【健康】『ハーバード大学医学部で研究してわかった、「絶対に失敗しない」5つの健康習慣』髙橋栄:マインドマップ的読書感想文

2020年11月02日

【健康】『ハーバード大学医学部で研究してわかった、「絶対に失敗しない」5つの健康習慣』髙橋栄

ハーバード大学医学部で研究してわかった、「絶対に失敗しない」5つの健康習慣

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気のあった健康本。

著者の高橋さんは、「平成13年～17年までハーバード大学医学部にリサーチフェローとして所属」されていた方です。

アマゾンの内容紹介から。

肥満、不眠症、ストレス、飲みすぎ、勃起不全―すべての悩みを、この1冊で解決!超一流の精神科医だからわかる、読んだら目からウロコの画期的健康法!

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【ポイント】

■1.週2回の「チートデイ」をうまく使う

「Cheat」とは「騙す」という意味。ダイエットの世界でチートデイというと、「ダイエットを休む（サボる）日」を指します。この日ばかりは、ダイエットを忘れて何を食べてもいいのです。
　ストイックにダイエットを頑張りすぎると、目に見えないストレスがだんだん溜まり、いつか爆発。それまでの憂さを晴らすように食欲全開となり、過食続きでダイエットを始める前より太ることさえあります。リバウンドです。
　ストイックになりすぎず、あえてチートデイを設けて適度にストレスを発散すると、食欲の暴発にブレーキがかかり、リバウンドも避けられます。
　当初からチートデイを設けると、ダイエットの効果が落ちるので、やる気が殺がれて継続するモチベーションが落ちることもあります。
　ですから、チートデイはスタートダッシュを決めて1か月間頑張ったご褒美として、2か月目以降から導入するようにしてください。

■2.アルコールのインパクトは想像以上に大きい

　さしたる根拠もなく「俺はお酒に強い」と思い込んでいるとしても、アルコールは想像以上にカラダに長く爪痕を残します。
　アルコールの血中濃度のピークは飲酒後30分以降に現れて、そこからアルコール濃度はほぼ直線的に下がります。体格や体質による個人差もありますが、平均すると1時間に処理できるアルコールは男性で9.0ｇ、女性で6.5ｇです。
　仮に日本酒を5合（純アルコール量で108ｇ）飲むとすると、男性でも完全に代謝するには12時間を要します。夜の7時から飲み始めて9時に飲み終えたとすると、翌朝9時になってやっとお酒は完全に抜けるのです。本人は夜ぐっすり寝ているつもりでも、肝臓を始めとする内臓は夜通し残業を続けるわけですから、翌朝お酒が完全に抜けてもカラダには疲労が溜まっています。

■3.依存からの脱却は「毒をもって毒を制す」

　よく、「依存を断ち切るため、酒に代行できるものを探そう」と言われてきました。じつは、ここで言っているのは、このことです。
　今までと違うところは、依存物（欲の対象）を依存物（欲の対象）で代行することです。ずっと酒の代わりに、運動しろ、本を読めなどと言われてきたと思います。
　しかしこんなものは代行品にはなりません。運動や読書に酒ほどの「渇望させる力」はありません。依存物は依存物で代用するしかないのです。快楽同士で置き換えるしかないのです。「毒をもって毒を制す」です。
　依存する対象を増やし、それぞれの依存力を減らしましょう。そうすれば、それぞれは依存ではなく、嗜好程度になります。

■4.EDは身体の危険を教える「炭鉱のカナリア」

　動脈硬化症は全身の動脈で等しく起こりますが、細い動脈ほど影響が出やすくなります。陰茎に血液を運ぶ海綿体動脈の直径は1～2㎜。心臓を養っている冠動脈の直径はおよそ2倍の3～4㎜です。
　海綿体動脈に動脈硬化症が起こってEDが生じているとしたら、その次はもっと太い動脈で何らかのトラブルが生じる危険があります。動脈硬化症で心臓の血管が詰まると心筋梗塞、脳の血管が詰まると脳梗塞になります。前述のように日本人の死因の2位は心筋梗塞などの心臓病、3位は脳梗塞などの脳卒中。両者を合計すると、犠牲者の総数は1位のがんに迫ります。EDは、心臓病や脳卒中の危機が差し迫ったことを知らせてくれる「炭鉱のカナリア」なのです。
「性行為は卒業する」とうそぶく人でも、人生を卒業する（＝死ぬ）とまでは達観できないはず。だからこそED対策を早急に始めるべきです。

