそもの答えがない場合には、そこから答えをひねり出そうとしてはいけません。
まわりに人がいる場合には、正解はまわりの人が決めるからです。
■3.苦手なことは完全に捨てる
日本の教育システムがまさにそうです。いろいろな科目をやらないといけないですし、1つが優れていることよりも全体がうまくできることが評価されるシステムになっています。そのため、得意なことだけにフォーカスすることがとてもやりにくく、物理的に、いろいろなことに時間を使わなければいけない状態にあります。
このような前提が強いので、あえてオーバーに言えば、苦手なことは完全に捨ててしまってくださいということです。一点突破で、まずは「私と言えば、○○だ」と言えるような状況に身を置いてください。
フォーカスするべきところは、間違いなくあなたが他の人より成果を出せる部分であり、また、好きなことであり、モチベーションがあることにしなくてはいけません。
得意なことを伸ばすのは当たり前なのですが、苦手なことはばっさり切り捨てる勇気を持ってください。たとえ苦手なことが平均レベルにできるようになっても、成果には関係ありません。
■4.投資対効果を常に考える
成果が出ない人は、時間と効果、費用と効果の「効果」を見ていません。
時間や費用に対して効果が圧倒的にいいものであれば、そのことをどんどんすべきです。ただ、成果が出ない人は、効果に目を向けず、効果からの判断ができないため、手元にある時間や費用で何をするか、しないかを判断します。効果は考えずに、時間や費用のみで選択してしまうのです。
圧倒的な成果を出す人は、とにかく「効果」を気にしています。投資したものに対しての効果が良ければアクセルをどんどん踏み、と同時に、他にもっと投資対効果の良いものがないかと、いつも探しています。
「自分以外の人の時間をうまく使う」という発想をするなど、投資対効果の考え方をうまく使えるようになると、仕事の仕方、日常の選択が変わってきます。
■5.ビジネスは「WIN-WIN-WIN」
ビジネスにおいて「WIN-WIN」という言葉がありますが、実は、 WIN-WIN-WIN であると考えてください。三方よしです。
3つのWINとは、お客様(市場)、相手方(提携先)、そして、自分です。(中略)
そもそも、あなたと提携先は、誰からお金をもらうのでしょうか?
それは、共通のお客様です。お客様からお金をいただきます。
つまり、一番重要なことは、あなたと提携先が一緒に力を合わせることで、共通のお客様が今以上に喜ぶという結果が出るようにしなければいけません。
「一緒に何かをやりましょう」と、至るところで提携の話がありますが、結果になかなかつながらないで頓挫してしまうのは、まずは共通のお客様のWINが考えられていないことがあります。
WIN-WINという言葉をよく聞きますが、WIN-WINではそもそも成り立ちません。共通のお客様のWINをまず考え、WIN-WIN-WINを思考するようにしましょう。
【感想】
◆冒頭で触れた『「自分で稼ぐ力」を身につける本』で著者の伊藤さんのファンになった方なら、その「伊藤節」が楽しめる1冊でした。ただし私自身、その本のレビューで言及した「辛辣な表現」はかなり控えめ。
1か所だけ、スパッと言い切っている部分があったのですが、それでもすぐ後で詫びを入れており、前作の指摘に該当して(?)「カチン」と来た方も安心です。
……私自身は、もっとその「毒舌路線」で行ってもらってもよかったのですがw
また、前作が起業や副業志願者に対する作品であったため、それらに興味がなかった方にとっては、少々手に取りにくいものでした。
それに対し、本書はビジネスパーソン全体に向けて書かれており、より読者層は広がったと思います。
◆さて、第1章の本書全体のサワリに続き、第2章では「『行動の品質』を高める3つのポイント」と題して、本書のテーマである「行動の品質」の詳細について解説が。
上記ポイントの1番目は、そもそもその「行動の品質」とは何ぞや、について述べたものです。
中でも「最少のエネルギーで、最大にして最高の成果を得ようとする考え方・行動」という部分が重要で、その対極にあるのが、日本人が得意な「コツコツと努力する」というもの。
本書ではこの「コツコツ努力」を嫌っているのですが、努力自体を否定しているのではなく、努力が手段ではなくて目的となってしまうと、「もっと良い方法を考える」ことをしなくなることを懸念している次第です。
つまり本書でいうところの、「最速最短最少で最大最高最適な成果」が得られなくなってしまうワケですね。
◆また上記ポイントの2番目も、「『行動の品質』を高める3つのポイント」の1つである、「自分だけでなく、そもそもまわりを巻き込もうと考える」からのもの。
「仕事ができる人」といった場合に、「周りを気にせず我が道を行く」イメージがあるとしたら、それは間違いではないか、と。
特にビジネスにおける答えは、常にあなたでなく、唯一お客様が持っています。つまり、お客様を見つつ、そこからあなたは逆算しなければいけません。実際、本当に仕事のできる人ほど、「答えを先に見に」行っています。
たとえば、「上司から『資料をつくっておいて』と頼まれたときに、「資料の対象と目的」「求めているクオリティ」「スケジュール」の3つを確認するのは当然のこと。
さらに、成果を出す人は、「この仕事にかけるべき時間と効率化の最大化」まで図っています。
◆そしてこの「効率化」の概念について触れているのが、上記ポイントの4番目。
これは第4章から抜き出したものなのですが、確かに私自身「効果は考えずに、時間や費用のみで選択してしまう」ことが多々ありました。
特に「自分以外の人の時間をうまく使う」のが苦手で、結局本業の方でのアウトソーシングも、未だできていないという……。
確かにたとえ自分でできるにしても、本当に自分でやるべきことなのかは、常に自問自答すべきでしょうね。
また同じ第4章からは、上記ポイントの5番目も抜き出してみました。
「三方よし」という考え方は古くからありますが、自分と相手方との「共通のお客様が今以上に喜ぶ」という結果が出るか否かがキモ、とのこと。
もし、「WIN-WIN」がうまくいかない、という方がいらしたら、この点を顧みていただきたいところです。
「成果につながる行動」を上げるために読むべし!

行動の品質
第1章「行動の品質」を高める前に必要なこと
第2章「行動の品質」を高める3つのポイント
第3章「行動の品質」を育む方法
第4章「行動の品質」を高める 【超実践編】
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【編集後記】
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