■5.睡眠の行動療法、10のポイント

①年齢に応じた睡眠時間の減少を受け入れる
②「不眠なんて大したことない」と開き直る
③規則正しい生活リズムを作る
④何時に寝ても起きる時刻は同じにする
⑤30分以上の昼寝をしない
⑥日中ゴロゴロしないで、できるだけカラダを動かす
⑦毎朝日の光を浴び、夕方以降は強い光をできるだけ浴びない
⑧夕方以降はカフェイン飲料を控える
⑨毎日浴槽入浴をする
⑩寝る時刻にはこだわらない

【感想】

◆当ブログでは、今まで何冊もいわゆる「健康本」と呼ばれるジャンルの作品をご紹介してきましたが、本書はそれらと若干異なる内容でした。

もちろん、大筋の「健康法」自体は、類書と異なっていないものの、取り上げるテーマが違うと言いますか。

たとえば第1章は「食欲」がテーマなのですが、「食事本」にあるような食材の話と並行して、食事日誌を付けることや、上記ポイントの1番目にある「チートデイ」についても述べられています。

こういう「メンタル」に関係したお話が出てくるのは、著者の髙橋さんが、精神科医であることがあることが関係しているからかもしれませんね。

なお、この「チートデイ」ですが、「デイ」と言いつつ3食とも爆食してはダメで、朝昼晩のうちどれか1食のみ、とのこと。

3食×7日で1週間に食事は全部で21回。2回くらい爆食しても、残りの19回で本章のガイドライン通りの食事を守っていたら、ダイエットの足を引っ張ることはありません。

具体的なガイドラインについては、本書にてご確認ください。

◆続く第2章でも「減酒」という、やや珍しいテーマを取り上げています。

そもそも日本人は、人種としてアルコールに弱い、というのは類書でも言われてきたこと。

さらに本書では「多量飲酒者」と「アルコール依存症」の程度の違いについても触れられていました。

「多量飲酒者」でも十分「アル中」と言えるレベルなのですが、「アルコール依存症」になると、たとえば泥酔した翌朝から飲み始めるのだとか。

そこまではいかなくとも、上記ポイントの2番目にあるように、夜寝ている間にも内臓に負担をかけているワケですから、パフォーマンスを気にする方なら、まったく飲まなくてもいいように個人的には思っています（全然お酒が飲めない自分）。

◆また、類書でも見た記憶がない内容だったが、第3章の「欲を分散して依存を抑制する」。

要は、食欲や飲酒欲、性欲といった「欲」を分散させることによって、依存症にならないようにしましょう、というのがテーマです。

上記ポイントの3番目にあるように、「毒をもって毒を制す」というのが髙橋さんの主張。

とはいえ、

　飲酒、食べ物に依存するのはカラダによくありません。お金もかかります。ギャンブルは、間違えば大金を失ってしまいます。私は性欲に重きを置いて欲を分散し、健康的な性生活を送ることができれば、自然と健康なカラダも手にすることができると思っています。

という主張には、目がテンになりましたがｗ

◆しかし本書では続く第4章で、「性欲」の妨げになる「ED」を取り扱っていますから、髙橋さんはガチのよう。

もちろん「ED」にも言及したこのような本も、当ブログでは扱ったことはありました。

「男性医学の父」が教える最強の体調管理テストステロンがすべてを解決する!

参考記事：【中高年男性必読!?】『「男性医学の父」が教える最強の体調管理テストステロンがすべてを解決する!』熊本悦明（2019年11月01日）

しかし本書では意外にも、この作品並に「ED」に関して掘り下げており、たとえば「ED」の原因は、ストレスやうつ病ではないとのことです。

また、上記ポイントの4番目で言うように、EDは「炭鉱のカナリア」だそうですから、その傾向がある方はご留意ください。

私も若い頃のように朝●ちはしなくなってきましたから、本書で推奨されているローヤルゼリーも試してみようかな、と……。

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◆一方第5章は、「睡眠」がテーマなのですが、当ブログで取り扱う本の多くが、一般的な「睡眠不足」を扱っているのに対して、本書では、寝たくても眠れない「不眠症」を論じています。

……私なんぞ万年睡眠不足で、ベッドに入ったら5分以内に寝落ちしていますから、正直この章はほとんど役には立ちそうもないのですが。

なお、髙橋さんいわく、「すぐ睡眠薬を出すドクターは眠りの専門家ではない」のだそう。

代わりに本書で推奨されているのが、医者や心理士などが行うカウンセリングの一種である「行動療法」。

上記ポイントの5番目の10のポイントは、本書ではそれぞれについて解説されていますから、詳細はそちらをご覧ください。

健康的な生活を送りたい方なら、要チェックで！